【感想・ネタバレ】教室を生きのびる政治学のレビュー

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Posted by ブクログ

なぜ学校でも社会でも、人間関係で打ちひしがれている人がこんなに多いのだろうという疑問があったので、この本を読みました。
人間関係がうまくいかない理由は、「私という存在がダメダメだから」ではなくて、「なぜかそうなっちゃう組み合わせにすぎない」から、と著者は言っています。そう思って肩の力を抜いてみるとうまくいくこともあると。
あと、「自己決定すること」と「自己責任論」をきちんと区別して、無力な自分を理解して、無理なことに関しては正しく人に助けを求める人間こそ、自立した人間なのだろうという所にすごく納得しました。

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2023年12月12日

Posted by ブクログ

何でも自己責任と言われ、子どもの自殺者が増える社会で、政治学者の岡田氏が、今後の社会を担う中高生に、政治や民主主義をわかりやすく考えを伝え、生きていくヒントを与えている。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

政治 というと、自分の生活からは遠い事のように感じていました。本書を読んで、とても身近な事なのだと学ぶ事ができました。くさらず、できる範囲で出来る事をやっていこうと思えました。

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2023年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

政治とは「権力を通じて、誰かの利益になるように他者の行動をコントロールすること」で、「選んで決める」という性質を持っている。
議論や話し合いの目的は、「共有している部分と、別れてしまった部分の確認・記録すること」であるので、変わりうる自分を認められなかったり、論破してしまったりしては、目的から外れてしまっている。
自分の意見を言えない理由は、①自分の経験の範囲を超えている②言い方がわからない③言えないのではなく、「言わない」などがある。それでも、言えない人にもフォロワーとして「ひたすら聞く」「記録する」「言えた人を励ます」などできることはある。
日本では「リーダー」と「上司/キャプテン」の区別はないため、「リーダー」がただの責任者として忌み嫌われてしまう。「トップ」ではなく「仕事の種類」としての
リーダーにとらえなおすことが必要で、「自分たちの状況を理解し、選択肢を考え、選択の結果とコストを提示し、どれを選ぶのか尋ねる」というタスクを言葉を使って表現する機能が求められる。
「自己責任」が問題になるのは、「自由に選択できた場合」のみで、そうでない場合には、問う必要も意味もない。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

学生は教室という空間こそ世界であると思いがちで、ここでうまく平穏を勝ち取ろうと処世術を学んでいき日常をやり過ごす。そこから脱落or排斥された者を自己責任だとレッテルを貼って周りが看過してしまう事態はとても悲しい。もちろんその教室は世界の全てではないし、自己責任という優しさの放棄も許しがたい。不平等は無くならないけど、やり直しはいくらでもできる。私たちは完璧ではなく、幾度も人に迷惑をかけてしまうのだから、人に迷惑をかけられても許せるようになればいい。そこに民主制は芽生えてくる。可視化できない心の機微に政治の良さがある。世間での政治に言葉は大切だが、フリップや連呼するワードは発信側の責任の軽さにも通じる。そこに機微はあるのか私は訝しむ。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

政治家たちの不祥事が取り沙汰される昨今、教室を生きのびる政治学とは面白いタイトルだな、と思って手にした一冊。

扱う内容はいいけれど、クセの強い口語文体で、読むのに苦労した。中高生だとこうした文体の方が読みやすいのかな……。
政治学というのは身近に存在している。そのことを学校生活の一部を切り取って説明してくれるので、なるほどなと思う点は多かった。
ただ、教室を生きのびるために政治学が役に立つとうたっている点に関しては、うまく理解できなかった。政治学の知恵というより、筆者の知恵は役に立つので、読んで損はしないけれど。

まとめると、筆者からの中高生への熱いメッセージがつづられた本、という感じだ。
友だち・話し合い・リーダーシップ・不平等・自己責任・民主主義……読めば、社会の仕組みへの理解やものの見方が豊かになるし、モヤモヤもスッキリするはずだ。

中高生に読んでほしいけれど、なかなか読みづらい(そして政治学の繋がりがわかりにくい)ので星3つ。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

『政治学者、PTA会長になる』が面白かった(著者 オカケンの吠える声が今でも耳に残っている…)ので、同じ学校現場関連で本書をチョイス。

PTAでは親御さん世代が対象であったのに対し、今回は(一応)中高生向けに執筆されている。「自分の身の安全を確保し、学校生活をサバイブしてほしい」というのが本書におけるメッセージだ。
学校はいわば社会の縮図。政治学をその小さな社会に当てはめることで、身の回り半径5メートル以内の「安全保障」につながる、というわけだ。

中高生対象なだけあって、今回のオカケンは超ノリノリ!
ほぼ話し言葉だし、まるで階段教室に全国の中高生を集めた臨場感たっぷりの講義を行なっているみたい。(その分脱線したりとまとまりがないように感じることもあったけど)
本文の主役とも言える若人の声・本音はあくまでオカケンが作り出したものだが、言い分はよく分かるしこれでもかとこだましてくる。

何よりもここで大切にされていることは「分節化」だ。
ビッグワード(「社会」など抽象度が高く汎用的な言葉)について、「そもそも〇〇(ビッグワード)」とは何かを分析し、必要とあらば何種類かに切り分けている。
・「友達」→「自分以外の区分け(クラスメート・違う組の知らない人….)」
・「意見を言わない人」→「彼らが意見を言わない理由」
等を列挙・解析することで、大きな壁みたく立ちはだかるビッグワードを見極められるよう促している。ビッグワードを振りかざされるたびに立ちすくむこともなくなったりして。

表向きは中高生向けだけど、中高生だった自分にも今の生活において共感できる点が多かった。「友達100人なんてもってのほか、友達よりも”仲間”を作る方が必要!」の話は心がほぐれる…。

何かを取り決める時(本書では学祭の出し物を決めるクラス会議が引き合いに出されていた)、「みんなの心を一つに!一致団結!」の精神論がもてはやされがちだけど、「仲良くもない人たちに合わせたくない」というのが大体の本音である。
でも人間関係が合わないのは自然なことだし(オカケン…ではなく哲学者フッサール曰く、「なぜかそうなっちゃう組み合わせにすぎない」)、協力する動機なんか正直何だって良い。意見が対立したら損得勘定で対応したって良い。
心の安全さえ確保できれば、それくらいドライでも良いのか。過去の自分に教えてあげたい。

「僕たちは弱くて小さくて助けが必要だ」
「学校なんか命をかけて行くところじゃない」

何のために学校へ行くのかを問われると、悔しいかな親や教師が吐いたような文言しか出てこない。そこで展開される教育の目的も然りだ。
オカケン曰く(二度目の正直!)、その真の目的は「勇気と覚悟をもって自分で考えて決断できる頻度の高い人間を社会に送り出すこと」だという。「生きのびる=正しいと判断したことを実行できる」フィールドが教室でなくても良いのだ。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

学校での誰が決めたか、なんの理由か分からん校則、クラスでの文化祭の提案や多数決やその後のモヤモヤ。口に出さないけど皆、感じている。直接的な解決策ということが書いてあるわけではないけれど、個々やら群衆やらのパワーやバランスが現実的に俯瞰されている内容だった。

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2023年08月11日

Posted by ブクログ

すこし読みづらいが、読んで良かった。
自己決定と自己責任は別。
無力な自分を理解して正しく助けを求めることができるのが、自立。

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2023年07月22日

Posted by ブクログ

もし、私が中高校生の立場で読むならば、この本みたいに若者言葉でタメ口&「俺は大学教授」という上から目線、
もぉ絶対「ムーーーーリーーーー」なんだけど、、、

同じ大人として、筆者が中高校生へ、人間は皆完全じゃない、それをわかって、なんとしてでも生き延びろよ、というメッセージを送りたくて書いたんだなということは、よくわかった。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

堅苦しい『政治』と苦手意識を持つ人にこそ読んでほしい本。学生向けに書かれているから、日常生活に落とし込めるレベルまで具体例が挙げられていて飽きずに読める。
学校、職場、人がカタマリになるとルールも社会も政治も存在していると思う。根本的な考え方や仕組みが見えて、自分がどう向き合うべきかが見えてくる。どこにいっても人は集団で社会の中に生きることになるから、生きづらさを感じたら仕組みから分解するといいかも。

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2023年06月30日

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