感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2017年08月26日
日本のすぐれた定時性は、回転率を極限まで高めていることの裏返しという指摘はもっともだと感じた。(良くも悪くも)日本の鉄道が上下一体・独立採算で運営されていることで、高い効率性が達成されており、それを実現するに至った文化的背景や技術にも触れられている。
Posted by ブクログ 2012年04月27日
非常に面白かったです。
日本の鉄道が世界一正確だということはなんとなく知っていましたが、その背景として日本人の時間に正確な国民性、地理的制約、鉄道会社の努力があったことは知りませんでした。
都市形成において、鉄道が果たす役割の大きさにも改めてびっくり。
すべてにおいて、スケールが大きい話なんだけど...続きを読む、一方で非常に身近な話でもあり、読みやすい本でした。
ちょっと前に発行された本なのでJR西日本の列車事故や、最新のシステム
の話などはわかりません。そういった話も知りたくなりました。
Posted by ブクログ 2012年01月23日
日本が世界に誇れる(数少ない?)ものの1つ「定刻発車」を江戸次第までさかのぼる歴史面・鉄道システム面から分析。こういう作者と当事者たちの熱が伝わってくるドキュメンタリーは好き。これを読むと、無愛想な駅員さんや電車の遅延もなんだか許せてしまう。
Posted by ブクログ 2011年07月24日
中国の鉄道事故のニュースの接し、自分の本棚にあった関連書を再読。
のぞみ号を3分間隔で定刻運行する新幹線の安全確保の本質にふれることができる。
280Km/hからの制動能力は約4Km、1分半。前方の異常から残りの1分半以内で非常ブレーキを100%確実に作動させなければならない。しかも、その1分半に...続きを読むは乗客、自然現象、事件、設備故障、人間のミスなど様々な撹乱要因が襲い掛かる。
「鉄道事業のほとんどの人は、運転士を支えるために働いているといっても過言ではない。定時運転の実現は、大勢の鉄道員の緊密な連係プレーに支えられた結果であり、最後の決め手が運転士の腕前であるのだ」...鉄道の技術の海外移転の課題を垣間見ることができる。
著者が女性であることに、後書きを読むまで気がつかなかった。
Posted by ブクログ 2011年01月16日
鉄道ファンなら読んでおきたい教科書的な本。日本の鉄道の優秀さと、陰で支える鉄道マンの努力がよく伝わってくる。日本の鉄道システムは、(いい意味での)ガラパゴスの1つだと思う。
Posted by ブクログ 2010年06月26日
タイトルと表紙だけみると「乗り鉄」向けの軽めの趣向かと思いきや、実際は「鉄道運行論」「鉄道会社社会学」とも言えそうな、硬質で明快な内容で、面白く読めた。
鉄道会社のOBや関係者への深い取材量を感じさせる。そのため、示されるデータがpracticalで、論旨にも説得力がある。乗り手のみの視点だと、こ...続きを読むれが軽いままになっていただろう。
季節ごと、週ごと、日ごとの人の動きを「波動」と表現してデータベース化し、次の運行計画をシミュレーションする。たくさんの部品が集まって列車を成し、たくさんの列車が1つの運行システムを成す。このシステムの奇跡的な定時運行には、乗客も「協力」するよう、必然的な「訓練」がなされてきたのた、という主張もあって、乗る側ばかりの自分としてもちょっと新鮮な発見だった。
Posted by ブクログ 2010年01月06日
卒業論文参考書。
日本に定時法が制定され、いかに日本人が順応していったか。時間意識と鉄道との因果関係を主に取り扱う書籍。鉄道に関する技術的な記述もあり、この手の研究をする人にはもってこいな一冊。
参考書だけあって、持っているのは付箋だらけ。
Posted by ブクログ 2011年12月21日
たった一分一秒の遅れを出さないために、こんなにも努力がされているなんて。
それぞれの仕事を真剣に頑張る鉄道関係者たちは貴い。
だけどなんかバカらしくなる。ほんの少しの遅れで怒り狂う人たちが。
鉄道側のみならず利用者側にもミスは許されない。
ラッシュの満員電車に子供老人妊婦おのぼりさん障害者その他、...続きを読む流れを乱す弱者は乗れない。乗れば白眼視される。
電車の遅れ・その結果の遅刻、どちらも許しがたい行為。
ってそこまで神経質に遅れを許さない社会ってどうなの?
Posted by ブクログ 2012年03月01日
以前、ハード版で読んですごく面白かった印象がありました。思ってもいなかった文庫化に、即購入。帯の言葉どおり、毎日電車で読んでいます。このタイミングで文庫化されたというのは、偶然とはいえ凄いものを感じます。
心に残るのは「良いダイヤは遅れない」と言う言葉。日ごろから遅れがちであった、福知山線のダイヤ...続きを読むはそのスジの人から「アクロバティックなダイヤ」と呼ばれるほどだったとか。良いダイヤに必要なのは、まさに「ゆとり」であると思い知らされました。
Posted by ブクログ 2016年11月20日
日本の鉄道は何故正確なのか?
鉄道マニアなら一度は思うであろうそんな「謎」を、マニア的な視点からは程遠い、驚くべきアプローチにより解き明かした1冊。
「何故正確か?」の前に「何故正確さを求めるか?」という問いを喚起し、鉄道開業以前の日本社会にその起源を求めた手法は、まさに驚愕の一言。目からウロコ...続きを読む、とはこのことです。
システムの冗長性、あるいは運転司令室の緊迫感についての記述も、マニアではない作者の筆によるからこそ、分かりやすくかつ説得力を持って読者に伝わってくるのだと思います。
ちなみに、文庫版あとがきが書かれたのが05年3月、出版されたのは5月。その間にあの尼崎事故が発生しています。
もし、本書が世に出るのが数ヶ月遅ければ、果たしてどんな内容になっていたのでしょうか…
Posted by ブクログ 2015年07月19日
日本の鉄道は、世界で最も時刻が正確であると言われている。鉄道関係者に取材をしてかかれたドキュメンタリー。
日本に鉄道が来る以前、江戸時代においても、寺社の役割として時を告げる鐘をならしていた。日本人には、一般の人々にも、時刻に対する感覚が養われていたのではないかと筆者は推測する。
また、鉄...続きを読む道開業後の日本の地理的要因、街道沿いには比較的短い間隔で宿場町があったこと、そのため鉄道の駅間が短くなり、各駅間をおおよそ決められた時間で走らねばならない状況にあったのではないかと考えられる。
現在、網の目のように張り巡らされた大都会での鉄道網は、一度どこかで列車が止まると、それが、他の路線に大きな影響を与え、たちまちダイヤに乱れが起こってしまう。
日本の鉄道マンの、列車を遅らせないための技術は、運転士の秒単位での運転技術に、万が一にもトラブルを起こさないようにするための保線や、メンテナンスなど、様々な役割の人たちが、そのなかで最善の仕事を果たしている。
非常に細かく調べられている。平成13年に単行本として書かれたものだが、その後、運行上のコンピュータサービスの進化、ICカードサービス、インターネットを使った顧客サービスなど、かなりのサービス向上がなされている。
その反面、残念な事故も起こっている。鉄道の利便性をあげることも大切ですが、利用者は当たり前のように定時運転がなされている裏で、多くの鉄道に関わる人々がしている仕事について考えてみてもよいのではないかと思う。
Posted by ブクログ 2013年02月28日
日本の鉄道運行ダイヤの正確さは世界的に有名だが、この正確さを支える仕組みがなんなのかを素人でもわかるように解説されている。
そもそも、日本の「時刻」対する認識はヨーロッパなどに比べてもも古く、平安時代から、人の出生の時刻が刻まれていた、というのは興味深い。
Posted by ブクログ 2011年12月15日
鉄道運行のとっかかりとしては最適な本だと思う。軽い日本の鉄道に関する歴史から始まり指令室でのダイヤ回復の動き。ダイヤの解説など盛りだくさんである。広汎な解説もありなかなかおもしろい。駅が多い方が回復運転がしやすいなど目から鱗である。
Posted by ブクログ 2011年07月16日
日本の鉄道は世界でも類がないくらい時刻に正確です。
それは何故なのでしょうか?
また、どのようにそうした定時運行をしているのでしょうか?
日本だから可能なのか?
いろいろと裏話がわかり面白いです。
Posted by ブクログ 2011年05月09日
なぜ日本は列車の発車で時計を合わせられるほど鉄道が正確な国になったのかを解き明かした名著です。
日本全国どこでも寺社や町で時を知らす鐘があってすでに江戸時代に一般庶民まで時間を気にして生活する文化があり、国と江戸を頻繁に行きかうという地方と都市あり方が参勤交代によって形成され、伊勢参りなど旅行が...続きを読む庶民の文化として根付いていた背景が「鉄道が時間に正確に動く」ことを前提とした社会を作り上げていったと説明しています。
また、技術やシステム工学的な説明も正確でわかりやすいです。列車が遅れないようなダイヤ作りや、コストは高いが冗長性の高い方式の電車(動力分散方式)を採用し、貧弱な駅や線路を効率よく使用する工夫などを通して安定したシステムを作り上げ、高い技量をもった運転士をチームプレイで支える組織の存在が「鉄道が時間に正確に動く」ことを加納にしていると説明しています。
日本の鉄道の正確さを通して社会、経済やくらしと交通のあり方について述べている鉄な人以外にもお勧めです。
Posted by ブクログ 2010年10月10日
けっこう本とかにはうるさいであろうゼミの先生に薦められて読んでみた。
おもしろい!
遅延しても「おい、なにやってんだよ」って言えなくなる。
それくらい今の日本の鉄道は奇跡で異常。
奇跡を創りだした色んな要素について細かく書いてあって、「おもしろい本」になってるかな。
来年の自分の立場も考えて...続きを読む読んでみたんだけど、とてもためになりました。
ただ最後のこれからの鉄道ってところは、なんか色んな可能性に手を出し過ぎててなんだか、よくわからなくなってしまった。
とりあえず、買って読む価値あり。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
電車が生まれた歴史から現在の定刻発車への技術システム、そして未来への可能性。それが丸ごと一冊に収まったこの『定刻発車』。電車好きと、毎日電車を利用される方におすすめです。
気候にも左右される鉄道。
折りしも台風が近づいている今日この頃。鉄道人たちの総動員を応援いたします。
Posted by ブクログ 2015年12月02日
一部で"神アプリ"と言われているYahoo!路線検索の責任者からプレゼントされた本。日本の鉄道の"定刻運転"はまさに神レベルらしい。なぜそうなったのか?それを考察するのがこの本である。
本書ではまず日本の鉄道の定刻運転がどの程度精巧なものなのかを解説する。曰...続きを読むく「もし定刻運転のオリンピックがあったら日本は万年金メダル」とのこと(笑)。すごいレベルだ。
続いて、核心である「なぜ?」に迫る。ザクッと書くと、歴史・文化的背景と、近代日本の急激な都市化に要因があるらしい。歴史・文化的には、まず参勤交代の正確な運行があるらしい。かつ江戸期の日本は寺の半鐘が数十分ごとに時報をする"時鐘"の制度が確立されていてどの階層でも時間感覚に鋭く、ペリーは「日本は時鐘がうるさい」と回想しているほどだったそうだ。
もう一つの要因は、文明開化、富国強兵といった開国後の日本政府の方針により鉄道もどんどん延長されて行き、かつ東京や大阪など大都市圏への人口の集中が増し都市機能が集約化されるに至って鉄道網の精密化と正確さが増した、あるいは、人の移動を司る鉄道が正確さを増したが故に都市の集積化、大規模化も可能になったという相関性があるらしい。なるほど、深い。
本書はその後、その定刻運転の具体的技術の解説に没頭していくが、さすがに私は読み飛ばしてしまった。。そして、最終章は、日本の鉄道の未来。結局、技術というのはその時代、時代の要請に応えるものであり、完璧とも言える定刻運転の技術は都市化の増大と日本人に画一さやせっかちさをもたらした。そういった生活のリズムや価値観が今後、社会の成熟化に伴い、"個別化"や"ゆとり"の方にシフトしていくと、自ずと鉄道の技術もそちらの方にシフトしていくだろう、ということを最後に予測している。その兆候はまだ見られない気もするが、これからは十分に考え得ることのような気もする。
何れにしても、部下がプレゼントしてくれなければ、絶対に読まなかったような本。こういうセレンディピティーは嬉しいものだ。電車のに乗っだ時の目も変わること間違いなし。
Posted by ブクログ 2015年01月15日
定刻発車の日本の鉄道の理由、仕組みを説いたもの。江戸時代の参勤交代にダイヤの発想があったこと、新宿や東京駅を始発ターミナルから通過駅にすることで停滞を解消、メンテナンスの重要性、といった事が印象に残った。2015.1.15
Posted by ブクログ 2013年04月14日
けっこう読むのに時間がかかった。。途中で読むのが疲れちゃった・・・かな?
随所で「へぇ」ポイントはあったものの、基本は「日本人きっちり」「みんなの協力のもと定刻が維持されてるんだよ」ということを中心にして、話が展開されていく。取材を元にしたレポートもあるが、結構筆者の想像である部分も多い。同じような...続きを読むことを行っている部分も何箇所かあったような気がするので、もうちょっと本薄くできたんじゃない?とも思ったりする。
Posted by ブクログ 2011年10月28日
日本の鉄道の定時運行率は世界的に見て特異。欧州でも15分未満の遅延は遅れにカウントしないというが,日本は1分1秒違わぬ運行を目指すのが当然とされている。その背景・経緯をいろいろ考察してある。
Posted by ブクログ 2011年10月17日
1.日本の鉄道は1分遅れただけでなぜ謝るんだろう。2.スジ屋の仕事を詳しく知りたい。そんな動機から適当に検索して出会った本です。本書はどちらかというと「1」の方を掘り下げたもの。
まず、データとして本書の内容を引用しますと。
・JR東日本の1列車あたりの遅れは、平均してわずか0.3分。
・JR東日...続きを読む本の定時運航率は新幹線で96.2%、在来線で90.3%、欧米の定時運航率は約9割。ただし、日本では「1分」の遅れから「遅れ」とみなされますが、欧米などでは「10分」「15分」からが「遅れ」とみなされます。
本書序盤は、日本の鉄動の正確さの起源を考察していて、それは江戸時代やそれ以前までさかのぼっての「国民性」ではないかという論を展開します。正直、ここの部分は、資料が少ないせいもあるのでしょうが、検証よりも推論が多く見られ、それなりに納得できるんだけど釈然としないものも残りました。まぁ、著者の考えであると割り切れば良いのかもしれませんが。
その後、明治維新後の鉄道の始まりから戦後に渡って、日本の鉄動がどのように「正確さ」を獲得してきたかが書かれます。そこには、正確であるべきと言う漠然としたものが、あるひとりをキッカケにシステム化されていくさまが描かれていて、なかなかに刺激的です。
その結果。昭和40年代の「お召し列車」の運転手が「東京-名古屋-京都-新大阪の運転で、停車位置1cm、時間は5秒以内の誤差しか許されていなかった」ことが証言され、「ただ、特別な事情が無ければ誰でもこの範囲で運転する」と信じがたいことを語っています。今から40年前でそうだったのです。
後半は、実際に「定刻発車」をするために、どのような工夫と努力がなされているのかに割かれています。このあたり、実際の我々の日常ともリンクします。そして、21世紀を迎えて検討されている「新しい鉄道ダイヤの仕組み」にも言及され、それは今の定時運転とは全く別の概念なのですが、なるほど「必要な時、必要なところへ、必要なだけの鉄道を」とでも言いますか、鉄道の「オンデマンド」を感じる側面がありました。
私的に、前半の推論の多さが気になったので☆は3つですが、総じて「鉄」の方なら興味深く読めるでしょうし、そうでない方でも、日本の鉄道の正確性になんらかの疑問なり興味なりを持っていれば、面白く読めるのではないでしょうか。
※読んだのはハードカバーでしたが、文庫版でレビューです。
Posted by ブクログ 2011年11月06日
電車が定刻通りに発着することは、日本以外では考えられないことだというのは、聞き知っていたが、それが凄まじいまでの執念により達成されていることが分かった。
ありがたいことです。
Posted by ブクログ 2010年05月30日
電車が2~3分遅れるだけで腹を立てる日本人。
なぜ私たちは“定刻発車”にこだわるのか。
その謎を追うと、江戸の参勤交代や時の鐘が「正確なダイヤ」と
深く関わり、大正期の優れた作業マニュアル、鉄道マンによる
驚異の運転技術やメンテナンス、さらに危機回避の運行システム
などが定時運転を支えていた!
...続きを読む
「なんで時間通りに電車が来ないんだ!?」ということを
私は海外に行くたびに感じます。
ではなぜ日本の電車は時間通りに運行しているのでしょうか?
その答えがこの本にあります。
江戸時代にはすでに一刻ごとに鐘が鳴り、人々はそれに合わせて
生活していました。
つまり「時」の感覚が根付いていたのです。
このことが、電車の定刻発車システムをよりスムーズに浸透させた
理由だそうです。
たった一本の電車を動かすのに必要な人員は
車掌、運転手、司令塔の人、安全確認の人、
電車を作った人、その電車を動かすシステムを作った人
…数え切れないほどたくさんの人がいます。
そんな当たり前のことを今更ながら再認識させてくれる一冊です。
たくさんの影武者に支えられて、今日も電車は定刻通りに走って
いきます。
筆者によると、将来的には電車にはハンドルがつき
(これによって線路に置かれた障害物が避けれる)、
オンデマンドで運行する(携帯でX時X分発の電車を予約し、
それが満席なら需要に合わせて増発するシステム)
時代がくるかもしれないそうです。
「そんなことできるわけない!」と思いますが、
紙が電子化されている現代では、案外起こりうることかも
しれません。
Posted by ブクログ 2010年04月25日
日本人らしさが伝わった。
せっかち、時間
日本全員の強力によって行われていることであり
参勤交代がモデルかもしれない。
ドイツ人の友達のテイジーが厳しいように鉄道の正確さと時間の厳しさは近いものがある。
ただし鉄道業務は非効率的なこともあり、情報化が進むことによりさらなる進化が考えられる。
京...続きを読む大の人が就活塾で言ったいた、自立した公共交通機関が目標になるのかもしれない。