【感想・ネタバレ】卒業式まで死にません─女子高生南条あやの日記─のレビュー

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Posted by ブクログ

メンヘラのバイブルです。自殺してしまうとは思えないほどポップに綴られた日記。
オーバードーズやリストカットなどを繰り返すあたりかなり病んでいたのは事実ですが…。

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

すごく良かった。
私も彼女と同じ、学校に通えてなくて、うつになり始めた18歳の頃にこの本を読み始めて、読み終えた今では19歳になってしまったけど、依然としてうつ病で、リストカット癖があって、精神科に通ってて、文章を読んだり日記を書いたりするインターネットと夜更かしが大好きなサブカル系の女の子だ。

彼女はそこにいた。まるで友達みたいに。

読み始めたときは彼女の自傷と自嘲がとにかく悲しくて、なんて痛々しいんだろうと思って胸が苦しかったけど、合間合間に挟まれるユニークな言い回しと普通の女の子の日常にそれらの毒々しさが飲み込まれていってスルスル読んでしまう、過激ながらも楽しい文章だった。
本筋とは関係ないが、病院の処方のガバさとか未成年の精神的な病に対するアプローチの確立されてなさとかインターネットのアングラでディープな感じとか、90年代の空気感が素敵で、完全なる未知の世界を生の視点から見られて面白くもあった。
そんな簡単に酒も飲めたのかよ!?そんなに薬を処方しちゃうのかよ!?父親の分の薬を娘に渡すのかよ!?彼女はこんなにひどい状態なのに、もっと強力な介入はできないのかよ!
などなど。

おまけに未成年がこんな文章を書いてることを特集して記事でインターネット・アイドルなんかにしてしまう大人たち!どこまでも無責任だ。お前らがそれは、ダメだろう。痛みや悲しみを他人が、それも大人が子供の言い分にホイホイ乗っかってエンタメとして消費して拡散なんて、恥ずべき行為だよ。
おおらかっつーか、雑で野蛮な時代だったんだなと思いました。空気感、エモいがヤバいな。
そんなわけあるかい!それアリなんか!?の連続だった。

しかしそんなことを思いながら、そのうち、私は、いつの間にか友達みたいにくすくす笑いながら彼女の文章を読んでいた。

友達同士だからこそ、素直に心配されるより酷い現状を不謹慎に笑い飛ばしてもらいたいことがたくさんあって、私の身にもたくさんあって、そんな同世代の友達(インターネットでも、現実でも)の不謹慎さと刹那的な笑いに私は救われていたんだ。彼女の文章は、まさにそういうものだった。

傷の舐め合いというよりは、リスカ跡を見せ合って「お前やべーな」「やってんなぁ!」って笑い合うみたいな、無言の仲間意識みたいな。
どん底でゲラゲラ笑いながら一緒にトリップしてくれるみたいな。
道徳的じゃないけど、それもまた唯一無二の友達のスタイルだ。私はそれを思い出さずにいられなかった。

だから、その方が彼女にも私にもいいと思って、楽しく読んだ。途中から完全に友達の日記を読むような気持ちだった。
電車の中でこの本を読みながらついクスクス笑って、ふと車窓に目線を移して、「あー私が好きなあの曲、この子も好きだろうな。聴かせたかったな」とか「カラオケ一緒に行ったら絶対くたばるまで歌うのに」とか「休み時間に先生の悪口言って盛り上がりたいな」とか、私が生まれた25年も前に生まれた彼女のことをマブみたいに感じてた。
それは彼女の痛みと私の痛みがきっと同じだから。そして彼女が読者にそう思わせる文才を持っていたから。そんな彼女が書いてくれたから。
苦しみながらも表現することをやめないでいてくれたから。

読み終えた今は、私の心の中に友達が一人増えたみたいな気持ちになっている。
何かあると彼女のことを思い出す。
確かにそこにいる。
彼女が生きて、書いてくれて良かった。
だって私たちが会えたから。
そんな気持ちにさせられる文章だった。

タラタラ読んでいたら、私はいつの間にか彼女より年上になってしまった。
彼女はすごく頑張っていた。腕が象みたいな異形になるほど切るなんて、素人の注射で瀉血なんて、心臓が弱るほどの自傷行為だなんて、聞いたこともない。本人もはっきりと理由がわからないまま、文字通り血をダラダラ流しながらも懸命に楽しくやっていた。
だから私も。彼女があんなに頑張っていたんだから私も。あと少しくらいは、と思った。
19歳になったことのない南条あやちゃんに教えてあげたい。大学なんて大したところじゃなかったよ、そんなことよりカラオケ行こうよ、機種は絶対JOYSOUNDで!って言いたい。

本を読んでこんな気持ちになるのは初めてだ。
悲しいのにあったかい。出会って、そして、別れて終わる。不思議な日記だった。

南条あやちゃん、会ってみたかったな!大好きだよ!

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

私のことを
私が消えて
私のことを思い出す人は
何人いるのだろう
数えてみた

問題は人数じゃなくて
思い出す深さ
そんなことも分からない
私は莫迦
鈍い痛みが
身体中を駆け巡る (P.15)
怖いのです。何にもなれない自分が、情けなくて申し訳なくて五体満足の身体を持て余していて、どうしようもない存在だということに気付いて存在価値が分からなくなりました。ー所属する何かがないと、私はダメになってしまうようです。(P.298)
手首を切ったり、薬を飲んで自分を保っていたあやさん。それが彼女の生きやすさであり、ステータスであったのかもしれない。誰かに見捨てられる、見放されることに恐怖を感じ、自分では自分の頑張り、心を労わってあげられない。学校をサボったり、用事に遅れたりしているけれど、心の奥底は真面目な人なのかなと思った。彼女が死のうとして生きているのは偶然だったのか、必然だったのか。彼女の性格からして、早死や自殺は避けられなかったのかなとも思ってしまった。この世を去ることで、自分という存在を記憶の中の存在にする。これが彼女が望んだことだったのかな。不安や自己肯定感皆無に近い時は、私も薬を飲んで死んだように眠りたくなるので、気持ちがわかる気がした。

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2023年06月13日

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大好きな本の仲間入り。
彼女の苦しみ、リスカを楽しみながらするところや、クスリマニア。とても自分に近いと感じました。
あんなに明るく綴っているけれど深い闇を感じる内容。

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2022年08月24日

Posted by ブクログ

好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、私は他人の日常を読むのが好きなので、この手の日記系文章は大好物です。
インターネットがまだ普及していない時代に生きた1人の女子高生、南条あやさん。
彼女が抱える心の闇を、内臓まで絞り出したかのように赤裸々に文章にしてあります。

2005年くらいに初めて読み、何十回と読み返している本作品。大好きです。

※メンタルヘルスに理解のない方は読まないほうがいいかもしれません。

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2021年06月11日

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私もこの日記を書いた南条あやと同じように、自傷行為をしていた時期がありました。今でもすごく心の支えとなっています。なんとなく行き詰まったと感じた時に、「南条あやだったらどうしてたんだろう。」と考えて読むこともあります。生きることを再確認できる1冊です。

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2019年10月27日

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何度も、何度も読んでいます。

辛いときはこれを読みます。
自分より辛いだろうあやさんが、こんなに明るくがんばっている。
わたしも頑張ろう!と前向きになれる本です。

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2016年12月20日

明るくて悲しい

この本を知った時は私も人生に絶望していました。
今では、厭世主義を気取っていただけだと思うけど、その時は本気。
文章は読みやすいけど、だからこそ率直な表現力が心に響きました。
今でも私の大切なバイブルです。

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2014年11月03日

Posted by ブクログ

3年振りに再読。本を丁寧に読み返すことは意外としてこなかったことなのだけど、今の自分にはどうしても必要な言葉たちだと感じての、再読。

ここにはもう一人の自分がいる。この日記を求める人とは密かにそう思っている人がたくさんいるのではないか。わたしもそうだから。だから、南条あやという女の子の痛みを直に感じる。でも彼女なら心の底できっとこう思ってる。
「誰もわたしのことを理解してくれない。ずっとひとりぼっち」
それが分かるから、彼女の最期を想って胸が苦しい。

香山リカさんの解説が一縷の希望を感じさせて、少しだけ安心できた。
この本が若い人だけでなく色んな方々に読まれるものであってほしい。

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2013年01月31日

Posted by ブクログ

鬱病でリストカッターの少女がweb上に綴った、
彼女が自殺するまでの日記。

開けっぴろげに書かれているようで、本当の事は何も分からない。
そういう意味でとても興味深い。

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2011年06月17日

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ただ文面を受け取っただけで、明らかに気分が暗くなるような印象ではない。行間に潜む苦しみが、時に文となって現れたとき、突き刺さるような苦しみを感じた。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

ここにいるのは、特別な女の子ではありません。
もしかしたら自分だったかもしれない「もう一人のあなた」です。渋谷、ゲーセン、援交、カラオケ――。青春を謳歌しているイマドキの女子高生かと思いきや、実は重度のリストカット症候群にしてクスリマニア。
行間から溢れ出る孤独と憂鬱の叫びが、あなたの耳には届くでしょうか。死に至る三ヶ月間の過激にポップなモノローグ。精神病院入院体験などをインターネットで公開しネットアイドルとして人気だった南条あやが、残したネット日記を書籍化。

リストカットやオーバードーズにハマった理由、正しさを押し付け今の自分の状態を受け入れてもらえない被害妄想が激しい双極性の父親との関係、なによりも読む人の期待に合わせて明るく自分のメンヘラ具合を面白く語る中で見える自分が穏やかな日常を生きられないことの不安と絶望感や「南条あや」でしか生きられない閉塞感が見える荒削りなノンフィクション。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

自分と共感するものが多すぎてびっくりした
自分もこういう気持ちになる!って思うことがあまりにも多すぎて、共感の意味で涙が止まらなかった
自分は今何とか生き長らえてはいるけれど、そんな自分と彼女との違いは一体なんだろうって考えてた

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2022年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自身の体調が万全の時でないと、読む事はお勧めしません。ネット上でかなり有名人だった南条あやのブログをまとめた本です。ブログなので口調もかなり砕けているし、赤裸々に書かれています。リストカットを止めてくれた友達もいたし、結婚を約束している彼氏もいたのに、何で死ぬという選択肢を選んでしまったの?周りに助けてくれる人達がいようと、関係ないと改めて思いました。サイトやこの本があり続ける限り、救われる人も多いのだろうなと思いました。また、いつもの軽い口調で日記が更新されるような気がしてなりません。

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2018年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はるか昔に読み終わった文庫です。24歳で精神科に通うようになって、仕事を休職して実家に帰った時、本屋で平積みにされているのを見て何かビビッと来て即買いしたものです。本能的にこの本は帰省先の親に見られてはいけないと思い本屋で「カバーをお願いします。」と言った本でもあります。

この作者、学年こそひとつ違えど、同い年なんです。ネットで日記を更新していました。(このころはテレホーダイで、24時間ネットが定額なんてものはなかった。)自分がマイパソコンを持ったのは就職活動の始まる20歳の頃。この日記が書かれていたのは18歳の頃です。

リストカット、瀉血など自傷行為、ODをしつつ、最終的には向精神薬による中毒で亡くなっています。

それにしても、どうしてこの南条あやは、こんなに自分を客観視して、それを巧みな擬音を織り交ぜて滑稽に書けるのでしょう。自分を「とんだ甘えん坊」と冷静に見ているのです。内容としては決して明るくありません。精神科通院、服薬、父との関係、自傷行為などなど。静脈を切って血だまりを作ったり、そこから貧血を起こしぶっ倒れたり、トラベルミンシニアなどの薬をODし、吐き気に苦しんだりしているのです。(自分が吐き気に苦しんだ記憶はノロにかかった時とキッチンハイターを飲んで即リバースした時が最強です。)

自分も精神科に通ってからは、初めて飲む薬は必ずネット検索しますが、このころはそんなに詳しいサイトは少なかったかと。レボトミンをもらったかと思ったらゾロ(同じ薬効の会社違い)ヒルナミンだったという事に怒りを覚えるほど薬に詳しいのです。「好奇心と知識旺盛」と自ら言うだけあります。

さて、もう10年以上精神科にかかりつつも彼女のように死ぬことも、薬と手切ることもできない自分ですが、久しぶりにこの本を読んで思ったのは「あ、自分、大分遠いところまで来てしまった…」というものでした。ホリゾンやリスミー、デパスはもう遠い過去です。同じ薬でヒルナミンと言っても彼女は25ミリ多くても自己責任で50ミリ。自分、今100ミリまで飲んでいいと言われています。メレリルなどはもう発売中止です。抗不安薬と呼ばれるものではどうにもならずに、抗精神病薬のオンパレードになってしまいました。

まだ抗不安薬、抗うつ薬飲みの頃は「あ、この薬…」と思ったものですが、その彼女と同じ思いを味わう一体感もなくなってしまいました。その事を悲しく思い、正直少し優越感に浸ったのです。

娘は父を疎ましく思えど憎み切れず、父もまたしかり。お互いを思っているのに気持ちはすれ違いです。それもまた、彼女の病を深くしているかのように思いました。

ドグマチールで太りたくないあまり「母乳が出る」という特異な副作用をありもしないのに医者に言ったのは、彼女も自分も同じです。「精神科あるある」かもしれません。

この本を読むとき、この記事を書くときBGMはもちろんCoccoでした。

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2016年09月06日

Posted by ブクログ

リストカット(自傷行為)と精神安定剤の大量摂取を繰り返す女子高生あやちゃんがまだネット社会がもっと小さなコミュニティーだった頃に書いた日記の一部。ネットであやちゃんの日記はほとんど読みつくしました。本になっているところより、本になってない部分の方がおもしろかったりもします。女子高生に山のように精神の薬を処方する医師、その薬を使ってハイになるあやちゃん。あやちゃんを生の世界に繋ぎとめることが出来なかったのは残念でなりません。毎年あやちゃんの命日の頃に読み返したくなる一冊。

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2014年10月02日

Posted by ブクログ

リストカッター、向精神薬依存症、18歳で自殺したとされる南条あやの死に至る4ヶ月間の日記。
高校3年時に町田あかね(薬事ライター)のウェブサイト「町田あかねのおクスリ研究所」の「精神病と向精神薬に関する体験談募集」にメールを送ったところ、その文才が評価され、1998年5月28日〜1999年3月17日までの日記を公開。ネットアイドルとなり、ファンクラブまでできていたという。

没後14年、当時話題だったのか。今頃になって知った。
明るく面白く書いているため、一見、その裏にあるものを感じさせない。
学校、医者、カラオケ、献血、そして服薬。表面上はほとんど変化のない毎日なのに、どうしてこれほど引き込まれるのか、文章能力に感心。
色々思うことはあるが、「たら」も「れば」もない、というのはそのとおりと思う。

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2013年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 軽快な文章で読みやすくて、文章を仕事にしていたら人気でたのではないかな。
 年末くらいの日記には、良い方向に向かっている、と書いているのだけど。イヤイヤイヤ、お姉さん。年明けから服薬量がすごいことになってるからー。
 この人の文章をもっと読みたかったです。
 最後の日記も軽快な文章のまま。ぶっつりと終わってしまった。いろいろなことになんとか折り合いをつけて生きて欲しかった。

 

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2013年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リストカッターの女子高生・南条あやさんが死ぬまでの3ヶ月間、ネットに公開された日記を書籍化したものです~。

『女子高生』っていうから、もっとチャラチャラしてて「なんか生きていくのが嫌になっちゃった~」的な文なのかと思ったらドッコイ。
かなりちゃんとした文章書いてます。
内容は、「何の薬を飲んでどんな生活をしたか」なんだけど、自分のことはちゃんと分析できてるし、精神的におかしいと言う感じがしないの。
すっごく冷静に見てる感じ。
でも、ところどころで心の苦しみみたいのが伝わってくるんだよね~。
最後の方は、精神的に相当きてるな~。でも南条あやとして、頑張って日記つけてるのがありありと分かる。

彼女は昔いじめられてたのがきっかけでリストカットを始めたわけだけど、でもこの本の中の彼女は仲のいい友達も何人かいて精神的に安定してる日もあったのにね。
担任の先生や精神科の先生はみんないい人なのに、このお父さん。かなり自分勝手だね。
そりゃ~、男親が一人娘を一人で育てていくのは大変だったと思う。
でも、あやちゃんを分かってあげようとしていないとこ、腹立つね。
私も何年間か精神的に参ってることがあったから、あやちゃんの気持ちは普通の精神的に健康な人よりはわかるつもり。
なんか、本ではキレイ事言ってるけど、私としては何でもっとあやちゃんの気持ちを分かってあげようとしなかったんだろう。って思うよ。
「わかりあえ」とは言わないけど、「分かってあげよう」とすることから精神的回復が繋がるんじゃないかな~。
親のあんたがしっかりしないで、子供がしっかりするわけないじゃない。
いきなり怒り出したり、子供が寝てる横でいきなり部屋の模様替えしたり、、、
お前ね~、親だと思っていい気になって。って、私は言いたい。
もちろん、あやちゃん自身の精神的な甘さや、「立ち直ろう」としようという意志の強さがなかったのも原因の一つだろうけど、でもお父さんの態度や言動なんかがあやちゃんを苦しめた大きな要因だと思うんだ。
精神的に弱ってる人を助けることは、ほんと並大抵なことじゃないんだけど、一番近くにいる人が大きな器で持って助けてあげることが回復に向かう第一歩なんだと思う。

あやちゃん、安らかに天国で眠ってください。

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2012年11月28日

Posted by ブクログ

明るいようでいて、その裏側に秘められた様々な葛藤や感情。一見するととてもポップなのにそこに描かれているのは、向精神薬への執着心であったり、親とうまくいかないもどかしさだったり…。

不安定な女の子の心情が痛いぐらい、そこでは生きています。

高校生のころに何度もこれを読み返しては、宝物みたいに持ち歩いていた。
今でもたまにどうしようもなく読みたくなる一冊です。

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2012年06月19日

Posted by ブクログ

1999年。一人の高校生が亡くなった。南条あや。
現在では当たり前になっているネットに日記を掲載して有名になった彼女はリストカッターであり、多くの薬を服用していた。
一見すると楽しそうに書かれている日記も彼女の心の暗さや奥深くを隠そうとした結果だったのかもしれない。

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2012年05月10日

Posted by ブクログ

とても痛々しくて苦しいのに、すごく惹かれます。南条あやさん以外の方の文章が気になったので★1つ分減らしましたが。

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2012年02月20日

Posted by ブクログ

これはなかなかくるものがあるな・・・。
感情移入してずーんと重くなる感じ。
なんで自傷行為もオーバードーズもほとんど女性特有なんだろね・・・実は血は大の苦手。
人生の階段を駆け下りた少女が存在してたことを、忘れないようにしたいね。

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2011年12月10日

Posted by ブクログ

今、彼女は彼岸の彼方にいるけれども、彼女は一体どんなまなざしで僕のことをみているのかな。この本を読むたびにそんなことを考えている自分がいます。

この本を最初に読んだのはもう6年近く前のことで、自分がかつて、漂泊していたころのことを思い出すし、内容も内容で、明るくは書いていますけれど、重度のリストカッター。精神科。そして数々のクスリに関する内容…。できればこの本は十代の後半、もっと具体的にいうなれば、高校生のころぐらいに読んでいただく、というのが一番妥当な線ではないか?そんなことを考えながら再読をしていました。

作者の南条あやさんは、ネットの世界では有名な方だったようで。僕もこの本を読んでから、彼女の「生きた証」が残されているWebサイトに飛んでいって、すべての内容を確認したことがあります。それはそれは大変痛々しいまでのもので、その「痛み」を笑いや毒を添えて表現できるという稀有な才能と、18歳の若さで逝去して、今はもうこの世に彼女はいないんだ、という現実になんともやりきれない思いがこみ上げてきたことを思い出します。

今、彼女が生きていたらどうなっていただろうか?自らの病と向き合いつつも、その個性豊かな文章で僕たちを楽しませてくれただろうか?はたまた、結婚して、子供を生んで…。と女性の「幸せ」つかんでいただろうか?彼女の日記に出てくる「エヴァンゲリオン」や「Cocco」というキーワードの中に、僕はそんなことを思うのでした。

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2011年12月02日

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2月28日の自殺騒動のときの日記につけられた父親の注釈がひどく残念だった。

精神疾患の患者が、病状が重いときとかに他人の意見を曲解してしまったり、こちらの話を解ってくれないとかはよくあるし、苦労もそれなりに分かる。腹立たしいときもあるっていうかむかつきます(笑)正直。

でもあの注釈は彼女を傷つけてる。例え、フィクションが混じっていても、頼っていた父親から突き放された悲しみの叫びは本当だろうし。(うざったく感じながらも、彼女が父親に認められたい、良い関係になりたいと思っているのは日記からもうかがえるし)
むしろ、あんなふうに注釈をつけてしまえることが、彼女の感じていた絶望のひとつだったんだろうなって思う。

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2011年04月21日

Posted by ブクログ

南条さんはとても聡明な人だと思いました。
いつも心のどこかに醒めている自分がいて、はしゃいででラリっててもそれをちゃんと見て後で表現しているし。
心が繊細で傷付きやすくて、自分を甘やかせない、というのはそうだと思います。だらだらした生活をすることと、自分を甘やかすのは違う。
自分に甘い、というのは図太い人だと思います。わたしもかつてはODの虜だったし、今でも精神科に通っていますが、やっぱりどこか図太いのだろう。
わかる、というところと、違う、というところ。2歳しか年齢が離れてなかったのも衝撃でした。
南条さんも高野さんも、自ら死を選ぶ強さと絶望があったのだろうと思いました。

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2020年03月19日

Posted by ブクログ

なん年ぶりに読んだかな。懐かしい。
この人に憧れのような気持ちをもったひとたくさんいたんだろうなと思う。

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2018年06月30日

Posted by ブクログ

書かれた当時の雰囲気が詰っていて、サブカル好きは必見。
ただ、父親の言い訳じみたズレた文章と香山リカの解説は余計。

「女子高生南条あや」は「南条あや」にはなれなかったんだなぁと。

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2016年01月12日

Posted by ブクログ

二十歳の原点と比較されることが多いこの作品。
二十歳の原点は随分前に読み、今回、ようやく読むことができた。
二十歳の原点とは180度違う空気感。二十歳の原点が重い息苦しさであれば、こちらは息苦しいからこそ、軽く描くといった感じか。
軽いノリで描かれているけれど、息苦しい。
薬の量がどんなものかわからないけど、薬に頼り、どうしようもない今をもがいている感じ。
そして、途中で入った父親の注釈が苛立つ。南条あやにとっての現実と父親の現実は違うのだ。
事実でなく、その人の現実が大事なのだ。

最後の経歴のところで突然婚約者というのが出てきてビックリした。
日記には出てきてなかったよな?
ちょっと混乱した。

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2013年02月19日

Posted by ブクログ

ただの女の子の日記にしか見えないのに、確かな悲しみと、諦めのようなものを感じました。
生きていく重圧。

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2011年11月07日

Posted by ブクログ

 肩書き的にはただの女子高生である彼女の、亡くなる3ヶ月前からの日記。「卒業式まで死にません」というのは、彼女の口癖だったそう。

 私がネットで彼女を知った時は、すでに亡くなった後だった。彼女の文章は、内容とは裏腹にすごく明るい。しかしながら、彼女の心の闇はどんどん増幅するばかりだったのか。人間はどうして、他人と痛みを共有することが下手なのだろう。

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2011年09月21日

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