【感想・ネタバレ】水曜の朝、午前三時のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月06日

サイモン&ガーファンクルの歌(Wednesday Morning, 3 AM)をタイトルにした本作、久々に読む文芸作品だと思う。再読だけど。
物語に流れるノスタルジックと洋楽、大阪万博を覚えてる世代じゃないけれどなにか懐かしくなる。 死を前にした母が、昔の、いや今も胸を焦がしている恋愛について語る...続きを読む
いや恋愛についてではなくて母は娘に「人生は宝探し。嫌でも歩き出さなければならないし、それなら最初から宝探しと割り切ったほうが楽しいに決まっている」という言葉を残したかったんだろう。
どんな時代もいろいろな障害はあるし、そしてそれだから人生だ。

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Posted by ブクログ 2019年04月21日

友人にお勧めされたので読んでみました。
著者の作品は初めて読みましたが、文体かなり好みです。

1970年の大阪万博を舞台とした恋愛小説ですが、単純な在日朝鮮人との悲恋話として語ることのできない一冊です。
50年前と現代では差別に対する考え方にギャップがあるとは思いますが、そのあたりは当時の世相や風...続きを読む俗がとても丁寧に表現されているので、うまく受け入れることが出来ました。
ましてやA級戦犯となった祖父を持つ家庭に育った彼女では他の選択肢はないだろうなと、だからこそ同情や否定的な気持ちを持つことなく、主人公と一緒になって哀しみや悔恨や苦しさを共有してしまいました。。

そのうえで、心の声に素直に従うことが今の生活に折り合いをつけて生きていくより難しいこと、それでも選択に悔いがない人生だったと思えていること、明日への希望を次の世代に伝えていること、すべてが感動的でした。
読んでよかった!

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Posted by ブクログ 2018年06月02日

直美さんの短くて長い人生の話。
ある半年間に起きた出来事。
ドキドキしたり、切なくなったり、
でもまさかね。
そしてまたまさかね。
前に読んだ気がしてたんだけど、こんなに衝撃を受けるくらい本当に忘れていたなら、自分も大人になった証拠や。

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Posted by ブクログ 2016年06月07日

主人公がとても知的明瞭で、冒険心が強い。何かしたいけど、うまくやり切れない。大阪万博という華やかだけれど、まだまだ不安定な日本だった時代に、葛藤を抱えながらも、気高く、力強く生きていく姿がとってもカッコいいです。
ツンとしていて、音楽や文学、哲学等にも精通していて、おしゃれ。頑固だけれど、自分の考え...続きを読むをしっかりもっていて、行動力もある。無敵の彼女に見えますが、大きな壁にたちはだっかった時、すごく人間らしい結末を迎え、共感しました。

とてもメッセージ性の強い文が、数多く出てきます。物語としても楽しめますが、生きずらいな、と悩んだときに勇気づけてくれるような小説かもしれません。

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Posted by ブクログ 2014年02月09日

素晴らしかった。
宝物にしたい文がたくさん出てきた。
抜粋
「その人が言ったことをそんなに気にしなければいけないほど、お前はその人のことを重視しているのか」
「人生とは宝探しなのです」

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Posted by ブクログ 2013年09月27日

初めて読んだのは何年も前だが、読後の切なさとともに強く印象に残っている作品。たまに読み返したくなる本。

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Posted by ブクログ 2013年01月23日

高度成長期、逆らえない風潮と世間体、そういう目に見えないものに胸を締め付けられる。例えその時代を生きていなくとも、今に。

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Posted by ブクログ 2014年11月13日

がんで死を間近に控えた女性翻訳家が、自分の恋愛について娘に送った手紙(手紙を書くために録音したテープ)。 大阪万博では、コンパニオンをホステスと呼んでいたそうで、ストーリーとは別の部分で感動(?)しました。 面白かったです。

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Posted by ブクログ 2021年02月04日

45歳の若さで逝った、知的で魅力的な翻訳家で詩人の直美。彼女が娘のために遺したテープには、大阪万博で働いていた23歳の直美と、将来有望なエリート学生・臼井との切ない恋とその後が語られていた。恋の痛みと人生の重みを描く、大人のラブストーリー。
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国籍や肩書きへの固執、亭主関白的な父親...続きを読む像、などなど昭和感漂っていた。
しかし、皆が多くを語らないあたりが、人間的深みがでるというか、趣があり、想像力が掻き立てられた。
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今どきは先がよみやすく、わかりやすいストーリーがドラマ化、小説化されることが多いので、偶にはこういう作品もいいですね。

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Posted by ブクログ 2020年06月11日

ー生と死、静寂と激情

友人から勧められた本です。
淡々とした語り口調の中に感情の激しさ、秘められた想い、出会いと繋がりがある小説で、思ったりよりもするする読めました。

45歳の若さで脳腫瘍で亡くなった直美が、娘のために遺したテープ。その中には23歳の直美が大阪万博のホステスとなり、将来外交官を期...続きを読む待される臼井さんと出会い、想い溢れる燃えるような日々を過ごし、万博が終わっていく……そんな思い出たちが吹き込められていた。

ほとんど直美の語りで進む話です。大阪万博という特殊な環境が作り出す唯一無二な出会いを、直美が淡々と語ってきているように感じます。でも相手に恋い焦がれる気持ちの激しさや、決めたら曲げない直美の芯の強い性格、色々な人を魅了するきらめきが強く伝わってきて、直美の「生」を感じずにはいられませんでした。

"差別する感情の奥底にあるのは恐怖心に他ならない"、"人生は宝探し"というフレーズに、この本を読んだ誰もが頷くと思います。
タイトルが2人を繋ぐものであることが分かったとき、何とも言えない感情になりました。
縛られているものがある中で、2人はどうすることができたのだろう、きっとこれが最善だ、そう思わずにはいられませんでした。

こういう本を読めるようになったことに、自分の成熟を感じます(笑)
読む年齢によって感想が変わっていきそうです〜!

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Posted by ブクログ 2019年03月01日

1970年の大阪万博、時代が激しく動き出した頃に一生引きずるような恋をした人たち。
いま読んで必要なことたくさんかいてあった気がします。
その頃から何にも変わってない。
人間なんて、そんなに変わらない。
直美の考え方に共感するところは多々あり。政治的な考え方とか。
それにしても、地元千里感満載過ぎて...続きを読む読みやすいところはあったかもしれない。阪急オアシスとかね。読書会で何て言うか考えるところもある

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Posted by ブクログ 2018年12月02日

すごーく良かった。人生に対する力強い応援。けどテーマのひとつである差別については唐突でうまく受け入れられなかった。

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Posted by ブクログ 2018年03月27日

「この人生に私が何を求めていたのか
ここまで根気よく付き合ってくれたなら、もつわかったでしょう。私は時間をかけて、どこかにあるはずの宝物を探し回っていたのです。ただ漠然と生きていては何も見つけることはできない。でも耳を澄まし、目を見開いて注意深く進めれば、きっと何かが見えてくるはずです。」45歳でな...続きを読むくなった一人の女性の娘にあてたテープ。恋愛や仕事、その環境にいる人たちの話をとりとめなく伝える内容。共感することが多く、人生の深さを実感させられる

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Posted by ブクログ 2017年12月24日

108円で、良い作品に出会えました。

お初の作家さんなのですが、とても上手い作家さんだと思います‼️

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Posted by ブクログ 2015年08月13日

70年代を舞台にした恋愛小説が好きな私にはドンピシャな小説でした。
日本は高度成長で一見華やかな時代だけど世界は冷戦の最中で、そういう時代を察するとこの主人公の感じる「怖さ=差別」というのが理解できるような気がしました。

(海外で長く過ごした才女である鳴海さんを登場させて「私は差別主義じゃないわ」...続きを読むって言わせてる部分も時代背景を補足しているようで巧いな〜)

最後の方で主人公が亡くなった後に、かつての恋人と主人公に憧れていた義理の息子が飲みながら主人公について語るシーンがあって、こんな事をされたら女冥利に尽きるなあ、と思いました。(夫は完全に蚊帳の外…)

素敵な言葉がそこかしこに散らばれていて、スッキリと上品な文章も好みだったので、他の著書も読んでみようかな。。

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Posted by ブクログ 2015年08月12日

1人の女性が死の前にして娘に残したテープ。そこには彼女の生き方全てが詰まっていた。

耳を澄ましてじっと自分の心の声を聞くこと。歩き出すのはそこからでいい。自分の今にたくさんの気づきを与えてくれた。

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Posted by ブクログ 2015年05月15日

大阪万博の華やかな世界の中で生涯忘れられない恋をした主人公。

その時代にタイムスリップしたような感覚で興味深く、どんどん読み進めたくなる。
誰にでもあるのかもしれない、正しさだけは説明がつかない心が求める恋の物語。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年03月01日

許されざる恋。
隔たる立場のカベを越えられず、それでも越えようとあがく2人。
時代と世間が胎動しようとしはじめた矢先の恋、あともう少し遅ければ成就した、あともう少し早ければ出会う事すらなかった。
戦後を区切る節目の1970年、その象徴たる大阪万博をバックに2人の恋は21世紀の俺たちにどんな物語を見せ...続きを読むてくれるのか…

とまぁ、こんな感じの恋愛小説なんですけど、俺はその物語の本筋も去ることながら、主人公直美さんがなんともエエキャラで、そっちの動きが楽しかった。生活を崩した才女、もうちょっと脱線できたら、直美さんはオノ・ヨーコだったかも知れないのになぁ

恋の相手の臼井さんも、没落貴族(?)の両親も、ホステス仲間(水商売ではない、大阪万博ではコンパニオンをホステスと呼称した)も、その他色んな味わい深いキャラクターが出てくるけど、みんな主人公を上手に引き立てていて良い

午前3時の独特な空気、今の俺にとってはもはや朝でしかないけど、若い頃の午前3時は異世界への入口だったよな。余談だけど、物語後半凄くその事を思い出しました

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Posted by ブクログ 2013年09月06日

何不自由なく、誰に縛られるでもなく、思いのままに生きられたらどんなに楽しいかしらと思う人は、沢山いるけれど、実際そのように生きている人はほとんどいないでしょう。家族のしがらみ、世間の目、お金、仕事、見栄や建前、そして心身の健康。関わる相手の気持ちも然り。時間はどうしたって戻せないのだから、人はあの時...続きを読むこうしておけば良かったという後悔や懺悔をかかえながらでも、その時その時の最善を選んで生きていくしかないんじゃないかな?ということ。直美のテープのラストは私を勇気付けてくれました。多分これから何度も思い返すだろう 。

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Posted by ブクログ 2013年06月08日

「目の前にあるものすら見えないふりをしているのが今の時代なら、誰もが見えないものまでも見ようとしていたー恐らく、それがあの時代でした。」1970年、高度成長時代の真っ只中、直美は大阪万博のコンパニオンになり人生の宝探しに出た。古めかしい昭和の慣習に対して熱くぶつかるというよりは、むしろ内心の訴えに耳...続きを読むを澄ませ冷静に人生を楽しむかのような彼女の姿勢に共感。昭和世代にはサイモン&ガーファンクルの曲が聴こえてきそうな心地よく味わい深い小説でした。

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Posted by ブクログ 2013年05月28日

45才で亡くなった女性翻訳家が、亡くなる前に吹き込んだ4巻のテープを起こしたものだ。彼女の名は、四条直美。この内容は、昭和45年(1970年)夏の大阪万博や、直美の祖父がA級戦犯・・・戦争犯罪人であったこと、そのため祖母と毎年夏、靖国神社へ参拝に出かけたこと、この家柄のため直美が結婚できないと心配し...続きを読むて早くから婿養子になってくれる許婚(いいなづけ)がいたこと、そして、直美の元彼は北朝鮮人だったことなど、歴史を知る事が出来た。

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Posted by ブクログ 2013年04月12日

45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら……」。失われたものはあま...続きを読むりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。

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Posted by ブクログ 2020年04月21日

ただのラブストーリーかと思いきや…!でした。温かくて、切なくて、時に甘酸っぱかったり、苦しかったり。人生で大切にしたいなと思える言葉が沢山詰まっていました。時々読み返したくなるような本です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月16日

万博を舞台にした恋愛小説。
恋人の出自の問題であったり、昭和を感じさせる部分もあり。行間の雰囲気の出し方は独特で良いと思った。

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Posted by ブクログ 2018年01月13日

いい話でした。恋愛がからむよく売れた本にありがちなキャッチーな嘘を、できるだけつかわずに滑りよく書こうとする姿勢みたいなものを感じました。

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Posted by ブクログ 2017年09月26日

過去の恋愛の告白小説。大阪の万博会場の高揚感がよく伝わってくるが、半分を経過してもなかなか本題がエスカレートしないので困惑しながら読み進めていた。突如、衝撃の真実が明らかになり、物語に加速感が出る。告白の手法も珍しさがある。本の選び方も参考になった。

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Posted by ブクログ 2013年07月22日

直美さんの、様々な選択に迫られる辛さが伝わってきた。
本全体でみると、自分には合わなかったかなぁ。この手のラブストーリーは自分には読み辛い。

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Posted by ブクログ 2013年03月24日

微妙です。
心に引っかかりそうで引っかからない・・。
そんな感じの小説でした。

実は大分と前に読んでいたけれど・・・
もう1度、今の自分の現状で読んでみよう・・
と思い、、、。

以下、本文より引用。

「迷った時は急がずに立ち止まりなさい。慌てたって、いいことは一つもありはしないの...続きを読むです。物事を理性的に、順序立てて考えるのは悪いことではないし・・・・・・・・・(省略)
何にもまして重要なのは内心の訴えなのです。あなたは何をしたいのか。何になりたいのか。どういう人間として、どんな人生を送りたいのか。それは一時的な気の迷いなのか、それともやむにやまれぬ本能の訴えなのか。耳を澄まして、じっと自分の声を聞くことです。歩き出すのは、それからでも遅くはないのだから。」

選択しなかったもう一つの人生を思いながらも
選択した人生を愛している直美に・・・。
きっとみんなそんなもんだろうな~。

そしてこの小説が切ないと感じるのは・・・
1970年大阪万博の頃が舞台という点も大きく反映しているんだろう。

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Posted by ブクログ 2013年02月28日

ノスタルジック。古き良き恋愛。現代の基準とは多少のズレはあるものの、潜在的な価値観によってどこか惹かれてしまうような魅力を持つ女性や男性が出てくる。特に臼井さんの独特な翳りのある雰囲気は、大人の男性を思わせ、身を委ねたいと思ってしまうと同時に、垣間見えるやわらかな表情に母性をくすらぐられてしまうとい...続きを読むう純粋な魔性である。こういう男性はなかなかえがけない。ましてや、男性作家がえがいているとは考えられない。しかし、語り手である僕にこそ、蓮見圭一自身が反映されている。秘めたる羨望にも似た恋心は、きっと誰もが持つ、少年時代の秘密だ。

ストーリー自体はおそらく母親世代なら懐かしんで読めるであろう万博が中心であり、主人公の直美を若かりし自分の母親と思わず重ねてしまう。母親だって父親だって、今でこそ落ち着いてはいるものの、若き頃は情熱的な恋愛をしたのかもしれない。そんな複雑な気分になってしまうのは、今、読む人特有の現象だろう。古すぎない、絶妙な世代ズレが楽しめる作品である。

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Posted by ブクログ 2013年02月13日

うーん。。。
私にはちょっとわかんなかったかなあ。
でも、『もしあの時こうしていたら…』みたいなことって誰にでもあると思う。
今でもまあまあ幸せだけど、もしあの時こうしていたら。
こういうのって考え始めたらきりがないのだろうけど、考えちゃうことが多いな。
直美さんは、ずっとずっと心のどこか...続きを読むでこんなことを考えて生きていたんだなって思うと、胸が苦しくなります。

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