感情タグBEST3
Posted by ブクログ
感動した。ホログラフィック理論をベースにしたSFエンタメ。「人類滅亡小説」を読んだ時と同じような感動を味わわせてもらった。山田さんの、迷いながらも雑草魂を体現したかのような人間賛歌の物語は本当に面白い。10次元の存在が4次元の存在へメッセージを送る方法として選んだがこのやり方かよ!っていう突っ込みは当然あるものの、とても素敵な人間賛歌であった。シュミレーション仮説がますます現実味を帯びている昨今ではあるが、だからなんなの?それがどうした!って気持ちで生きていこうと思います。
終盤の、各人との再会の描写が本当に素晴らしい。
Posted by ブクログ
パソコンの中のようなデータ世界に人工生命を作ろうとする試みや、その中で生命が暮らす居住空間ができた時に私達の住む世界の存在を疑わなければならない。
鈴木光司氏の『ループ』や野崎まどさんの『helloworld』を読んだ時に思いました。
仮にデータ世界に人工生命が生み出された時に私達はその生命が人格や意識を持っているかについて認識できるのか?
最近のAIは人間のように思考しているように見せているだけで、実際はとてつもなく膨大な量の計算を短時間にやっている事と経験則(過去データ)に基づく判断を行っているらしいのですが、それって人間の脳でやってる事と変わらないのでは?と思ったり、じゃあ『心』って何なの?と考えてしまい、個人的に心を持っているものとそうでないものに主観でまとめてみると
0.自分は心を持っている
1.結果的に同じ人間である他人にも心はある
2.人によって意見は分かれるものの動物にも心はありそう
3.虫のような生き物に心は無さそう
4.植物に心は無さそう
5.ウィルスや菌類に心は無さそう
6.地球や宇宙にも心は無さそう
まとめていて気付いた事は心があるか無いかは自分の主観が勝手に決めているもので、自分の心以外の『心』の存在を証明する事は不可能なんじゃないかなぁと思いました。
そうなると
≒AIやデータ世界の人工生命にも心や人格が存在するかもしれない
若しくは
≒人格や心のようなものは、思考と記憶の残滓のようなもので、私達人間も心や人格は持っていないかもしれない
と勝手に結論づけてしまいました。
世界各国から物理学や数学の研究員が集まる『天文数物研究機構』の若手研究者達が主宰するセミナーに謎の青年が現れ荒唐無稽か?と思われる数式を残していく!?
その数式は世界生成の秘密を示しており、神の存在を示唆していた!!!
世界は神の存在を受け入れる事が出来るのか?
神の存在が証明された時、人々はどう生きていくのか・・・
そんな物語です。
そして最後に【私に701の記憶は無かった・・・】
Posted by ブクログ
山田宗樹のsf小説は何故なのか非常に面白い。一気に読んでしまう面白さがある。
ある日突然現れた不可思議な数式を書いて消え去る少年。そこから神?との交信ひいては世界の有り様を変えてしまう出来事に発展していく。
世界を生きる意味とは何なのか、結局些細な事柄で自分の世界は変わっていく。全体としての世界は変わらなくとも自分から見た世界は変わっていく。そんな中に自分の生きる意味を見つけ出せるのか。
『気をつけなければならないのは、人はもやもやすると、相手も自分と同じ世界を見て、自分と同じように感じ、自分と同じように考えると、無意識のうちに決めてつける傾向があることです。そうすると、相手がどう考えいるかではなく、自分ならどう考えるかという基準で相手の行間を埋めてしまい、それを相手の真意だと思い込んだまま、そのじつ相手の真意とはまったく無関係の概念に到達するという過ちを犯しかねません。』
Posted by ブクログ
次女が手に入れて読んでいたけど、少し難しくて途中でやめてしまったみたい。その後「おかあさん 好きそうじゃない?」とオススメされて。
物理学の話なんかが出てくると、たしかに少し難しかった。でもストーリー展開はわかりやすいし、どうなるのかなーという興味も手伝って割とスラスラ読めた。
この世界は実は…という部分は突拍子もないような仮説ではあるものの、あり得なくもないなあと思えてくる。すごい次元の話なんだけど、具体的に語られているできごとは身近なことの延長という感じなので自然に受け入れられた。
第四部が特に面白かった。今までのあれこれはそういうことだったのかーとわかったり、切なくなる部分があったり。読後、いろいろな登場人物たちに対してあれこれ思いを馳せてしまった。
登場人物たちが、自分の思いや未来のことなどに誠実に向き合っているのがよかったな。
読み終わってすぐよりも、しばらく経ってからの方が『この本 好きだなー』と思ってる。