感情タグBEST3
Posted by ブクログ
♪男と女の間には~、深くて暗い川がある~
どんなに親しくなっても、やっぱり分かり合えるのは難しい。
久々の、長編もの。
久々の、村山由佳さん。
揺れ動く女性の心のうちを書かせたら、さすがだ!
不倫に疲れて、傷ついた心の隙間に入り込んだ孝之。
ごく普通の夫の姿だ。
姉さん女房に、甘えと、嫉妬がドロドロにつまっていた。
妻にマウントを取りたい男のプライドがマックス!
マイホームが夫の仕事場である場合、
妻としては、ゆっくりできる空間ではない。
定年退職親父が一日家にいるのと大差ない。
バリキャリの涼子なら、もっと早く決断しても良かったのでは?
「でっかい決断っていうものはな、
慣れた場所にいたんじゃ
いつまでたってもできねえもんなのよ」
矢島の言う通り!
結婚、仕事、子育て、
女性が抱える問題は、いつの時代もたくさんある。
涼子のように仕事を生きがいにしていても、
病気や老いや、先々の不安はつきもの。
支えあう友人や仲間が必要だ。
Posted by ブクログ
登場人物のキャラが立っていて、面白かった。
途中の夫の不倫に対する言い訳や、なかなか向き合わない主人公にモヤモヤしつつ読み進めた。
仕事ができて、周りから評価もされている主人公にとっては、いい終わり方だったと思う。
Posted by ブクログ
長いから分けて読もうと思ってたけど、一気読みしてしまった。夫婦間の埋まらない溝をどうしていくのか気になってしまって。
誰に共感できたかというと。
バリキャリの涼子に、私は思いを馳せてしまった。私も思う。かっこいいと。
Posted by ブクログ
読書備忘録776号。
★★★★。
結婚して13年。
子供はいない。本来最も落ち着きたい場所であるはずの自宅や家庭。どこで間違ったのか、お互いが落ち着かない場所となってしまった・・・。
そんな夫婦が陥るべくしてハマったワナ?、そして行きつくべきゴールに至るまでの男女のものがたり・・・。
この作品はあらすじ的備忘録より感想文の方が相応しいか。笑
主人公の早瀬夫妻。
妻の涼子。43歳。広告代理店で働き、数々の困難なプロジェクトをこなしてきた誰もが認めるバリバリのエリート!この時点でステキ過ぎる!
夫の孝之。40歳。独立して自宅兼店舗の美容室を営むが、自宅は都心から電車で1時間半も掛かる郊外の新興住宅地。しかしながら思うように地域開発が進まず人がなかなか増えないので、お世辞にも店が順調ではない。店舗兼自宅を建てる時の資金は妻に多くの負担を掛けている。う~んと唸らざるを得ない。
まずこのシチュエーション。
妻の職場は自宅の外。夫の職場は自宅の内。この状況だけとらえても上手くいくわけない!笑
百歩譲って妻が専業主婦で夫の美容室を手伝っているとかなら話は別だが。
夫の職場は自宅。言い換えれば夫の城。だけど自分の力で建てたとは言い難い。妻が出勤したら自分の城となり寛げる。妻が帰宅すると卑屈になり妻のご機嫌を伺う。
妻は職場でイキイキ。疲れた体で帰宅。しかし、そこは夫の職場。寛げない。どうしても自分の居場所と思うことが出来ない。遠慮してしまう自分。
ということで浮気、不倫ということになる。笑
孝之側は、孝之が所属する自転車サークルの可愛い女子、小島美登利(ミドリ)がアプローチする。どうやら妻子持ちの男が何より大好物という女子のようだ。
そして孝之は一言で言えば、頭の悪すぎる男。一瞬で陥落。そして、美登利は自分の存在を自宅兼店舗にマーキングしていく。それを涼子が気が付かないはずない。でも孝之はばれていないと心の底から信じている。笑
職場兼自宅ですよ!自宅!孝之さん。アホですね。
涼子側は出来る男が群がる。職場上司の黒田は息苦しそうな涼子を年上の男性として労わる。昔の彼氏矢島は、別れたにも関わらず、涼子はまだ自分に・・・と思い込み、執拗にアプローチ。昔孝之が働いていた美容室の同僚野々村は純粋に涼子が好きで好きで堪らない!積極的にアプローチ。涼子も必死で自制を働かせながらも、今の生活の息苦しさもあり、出来る男達からの巧妙なアプローチに嵌り一夜の・・・、というエラーを犯す。
というお互い様の状況なのだが、男女の恋愛に対する根本的なとらえ方というか、本能というかが違う。その描写が俊逸。さすがは由佳さんです。笑
ステレオタイプで捉えれば、女性にとっての恋愛は心が重要。気持ちが繋がった先に肉体関係がある。すなわち、心と肉体が同体の恋愛。なので涼子の一夜はエラー。
男性のとっての恋愛(恋愛というかどうかは別として)は、心と肉体(性欲)は別。なので、浮気を軽く考える。若い美登利に溺れても性欲処理。涼子と別れる気はない。それとこれとは別。
なので、女性の感覚からすれば涼子は、孝之と美登利の関係を許せるはずはない!更に、涼子の一夜の間違いで孝之としてはチャラだと考えること自体許せない!
ということを孝之は頭が良ければ理解できるはず。
ストーリーは、後半に孝之に降り掛かる悲劇の連発と、ぎくしゃくした夫婦関係の再構築に向けた涼子への(ありえない笑)提案で、めでたしゴールに行きつく。笑
美登利も涼子も幸せ。
涼子を取り巻く男性陣も幸せ。
孝之は幸せ?になれるかどうかは成長できるかどうか次第ですね。笑
さあ、お互い自分の人生を漕げ(row)漕げ(row)!
堪能しました。村山恋愛小説を!
Posted by ブクログ
夫婦の歪みとその結末 - 村山由佳「ロウ・アンド・ロウ」★★★★☆
かなり多くの人に刺さるだろう。わかりみがすごい!
この夫婦はとにかく価値観が違いすぎるし、偏差値も違うから会話にならないよな。 モテすぎとか、エロ描写がエロいとかいいたいことはあるけど、空気感が心にささります。
しかしながら、旦那の終盤はクソ過ぎだろ。突然ポンコツになりすぎだわ。
引用・絶対的な長所なんてないのよ。絶対的な短所もね。あるのは相手の受け止め方だけ。
・大人っていうのは、自分で自分の機嫌を上手に取れる者のことをいうの。
Posted by ブクログ
道ならぬ関係の物語。
元々は他人だった者が結婚して家族になる。
一緒に生活して、築き上げるものや時間と反して、分かり合えない部分も当然ある。
お互いにめちゃくちゃな二人だったけど、それだけに面白くてページ数も気にせずに楽しんでしまいました。
ただ、やっぱり身近でこんなことが起こったら怖いし、かなりメンタル削られるなと思います。
Posted by ブクログ
村山由佳さんの作品を読むのは星屑に続いて2作目なんだけど人物が全員魅力的で、描くのが上手いなーって関心させられてしまいます 私の中で嫌なやつがとことん嫌なやつのまま終わったことに、この人物を考えた村山由佳さんすげえって尊敬しました プロってすごい
Posted by ブクログ
出来るキャリアウーマンの妻と美容師の夫、二人の視点で夫婦生活が壊れていく様子、離婚に至る経緯が丁寧に描かれている。プライドが高いせいかもしれないが涼子の夫への遠慮がこんなに結論を引き伸ばしたのかもしれない。また結婚している男狙いの美登里、こんな女って案外あちこちにいるんだろう。男ってバカだ。
そして、不倫した相手矢島の妻の男前な真っ当さに惚れ惚れしました。
Posted by ブクログ
★4.5なんですが、刻めないので★4
お叱りを承知で、すっごいざっくり概要を言うと
『お付き合いして結婚した男女が、(根本的に)話がかみあわず、心も身体も離れていくお話。というか元々通じ合ってなかったかな...的な』
え?間違ってないよね?笑
◆瀬を早み 岩にせかかる滝川の
われても末に逢はむとぞ思う
そこにないものの話ができない相手はつらい
◆「きみの醸し出す、あの〈寄らば斬る〉的な雰囲気、僕は嫌いじゃない」黒田部長→涼子
◆「大人っていうのは、自分で自分の機嫌を上手に取れる者のことをいうの」雪絵→涼子
Posted by ブクログ
どんな結末になるのか、と思ったけど、涼子、よかったね、と言ってあげたい。
しかし男はアホだねぇ。
今回は白でも黒でもない、桃色ムラヤマさん、何度もドキドキさせてもらいました。
Posted by ブクログ
またこの手の話か…。とちと残念に思いつつ読み始めたが、よーやく自己憐憫さが薄らいだ(またはこちらが慣れた)ようで、これまでのような苦手な感触はなく読めた。
とりあえず無邪気な暴君夫と頭でっかち萎縮妻の冷えた関係系はこれでしばらく打ち止めにしてもいーんじゃないかな。
今回は違うけど母との確執系も。
Posted by ブクログ
※
話が始まってラストの本当に際のキワまで、
年月を経たせいだけとは言い切れない夫婦の
すれ違っていく気持ちと深まるばかりの溝が
あまりにリアルでした。
それに相手と言葉が通じないという虚しさ、
分かり合えないもどかしさ。
それらを見てみぬふりして生活をし続ける
ことに疲れ、自分の気持ちを誤魔化せなく
なった主人公の絶望感と哀しさがないまぜに
なり立ち竦む様に苦しくなります。
家庭での居場所のなさや満たされなさ、
息苦しさと不自由さを感じながらも
夫婦間の信頼関係を信じていた主人公。
夫が若い女性との不倫にハマっていく様や
バレなければいいという安易で軽率な姿、
典型的に泥沼な展開に読んでいて胸が悪くて、
いっそ読むのを止めてしまおうかと思いました。
でも、きっと何かしら主人公が自分の人生を
再生させる救いがあるに違いないと祈って
なんとか読み切りました。
経済的にも精神的にも自立し、
自分で自分の幸せを決める。
性別に関わらず、そんな芯をもつ
人になりたいと感じた物語でした。
Posted by ブクログ
涼子さん目線にしかならなかった。
孝之は許せない。
村山由佳はピュアなイメージがあったのでどろどろで驚いた。これが大人だとは思いたくないけれども、読む間ずっと曲が流れ続けている。Life is but a dream.
Posted by ブクログ
夫婦の間で、価値観や感覚のずれ、ひとつの物事に対する受け止め方の違いが少しずつ表面化するにつれ、これはもう一緒に暮らしていけない、とはたから見ていても思えてくる。それでも平穏を保とうとする夫と妻それぞれに、どうか早く決断してくれ!と思いながら、読み進めた。
2人の出した答えは、それで良かったと思えるものだった。
Posted by ブクログ
登場人物の誰も好きになれなかった。
美登利は最初から嫌いだったし夫もクズだった。
涼子を応援していたけどなんであのタイミングで2人の人と不倫するかなあ。
しかもカッコ悪くバレちゃうような。
というふうに憤りながらも最後まで一気に読まされちゃうところが村山由香さんの筆力かな。
Posted by ブクログ
これはよかった。私も、キャリアに邁進している働く女性の端くれとして、かなり身につまされる思いが…。夫と妻のすれ違いとか、ちょっとした歪みの描写がめちゃくちゃリアルで、やや読んでてキツかったが、ストーリーとしても面白くて一気読み。不倫女が本当にウザいww
Posted by ブクログ
思っていた内容とちょっと違ったけど最後まで読んでしまった!40歳過ぎて読んだら涼子さんの気持ちに共感できるところがあるかも。
最後の1ページに集約されているかな。
Posted by ブクログ
読んでいる間中、ずっといや〜な気分が続く本だった。それでも読んでしまう。この分厚い本を読んでしまった自分がいる。なんて下衆な話なんだろ、と思いつつ読んでしまった。嫌な思いに包まれながらも面白く…
村山由佳さん、人のことをよく見てるし、きっととてつもなく勘が働く人なんだろうなと思う。私も同類だ。
こういう人いる!そういう気持ち、自分の中にもある!と、次々と巧みに繰り広げられる感情と展開とに、ページをめぐる手が止まらなくなる。
そして、これととても似ている話を実話として知っている。孝之と似た人生を送っている男の人を。年下の女性の後輩からの、自尊心をくすぐるような言葉にほだされ、結婚を心に決めていた彼女を裏切って浮気をし、子供ができ、そこまでのつもりはなかったのだけれど…と思いつつ結婚して、そのうちまだ若いのになぜか性的に半ば不能になり、それでもまだ枯れつつある体で不倫までしている。物語の中だけの話ではないのだなぁ。
自分は旦那がいないので、そこまで強い不快感はなく、完全に他人事として読めたけれど、それでも、美登利はいただけない。男性に対して自尊心をくすぐることを言うと、効果的で容易に落ちるのは女性の多くが知っている。それを知っていて、そして、実際に頼り甲斐あるなと男性に感じたとしても、手を出してはいけない相手なら、それを口にするかしないかが、その女性の品性であり知性の違いではないだろうか。それを大いに真に受けて、のせられてしまう男性も情けないが…。
読んで何か得たか?というと、それは正直ないかもしれない。読まなければ良かったか?わからない。でもきっと、このような徒労感を味わうことになると知っていても、やはり手に取っただろうと思う。
(抜粋)******
○一般的に女は、自分より若い男からの賞賛を、あんなに単純には喜ばない。露骨にすりよってこられたなら、まず下心を疑う。ろくに疑わずに受け入れる男たちは、自分をよほど高く見積もって色に違いない。幸せなのか間抜けなのかわからない。
○彼女と一緒にいると、自分には値打ちがあるかのように思えてくる。そうした充実感や自己肯定感を、孝之はここ何年も見失っていた気がするのだった。
Posted by ブクログ
3.6 君の時間を無駄にしてごめん。のあやまりは相手へのなんの思いやりにもならない。それは、自分が結婚においての傍観者であったと言ってるのと同じだから。他者に依存して生きるほど不幸なことはない。
Posted by ブクログ
当人達にとっては特別で純粋な関係に思えても側から見たら、ありきたりで俗な行いということはままあるなと。ついつい妻側に味方してしまうけれど、巡り巡ってどっちもどっちかもなと思わせるのは、作者の本意でよいのかな。
「なるほど、きみが好きそうなやつだね」
人間的に良質そうなタイプには堕ちない、優秀な女性のダメンズ好みが哀れだわ。
Posted by ブクログ
自宅一階で美容院を開いてる、早瀬孝之。
3歳年上で、広告代理店で、バリキャリの妻、涼子夫婦。
年下妻に甘え、自分勝手な、孝之。
仕事に夢中になり過ぎて、夫婦関係にひびが入っても、それを補修する時間も無い。
自宅に自分の居場所がなく、挙句は、会社を避難先としてしまう、涼子。
そして、お定まりのW不倫。
小説とは言え、先が見えてしまう。
それにしても、かくも簡単に、不倫をしてしまうとは、時代なのか。
夫婦でいる意味って、一体、どこいらへんにあるのだろうか。
Posted by ブクログ
じっくりと主人公たちに向き合えて読み応えある作品…夫婦がちょっとずつのすれ違いに向き合わないまま、気づいたら元に戻れない隔たりができた。どちらが正しい悪いは言えない事だけど、どうしても涼子さんの方に肩入れし、孝之さん愚かな…と思ってしまった。
Posted by ブクログ
夫婦って本当に不思議だ。
なんで別れないのか?と不思議になるほどケンカばかりしている夫婦もいれば
円満離婚とか言って、仲良さげに別れていく夫婦もいる。
人はみなそれぞれなのだから、夫婦の形が千差万別なのも当然か。
主人公夫婦の出した結論は予想通りだったけれど
私は彼女のこの後の人生を読んでみたい。
人と一緒の煩わしさか、一人の寂しさか、
私達はどちらかしか選べないものね。
Posted by ブクログ
自分が決してたいそうな芥川賞候補作品ばかりを好んで読むような立派な読書家である、などと言うつもりは無いが、じっさい、最近の私が読み終えた(それもだいたい一気に)書籍、また読みたい書籍、と言うのは芥川賞候補作品、が多い。
何が言いたいかと言うと、かつて私が今ほど読書に熱中していなかった頃に読み終えた「エンジェルズ・エッグ」で感銘を受けた村山由佳さんの今作品であるが、その時ほどの感慨深さは感じられず、長編の決して良い意味では無く淡々と進行していく情景や主人公たちの心情風景には、たとえ創作の中であっても魅力を感じて興味を持って読み進める事はできなかった。
全編の三分の一程度しか読みきれていないので生意気な事を書く資格も無いのかもしれないが、そもそもが雑誌(確かサンデー毎日誌)での連載であったらしい。その辺りも若干、下世話な、ありがちな、創作の結果となっているのかもしれない。
もちろん卑下するつもりなど無いし、世間一般のいわゆる「ボリューム層」を捉えた場合にはこの主人公達のような家庭環境、職業意識、日常生活、が浮かび上がって来るのかとは思う。ただ、私にはそこまで興味を抱いて、読み進めていきたい、と思える内容、では無かったように思う。