感情タグBEST3
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ルイススローティンについての供述があったので。
「デーモンコアを前にしたスローティンが手にしていたのは、気まぐれ一つで、目の前の世界を粉々に吹き飛ばし、無数の命もろとも暗闇に葬る、目眩がするほどの力であった。実験を繰り返した時の彼は、おそらくは悪魔的な力の感覚に酔っていたのであろう。知は力であり、力は悪を孕む。科学の絶対的な力は絶対的な悪となる。」
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毎日の終わりに一夜ずつ、熟成したワインを一人しみじみ楽しむように読んだ。数学が難しすぎて挫折した章もいくつかあったけど、全編クールな詩情に溢れた著者独特の文体を満喫した。こんな科学の本がもっと欲しい。
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前作同様に科学と文学の両方を楽しめるお得な読後感。前作とくらべてハードな科学とディープな文学の振幅が激しい。ハードな科学はかなりハードで、繰り返し読んで初めてわかる部分も。
特に感銘を受けたのは、科学の暗部を描いた「デーモンコアと科学の原罪」「メンデルと剽窃とフィッシャー統計学」。あと「ローラン展開の世界史」も好き。
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キレのある文体による科学のよもやま話。情緒的になりすぎないのが良かった。世界を美しく捉えるのが文学者なら、世界にある美しさや奇跡をそのまま捉えるのが科学者なのかもしれない。誇張も装飾もいらないのだ。
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短い章立てで、科学知識のない私でも読みやすいが、適度な難解さも含まれており、わからない物事があるという心地よさがあった。
物理学者という、自分から遠く思える他者の、知識の片鱗に触れ、これまで数多の人々が積み上げ、研鑽してきた知識の結晶を受け継ぐ人が、こうして今もいてくれる喜びも感じた。
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面白かった。申し訳ないが、おもろなさそうとか思って読み始めたらば、これが存外面白くてハマった。特に、革命家のマルチバース、シミュレーション仮説と無限連鎖世界、土星の環から霧雨が降る。別本で読んだ話やエピソードなどもあるが、それについての考察がちょっと違う方向というか、
十分に進んだテクノロジーは魔術と区別がつかない、と言ったのはアシモフであった。
さらに突き詰めて考えると、完璧に進んだテクノロジーは、おそらく自然と区別がつかないだろう。
これ、最近よく思うことなので、
やっぱりみんなそう思うのねぇ、と思ったのだった。
最後はヒマラヤ越渡りで有名なアネハヅルの話だが、
人間が鳥の渡りに影響を及ぼせる一例を
どのように物理な味付けをするかと思いきや、
まあ、そんなにユニークな話にもならず、少し残念だった。
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前作「銀河のかたすみで〜」がとても好きだったので期待して手に取った。1章ごとが長くなり、専門性が増した感じで、正直あまりよくわからない話が多かった。
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社会物理学についてもう少し勉強したくなった。
全体的に前作より難解な題材を扱っているためか、科学の美しさやロマンを味わいづらかった。
詩の引用が多く、教養の広さが窺える。私もそろそろ外国語の詩も味わえるようになりたいと思った。
Posted by ブクログ
前作よりもかなり難易度が上がっている印象。よく分からない話が多かったが、その中で土星の輪、日本に落とされるはずだった3発目の核爆弾が起こした事故、最後の章の生物の話は興味深く読めた。世界で最も不味いのは、モグラと黒蠅らしい。