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19世紀末から第一次世界大戦、第二次世界大戦、共産圏崩壊間近に至るまでの激動の時代を生き抜いた10人の大ピアニストを中心に、歴史を横にスキャンすれば同年代、先輩・後輩が織りなす友情、ライバル心、嫉妬、誤解、すれ違い、悔恨、迫害、韜晦等々の物語があり、縦にスキャンすればマエストロたちの華々しいコンサートの熱狂ぶりを思わぬところで目撃して発奮したり、無視されて絶望した10年後、15年後のマエストロたちがいたりと、クラシック音楽の世界はまことに意外性に富んだ物語を秘めている。その綾をひもといて、飽きさせることなく読ませるのは、さすが <クラシック・ジャーナル> 編集長たる著者の力量あってこそ可能だったように思われる。
それにしても某マエストロが語った 「音楽にはたしかに国境はないかもしれないが、音楽家には国境がある」 という肚の底からの呻き声が、そんな時代もあったという回顧談となる日が一日も早く来たらんことを願うのみである。
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音楽論に踏み込むのではなく、現存している資料から発言や動向を読み解いていくスタイルは著者のカラヤンの本と同じである。
ピアニストとしてのショスタコーヴィチについて触れている数少ない本。
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とても面白かった。年代を切り口に各ピアニストの関係、状況をまとめたのは新鮮。但し、結論部分は某ピアニストの言葉ではなく、筆者の意見を聞きたかった。ピアノファンにはお薦めです。
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10大ピアニストの物語であると同時に、音楽家からみた激動の20世紀の物語。
音楽家、というと、なんとなく浮世離れしていてピアノばかり弾いている、、というイメージがあるけれど、考えてみれば当然ながら、歴史の流れに翻弄され、それでも自分の技量と音楽への情熱を武器に生き抜いていく。
故郷のロシアを愛しながらもアメリカへの亡命後は一度も故郷の土を踏めなかったラフマニノフ。
時に精神を病みながらも「鍵盤の魔術師」と言われた技巧で人々を魅了したホロヴィッツ。
陽気で社交的でありながら、ユダヤ人であるために親族をほぼ皆殺しにされたため生涯ナチを許さず決してドイツで演奏を行わなかったルービンシュタイン。
音楽家を庇護していたヨーロッパの王族たち。そして革命によるソ連の誕生。レコードの発明による音楽の大衆化。
いろんな意味で考えさせられる、ドラマがいっぱいの一冊。
ピアノに興味がない人にも、ぜひ。
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ラフマニノフ、ルービンシュタイン、ホロヴィッツなど、20世紀を代表するピアニスト10人から見たその歴史やピアニスト同士の係わり合い等を描く。戦争やナチス・ソ連の影響の色濃さが興味深い。年表があれば尚良かった。誤字が多いのは興醒め。
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ホロヴィッツの演奏を聴いて、他のピアニストとは違う「何か」を感じ、その「何か」を見極めたくて、この本を手にした。著者は、「執筆中、極端に言えば、ホロヴィッツとルービンシュタイン―この二人のCDさえあれば他はいらない…」、「ホロヴィッツは中毒になる…」とまで書いている。ますます、ホロヴィッツに興味を持ってしまった、がまだ見極められず。吉田秀和氏の『世界のピアニスト』なども読んでみよう…。ホロヴィッツに「彼こそナンバーワン」と言わしめる(作曲家として有名な)ラフマニノフの演奏も聴かなくては…。
Posted by ブクログ
ピアニスト達が才能を見いだされ、成功していく過程はとてもドラマチックです。
名盤を探してみたくなりました。
年代ごとにピアニスト達の生涯を追っていくかたちで書かれているのですが、私はあまり詳しい訳ではないのでたまに誰が誰だかわからなくなってしまいます。笑