【感想・ネタバレ】生の肯定のレビュー

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Posted by ブクログ

ますます冴えわたる町田節。
でもこの魅了を人に伝えるのはなかなか難しい。
途中、アホらしくても、「ふざけんな!」と思っても、どうか最後まで読んでほしい。
教訓も救済もないが、不思議な心の平安が訪れるから。

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2019年09月16日

Posted by ブクログ

「どつぼ超然」「この世のメドレー」に次ぐシリーズ第3段にして完結編。
超然と生きるはずだった主人公の「余」は、死に場所を求めて彷徨った挙句、生を肯定する境地に達し、最後に土俗神・龍神沖奈と対決します。
帯にある「町田文学の最高峰」は言い過ぎとしても(最高峰は誰が何て言っても「告白」です!)、町田ファンには待望の作品には違いない。
だって、たとえば、次のような文章なんて、今の文学界で町田さんくらいしか書けないしょ。
「オレオレ詐欺。という。そんなものはもう旧い。これから必要になってくるのは君君詐欺だ。あんた誰ですか。君だよ。俺は君だよ。え? 君って俺なの。そうだよ。君君。君だよ。I am youだよ。」
ただ、十数年来の大ファンだからこそ言わせていただくと、ややマンネリ化している感あり。
特に、今、大長編の「ホサナ」と並行読みしていますが、本書の内容とかなり重複します(たとえば、「実体化」とかね)。
正直言って、町田さんの本書のようなエッセー風の小説は少し食傷ぎみになってきたかも。
近年だと、「ギケイキ」は良かったです。
池澤夏樹さん個人編集の日本文学全集に収録されている、町田康訳の「宇治拾遺物語」も絶品でした。
町田さんは、歴史に材を取った作品の方が圧倒的に面白いと思います。
それか純エッセー(なんて言葉はないですが、エッセー風小説ではないということ)ね。
そんなわけで「ギケイキ」の続編が楽しみです。
「生の肯定」のレビューになってないですね。
すみません。

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2018年01月21日

Posted by ブクログ

スゲエ自由に書いてる小説だけど、誤植というより著者自身の誤記というか誤入力というか、ゲラチェックをちゃんとしていないのではないか。

たとえば同音異義の漢字変換でボケてみたり、助詞を抜いたりというのはわかる。しかしそうした小説的効果を狙ったものとは違う、単なる「書き間違い」がそのまま放置されている気がしてならない。もうそういう細かいところは気にしない、という境地にまで達したのかな。

なんでも、雑誌か何かに連載していたものに加えて、最後の5章、6章を書き下ろした、とあるので、スケジュール的にチェックが甘くなったのかな。

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2019年02月06日

Posted by ブクログ

町田節さらに炸裂!一体作者の脳内はどうなってしまっているのだろう。面白かった。
校閲の人大変だったろうなぁ。

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2018年10月06日

Posted by ブクログ

超然としたい理想と、この世でそれなりに自尊心を満たす事で生き甲斐を感じ多少の気分の良さをもって生きていく事との葛藤。途中まで構成は漱石の草枕のようにも思ったが、主人公が最終、あらゆる矛盾やギャップを受け入れ、諦観めいた自己肯定感を獲得するところに町田康なりの人生観みた気になった。

(町田康は心情描写を得意とする反面会話文はあまり展開的でなく、ぎこちなさが相まってしばしば行数稼ぎのようにも感じる。一方、織田作のテーマ性やキャラクターやストーリーのバリエーションはさて置き、戯作家として作家のキャリアをスタートさせた織田作の会話文描写はやっぱりイキイキとしていて秀逸だな〜〜と読んでいて思い出したりした。)

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2018年08月31日

Posted by ブクログ

この世の一切を超然の高みから見下ろし、実際の存在と自分に見えるものとの間の乖離を誤魔化すため思考停止を施し、欺瞞的な笑いを笑ってきた。この世の終わりと始まりを見て、ようやく自分が超然の高みにないことを自覚する。死に向かうのではなく、生の方へ向かうべく貪欲に生きようと心を変える。超然の立場に固執しない素直な気持ちを大事にしていく生きかた。人と触れ合い、いろんなことを自然に受け止め真心を大事に生きていく、そんな自らのありようを今一度見つめ直した。

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2018年09月15日

Posted by ブクログ

意味は分からない。飲み込まれるというほどの感受性も持ち合わせていない。しかしそれでも読んでしまうのは面白くて、おれでも分かるようなことを時々挟んでくれるからである。

どつぼ超然から始まり、この世のメドレーにつながった余3部作がここに完結します。この世のメドレーが1番読みやすかったかな。

田宮(熱海?)に住んでいる余は、横浜美術館に行こうとして、特急踊り子に乗り込むが…

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2017年12月29日

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