【感想・ネタバレ】寝ながら学べる構造主義のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

次の一歩を踏み出したくなる分かりやすい書き方で、とても面白かった。構造主義を知るほど、「私」なんていないんじゃないか、と思えて、安心と恐怖が押し寄せてくる。

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Posted by ブクログ 2023年09月10日

構造主義が現代思想のひとつということも知らず勢いで手に取りました。「寝ながら」はもってのほか、1回では分からなかったので読み直しながら書いてまとめるまでしました。
大枠がぼんやりわかったところで、もしや非常によくまとめられている本なのでは?と感じました。何もわからないのにもう一回読んでみよう、まとめ...続きを読むてみようと思わせてくれたこと自体、良書なのだと思います。

追記 
他の本を読んでいて、この本で書かれていたなと思い出すことが多々ありました。自分にとって新しい視点をくれた本だと思います。

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Posted by ブクログ 2023年06月24日

構造主義前夜のマルクス、フロイト、ニーチェの要点、代表格四銃士のそれぞれの功績といった展開でポイントが掴みやすい。

人間の内在的な主体性から、外因との関係性から自己や人間とはを問う。なんとなくではあるが、現代の思考や価値観に(個人的なのかも)通底する考え方かなって我が事として引き込んで理解しやすい...続きを読む

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Posted by ブクログ 2022年06月26日

母親:入眠までの時間がいつもより短くなった。学べているかは知らない。

僕:寝る直前に読むには少し内容が難しかったが、他の哲学書よりも随分読みやすかった。

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Posted by ブクログ 2022年05月04日

ソシュールの言葉が物事を規定するというのにはトータルアグリー。
フーコーは歴史の大切さ、神の代わりの歴史の蓄積という考え方。
レヴィストロースは近親相姦の禁止から贈与の大切さを解く。ラカンは物事が真実かどうかではなく、その認知において何が起こるかぁ大切だと解く。

何を知っているのか?を教えるのでは...続きを読むなく、何を知らないのか?なぜ知らないのか?を明確にする。
それは知りたくないからである。

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Posted by ブクログ 2022年04月30日

難解な話が本当にサラサラと読める本です。まさに寝ながら読みました。本の内容の一割も吸収できていませんが、また、再読することで、もうちょっと、理解が進むのではと期待させられます。

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Posted by ブクログ 2022年03月10日

この本は最高の眠り薬!すごく良く眠れます。寝ながら学べるはずなのに、枕元で本を開くと二〜三行で抗えない瞼の重さがやってきます。気が張って寝付けない時におすすめです。
私は、この本のあとがきが全ての本のあとがきの中で一番大好きです。すんごい小難しそうな西洋哲学観を「なーんだこんなことだったのか」と身近...続きを読むにしてくれました笑。

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Posted by ブクログ 2022年03月06日

言葉を獲得した人は、テキストと同じく、言葉によって編まれた存在となる。私は小説と同じ成分で作られていた。ファイアボールや文字禍に通ずるところがある気がする。口紅に残像を、に至ってはフィクションという名の現実かもしれない。どちらも言葉によって「作られた世界」であることに変わりないのだから。

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Posted by ブクログ 2021年12月28日


 なぜ、私たちはあることを「知らない」のでしょう? なぜ今日までそれを「知らずに」きたのでしょう。単に面倒くさかっただけなのでしょうか?
 それは違います。私たちがあることを知らない理由はたいていの場合一つしかありません。「知りたくない」からです。
 より厳密に言えば「自分があることを『知りたく...続きを読むない』と思っていることを知りたくない」からです。
 無知というのはたんなる知識の欠如ではありません。「知らずにいたい」というひたむきな努力の成果です。無知は怠惰の結果ではなく、勤勉の結果なのです。」


内田樹が構造主義を解説した本を書いてたなんて迂闊にも今まで知らなくて、珍しいもの見たさに電子書籍で入手して読んでみたら、これがなかなかの拾いもの!!!
「まえがき」の中にあった上掲の文章のインパクトにまずやられて、そして本文を読み進めるうちに、構造主義という知の闘いが人間精神の何をめくろうとしてきたのか、なにを切り開いてきたのか、それを鮮やかに描き出してくれた。
すごくとっつきのよい、題名のとおりに「寝ながら読める」のだけど、ここから得られる精神覚醒の揺さぶりは相当のもんだった!
強くお勧めしたい。

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

構造主義は、主体を重視するのをやめて、既にある社会システムを重視し、なぜそのシステムがあるのかを考えていくことだと認識した。そもそも主体なんてない。生まれた瞬間から分節された社会システムの中にいて、その構造上の中で生きていく以上、その人の思考もそのシステムの影響を受ける。よって、それはその人の主体で...続きを読むはない。構造主義での主体とはシステムを作った瞬間にしか存在しない。それを零度と呼び、構造主義の目的はこの零度の探求である。ポスト構造主義がポスト構造主義と呼ばれる理由がわかった。構造主義から逃れられないからか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月27日

構造主義とは、、、
要するに、自分がやっているや思っていることは、実は、自分以外の別のものに大きく影響を受けているというのが、構造主義的な考え方。
ある時代、ある地域、ある社会集団に属していることからものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。それはかなり社会集団が受け入れたものによっ...続きを読むて選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。自由や自律性はかなり限定的。

物事には両面あるのであって、主体性そのものが全く認められないという話でもない。その意味では、自分の思い込みを相対化するためのベースとして、理解しておくべき考え方。

この本自体は、非常に理解しやすく説明されているので、おすすめ。

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

名著としてこの本は名高い。以前から気になっていたところ、読んでみて深い知見に感動した。この本の引用(下記参照)の多さから、新しいことをかなり多く学んだし、既知の知識も整理された。しかもその内容も著者の力が無ければ、わからないままでいたであろうことについて、わかりやすく読み進められた。次に下記の引用箇...続きを読む所をまとめたのと「→」の後に私見を述べた。

「知性で一番大切なことは問い。」

→問いの質に答えは強く影響を受けるという点で、このことはとても大切だ。

構造主義をひとことで説明すると、人は見るとき、感じるとき、考えるとき、社会集団の影響を強く受けて、見させられ、感じさせられ、考えさせられている。「マルクスは階級によってものの見方が異なる、と言った。」

→人は自分で能動的に行動しているつもりでも、必ず社会によって動かされているということになる。このことを知っていて注意深く意識していなければ、社会によって動かされているということには気付けない。

フロイトは、「人間は自分自身の精神生活の主人ではない」ということ、つまり、人間は自由に思考しているつもりで、実は自分が「どういうふうに」思考しているかを知らないで思考しているということを看破しました。これはフロイトの分析した「抑圧」のメカニズムです。マルクスは人間主体は、自分が何ものであるのかを、事後的に知ることしかできないという知見を語りました。フロイトは、人間主体は「自分は何かを意識化したがっていない」という事実を意識化することができないという知見を語りました。ニーチェは、私たちは自分が何ものであるかを知らない、と言い切る

→人間は自分で考えていること、自分が何ものであるのか、を事後的にしかわからないというのは、最初の方に書いてあることを含めて考えると、人間は社会に無意識に動かされながら思考や行動していて、結局社会の要請に従って人は動かされていることになり、人間の自由意志とは何なのかということになる。

すごく平たく言えば、ニーチェのそれ以後の全著作は「いかにして現代人はこんなにバカになったのか?」と総題を持つことになる。畜群の行動準則はただ一つ、「他の人と同じようにふるまう」ことです。 誰かが特殊であること、卓越していることを畜群は嫌います。この畜群の理想は「みんな同じ」です。それが「畜群道徳」となります。畜群の理想は「みんな同じ」です。それが「畜群道徳」となります。ニーチェが批判したのはこの畜群道徳なのです。(だって)、畜群は(その定義からして)主体的判断ができないものだからです。他人と同じことをすれば「善」、他人と違うことをしたら「悪」。それが畜群道徳のただ一つの基準です。「超人」とは「人間を超える何もの」かであるというよりは、畜群的存在者=「奴隷」であることを苦痛に感じ、恥じ入る感受性、その状態から抜け出そうとする意志のことのように思われます。

→畜群にはなりたくない。大多数の畜群は畜群のことについてどう思っているのか。他人と同じことをしていればよいので、畜群は主体的判断ができないのです。
  
「私の持論」という袋には何でも入るのですが、そこにいちばんたくさん入っているのは実は「他人の持論」です。「・・・言語の出現以前には、判然としたものは何一つないのだ。」

→持論は他人の持論。言語がないとはっきりと分別がつかない。

(人間が他者と共生するルールは、)「人間社会は同じ状態にあり続けることができない」と「私たちが欲するものは、まず他者に与えなければならない」という二つのルール

→方丈記の冒頭が思い浮かんだのととギブアンドテイクの精神。

つまり、私たちは全員が、自分の見ている世界だけが「客観的にリアルな世界」であって、他人の見ている世界は「主観的に歪められた世界」であると思って、他人を見下しているのです。

→そういう傾向があるような気がしていたので、的を射ている。

下記引用、数字はページ数

11 知性がみずからに課すいちばん大切な仕事は、実は、「答えを出すこと」ではなく、「重要な問いの下にアンダーラインを引くこと」なのです。

14 構造主義という思想がどれほど難解とはいえ、それを構築した思想家たちだって「人間はどういうふうにものを考え、感じ、行動するのか」という問いに答えようとしていることに変わりはありません。ただその問いへの踏み込み方が、常人より強く、深い、というだけのことです。

19 「私たちはつねにあるイデオロギーが『常識』として支配している、『偏見の時代』を生きている」という発想法そのものが、構造主義がもたらした、もっとも重要な「切り口」だからなのです。

25 構造主義というのは、ひとことで言ってしまえば、次のような考え方のことです。私たちはつねにある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。だから、私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。むしろ私たち、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け容れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。そして自分の属する社会集団が無意識的に排除してしまったものは、そもそも私たちの視界に入ることがなく、それゆえ、私たちの感受性に触れることも、私たちの思索の主題となることもない。私たちは自分では判断や行動の「自律的な主体」であると信じているけれども、実は、その自由や自律性はかなり限定的なものである、という事実を徹底的に掘り下げたことが構造主義という方法の功績なのです。

26 意外に思われるかも知れませんが、構造主義の源流の一つは紛れなくマルクスなのです。

27 マルクスは社会集団が歴史的に変動してゆくときの重大なファクターとして、「階級」に着目しました。マルクスが指摘したのは、人間は「どの階級に属するか」によって、「ものの見え方」が変わってくる、ということです。この帰属階級によって違ってくる「ものの見え方」は「階級意識」と呼ばれます。

27 人間の個別性をかたちづくるのは、その人が「何ものであるか」ではなく、「何ごとをなすか」によって決定される、マルクスはそう考えました。

28 たいせつなのは「自分のありのままにある」に満足することではなく、「命がけの跳躍」を試みて、「自分がそうありたいと願うものなること」であるーヘーゲルの人間学

28 (国家は)人間が動物的な意味で生きてゆくためにはもとより不要のものです。人間がそのような「もの」を作り出すのは、「作られたもの」が人間に向かって、自分が「何ものであるか」を教えてくれるからです。

29 ヘーゲルによれば、「人間が人間として客観的に実現されるのは、労働によって、ただ労働によってだけ」です。

32 主体性の起源は、主体の「存在」にではなく、主体の「行動」のうちにある。これが構造主義のいちばん根本にあり、すべての構造主義に共有されている考え方です。

32 中枢に固定的・静止的な主体がおり、それが判断したり決定したり表現したりする、という「天動説」的な人間観から、中心を持たないネットワーク形成運動があり、そのリンクの「絡み合い」として主体は規定されるという「地動説」的な人間観への移行、それが二〇世紀の思想の根本的な趨勢である、と言ってよいだろうと思います。

33 フロイトの貢献はマルクスと深いところで通じています。それは「人間は自分自身の精神生活の主人ではない」ということです。

34 フロイトは人間は自由に思考しているつもりで、実は自分が「どういうふうに」思考しているかを知らないで思考しているということを看破しました。自分がどういうふうに思考しているか思考の主体は知らない、という事実をもっとも鮮やかに示すのがフロイトの分析した「抑圧」のメカニズムです。

40 マルクスは人間主体は、自分が何ものであるのかを、生産=労働関係のネットワークの中での「ふるまい」を通じて、事後的に知ることしかできないという知見を語りました。フロイトは、人間主体は「自分は何かを意識化したがっていない」という事実を意識化することができないという知見を語りました。

41 ニーチェは、私たちは自分が何ものであるかを知らない、と言い切ります。

46 すごく平たく言えば、ニーチェのそれ以後の全著作は「いかにして現代人はこんなにバカになったのか?」と総題を持つことになるのです。

50 利己主義を徹底的に追求したら、いつしか「利他主義」に至ってしまった、というのが功利主義の道徳観です。

51 畜群の行動準則はただ一つ、「他の人と同じようにふるまう」ことです。誰かが特殊であること、卓越していることを畜群は嫌います。この畜群の理想は「みんな同じ」です。それが「畜群道徳」となります。畜群の理想は「みんな同じ」です。それが「畜群道徳」となります。ニーチェが批判したのはこの畜群道徳なのです。

52 (だって)、畜群は(その定義からして)主体的判断ができないものだからです。

53 他人と同じことをすれば「善」、他人と違うことをしたら「悪」。それが畜群道徳のただ一つの基準です。

54 「貴族」は、自分の外側にいかなる参照項も持たない自立者です。「貴族」とは何よりも無垢に、直接的に、自然発生的に、彼自身の「内部」からこみ上げてくる衝動に完全に身を任せるもののことなのです。

55 「超人」とは「人間を超える何もの」かであるというよりは、畜群的存在者=「奴隷」であることを苦痛に感じ、恥じ入る感受性、その状態から抜け出そうとする意志のことのように思われます。

60 「ことばとは、『ものの名前』ではない」

62 「名づけられる前からすでにものはあった」という前提

67 「・・・言語の出現以前には、判然としたものは何一つないのだ。」

72 私たちはごく自然に自分は「自分の心の中にある思い」をことばに託して「表現する」というふうな言い方をします。しかしそれはソシュールによれば、たいへん不正解な言い方なのです。「自分たちの心の中にある思い」というようなものは、実は、ことばによって「表現される」と同時に生じたのです。と言うよりむしろ、ことばを発したあとになって、私たちは自分が何を考えていたのかを知るのです。

73 まさに「ことばを語っているときに、私の中で語っているものは私ではない」という言語運用の本質を直観したものです。私がことばで語っているときにことばを語っているのは、厳密に言えば、「私」そのものではありません。それは、私が習得した言語規則であり、私が身につけ
た語彙であり、私が聞きなれた言い回しであり、私がさきほど読んだ本の一部です。「私の持論」という袋には何でも入るのですが、そこにいちばんたくさん入っているのは実は「他人の持論」です。

125 126 テクストも読者もあらかじめ自立した項として、独立に自存するわけではありません。例えば、非常にインパクトの強い本の場合、最後まで読み終えたあと、そのまま間をおかずにもう一度はじめから読み直すことがあります。そして、その二度目に、私たちは一度目には気づかずに読み飛ばしていた「意味」を発見することがあります。なぜ、最初は見落としたこの「意味」を私は発見できるようになったのでしょう。それは、その本を一度最後まで読んだせいで、私のものの見方に微妙な変化が生じたからです。つまり、その本から新しい「意味」を読み出すことのできる「読める主体」へと私を形成したのは、テクストを読む経験そのものだったのです。

129 こうなると、批評家の仕事は、読解を通じて、作者を書くことへと動機づけた「初期条件」、作者の「秘密」に手が届かなければ、批評家の「負け」というわけです。現在でも、私たちが眼にする文芸批評の過半は、「作者に書くことを動機づけた初期条件の特定」というこの近代批評の基本パターンをしっかり踏襲しています。バルトは近代批評のこの原則を退けました。テクストが生成するプロセスにはそもそも「起源=初期条件」というものが存在しないとバルトは言い始めたのです。

147 つまり、私たちは全員が、自分の見ている世界だけが「客観的にリアルな世界」であって、他人の見ている世界は「主観的に歪められた世界」であると思って、他人を見下しているのです。

148 新石器時代とほとんど変わらない生活をしている部族がまだ地上には多く残っています。彼らの社会には「歴史的状況」などというものはありませんし、「参加」も「決断」もありません。数千年前から繰り返してきたことをこの先も永遠に反復するだけです。しかし、だからといって、彼らには人間としての尊厳や理性が欠如しているといえるでしょうか。レヴィ=ストロースは「文明人」にそのような傲慢を許しません。彼らもまた自分たちの生の営みのうちに「人間の生の持ちうる意味と尊厳のすべて」が込められていると確信して、そのような生活を営んでいるのです。

159 ・親族構造は端的に「近親相姦を禁止するため」に存在するのです。
   ・近親相姦が禁止されるのは、「女のコミュニケーション」を推進するためである。

160 親族が存在するのは親族が存在し続けるためなのです。

165 (人間が他者と共生するルールは、)「人間社会は同じ状態にあり続けることができない」と「私たちが欲するものは、まず他者に与えなければならない」という二つのルールです。

166 「隣人愛」や「自己犠牲」といった行動が人間性の「余剰」ではなくて、人間性の「起源」

195 ラカンの考え方によれば、人間はその人生で二度大きな「詐術」を経験することによって「正常な大人」になります。一度目は鏡像段階において、「私でないもの」を「私」だと思い込むことによって「私」を基礎づけること。二度目はエディプスにおいて、おのれの無力と無能を「父」による威嚇的介入の結果として「説明」することです。

200 レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており、ラカンは「大人になれよ」と言っており、フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。

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Posted by ブクログ 2023年06月11日

物を考えたりしゃべったりしている主体が、世の中を観測しながら考えたりしゃべったりしている観測者だとすれば、どこから観測をしているのか? はとても重要だ。主体とは思ったほど自由に自発しているわけではない、という構造主義の考えの基本を、代表的構造主義学者の紹介を通じて味わえる。筆者が諸説からかみくだいた...続きを読む内容は、かなり「わかる言葉」で書かれていて、高度な知見がすんなり頭に入ってくる。考えもしなかった「納得いく話」を聞くとどういうことになるか、というと、簡単に言うと「目からウロコ」という状態になるということです。これは相当面白い読書体験でした。

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Posted by ブクログ 2024年03月31日

構造主義って聞いた感じ何それ難しそうって感じだったけど、構造主義自体の基本的な考えは難しくないんだなってこれ読んで思った。

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Posted by ブクログ 2023年09月04日

構造主義という今では当たり前となった見方考え方について、平易に分かりやすく書いてくれている。だが正直、内容はスッと入ってくるレベルのものでは無い。「寝ながら」では難しい。けれど、分かりやすい。

また時間をおいて読んだら、自身の経験も生き、別な理解が深まると思う。

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Posted by ブクログ 2023年05月13日

そもそも構造主義の定義について曖昧でしたが、「構造主義」前からはじまり、4人の思想家の話にコンパクトにまとめられていたので、とても分かりやすく理解できました。
人名が記憶に定着しませんでしたが笑

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Posted by ブクログ 2023年05月07日

寝ながら学べるということだったので、平易に読めるのかと思い手に取ったのですが、確かにスラスラ入ってくるパートもありました。
サルトルとの対比が重要なようなので、その点についての記述もありましたが、基礎知識がなさすぎて、さっぱり。
哲学の基礎をある程度知っていると理解ができるのかと思います。
レヴィ・...続きを読むストロースのところはコテンラジオのおかげでなんとなく理解できました。
結局は自分自身でコントロールしていると感じていたことの多くは構造、関係性によるものが大きく、個人の努力だけではなく組織構造を作っていくことが重要だと感じました。
組織論を考える際の前提にしたいと思います。
哲学を学ぶには何から始めるのが良いか悩みます。

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Posted by ブクログ 2023年03月06日

流石に寝ながら…は学べないけど、なんとなくで見知った点を、わかりやすく線で繋げてくれると本だと思う。連綿と受け継がれるひとつの命は、その属する世界に大きな影響を受けて、脈々と受け継がれていくのだな、と、壮大な風景が浮かんだ。

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Posted by ブクログ 2023年02月14日

精神分析がそもそも目指しているものは何かについての解説は、カウンセリングを過去に数回受けた時に感じた違和感(自分が期待していたものとは異なる)を払拭してくれるものでした。

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Posted by ブクログ 2022年12月19日

構造主義という言葉自体を知らずに読んだが、現代人の思想を支配する哲学について簡単学ぶことができた。
哲学について知ってみたいと思うきっかけになった本でした。

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Posted by ブクログ 2022年12月01日

今回は感想ではなく、覚書に使わせて頂きます。

マルクス:労働ーーー人間の個別性はその人が何者であるかではなく何事をなすかによって決定される。「人間は、彼によって創造された世界の中で自己自身を直感する」
フロイト:抑圧ーーー構造的な無知「人間は自分自身の精神生活の主人ではない」
ニーチェ:畜群・奴隷...続きを読む/貴族・超人、距離のパトス

ソシュール:一般言語学講義ーーー「あらかじめ定立された観念は無い。言語の出現以前には、判然としたものは何一つ無いのだ」
フーコー:人間主義的進歩史観の否定、出来事の零度
バルト:記号学、エクリチュール
レヴィ=ストロース:音韻論の理論モデルによる研究。親族の基本構造、近親相姦の禁止とコミュニケーション欲求

ソシュールの構造言語学は特にグッとくる。
構造主義的思考の、その断片だけでも、ひとりでも多くの人に知って欲しい。世界のあり方がきっと変わると思う。

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Posted by ブクログ 2022年09月03日

夢中で読んでしまった。
これくらい自分を入れてくださっているほうが、見る視点が変わって理解が進むような気がしました。
他の本でも構造主義を語るときは熱量が違うように思っていましたが、レヴィ=ストロースのあたりなどは特に夢中で読みました。

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Posted by ブクログ 2022年02月13日

「自分が見えている世界が相手にも見えているわけではない」
「自分が育った環境によって、物の見え方・感じ方が変わる」
といった考え方が構造主義。
正直「そりゃあそうでしょ」というのが感想である。
しかし、私がこのように感じたことからもわかるように、構造主義というのは現代の人々の考え方の基礎になっており...続きを読む、あらゆるものに応用できる、現代社会において抽象度が最高に高い哲学なのだ。

具体的なものの方が抽象的なものよりもわかりやすいため、構造主義は分かりづらいと思われがちで、私もこの本を最初に読んだときは「で、結局、なに?」が正直な感想だった。
しかしこれも何かの縁か、細谷さんの「具体と抽象」を読んだ後、この本の内容を思い出すと「そういうことなのね!」と理解。

これからこの本を読もうとしている人は、「具体と抽象」とセットで読むのがいいかも。

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Posted by ブクログ 2021年12月30日

[メモ]
我々が思考する時、思考パターンは既にそれぞれの文化背景などに影響を受けている。
よって、自己の思考を疑う癖をつける必要がある(その結論は他者にも共有され得るものか?)。

[感想]
この本をきっかけに読みたい本がまた増えました。
本書の本筋とは離れるけど、ラカンの章を読んで「悪魔」というシ...続きを読むステムを造った先人の知恵に感心しました。
わからないところも多々有ったので、また読み返すと思います。

2023/01/11再読
まえがきが素晴らしすぎます。

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Posted by ブクログ 2021年12月04日

構造主義を噛み砕いて説明していただいた。読み終わって分かったことは、構造主義は検索くらいでは理解できないということ。例え話でわかったつもりになるしかなかった感がある。

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Posted by ブクログ 2021年02月27日

 内田樹による構造主義の入門書。構造主義に繋がるまでの背景から、構造主義の父と呼ばれるソシュール、そして「四銃士」フーコー・バルト・レヴィ=ストロース・ラカンまで。
 先ずはあとがきから引く。
“そういう年回りになってから読み返してみると、あら不思議、かつては邪悪なまでに難解と思われた構造主義者たち...続きを読むの「言いたいこと」がすらすら分かるではありませんか。
レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており、バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、ラカンは「大人になれよ」と言っており、フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。
「なんだ、『そういうこと』が言いたかったのか。」(p.200)”
ここまで単純化(俗化?)されると構造主義も形無しだが、専門家でもない僕にとってはこう言い切って貰えるととても分かりやすい。
 結局構造主義というのは、「立場によって見方は変わる」という、極々常識的なことを主張しているに過ぎない。しかし、まさにこの構造主義の考え方から、この常識というものも単に現代の私たちにとっての「常識」でしかないことが従うわけだ(このことすらも(メタ的な!)常識かもしれない)。実際、このようなものの見方は40年ほど前には見られなかったらしい(p.22)。構造主義的発想が自明なものとなってしまった現代は、筆者の述べるように「ポスト構造主義期」にある(p.17)。そして、哲学が、自明なものにクエスチョンマークを付ける営みである以上、当たり前になっても、いや当たり前になったからこそ、構造主義は依然として重要なのだ。

 フーコーは、「監獄」や「狂気」、「学術」といった現在当たり前に思われている存在の起源=バルトの言うところの「零度」にまで遡って考えるという系譜学的思考から、制度が人間を作ってきたことを見出した。
 バルトは、人々はあるエクリチュール(社会集団や立場にローカルな言葉遣い)を選択し語ることでそのエクリチュールによって規定される型にはめ込まれてしまうと言い、語り手の主観の介入を完全に欠いた「エクリチュールの零度」(日本語!?)を追い求めた。
 レヴィ=ストロースは、文化人類学の視点から文明社会を相対化すると同時に、人間社会に普遍的な贈与と返礼のダイナミズムを発見した。
 ラカンは、精神分析の対話における「私」の現れ方と、私が「私」であることに根源的な二つの詐術について語った。

 解説の合間に挟まれる例え話が分かりやすく、それだけ読んでも面白い。原著を読むにしても、まず本書を読んでから挑戦すると、かなり見通しよくなるのではないだろうか。筆者には似たコンセプトの『現代思想のパフォーマンス』があるが、それよりも本書の方が好み。

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Posted by ブクログ 2024年01月20日

随分前に買ってあったけど何故か読んでいなかった。
内田樹さんの本はまえがきとあとがきが面白い。
入門書は専門書よりも「根源的な問い」に出会う確率が高い、そう言われると、この本で根源的な問いに出会えるかもしれない、という期待が膨らむし、何より「私が知っていること」より「私が知らないこと」を中心に描かれ...続きを読むている、のだ。
寝ながらわかった、とは言わないが、楽しく読める本だった。

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

構造主義の入門書です。まず、現代思想の源流となったマルクス、フロイト、ニーチェについて、簡単な説明がなされたあと、構造主義の源流とされるソシュールの言語論が紹介されます。その後、構造主義の思想家であるフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの4人がとりあげられ、それぞれの思想についての解説がおこ...続きを読むなわれています。

ただし、本書は単なる概説ではありません。著者の目を通して、構造主義的な「ものの見方」が説明されており、いきいきとしたたとえを用いて、読者が構造主義に特有の考えかたを具体的に理解できるようになっています。

著者は、難波江和英との共著である『現代思想のパフォーマンス』(2004年、光文社新書)も執筆しており、そちらでは「解説編」でそれぞれの思想家の基本的な考えかたを説明したあと、「実践編」で小説や映画などを例にそれらの考えかたをじっさいに作品の分析につかってみせるというスタイルが採用されていました。本書は、「実践編」として独立の章立てがなされているわけではありませんが、前著と同様のねらいをもった入門書ということができるように思います。

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Posted by ブクログ 2023年01月28日

人間はどういうふうにものを感じるかとの問いに答える入門書的な本。
名前がつくことで、ある観念が思考の中に存在することになる。
【関連書籍】
史上最強の哲学入門

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Posted by ブクログ 2021年11月13日

知識が少ない自分にとってはまだまだ難解な部分も多かったが、例えが多用されているのでイメージがしやすかった。レヴィ=ストロースの終わりなき贈与の章が特にわかりやすかったです。

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