感情タグBEST3
Posted by ブクログ
良くない習慣がなかなかやめられないのは、意志が弱いと言うより、むしろ自制心が強いと思われる人が、衝動を抑えるのが上手いのでは無く、そもそも自制心を働かせる必要性を感じない、というのは目から鱗でした。
読んで良かった。
Posted by ブクログ
「習慣」とは何か?どうして私たちはそれを変えられないのか?と科学的に説明しようとする(しきれないのが脳科学の難しさだ)大著。
行動に報酬を与えるドーパミンという一般の理解を裏切るが、実はドーパミンは動機づけの役割の方が中心らしい。いや、役割が多すぎて正確にはわかっていない、というのが実情だそうなのだけど。
「習慣」とはつまり「選択肢を狭めようとする脳の作用」と言って差し支えないかな。選択肢が無限にあっても動けなくなるので、脳はある程度のすることを勝手に決めてしまう。それが意識しなければ実行されるような「習慣」になるわけだな。
それを意志の力でやめようとしても無理なので、環境から変えたり他の習慣で上書きするしかない…という、まぁそりゃあそうですよねみたいな…。
本筋とは関係ないのだけど、科学世界の持つ不完全さをポルドラック氏が誠実に語ってくれる部分も好印象。みんな思ってたけど、それをここまでの人が言ってくれるのはマジで凄いな…。
あとカール・ダイセロス教授が言っていた「光遺伝子学」が至る所で使われていて結構燃えた。fMRIのような主流技術になりそうで期待ですね。
Posted by ブクログ
この本は、習慣と脳の関係性を、科学的エビデンスを下に整理し、習慣がどのようにして形成されるか、そして習慣を変える事が如何に難しいかを、これでもかも言うぐらい説明してくれる。
だが、良い習慣(例えば早寝早起き)などを身に付けたい、という方が読んだ場合、肩透かしをくらうかもしれない。本書の主は「悪い習慣が何故止められないのか」を軸として、感覚や精神論には一切触れず、科学事実だけを述べていく。読者はタイトルなどをキッカケとして本選びをするが、タイトルが幅広い問いかけを促しているので、間口は広いが、結果として読者を選ぶ内容になっている。
だからこそ、読解というよりむしろ、「誤読」とも言うべき、内容を取り込み、変換解釈する読書法が必要な本となっている。何度も言うが、本書は科学的エビデンスを述べ、最前線の状況を教えてくれる。過去のセンセーショナルな習慣に関する知識をアップデートしてくれる。ひたすら俯瞰された視点であり、個人に寄り添うための、心地よいフレーズなどは存在しない。「明日からはこうしなさい」という押し付けもない。あるのは「習慣がどのように形成され、止められなくなるか」であり、習慣が形成される脳の仕組みのみだ。
だが、習慣というものが、精神論や自制心などに結び付けられ論じられがちだが、それは脳の仕組みとは関係のないことであり、一歩引いた視点での科学本として、本書はとても骨太である。
悪い習慣を止めたい、良い習慣を身に付けたい、子どもや部下に良い習慣を身に付けさせたい、といった場合に、主観的精神論に陥る事なく俯瞰できるきっかけが欲しい方にオススメの1冊である。
Posted by ブクログ
すべての教育で重要なことは、神経系を敵ではなく味方にすること=習慣にする。
赤色で書いた青い札=とまどうのは文字を読む習慣があるから。
ドーパミンは快感よりも、動機付けの役割が大きい。
過去の習慣は簡単によみがえる。道具を見ただけでも習慣がよみがえる。
習慣的行動を止めるには、意志力ではなく誘惑をなくすほうがいい。
発表されているデータは都合がいいものしかない。マインドフルネスが有効でない、というデータは世に出ない=出版バイアス。