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Posted by ブクログ
国が国だけに、全体的に灰色、曇り空なイメージでした。国もその国に住む人々も。
それだけにクドラの存在が強烈でした。俯いて身を寄せ合って生きている人々の中で、傲然と胸を張って自分を知らしめて生きる。全然いい人ではないんだけど、善いとか悪いとかではなくて目を引く存在でした。
フェンの気持ちが分かる気がします。
どんな力であれ、「力である」と見えたものが自分にないのを自覚すると羨ましくなって、それを持つ人を見ると気分が昂揚して、だけどそれが、「それだけのものがあれば」と自分で考えることとは違う使われ方をしているのを知ると勝手にじれったくもどかしくなったりします。私の場合。
なんにせよ、本人にしか分からないこと、本人にしか通じないものってありますよね。
クドラみたいな生き方は嫌ですけど、クドラの生き様はいいなぁと思いました。
さて。
いろいろと知ったフェンたちは報告しに戻るようです。サチは相変わらず謎ですねー。
最後に「エピローグ」とうたれた章があるんですけど、それを読んでちょっと胸が詰まりました。やるせないやらもどかしいやら、だけどちょっと救われたような。うぅん。言葉にしづらい・・・。
それにしても1冊ごとにこんな様々な人生が描かれていくんでしょうか。すごいな。
4巻早く読みたいから、ここから新書版に切り替えようかなぁと悩み中です。文庫化を待ってられない面白さですね。