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Posted by ブクログ
彼が束草(속초)に来たのは冬のさなか。冬の束草に見るべきものなどないと主人公は思う。海水浴にくる場所だ。彼はヤン・ケラン、フランス人だ。フランスが気になるのは、主人公の父親があったことも無いフランス人であることだ。母親を置いたままどこかに行ってしまったという。でもフランスが気になるのか、大学では韓国文学とフランス文学を勉強した。彼は、バンド・デシネ(フランスの漫画)の作家という。物語を決めてから描くのではなく、描きながら絵が物語を語りだすという。恋愛でもなく、見ぬ父の面影を追うわけでもない主人公。彼のペンの筆先で自分を描いてほしいという。なかなか彼は女性を描きださない…。冬の束草、少し北には非武装地帯がある場所。寒々とした束草から求めるものは何なのか…。