【感想・ネタバレ】官僚の責任のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

官僚を追い出された改革派とよばれた元官僚による、霞が関で官僚がどのような思考回路で働き、問題があるのか述べられた本です。
縦割り行政にようる構造から、官僚は国益ではなく省益のために動こうとすることで、全体的に俯瞰して政策を作ることができなかったり、同じ目的で作る機関を2つの省が同時に作ることで無駄な金と人、時間が割かれることの問題について述べられていることに関しては、東大法学部の出身者が多く、多様性が少ないことが原因だと思います。
また、日本人は海外の人に比べ哲学が思考の土台に乏しいことも成長を妨げていると思います。海外の経営者はよい製品は高くても買うが、日本企業はコストを下げるように下請け企業に求め、中国に乗り換えることをちらつかせて脅します。だから日本の中小企業は伸びるべき企業は伸びず、政府が無理して中小企業を救うために、代謝が進まず海外に後れをとってしまうと述べていました。
また、官僚の出世や天下りなど普通はおかしいことも、上司が絶対とか、自分の将来の安泰のためにおかしいことをしてしまう官僚が多いことは問題であり、評価制度を実力主義に変え、国のために考える人が評価される官僚組織が大切だと思いました。自分のことしか考えていない官僚が多いことには驚きました。
世界の変化が激しい今、日本の霞が関は全く変わるスピードが遅く、このままではどんどん遅れていくと考えざるを得ないと思います。これから内部から変えられるようにする意志や行動が大切だなと思います。

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2020年06月28日

Posted by ブクログ

いわば内部告発にあたると思うのですが、歯切れがいいですね。
痛快です。

とはいえ、官僚を責めてばかりでは意味がありません。
彼らが正しい方向に進むべく、我々国民も、官僚たちを導き、見守る必要があることを、みんなで共有していかないといけないですね。

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2017年05月17日

Posted by ブクログ

もっと早くに読むべきだった。
一部の報道だけで、筆者のことを、多少なりとも穿った見方をしていたが、これを読んで、この人を見直した。
ホント、この書のちいり進んでくれればいいと思うし、微力ながら貢献したい。

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2017年01月03日

Posted by ブクログ

こんなに国のことを考えている官僚もいるんだと感動した。

反感や誤解を招くのを覚悟して、本音で日本の問題について論じているのは好感を持てた。つまるところ、根本的に変えなければならないのは、社会保障うんぬんの前にまずは官僚の厚く保証された身分制度であると説く。官僚が国益よりも省益を優先する考えを改めない限り、何をしても本質的には変わらないという。なぜなら、国を動かしているのは実質官僚であり、官僚なしでは政治家も政治はできないから。

官僚の意識が変わるであろう改革案まで考えられており、日本を変えたいという意志が伝わってきた。本当に日本について考えさせられる一冊だと思う!

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2013年06月16日

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官僚によって蜘蛛の巣のように日本に張り巡らされた「利権構造」によって、官僚自身も含めた日本全体が、がんじがらめに縛られている。そのような印象を受けた。 日本の「システム」の設計が「利権の創出とその維持」を最大の目的として最適化されているため、そこにどのように優秀な人材を送り込んでも、手も足も出せずに落伍するか、牙を折られて従順になるかの2択を迫られる世界になっている。 したがって、「官僚が悪い」と責めても何も変わらないし、逆にますます官僚が国民に背を向ける結果を招く。 解決するには「システム」の再構築。すなわち、利権構造の解体を含む公務員制度改革しかない。 そのためには、守旧勢力の強硬な抵抗に打ち勝てるだけの「強力に国民の支持を受けた政治」が不可欠となる。 守旧勢力はどんどん国民を切り崩し、懐柔し、あるいは互いを反目させることで、巧妙に問題から目をそらさせようとしてくる。 本当の敵は国民の無知と無関心なのかも知れない。

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2013年03月16日

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優秀な人たちの集まりである官僚がなぜ堕落してしまうのか?その解に迫る一冊です。ただでさえ同調圧力が強い日本社会において公のために奉仕すべき国家公務員が組織の利益(省益)に邁進していることに当時現役官僚だった著者は本書で警笛を鳴らしています。本書では官僚の世界の仕組みに問題点があると指摘されていますが、それは日本における全ての組織の仕組みの問題点に通じると思いました。

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2021年02月06日

Posted by ブクログ

これは確か、経済の名著紹介、みたいな本からピックアップしたものだったか。官僚って、何かモヤッとしてて、でもきな臭さはぷんぷん漂ってくる、みたいなイメージ。それは間違ってないことは、本作で良く分かったけど、それにしても存在意義が微妙。安倍がその体制にメスを入れようとしていたってのは、今の彼からするとちょっと衝撃だったけど、当初はまだまともだったのかな。著者が提案する改革も、かなりダイナミックで魅力的にも見えるけど、偏り過ぎの感も否めず、まあ良し悪しって感じ。

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2020年03月06日

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タイトルの官僚の責任という通り、日本の官僚は責任について考えが甘い、と古賀さんは言っている。
誰でも持っている「人間の弱い部分」について、普通の人間は許されても、皆から税金をもらって、制度をつくったり、実行したりする人たちは心が強くないといけないようだ。古賀さんはそういった部分では非常にメンタルが強いのだと思う。
人間は感情の生き物である限り、組織の内側の人間には嫌われたくないのが普通なので、組織内の人間に嫌われてまでも、国民のために全力を尽くせる人は少ない。
時間はかかるだろうが、今後は古賀さんのようなタイプの官僚が増えてくるのではないだろうか。

また、マスコミの報道などでも官僚は悪人仕立てされることが多いが、悪い人間はごく一部ではないかと思う。善悪の基準にしてもかなりグレーな判断しかできないので、ちょっとでも印象が悪いと悪人扱いされるのもどうなのか。

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2019年09月23日

Posted by ブクログ

納得。同意。でも、難しいだろうな。
組織を変えるためにはそれよりも上位からの関与が必要だが、官僚機構より上位ってなんだ。そんなもの今の日本にあるのか?

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2017年08月06日

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公務員としての気構え「公僕」として働くには今の官僚制度では
出来ないということが
事例を紹介しながら説明されている。
官僚とはどのような存在なのか知るのに
良いと感じた。

読んでの感想としては
今の官僚制度の何がいけないのかは
分かった。
そしてこれを改善するには
どうすれば良いのか
官僚としての心構えは伝わった。
そのためにも
公務員制度を改善するには国民が声を
ひとつに動かす必要があると感じた。
そしてそのためにも官僚の動きは新聞を
通して関心を持っていきたい。

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2017年05月22日

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著者は、東大法学部卒の元通産(現経産)官僚。
著者は、2008年7月に内閣官房に設置された国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、(1)内閣官房に人事局を新設し、これまでは各省庁が独自に行っていた幹部職員の人事を人事局が一元管理すること、(2)国家戦略を立案する国家戦略スタッフを内閣官房に置くことにより、「首相の采配により、人材と資金を必要な分野に重点投入する」ことを目指し、更に、「キャリア制度の廃止」、「官民人材交流」、「年功序列人事の廃止」、「天下り規制の強化」、「事務次官廃止」などを加えて、中曽根元首相をして「これは革命だ」と言わしめた、公務員制度改革案を策定したが、当初改革案を援護していた民主党の反対で廃案となった。
そして、その頃からマスコミを通じて、政府による公務員制度改革を批判することで広く名を知られるようになり、2011年5月に『日本中枢の崩壊』を発表、同7月に本書を出版した。経産省からの退職勧奨を受けて退職したのは本書出版の直前である。
本書では、著者の体験をもとに、主に「官僚はなぜ堕落するのか」について述べているが、一言でいえば、官僚の仕事は成果が測りにくいために、目に見える評価基準として「自らの所属する組織の利益権限(=権限、予算、天下りポスト)の拡大」を追求する、即ち、一般企業の売上げ・営業成績の代わりに利権拡大に集中することになるからであるという。著者の退職に至る経緯を考えると、多少のバイアスは差し引く必要はあろうが、(残念ながら)説得力のある説明と言わざるを得ない。
本人の努力次第で国民誰にでも採用されるチャンスがある日本の官僚制度には良い点もあり、著者は、「少なくとも国家公務員採用試験に合格し、官僚になった当初は、ほとんどの人間が「国のために働く」という志を胸に抱いていたはずなのだ。・・・若手官僚のなかには、まだまだやる気にあふれた優秀な人材がいるのは事実である」とも述べており、国の舵取りに極めて重要な役割を果たす官僚制度が、既得権やしがらみを越えたレベルで適切に改革され、充分に機能していくことを願ってやまない。
(2011年8月了)

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2016年01月16日

Posted by ブクログ

官僚機構のどこに問題があるのかを元官僚が書いた本。縦割りの組織構造が組織内だけの利益を優先し、自分たちのための天下り機関を構成する。また、それぞれの省庁が同じような事に予算を取る非効率な体制は、大企業にも通じる(かつてソニーがスゴ録とPSXを販売したような)。結局、国も民間も同じという事か。

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2015年12月23日

Posted by ブクログ

内容は「日本中枢の崩壊」に重なる点が多い。
とりあえず、どっちか一冊読めばいいかな。
個人的には、賛成する点が多いが、何とか内部で頑張って欲しかった。
官僚の自己浄化も望めない、政治家にも期待できない、となると、頼りは外圧だけ?

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2013年08月16日

Posted by ブクログ

日本の最高行政府であるはずの優秀な官僚が、どうして堕落してしまうかについて書いた一冊。

元官僚だけあって、その内容は説得力があった。
具体的な施策も色々と書いてあったが、どれも自助努力を必要とするもので、言うは易し行うは難しと感じた。

結局、黒船や敗戦のような国難級の外圧によってのみしかかわることができないのか……。

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2013年06月03日

Posted by ブクログ

現在の官僚制が抱える問題に対する分析および改革案について書かれている。

現在の官僚組織の構造的な欠陥について、著者の個人的な体験をふまえて書かれている部分に関しては説得力があり、危機感が読者にも伝わってくるような構成になっている。
ある意味では、越権的な人事組織がある中国共産党の方が優れている部分もあるのかもしれない。

ただ、改革案については、実現のためにどういう立場の人が何をすることが必要なのか、もう少し掘り下げて可能性の吟味を行ってもらいたかった。

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2013年05月06日

Posted by ブクログ

官僚批判で一貫した文体。読んでいてスッキリした。国を豊かにするために、官僚が手を加えないという施策は新たな視点で興味深かった。組織の改変、改革がなければ、国益ではなく省益になってしまう。

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2013年05月01日

Posted by ブクログ

元官僚が、官僚の実態をズバッと切る。読んでいて切れが良く面白い。ただ、最後の章では自分自身の官僚時代の考え方がわかり、ちょっとその考え方はどうかと思うところがある。

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2013年02月18日

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官僚の体質について一気に読むことが出来た。ベストセラーの「日本中枢の崩壊」をすぐにでも読みたい。それにしても2006年に大腸がんの手術を受けられていたとは衝撃でした、1955年生まれなので51歳頃か。実は私は1952年生まれですが、2011年3月11日まさに東日本震災の起きた最中に同じ大腸がんの手術を行い、肝臓に転移しているため現在、抗がん剤治療を行っております。大腸がんが「つなみ」で、転移が「原子発事故」に当たる訳で早く原発事故終息するように願って私の転移も早く終息すべく現在前向きに治療致しております。

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2016年03月21日

Posted by ブクログ

国家を動かす官僚の実態を赤裸々につづったもの。経験者の愚痴?前段は筆者の思いのたけを勢いよく綴ってある。共感できたのは3章以降。賛同できる提案もあった。多くの人に一読を勧めたい。

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

ここに書かれていることが事実であるならばエリート官僚ってのは、私利私欲のために働いていることになる。また、「連立」も民主党、自民党の両党の支持者に対するバラマキと、その財源を調達するための消費税増税なのか?

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2018年10月12日

Posted by ブクログ

霞が関の省益に群がる役人の実態を披露。東北震災でも省益を一番に考える役人には幻滅。公務員改革など夢のまた夢。日本の先行きは暗いな〜。

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

元経産官僚の古賀茂明氏が、官僚在職の最後の時期に執筆した、官僚の行動心理を具体例をもとに解説しながら、霞ヶ関の実像を紹介するということに主眼が置かれた本。
自身の経験に基づく官僚論は、こういう考え方もあるのだと一読の価値はあると思うが、ちょっと内容に主観的な部分が散見され、著者の思い込みに過ぎない部分もあるのではないかと感じた。
日本の財政再建に必要な処方箋として、「ちょっとかわいそうな人は救わない」という考え方を打ち出したことについては、非常に共感した。

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2016年10月21日

Posted by ブクログ

元経産省官僚である著者のかなり主観に基づく(と思われる)、官僚や、官僚をとりまく政治・人材育成など構造のダメな部分を綴った本。タメにはなった。
・原発事故対応の不手際
・民主党時代の政治主導と真の政治主導とは
・国益のために働くべきが、省益のために働いてしまうインセンティブ

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2013年09月15日

Posted by ブクログ

まあまあ,良かった.
読み物としてなかなか面白い.

賛同できるかと言うと,半々かな…
ちょっとばかり,個人的感情入り過ぎ?

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2013年09月01日

Posted by ブクログ

「省益を優先する」そのとおり。会社でも見る。
対策案が数多く出ていてすごいなと思うが、そんなのできる?とも思った。

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2013年07月18日

Posted by ブクログ

読み始めた時は、残念な人の、残念な人による、残念な人のための愚痴という感じがして、読み進められるか疑問だったが、何とか読みきった。最後まで読んで、筆者の心意気、それはそれなりに評価もしたいが、権力闘争に敗れてしまってはそれまでか?こういう人物が審議官までにはなったということを、寧ろ評価すべきなのかもしれない。

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2013年07月10日

Posted by ブクログ

官僚が改革を唱える内容は興味深く読めたが、改革提案は実現性は低いように感じた。やはり日本は外圧でないと変化出来ないか、

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2013年06月23日

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今さらなぜ読む、という感じもありますが、積ん読になってたので、本棚の整理を兼ねて、読んでみました。いいこと書いてると思うんですけどね。どうしてかな。

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2013年06月04日

Posted by ブクログ

前半は政治家と官僚のダメさ加減を攻撃、ちょっとしつこいが鬱憤が溜まってたんでしょう。
最終章で、ではどうすればという提言でここは大筋意見が会う。
既得権益の構造を破壊しろと言うのが根底に流れ、官僚が自力ではやれないので政治が介入しろと言う。
しかし、それも既存政党にはできんだろうということなので政界再編と選挙制度から変えないとできそうにないと思います。

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2013年02月19日

Posted by ブクログ

最初の数ページを読んだ感想は「この人レベル低…」でした。その時点で読むのやめようとも思ったけど、読んでいくとなんとなくその感覚がレベルの違いじゃなく底にある考え方の違いにあるような気がしてきました。
確かに、官僚の人たちの考え方がよくわかる1冊でした。
税金を使って利権を増やすだけ。本来必要なことかどうかは問わない。国益よりも省益を優先するような考え方、是非も問われるところかもしれない。でもどんな企業にもこういう面はあるなぁと感じて、人の組織の難しさや限界面を考えさせられました。人のことばっか言ってられないなと。
自分がこの国の国民であり税金を払っている以上、その税金を有意義に使ってほしいという思いもある。
そのお金でポストを作って、そのポストではほっとんど仕事らしい仕事をしない人が給料として税金をもらう。
その人たちの裏には、どれだけの人たちのどれだけの我慢があるんだろう。
決して本音では話してはくれないかもしれないけれど、官僚の人たちがどういう意識で仕事してるのか、聞いてみたいと思いました。
ただ、これだけ自分でこきおろしてる経産省に残って、閑職で著者は何やってんだろうとも思いました。
仕事が与えられないなら、辞めればいいじゃん。うまくいくかはわからないけど、ゼロにリセットして新しいこと始めればいいじゃん。と。
それができないのに、こういう本を書いているっていう立ち位置の中途半端さがなんとなく気持ち悪い感じがしました。
そのまま閑職でもそこにいればいい給料もらって食べていける。その地位を捨てることができないのかな。
あえて捨ててまでやりたいことは特にないのかな。

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2020年01月07日

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