【感想・ネタバレ】サーモン・キャッチャー the Novelのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

零細な釣り堀とそれがある街を舞台に、個性の強い人々がそれぞれの思惑に翻弄される物語
(簡潔に説明するのが難しい作品…)

文庫版は最初のページに
登場人物が描かれたタロットカードがあり、序盤各人の登場シーンはそれを見ながらなんとなくの人物像をイメージできた
読み終わった後にもう一度タロットカードを見ると、絵の細かいところの意味も分かっておもしろい

登場人物たちの
忘れられない記憶や、邪な狙い、不安や懸念、期待などが目線を変えて語られるので
読者としては俯瞰して状況を把握するかたちになる
彼らの思いが絶妙にすれ違って、思いがけないかたちで噛み合ってしまったりするのが楽しくて仕方なかった

あと個人的にどハマりしたのが、ふざけてるとしか思えない"ヒツギム語"の言葉あそび
こういうのとても好き

以下、好きなヒツギム語の抜粋

根性 タフマン
悪さ ルパン
プライド ミキイマイ
母親 フグタ
弟妹 イソノ
恥 ハニカム
受け取ってくれこの宝を シノゴノイワナイノ
うそだ デマカス
あばよ シンゴ
お兄ちゃん タツヤ
弟 カズヤ
母さん ピンコ
ただいま イソジン
馬鹿 コサジノウ

ゲラゲラ笑えて最高でした!

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2023年03月31日

Posted by ブクログ

妻子と別れ落ちぶれた風情の『大洞』。娘『明』に良いところを見せようと、世話を任されていた鯉を盗み、彼女のバイト先の釣り堀『カープ・キャッチャー』へ放すが失敗。一方明は、Wev受講しているヒツギム語の講師が拉致されるのを目撃してしまって以来、身に危険を感じていた。
その後大洞は鯉の持ち主である富豪の老婦人『霧山』から大金で捜索を依頼され釣り堀に向かうも、その鯉は『神』と呼ばれる釣り名人『ヨネトモ』に釣られた後だった。大洞と明、明に一目ぼれした引きこもりの『賢史』と妹の『智』、ヨネトモ、さらには訳ありそうな婦人『市子』が集まり、夜の川で鯉の捕獲作戦を決行する。

場末の釣り堀から始まる群像劇。短いターンで人物が変わり同時進行で事件が進んでいく。ハラハラドキドキしながら時に笑いを挟み鮮やかに結末にまとまっている。それがここで使われるか!という具合に小道具も使い切る手腕は流石。
二人でそれぞれNovel版とmovie版を捜索したようだが、映画化もされているのかな?映像でも面白そう。

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

あー面白かった!!
上質コメディです。
道尾秀介さんの小説って映像が浮かぶんですよね。もうコメディドラマか漫画を見ているようでした。
一つ一つのエピソードは重いのに、どうしてもこんなに軽やかな読後感。爽快感半端ない!
本当に楽しいひとときをもらいました。

ヒツギム語、本当にあるの?と思って検索しちゃいました。笑
ずらかれがモヤシッコ、ただいまがイソジンって…もう作者、遊びすぎでしょ!!

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2022年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしはすきです!!
シッゲル・ムーロイとかタツヤとカズヤとか、、
最後のサーモン・キャッチャーにグッときて笑

ひっくり返すと別の顔を見せる人形と
あの子に似た柄を持つ鯉と、
見えない物への期待とか、知らない有名なことはたいしたことじゃない事なんだ、とか。

私はすごく哲学的に(勝手に)読んでしまいました。

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2024年01月19日

Posted by ブクログ

「ミステリー」と一括りにジャンルを分ける事があるが、それはあくまで大枠であり、小さく絞っていけば他種多様な枠組みに落とし込む事が出来る。
 筆者の作品は、単純にミステリーという大枠にありながら、かなり独創的な、彼にしか思いつかない様なストーリーを読者に提示する。(いかにエンターテイメントとして読者を楽しませるか。その努力は小説だけではなく様々なチャレンジをしており、驚かされる。)
今作も簡単に言ってしまえば街でたまに見かける室内釣り堀の話が起点だ。その事を土台に、どの様な話になるのか。と序盤は全く意味不明だったが、これを「ミステリー」のジャンルまで引き上げ、こんなに面白い作品に仕上げてしまうのだから脱帽だ。
 構成、イメージは「カラスの親指」に似ている。
 作風として、登場人物それぞれの過去のトラウマ、後悔をベースにしながら、「鯉」の捕獲という共通の目標に向けて全てのキャラクター達を集結させ、怒涛の如く伏線を回収していき、エピローグまで繋げていく。圧巻の物語だ。
 最初から登場人物達には癖や影が存在しており、プロローグにおいては全く訳の分からない話だったが、だんだんと関わりが広がっていく。文庫版では最初の数ページが登場人物達をモチーフにした絵画風のデッサンになっており、それが各章の構成とリンクしている事もこの小説の魅力だ。
 気になる点は、余りにも伏線を繋げすぎているため、驚嘆が小さくなってしまう点だ。本当に物語の1mmまで伏線を繋げてくるのでいよいよ疲れて苦笑いしてしまった。伏線回収は小説やあらゆるエンタメの肝だが、物語の分量に応じて適切で無ければ胃もたれする事がわかってしまった。(大好きなお菓子を食べ過ぎて後悔する時と似てる(笑))もしくは、せっかくならもっと話を長くして、店長やポーさんなどスポットライトが少なかったメンバーまでも回収していればもっと凄い着地になったのかもしれない(胃もたれすると言ってはいるが、好きなものは好きなんだ)
総じてとても面白かった。子供の頃の様な、無邪気さと少し残酷な部分が混ざった様な作品だった。

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2023年06月14日

Posted by ブクログ

あらすじがあってないような、たくさんのダメ人間が登場する、好き嫌いが分かれるであろう作品。
作者のセンスがふんだんに出てる、自分はこういうの大好き❗️
ヒツギム語、クッサイ(最高)‼️

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2023年05月16日

Posted by ブクログ

ドタバタコメディなのか?ミステリーなのか?
登場人物みんな、様々な悩みや過去を抱えてる。そんなみんなが、あることをきっかけに、いつのまにか出会い繋がっていく……そして、一匹の鯉を捕まえようと奮闘。
一体どういう話なんだ?って思いますが、最後はちゃんとスッキリします。

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

目次の次にちょっとおかしなキャラクターカード
SATOSI TOMO MAKOTO MEI YONETOMO
ICHIKO MISA HIKIDAS KOI

釣り堀のカープ・キャッチャーのシステムとキャラクターひとりずつのずつの紹介のような語りが続く。それで??と思いながら読んでいたら彼らの今までが絡み合って複雑な様相を見せ始める。前のページと行ったり来たりするのが面倒になった後は先へ進むだけ。なにこれ! と同時に何だかおもしろかったと感じちょっぴり不思議な気分

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2023年02月04日

Posted by ブクログ

プロローグ読むだけだとストーリーの方向性がまったくわからず、始まってみれば釣り堀が舞台みたいだし、釣りに興味ない私は、『面白いのかなこれ?』とやや疑心暗鬼に。

でも結果から言うと、大丈夫でした!(笑)
登場人物たちそれぞれの事情がわかってくるし、彼らの行動に繋がりも見え始めるので、そこからは途端に先が気になって一気読み。釣りのこと知らなくても問題なく楽しめた。

ハラハラドキドキするシーンや深刻な場面もあるんだけど、全体的にちょっと遊んでるなって感じがあって。コミカルなところも多かった。小説には珍しく、何度か小さく吹き出したくらい。

意外な展開をこまかく繰り返しつつのラスト。割とみんないいところに着地してて良かったんだけど、ラストの後はどうなったのかな。あれっ終わり?という物足りなさが少し残った。

でもストーリー以外のところでも楽しめたので、読後の満足感は大きかった。
それはヒツギム語。何度も登場してくる異国のことば。ツボにハマってしまい、ずっとニヤニヤしたりプッと笑ったりしながら読んでた。
一番理解に時間がかかったヒツギム語は「アラマタシノ」で、一番好きなヒツギム語は「デマカサズ」です。

昔、ともだちとバル語というのを作って、日本語から変換しては大笑いしていたことを思い出した。青春。


最初の方に、登場人物がタロットカードみたいに描かれているページがある。読む前に見ると『雰囲気があるイラストだな』くらいで終わるんだけど、読み終えてから見ると全部意味がわかるので楽しい。


余談。
タイトルに「the Novel」とついているからノベライズなのかと気になっていたところ、最後に書いてあった。

『道尾秀介とケラリーノ・サンドロヴィッチ、二人が打ち合わせを重ねてひとつのコンセプトを創り上げ、』と。映画版の「the Movie」は制作中らしい。それはともかく、ケラリーノ・サンドロヴィッチって誰よ?と思って調べたら、有頂天のケラさんだったのでびっくり。知らなかった!
いやケラさんのこと特に詳しくはないけども。ナゴムレコードの主宰者と知って二度びっくり。


そして超余談。
この本、本屋さんで手にとってしばらく眺めて、買おうかなと思って少し歩いたんだけど、さっきブラシを買ったしなあ…と思ってやめて。
そしたらそれを見ていた次女がこっそり買ってくれていて、お誕生日プレゼントで渡してくれたのでした。うれしかったよ。

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

過去の失敗や後悔、そのトラウマなどにより、謂わば「人生の時計の針が止まったまま」の癖の強い登場人物が集結し、ドタバタ劇を経て、彼らの人生が前に動き出してゆく。
生きていると心のうちでとぐろを巻くような辛さ、嫌な感じ、閉塞感といったようなものがあるが、結構重たいものを抱えていた登場人物たちの人生が動き出すところを見て、自分の心にあるそういった感情がほんの少しときほぐれてゆくような…。なによりも、単純に読んでいて面白いコメディ小説でした。

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2023年01月08日

Posted by ブクログ

面白かった!!
バラバラだった登場人物たちがどんどん繋がっていって、バタバタのコメディなのに、ちゃんと心に刺さってくる。

道尾秀介作品はこれで3作目だが、この作品は伊坂幸太郎作品の展開を感じさせた。だからすごく好き。
登場人物がみんな魅力的。
わっちゃわっちゃな展開から、結局みんながハッピーになるエンドに収まっていく高揚感。
現実はいろいろと悲しいこととか多いから、読んでいる物語がハッピーエンドになるのはすごく嬉しくなる。
ホラーやミステリーではない、道尾秀介の違う面を楽しめた。

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2023年01月07日

Posted by ブクログ

何冊目の道尾秀介か‥
今年に入って色々読んでいるけど最近また好きです!
今作も登場人物が多彩でそれぞれの人物が少しずつ繋がっていき最後には‥!
みたいな展開大好きです!楽しんで読んでください♪

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2022年12月21日

Posted by ブクログ

釣り堀を主な舞台にしながら数人の登場人物の視点で場面転換をしながら物語が進んでいく

帯に『道尾秀介にだまされる快感』とあるが、そこまでのどんでん返しはなく普通に物語は進んで終わりって感じだった

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

偶然に出会った人々がある目的を果たそうと協力するが、その裏にはそれぞれの事情や思惑が隠れていて...。といったコメディ系群像劇です。ちゃんとミステリー要素もあり、伏線回収や目次の後の絵の仕掛けが楽しいです。
ヒツギム語のふざけ具合も見どころの一つですね。

個人的には道尾さんの作品はダークなものが抜群に好きなので(向日葵、月と蟹など)、本書はそこまで好みではありませんでしたが、色々な要素を入れつつ遊びつつ、しっかり綺麗に着地させるところはさすがに巧いなぁと思いました。

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2023年03月31日

Posted by ブクログ

おもしろかった!
たくさんの登場人物、それぞれの出来事が絡み合って、かち合って、物語が加速していく感じ。映像が頭に浮かびました。誰が誰だったか分からなくなりそうだったけれど、それでもなんだかおかしくて突っ走りました。
人は思いがあるから、行動するのよね。

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2023年03月02日

Posted by ブクログ

冴えない6人の色々な偶然が重なりひょんことから協力して鯉を救出するという物語

これだけ書いてると意味不明
そもそもなぜ鯉?と
なので実際に読んでもらった方が良い

ほぼ全ての登場人物の個性が光っている点が面白い
そして地味に多い伏線と終盤での回収
全てが一本に繋がって集束していく感覚という印象
んでん返しのインパクトは薄めだが有り

そして誰も思うことだと思うがヒツギム語の笑わせにきている感が良い

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2023年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何人もの登場人物とその人数分だけのストーリーが都度切り替わりながら語られていく。中々に複雑で整理しながら読み進めた。

確かに予想外の展開の連続で、いくつもの物語が少しずつ繋がりを持ち一つにまとまっていく様子は見ものだったが、個人的にはいつもほどの驚きはなかった。共同制作だからかな?少し作風も違った気もする。

☆3.8

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2023年01月26日

Posted by ブクログ

これはミステリーというより喜劇ですね。
三谷幸喜脚本の映画でありそう。
てか映画も製作中らしいので観てみようと思います。

タイトルの「サーモンキャッチャー」ですが、なんでサーモンなの?という疑問は最後の最後まで解消されず、しかもなんやそれ的な理由です。
最初に出てくるタロットカードの意味もよく分からんかったです。
(道尾さんのことだから、いずれもなんか隠されてる?と色々考察しましたが思い付きませんでした。)
あと1000Pの白い箱って結局なんやったん?

人生こじらせ気味の皆さんがなんやかんやで救われていくお話は好きですね。

ヒツギム語がいちいちオモシロくてクスッと来ます。
シッゲルムーロイてw

サンキャッチャーというものの存在を初めて知りました。お手頃な価格だったので早速楽天で買ってみました。

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2022年12月25日

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