【感想・ネタバレ】哲学の起源のレビュー

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Posted by ブクログ

久しぶりに柄谷行人読んだけど、これけっこう面白かったし意外と説得力あった。昔はもっと小林秀雄みたいに独善的なところがあったけど、だいぶ丁寧な語り口になっている。

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2023年11月23日

Posted by ブクログ

本書と問題関心が共有される『世界史の構造』は、社会構成体の歴史を「交換様式」から見る企てであった。
互酬的=相互扶助的関係(交換様式A)を高次元で回復しようとする交換様式Dについて、著者は思索する。これまでそれは普遍宗教の形で現れてきた。しかし、それは祭司・神官の支配に帰してしまい、宗教は国家に回収されてしまう。それ以外に現れた事例を、著者はイオニアの政治と思想に見出し、その意味合いを本書で論じていく。

キーワードは、イソノミア(無支配)である。それは理念であると同時に、著者によれば、イオニアで実現したものであり、植民者たちがそれまでの氏族・部族的な伝統を一度切断し、それまでの拘束や特権を放棄して、新たな盟約共同体を創設したことから可能だったとされる(24頁)。

イオニアというと、タレスに始まる自然哲学と習ってきたが、著書は、同時に「社会哲学」として読まれるべきであると主張する。そして、ソクラテスについても、プラトンのスコープから見るのではなく、イオニア的なイソノミアからの読み換えを図る。

これまでの常識的通念を覆す論理展開にワクワクさせられる。

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2020年06月22日

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