【感想・ネタバレ】カリキュラマシーン大解剖のレビュー

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Posted by ブクログ

昭和の異色教育エンターティンメント番組「カリキュラマシーン」の制作秘話を紐解くトークイベント「カリキュラナイト」の書き起こし記録。大変面白く読みました。また、小学校低学年の国語と算数についての教育的アプローチについては示唆に富んでしたと思います。昭和のテレビマンの自由で、チャレンジ精神に富んだ熱い日々の証言記録であると同時に、教育の大切さと難しさを感じることのできる珍しい本が出来上がったと思いました。

まず、驚いたのが「ゲバゲバ!90分」と「カリキュラマシーン」の関係。私はてっきり、「ゲバゲバ」→「カリキュラマシーン」という流れで作られたと思っていたら、アメリカの幼児教育番組「セサミストリート」に触発されたスタッフが「新しい教育番組を作ろう」となった時に、アメリカのギャグ番組「ラフ・イン」や英国の「モンティ・パイソン」を参考に、まず手始めで作ったのが「ゲバゲバ!90分」で、「セサミストリート」の前哨戦だったという真実に大変驚きました。
「ゲバゲバ!90分」を小学生の時に見ていた私は、「カリキュラマシーン」放送時にはすでに中学生になっていたので、「なんか、ゲバゲバに似た変な番組やってる」と思いながら見ていたのですが、まさか、ゲバゲバがカリキュラの試金石だったとは・・・。

そのほかにも、音楽担当の宮川泰先生がいかに天才であったか、というエピソードや、バラエティに富んだ出演者をまとめ上げた映画スターの宍戸錠の功労など、興味深い話が尽きません。
内容が、トークイベントの書き起こしなので、トーク内容が重複して何度も同じ話が出てきますが、それはトークイベントの空気をそのまま活字に写したい!という著者の強い思いでもあるのでしょう。

最後に、落語ファンにはうれしいサプライズが。
経堂さばのゆで開かれたイベントの司会が、現在桂りょうばとして活躍されている前田一知さん!りょうばさんの、テレビ番組、サブカルへの造詣の深さに感服いたしました。

昭和のテレビ番組が好きな人、幼児教育に関心がある人にぜひおすすめ痛い本です。

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2023年01月24日

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