【感想・ネタバレ】わたしのペンは鳥の翼のレビュー

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アフガニスタンの女性達が書く短編集。1つ1つの話が苦しかった。現実に起こっていることなんだろうけど、とてもじゃないけど想像もしたことがないことばかり。人権とは、と考えさせられました。。

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2024年04月12日

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アフガニスタンの女性たちが受けている理不尽はまさに筆舌に尽くし難いものだ。
21世紀の今も、これほどの人権蹂躙が国是とされるような社会で希望を温めながら生きなければならないとは、何と言ってあげても足りないことだろう。
死なずに生き抜いてほしいと思う。

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2023年10月16日

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暴力、性暴力、男性優位、家父長制、縁故主義、テロ、貧困…考えつく限りの苦難に直面する、アフガニスタンの女性たち。

フィクションだが、元になった物語はきっと、かの国の女性たちが多かれ少なかれ体験してきたものと考えて外れではあるまい。

ダリー語、パシュトー語からの重訳の本書。あとがきにも書かれていたが、収録されている作品はすべて、アフガニスタン国内に暮らす女性作家から、ショートメッセージやSNSを通じて英国に暮らす同胞に送られたらしい。身に危険が降りかかるのを避けるために、作者名はすべて仮名である。

英語からの翻訳もとても安定しており、文学作品としても十分に読みごたえがある仕上がり。

配列が重い物語から希望の持てる物語という順番になっており、最初の方は1話読むだけでいったん本を閉じてしまっていた。

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2023年09月06日

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アフガニスタンの女性たちの生きにくさが本当に生々しく描かれてて、読んでいて何度も耐え難く感じた。その文化が全く理解できないのではなく、日本の現在にもつながる話だからこそ痛々しい。小津作品につながる話も多い。
こういった作品が世に出るために尽力されてる方々に心から敬意を表する。

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2023年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ものすごく良かった。

苦しく、悔しく、やるせない。衝撃と絶望。総じて漂う女性の不自由さ。社会通念の呪縛。そして、沸々と湧き起こる怒り。

産後病院から戻ると、男の子が産まれないからという理由で夫が新しい妻との宴を開いている「八番目の娘」、セクハラに文句を言ったら給与未払いで解雇された「共通言語」、暴力を振るう姉の夫を殺めた弟と彼をかばい有罪となった先生の物語「ダーウードのD」。

一方で、希望や清々しさを感じる作品には心救われた。
タダでバスに乗せてくれた運転手さんの優しさが沁みる「冬の黒い烏」、女性のリーダーシップと女性たちが力を合わせて団結力の強さを輝かせる「アジャ」、心ときめく赤いブーツを選択することが出来、自分を貫いたことで合唱のリーダーになれた「赤いブーツ」、愛する夫に先立たれ、義兄に結婚を強要されるも未亡人を貫き、クッキーを売ることで、経済的自立を果たした「ハスカの決断」。

それに、失明と共に失恋したラヒーマと彼女のために情報とお金を集めたアリーの切ない恋を描いた「巡り合わせ」。

故郷が心休まる場所だったということを、枕を介して描写する「わたしの枕は一万一八七六キロメートルを旅した」が作品としては一番好きだと思った。

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2023年07月18日

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どんな感想を書いたところで、本書に書かれている現実に比べればあまりに軽薄なものになってしまう。読んでいてどれもこれも非常に厳しい話で、読み進めるのが辛い。「私の中のあなた」以来の辛さだと感じた。

にわか雨が降るように爆弾が落ちてくる。あっけなく人が亡くなる。それも子供が。
生まれた性別が異なるだけで人とは思えない扱いを受ける。
どうしてこうなってしまうのだろう。

それでも、一人でも多くの人に現地の状況を知ってもらい、寄付なりなんなりできることを行動に移してもらえるよう、微力でも書かねばならないと思う。

日本でも、形は違えど本質的に同じような問題は現在もなおある。それらも併せて頭に置いておく。

第四章はかすかな希望があり、それだけがかすかな救い。

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2023年02月04日

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アフガニスタン(以下、アフガン)の女性作家18名による23篇の作品が収められている。
紛争などによって疎外された現地の作家を発掘するプロジェクト〈アントールド〉により集められ、更に英語圏の読者に読んでもらうべく現地の翻訳者が英訳。アフガンの人々によって彼女達のペンは翼へと姿を変え、世界中に羽ばたいたのである。
装丁・タイトルに惹かれて手に取ったが、想像以上に意義のあるもので本を持つ手に力が入った。

「みなさんの心を引き裂くような文章も本書にはあります」
「思わず息を殺してしまうような文章も記されています」
こんな文言がまえがきにあったら、その先は覚悟を決めて読んでいくしかないだろう。(どうしても投げ出す気にはなれなかった)
予想を裏切らず、というか上回って、どのストーリーも重くのしかかってきた。1話終えるごとにページを閉じ、時間を置いてから再開する調子。彼の地ではどれも現実あるいは起こりうる話で、中には実際の事件を題材にしたのも含まれているから辛いのなんのって。

ストーリーのシチュエーションは様々だが、おおよそはテロや家庭内暴力、男尊女卑問題が背景に横たわっている。
「死は平等に訪れる」と言うけれど、いつどこでテロに巻き込まれるか予測できない日常でもそんなことが言えるのだろうか。秒/分/時間刻み、その場所にいるか・いないかで運命が決まってしまう。『エアコンをつけてください』のハミード校長みたいに妙な胸騒ぎがしたりと、生きた心地のしない日々を過ごさなければいけない中で。

「あの人たちが気にしてるのは、人からなんて言われるかということばかり。片方の耳を壁に、もう片方をドアにくっつけて暮らしてる」

身近に戦争がない時も、女性は家庭や社会において厳しい視線に晒されている。
親から充分な教育を拒まれ勝手に婚約者を決められる。男子の出産を強制される。かと思いきや、『虫』のゾフラーのように芸術家志望を否定される。(否定した校長曰く、「アフガンでは女性の指導者や技術者が必要とされている」んだとか…)
そのうえ本書の刊行はタリバンが政権に返り咲く直前であって、現在女性の立場はますます悪化の一途を辿っているという。

女性の生き方を決めつけている点は日本も変わらない。
しかし我々と違うのは、彼女ら18名の作家は各々の現実を一切オブラートに包んでいない。ペンの力を通して、男性社会(男性によって歪められた社会)に屈しない確固たる姿勢を示している。村を水没の危機から救った女性の物語『アジャ』では、正しいことを遂行する役割に男も女も関係ないという強いメッセージ性が発信されており、何より勇気づけられた。

これほど「ペンは剣よりも強し」を肌で感じるこってなかなか無い。各シーンの断片が、まだ記憶に刺さっている。

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2023年01月29日

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アフガンに生きる女性たちは想像を遥かに超える恐ろしさの中に生きていることを知り、今この日本でいろんな悩みをそれぞれ抱えながら過ごしていることは平和であるからこそあるのだと改めて感じこれは毎日に感謝しないといけないことなんだと実感した。
同じ人間でおなじ女性として生まれてきたのにこんなに違うのだと、自分がいかに幸せな環境で生きているのかしみじみと感じた。
また、言葉を繋いで日本まで届けて下さった訳者の方々がいるからここまで届いたのだとよく分かった。

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2023年08月21日

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男の子の子供が生まれなくて頭から熱湯をかぶった女性の話が頭に残っている。そしてその女をみて哀れまれたのは彼女の旦那が可哀想、というのも。

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2023年05月19日

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同じ地球上にこういう世界があるのか、と頭を殴られたような衝撃を感じる。
ただ、これでアフガニスタンの人々を「理解した」と安易に言うことはとてもできない。きっと、どこまで行っても私は完全に理解できていない。

厳格なイスラム社会での家父長制、女性の抑圧などを知識として理解はしていても、そこで生きる人々がいることを、心の動きを知ってリアルに感じるのは初めてだった。

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2023年04月05日

Posted by ブクログ

戦争やテロ、デモが当たり前に存在すること、そして家父長制もまた当然として存在することそれが大前提として物語が進むために、展開や心の動きの何もかもが予想できず衝撃的だった。
アフガニスタンの女性がそれらを受け入れてて諦めているのではなく、当然苦しんでいて足掻いているということが痛いくらい伝わって、苦しい物語も多くあった。
一方で、子の安全を願う気持ち、働くことに生きがいを感じることといった同じ気持ちも感じることもできた。
また、アフガニスタンではどのような食器でどのようなものを食べ、飲み、どんな家に住んで、買い物は、学校は、などの暮らしが目に浮かぶような描写が素晴らしかった。

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2023年03月12日

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