【感想・ネタバレ】孤独と居場所の社会学~なんでもない〝わたし″で生きるにはのレビュー

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Posted by ブクログ

2023年8月14日再読
前回は、時間がなかったのか、斜め読みだったので、再読したところ印象が変わった。後半は、曖昧な議論に感じたが、前半の課題提起や状況分析について自身の問題意識にとって整理されており非常に参考になる内容だと感じた。

再読で、前半をより深く理解した上で、後半を読めば、後半の前回曖昧に感じた議論も、全く同時に読んだ別書「真理・政治・道徳」の内容を踏まえて、示唆を読み取ることができたと思う。マイノリティの権利の主張が、価値観の相対主義の中で、単に社会のパワーゲームやプロ市民的なビジネスを産む的な側面を意識しつつ、とはいえ、各自が声を上げねばなかったものとされるというバランスや交差アイデンティティの考え方で、自身が感じる不利益の主張は、切り口を変えれば他者に対する暴力になりうるという可能性の難しさなどを示されており難しさに唸った。

最終的に、何か真・正義・倫理の問いになるということを考えた上で、社会で諦めず対話、議論、コミュニケーションをするという意思として、メイクノイズという著者の主張に、今できる自分の答えとしての納得を感じる。




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孤独やいきづらさを問題として、居場所や自立をテーマに、さまざまな取り組みやそれぞれの視点を紹介している。

ざっとななめ読みだが、著者の最終的な主張は、自分自身、どうしたらいいかはまだ分からないが、いろいろ触れて考え中。一人一人が考え続けよう、声を出し続けようというもの。

結論は仕方ないとも思うが、こじんの生きづらさや孤独になりやすい状況を問題として、解決への全体を通してふわっと伝わってくる望ましい社会「一人一人が能力や実績や役割などではなく自分の特性で承認されるようになる」(荒っぽい要約であることは自覚しています)というイメージは、近代的な平等の理想な気もして、そうだねと言いたくなる気持ちになるが、教条化される場合は(ある程度のそちらに近づくのはもちろん素晴らしいだとうとおもう)、人間の生理的な自然に反して無理があるように「私」は思う。

この問題は、本質的には、社会の中で能力主義(正義としてのリバタリズム対リベラリズムもしくはケア倫理などの視点)について社会合意を見出していくということが本質的な問題なのではないだろうか。

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2023年08月15日

Posted by ブクログ

現代社会がさまざまな面で多様で自由になっている一方、孤立化、リスク化、自己責任化した不安定なものになってきていることを論じた本。

特に今まで私が全く気づいていなかったこととして、能力を証明し続けることを求める社会になっており、比較的自分は能力面で恵まれている、ある種の万能感を持っていると感じた。
他方でなかなか上手くいかないことが多い人生もあるだろうし、それを自己の万能感の欠損だけでなく、他者からの評価も低くならざるを得ないことに、大きな課題を感じた。

また、社会的に不可視化されてしまっていることは当事者たちが声を上げる必要があるが、社会運動を組織する前に必要なことが対話が安心してできる場所ということも肝に銘じておきたい。

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2023年08月20日

Posted by ブクログ

社会的な動物である人間は、一人では生きづらい。山にこもり自給自足で暮らす覚悟があれば、一人でも生きていけるかもしれないが、社会の中で生きていく選択をするかぎり、どこかに我が身を置く必要がある。ありのままの自分を受け入れる社会は存在するのだろうか?あるいは、多様性を受け入れる社会とは、どんなものなのか?現在社会の現状を踏まえて、ともに考えていく一冊。

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2023年05月22日

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