【感想・ネタバレ】カラー版 絵画で読む『失われた時を求めて』のレビュー

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Posted by ブクログ

『失われた時を求めて』を、作中の絵画論や登場する絵画、
絵画を彷彿とさせる情景を手掛かりにして読み解く。
プロローグ
『失われた時を求めて』の構成
本書で言及される『失われた時を求めて』の人物と地名(五十音順)
第1章 人生と芸術ースワンと「私」の恋
第2章 死と永遠の生  第3章 肖像と「時間」
第4章 情景の描写ー暗示された画/隠された絵
第5章 芸術の創造ーエルスチールの絵画
エピローグ
図版出典一覧有り。
大長編『失われた時を求めて』には、芸術の信奉者である
著者の感性が色濃く表れている。文学や音楽、そして美術。
特に絵画に注目し、手掛かりにして、作品を紐解いていく。
19世紀のパリ風俗、生活や文化、社交界や差別を加味し、
プルーストの蔵書の美術関係の資料、大画集、ラスキンの著書や
実際にプルーストが観た絵画等から、作品の中の場面や人物、
彼らの仕草やシチュエーション、情景を推測し、特定することで、
登場人物の姿の場面が立体的に浮かび上がってきます。
絵画が介在する視覚の知的感覚と、触覚や味覚からの無意識の
記憶の発動の混在。愛、死、様々な記憶が表現されてゆく。
情景を「暗示させる画」で読者に想起を促し、
描写で隠された画を暗示させる。睡蓮の描写からはモネの
睡蓮の連作が脳裏に浮かび上がるように援用される。
登場人物の画家エルスチールは、その観察眼や画に実際の絵画が
暗示されるが、確立された画風の描写はプルーストの創造する
文学への達成に昇華する。
絵画による『失われた時を求めて』の入門書という試みは、
なかなか面白く、楽しめる内容でした。収録した図版を参考に、
読んでみるのも良し。過去に何度となく挑戦して挫折したけど、
最初の第一篇を取り敢えず読んでみようかな。

0
2022年11月10日

Posted by ブクログ

前提知識は要らない、とあるが、やはり、『失われた時を求めて』を読んでから、または読みながら、というのが臨場感があって良いと思う。

カラー図版はきれい。マネの『アスパラガス』はいい絵だなぁ。

0
2022年10月24日

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