【感想・ネタバレ】真夜中の密室のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

リンカーン・ライムシリーズの第十五作。

いかにも犯人らしい登場人物が犯人で無いのが、
ライムシリーズのお約束なのはよくわかっているので、
驚きはするが動揺はしない。
だが、
アメリアやライムが危険な目に遭いそうになるのもお約束だというのに、
毎回ハラハラしてしまう。
自分が学習能力が無いのか、著者が凄腕なのか。

ロックスミスと名乗る天才的な解錠師が、
夜中に女性の部屋に侵入し、出て行く。
物質的肉体的被害はないが、
精神的な恐怖は底知れない。

おりしも、ライムが政争に巻き込まれた結果、
NY市警との契約を破棄されただけでなく、
ライムに情報を流したり捜査を依頼した者には厳罰に処されることになるとは、
今までにない展開で驚いた。

当然、二転三転、予想外のストーリー展開なのだが、
捜査に関わってはいけないにもかかわらず事件現場にいたライムの窮地を
「オスカーもの」の演技で救った警視監が「悪者」だとは思わなかった。
いいシーンだと思ってたのに。

フェイクニュースに惑わされる人々は、
アメリカの現実を反映しているのだろうが、
ジェフリー・ディーヴァーの腕をもってしても、
現実感がない、というか、
そんな集団が存在していることが信じられない。
いや、理解したくないだけなのかもしれない。

罪を犯した元警官を仲間に引き入れるぐらいだったら、
ブラスキーを出世させてあげても良かったのでは。
今回も非常な危険な目にあってるし、
ライムの教科書を隅から隅まで読んで、
最新刊の第8版を発売前に送るとライムに言わせるぐらいなのに。

0
2022年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書の結び近くの頁でライムが

『報道と扇動の境界線はどこにあるのか』

と思考する描写があるのだが、ライムの考察は全くその通りだと思う。

日本でも最近、回転寿司などを狙った事件が多発しているが、率直に騒ぎ過ぎだ。
報道が加熱すればするほど、幼稚で歪んだ自己顕示欲と承認欲求を持った者たちが後追いする。

二番煎じがダサいとも分からない、そもそも客観視など言葉すら知らず、当然持ち合わせもしない未成熟で低能な者どもからすれば、恰好のステージにしか見えないのだ。

マスコミが騒げば騒ぐほど、それらは奴らに認知されてしまう。

更に、

今、各地起こっている組織化された強盗事件を
報道機関は『闇バイト』という至って軽い言葉で扱っている。

果たして、
そんな日本語は存在するのか?

『できちゃった結婚』、『授かり婚』といった人の誕生に関わる事柄が軽視とも取れる言葉で世間に流布されると共に、親の自覚の無い一部のバ○どもが世に解き放たれ、虐待は飛躍的に増加した。

プーチンという○チガイのせいで、今も今後もこの国の経済は間違いなく困窮する。
そんな混沌の中で『バイト』と銘打って重犯罪を軽いコトバでてらいなく垂れ流す報道機関はもはや犯罪者たちの片棒を担いでいるとしか思えない。

『そういうやり方があるのか…』と。

作中でも、狡猾な犯人の手によってSNSを利用してのプロパガンダが功を奏し、ライム達の権威を貶め、遂には市警から更迭されてしまう。
プロパガンダの効果はそれに留まらず、やがては民衆を扇動し暴動を巻き起こす。

冒頭のライムの台詞は暴動の様子をニュースで知った彼が独りごちた言葉だ。

ライムの言う『境界線』を見誤れば、報道はいとも容易く煽動にすり替わってしまう。
はたして、発信者にその自覚はあるのだろうか?

長々と蛇足が過ぎた…。
本編の感想。

なるほど、シリーズの愛読者なら作中の次の展開は推して知るべしなのだが、勿論ディーヴァー氏自身はそれすら織り込み済みで、更にそれの裏、加えて新たなシチュエーションを仕掛けてこられる…あたかも彼自身がウォッチメイカーの如く。

その文脈で考えると、ライムチームの新しい仲間、
彼は逞しくも利他的で非常にナイスガイなのだが…『おまえ、もしかして?』と思えなくもないのだ。

読者をこれ程、疑心暗鬼にかける本シリーズ、益々、今後が楽しみなのだが、次作はどうもまた別シリーズのようだ(彼のシリーズも好きだけど!)

最後に蛇足の続きを少々。

朝の情報番組で前々から違和感があったのは、

ホワイトボードにずらり並んだ各朝刊。
アナウンサー達がそれを読み上げる…

えっ?
新聞をただ読むって…それじゃ各テレビ局独自のニュースソースって?
マスコミ各自が独自ニュースを持ち寄ってこそ、
それが真実足るかの角度が高まるんじゃないの?

予算が無いんか知らんが、そこを怠るなら最早ニュース番組なんて無意味でしょ?
精度40%の報道、内閣支持率かよ。

それなら芸能人の尻でも追ってるしかないか…
いや、それも文春さんの二番煎じか(笑)。

もしかするとディーヴァー氏は
日本に限らず、矜持を失った報道機関の在り方を
作品を通じて、訴えたかったのかも知れない。

彼ら名手達は本当に伝えたい事を作中巧みに忍ばせるのだ。

1
2023年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リンカーン・ライムシリーズ。
新たな敵、解錠師(ロックスミス)
面白かった。場面(視点)がちょくちょく変わるので最初のうちは切り替えが上手くいかなかった。あと錠前のことがよく分からないのでちょっとピンとこない部分もあったが。相変わらずどんでん返しの連続で楽しめる。主要な登場人物たちが命に危険にさらされるとドキドキしてしまう…。皆さん無事でよかったです。

0
2022年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元ニューヨーク市警の天才科学捜査官が、警察に協力して連続殺人鬼を追う『リンカーン・ライム』シリーズ第15作。

大胆などんでん返しが連発するのは楽しいながらも、ひとつひとつの事件の規模は(不謹慎だけど)小さくまとまっている印象。終始楽しく読めたのだけれど、シリーズものは過去作とつい比べてしまう。

帯で「怪人VS名探偵」と記されているように、今作は「ロックスミス」という名の犯人が活躍し、怪人・ウォッチメイカーとの共通点も描写されるが、ウォッチメイカーと比べるとエレガントさが一段も二段も足りないのは残念。

0
2023年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まずは、一言神さまありがとう。
まだ読み終わってないが感想を書く事にする。
久しぶりの新刊で開錠師という表紙を見てわくわくした。
少し読むとウォッチメイカーの事に関してライムが
考えており、関係があるのかと興奮していたところ
読むにつれて全く関係が無い事が分かり少しがっかりした。

0
2022年10月19日

「小説」ランキング