【感想・ネタバレ】運動の神話 上のレビュー

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Posted by ブクログ

美味しいものを食べ運動が億劫になる年末年始だからこそ読んだ本。

「人間は運動するように進化してきたのではない」が著者ダニエル・リーバーマンの主張。だからといって運動が不要なのか?と反射してしまうかもしれないがさにあらず。
発見も再確認もあった。以下、気になった表現。

健康のために運動する、という概念が生まれたのは現代。
人は休むようにできている。
怠ける事は大切である。
座る事は本来想定していないが、それが新しい病気の原因にもなっている。

・睡眠チェックするため
P136
自分の睡眠に満足しているか?
1日中、居眠りせずに起きているか?
夜中の2時から4時の間眠っているか?
夜間に目が覚める時間を30分以下か?
6時間から8時間睡眠時間が取れているか?

・語源から考えることはものごとの捉えかたの再定義に有益である
P13
exercise という言葉は、ラテン語のexerceo (働く、訓練する、練習する)と言う動詞に依頼するが、中世に使われ始めた時、この言葉には工作などの重労働と言う意味合いがあった。exercise という言葉は、スキルや健康を向上させるために練習すると言う意味で長く使われてきたがto be exercisedと受け身で使われると悩まされる。イライラする。何か不安になるという意味にもなる。

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

なんでわざわざお金払ってジムで運動するかな?それってほんとに楽しい?みたいな疑問に向き合ってくれた本。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでから時間が経ったので、
かなりデフォルメして覚えているが、
初期の人類がまだ火を
使えていなかった頃、
集団で生きていた彼らは
肉食獣(最高速度40キロ時)
に怯えていたはずだが、
生き延びるために
どれくらい速く走って逃げることを目指せば
よかったのか、のクイズが
超面白かった。










こたえ:
同時に逃げている
隣の人間より速ければok

これには笑った(^^)

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

 「人間は運動するように進化してきたわけではない。むしろ逆に、運動に費やされるリソースをなるべく節約し、生殖や個体維持のために取り置くように進化してきたはずだ。それなのに、運動が健康のため推奨されるのは一体なぜなのか」。毎日のように何かしらの運動をしている僕だが、言われてみれば確かに不思議な話に思える。我々は盲目的に「運動は体によい」と信じ込んでいるが、もし本当に運動が自然選択上有利な戦略だというなら、なぜ世界がアスリートで溢れないのだろうか。
 本書では、ランニング界に革命をもたらした著名本「ボーン・トゥ・ラン」にも登場する著者が、この意外な逆説を各種エビデンスを用いて小気味良く解きほぐしていく。自身のフィールドワークによる直の体験談も各所に散りばめられており、またユーモアたっぷりの文体も魅力的で飽きさせない。上下巻の構成で少々冗長ではあるが、冒頭で謎かけのように掲げられる「マントラ」──「『運動の生理学』は進化に、『行動としての運動』は人類学に、それぞれ照らして見なければ筋が通らない」が徐々に解き明かされていく過程はなかなかに読み応えがある。

 パートⅠは「身体的に不活発な状態」がどのようなものかを考察する。著者によれば、「不活発=不健康」というドグマの背後にはジャン=ジャック・ルソー以来の「自然人理論」がある。これは、自然の「野蛮な」状態で暮らすことこそが人間本来の姿である、と主張するもので、西欧社会で運動不足を諸病の根源とみなす態度はこれに起源するという。しかし、現代の「野蛮な」狩猟民族たちの多くをみると、むしろ一日の大半を我々と同じように不活発な状態で過ごしている。この矛盾を説明するのが自然選択上の「トレードオフ」、すなわち限られたエネルギーを生殖や個体維持などのための生産活動と、不必要な身体活動とのどちらに振り向けた方が生存上有利か、と言う問題だ。当然ながら前者により多くのエネルギーを取り置いた方が優遇されるため、本来人間は運動を避けるように進化してきたのだという。
 そして、座ること自体に問題があるのではなく、sedentaryなライフスタイルが伴いやすい別の問題、すなわち肥満やそれに伴う慢性炎症、筋肉の減少こそが問題なのだと指摘する。
 睡眠については、短いながらも最新の科学的知見がコンパクトにまとめられている。主に運動と睡眠の質に関するトピックが多いが、個人的には世界中の非工業化社会の人々が、我々が通常そうするのとは逆に、周囲の騒音や光などを全く遮断することなく睡眠をとることが多いという事実に目を開かされた。最近、焚き火や波、雨の音などを睡眠導入時に流すアプリ等を目にするが、そういった刺激がむしろストレスのない睡眠に繋がるという事実が裏付けになっているということだろう。

 パートⅡは身体活動のうち主にスピードとパワーにフォーカスが当てられる。スピードと持久力のトレードオフを、細胞レベルの代謝機構で説明する部分はやや入り組んでいるが、運動開始からの時間経過で稼働する代謝機構が交代することがよくわかる説明になっている。また、筋肉増強による力強さとスピードのパワーオフから、過去の人類にとては筋肉が必ずしも長所でなかったことの指摘も面白い。
 なお、人間の成体が他の霊長類に比べ非攻撃的に進化したことの説明として、リチャード・ランガムの「反応的攻撃性/能動的攻撃性」の概念を持ち出しているが、これは個人的には説得力あるもののようには思えなかった。現代人は前者が弱く後者が強いとしているが、行動経済学者のダニエル・カーネマンによれば、脊髄反射的・短絡的・近視眼的な思考様式「システム1」は我々現代人の脳にも根強く残っている。また集団内での協力姿勢を強めるため「自己家畜化」により自ら能動的攻撃性を弱めるよう進化した、というが、協力姿勢がそこまでの選択圧として本当に機能したかは検討の余地がありそうだし、「遊び」を覚えた人類がスポーツで攻撃性を抑えたというのもやや出来すぎた説明に思えた。

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

この本は、運動にまつわる神話や思い込みについて、実際はどうなのか、著者の専門である進化生物学の見地から検証したものだ。

まず大前提として、「人間は運動するように進化してきた」という神話があるが、実際は、不必要な運動は避けるように進化してきたのだそうだ。

パートⅠでは、「座ることは不健康である」「8時間以上の睡眠は不健康である」といった神話に対して検証している。

パートⅡではスピード、力強さ、パワーについて、人間がいかに弱い存在か、ウエイトトレーニングの必要性、人間にとってスポーツとは?が書いてある。

下巻へ続く

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2022年10月16日

Posted by ブクログ

動物は無駄なエネルギーを保持しておくことを最善策として取るのに、人間はなぜエネルギーを意図的に消費する(無駄な)運動をするのか?との着眼点から話が進んでいく興味深い内容。

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2024年02月17日

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