感情タグBEST3
Posted by ブクログ
帯は、
-------------------------
前向きになれる通夜通いのススメ!?
さよならから
はじまる人生がある。
-------------------------
就職活動に失敗し、
ひきこもりになった小夜子24歳。
ずっと下に見ていた弟の結婚。
中学受験に不合格だった友人のイギリス留学。
周囲と比較し、卑屈になる。
現実逃避したくなる。
思えば幼少期から、祖母に何かと言われ、
良い思い出もない。
そんな小夜子が偶然参加した他人の葬式。
読経とお香。
誰かの死に怒って、悲しんで、憔悴して。
他人とその周りの死を、傍観(同席)することで癒される小夜子。
自分を客観視できず、責任転嫁する。
傷つきたくないから自分から動きたくない。
ちょっと性格悪そうな小夜子なんですが、
気持ちはわかる。
通夜通いをやめられない小夜子の前にあらわれた老婆。
「通夜女」と出会う。
正直、お通夜に知らない人が紛れ込むって、
普通に考えると怖いし、不謹慎すぎて。
だけど、人の死を悼んで偲む空間というのは、
厳かで人間らしい場所なのかもと思いました。
葬儀社に関わる人達と、通夜女、友人、弟、両親、
登場人物全員が少しずつ苦しんでいたり、
その人たちなりの物語と背景があることに気づいて、
少しずつ視野を広げ、
取り戻して立ち直る小夜子の姿が良かったです。
24歳なんて自分のことで必死過ぎて良い。
視野が狭くても仕方ない。
両親への感謝とか、家族への無償の愛とか、
正直私が24歳だったときもわからなかったし。
だけど、通夜通いは多分私はしない。苦笑
「喪失を受け入れ、世界を再構築すること。」
小夜子が求めていたのは、逃避ではなく再生だったのかも。
Posted by ブクログ
就職活動の躓きから引きこもりとなってしまった主人公が、ふとしたきっけかから他人の通夜に潜り込むことに楽しみを見出し、そこからいろいろな出会いを経て自分の居場所を見つけるお話です。少し不謹慎ともいえますが、少し大き葬儀になれば、参列者をすべて把握できている人はたぶんいないので、一人二人紛れ込んでもわかりませんね。もとはシナリオらしいので、映画で見てみたい気もします。
Posted by ブクログ
良かった。
色々な人生の章が描かれている。
小太郎と時尾さんが
よい味出してる。
みんなそれぞれ生きてるなぁ。。とおもえる。
なんとなく、まんざらでもないと思える一冊。
Posted by ブクログ
就活で言われたたった一言が主人公をひきこもりにしてしまう。たった一言なのにと思うようだけど今まで否定されずに生きた環境が彼女の精神面では受け止めれなかったのはなんだかよく分かる。
叱られたことが極端に少ないと叱られることを受け止める力がすごく弱くなる。褒められてるのにたった一つの叱られることによってそれが勝ってしまう。唯一幼い頃に亡くなった祖母だけが彼女を厳しく育てようとしていた。だからって主人公の親が悪いわけじゃなく、彼女を想う気持ちも伝わってきた。
そういう弱ってる時に偶然他人の通夜に行ってしまいそこから通夜に癒しを求めて通うようになる主人公。そこでは亡き祖母を思わす通夜女がいて、この人幽霊なのかなと思ったけど結局はホームレスのお婆さんだったことがわかる。
最初はわりと笑いもあるけど後半からは通夜に癒しを求めた代償が返ってくるし、切ない場面が結構ある。
最終的にはちゃんと主人公は就職できるし、ちゃんと歩いていけてる。
Posted by ブクログ
お葬式の捉え方は人それぞれ違うと思うし、大体は悲しみを持って参列していると思うけど、笑顔で
見送る方が故人のためだと感じる人たちも居ると思
う。本作は就職活動に挫折して、引きこもってしまった24歳の小夜子が、他人のお通夜に紛れ込んで、自分の中の不幸な気持ちを浄化させていくお話なのですが、そこで、自分と同じようにお通夜に紛れている「通夜女(つやめ)」という謎の老婆に遭遇し、小夜子は彼女の弟子なる。小夜子と老婆の奇妙な師弟関係、なんで関係の無いお通夜に参列するのか、奇妙ながら何故か共感してしまう作品だと思います。
Posted by ブクログ
小夜子が就職活動に失敗し、引きこもりになってしまった事情には同情する。
だが、傲慢でプライドが高く、ひねくれもので小心者、というキャラクターがなんともイラつく。
両親にとても愛されているのに、それを当たり前に受け止めているのも、お嬢様気質で、キャラクターにブレがない。
他人の不幸を楽しみたいがために通夜を渡り歩くなんて、なんという悪趣味。
だが、通夜で出会った老婆(通夜女)、太陽くん、ケーキ屋さんとの関りを通じて、小夜子は少しずつ変化していく。
厳しかったトキばあと、通夜女が重なる。
通夜女が小夜子を成長させてくれたのだと思う。
ちょっと不思議で、ちょっとリアルな成長物語。