感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読む前から期待感がありましたがやっぱり良い本でした。
年齢を重ねてきた人の話す言葉にはなんて重みがあるのか。一言に今までの人生の経験がつまっているのを感じるからなのかな。
主人公は3人のおじいさんです。
一人一人が後悔と誰かのために残りの人生を生きていこうとします。
きっとこんなおじいさんがいてくれたら、どんなにほっと出来るかな。
帯に書かれているように生き抜く力を与えてくれるおじいさん達です。
私も人に何かを伝えられる、安心してもらえるような歳の取り方が出来たらな。
Posted by ブクログ
短編1話と中編2話からなる連作作品集。3作品共に各々完結していますし、いずれも素敵な物語です。3話を1つの物語として「人」「時」「場所」を絡めてバトンを繋いでいく様も見事です。中でも1話と3話の繋がりは絶妙で伏線回収の為に何度もページを行ったり来たりしました。
全体を通して第2話の位置付けが微妙に思えますが、それは私では分からない何か意図があったのかと思います。
「この作品はロングセラー絵本のように長く語りつがれていく作品だ」と帯にありましたが、正にその言葉の通りの名作でした。
Posted by ブクログ
積んである新刊を思わず掴み購入したが、大変嬉しい事に素敵な作品である、出会えたんだよね。初めて聞く知らない藤岡陽子さんは人生設計もちゃんとして資格とか前向きな生き方。作品に表れているって事 清ジイは言葉を残して亡くなって、1人の少年を助けてくれた とにかく海が綺麗だと目に飛び込んで来る。3話とも違う話で でも繋がってた とても静かな力強いのでした。大晦日に孫と過ごして励まして語ってと嬉しい出来事でした。時系列がとても満足してた。あーあーまた読みたいです藤岡陽子さん
Posted by ブクログ
3人の素敵なジィのお話し。絶妙なところで繋がる連作短編。自分はもうちょっとで還暦って歳だけど、それはもういい加減に生きてきたから絶対こんなジィにはなれんな。
Posted by ブクログ
夕凪が刺さったー
なにも持たないまま、大切なものがなにもないまま死んでいくことが、怖いんですよ
私からしたら医者という仕事をしている段階で、月島先生は社会からは必要とされている人間として、羨ましさはあるのだけれど
そんな月島先生が「怖い」という
そんなの、突きつけないでよ。って思う。立派な仕事をしている月島先生がそんな不安があるのなら、、
自分はどうか、、
あー怖い。
そして、海を毎日眺めるような生活がしたい
Posted by ブクログ
生きることの厳しさを知りながら、押し付けなく精一杯生きるジイたちに、それを受け止める周りの人達に、力のような光のようなものを与えられた。
一気に読み、一気に島に連れて行かれた感。
Posted by ブクログ
とても素敵な物語でした。
『海とジイ』
漁師のジイ 医師のジイ 石の博物館長のジイ
3人のジイの物語。
それぞれのジイの今まで生きてきた想い、そして、これからの想いが静かに優しく、悩みを抱えている登場人物を励ますようであり包み込むように描かれていた。
3人のジイが色んな事を語っている様子が本当に優しくて温かくて、「私がジイと呼ばれるような歳になった時に、私は誰かに語れるほどの物があるだろうか。」と考えたら、物語に登場するジイのことを少し羨ましく思った。
と言っても、ジイと呼ばれる年齢になるには、まだウン十年あるので、経験を重ねて素敵なバア(ジイにはなれないので)になりたいな。
そんなことを考えながら読み終えた。
Posted by ブクログ
短編と中編の計三話からなるオムニバス形式。さらっと読めました。
一話目の『海神―わだつみ』というお話が一番短いのですが、一番グッときました。「逃げたっていい。しかし、自分の人生から逃げ続けることは、できはしない」というようなジイの言葉、恐怖から奮い立ちいざ立ち向かおうとする孫の姿に、勇気をもらいました。
二話目を読んだあとに著者の『瀬戸内島MAP』を見て、三話目がどんなふうに繫がっていくのかなとワクワク。
文庫化にあたって加わった解説、絵本作家きむらゆういちさんのお話がまた素敵です。
Posted by ブクログ
自分も含めて多くの人は
まっすぐ、平穏に暮らしたいと
思っているだろう。
それなのに、社会も人間関係も歪んでいるから
歩くたびに何かにぶつかってしまう。
“勇気を出して一歩踏み出そう“なんて
美辞麗句を並べても
ピクリとも動かない凝り固まった心に
作中の3人のジイは寄り添ってくれる、
“光はあるんだよ“と。
自分も大切な人に寄り添えるジイに
なれたらと思うのと
いつかまたこの小説を思い出す日がくるのを
楽しみにしながら最後のページを閉じました。
素敵な作品との出会いに感謝です。
Posted by ブクログ
帯に
「3人のジイの生き抜く姿から光をもらう、人生を希望に変える3編」
とあったが
その通り
私が一番よかったのは『海神』
優生はジイのどこに影響されたのかな
Posted by ブクログ
瀬戸内の海とともに生きるジイたち
それぞれの物語の中でジイは、あるがままを受け入れて、けしてヤケにならず、日々を丁寧に生きている。
不登校の少年も、行先を憂う中年女性も、志し折れた青年も…ジイとの出会いで少しずつベクトルを変えていく。
それぞれ悩みながらも希望を求めている。
それぞれ他人の生活ながらどこかでつながっているのが温かい。
ジイの姿にも励まされ、また頑張ろうと思えた
Posted by ブクログ
祖父から孫への人生のバトン物語。
生きるということは、大変なこともたくさんあるけれど、その時、その時、自分しだいで学ぶことはたくさんある。辛く苦しい経験を通して学んだ生き方の知恵を、次の世代にバトンタッチしてゆく。
こんなおじいちゃんがいたら、どんなに心強く頼もしいだろう。それぞれのおじいちゃん達から渡されたバトンが、孫達の中で力強いエネルギーとなり芽吹いてゆく。
海に沈みゆく夕陽のような穏やかな暖かさを彷彿させてくれる、そんな素敵な物語の数々でした。
Posted by ブクログ
「海と」というより「島と」だな。三人のジイさんたちのほっこりした3つの話。それぞれ短編だけど、ゆるやかにつながるよくある感じ。最初の話が一番すき。
Posted by ブクログ
良い本だと思う。離島で老後を過ごしたいなと思ったけど、いろいろ考えると無理だな。もっと歳をとったらいいじいさんになりたいな。これも無理だろうけど。
Posted by ブクログ
次の世代、人に何かを伝えようとする人たちの連作短編。瀬戸内にある島で過ごすいつもとは違う時間。ジイとひ孫、看護師、孫。三人のジイが登場するけれど味があって心地良い。その心地よさの裏には様々ことを体験してきた苦悩なども滲み出てて生きていくことの喜びや苦しみを教えてくれる。瀬戸内の自然の大きさと、ジイたちの穏やかさが寄り添っていてくれているような連作集。
Posted by ブクログ
「ワシが死んだら墓には入らん、すぐにお前の元に行くからな。その時がお前の勝負の日じゃ」
心に大きな傷を負い、長い間家に引きこもっている小学生の孫に、末期癌を患ったジイが言った言葉。
久しぶりに涙ぐんだ。
亡くなった祖父の優しさを思い出した。
傷ついたこころを包み込み、癒し、
再び向き合う気力をくれる。
ジイの存在が、広く柔らかな瀬戸内の海とリンクする。
Posted by ブクログ
『海とジイ』は、藤岡陽子ファンであるわたし好みの作風でした。 いつものように、大いに感動し優しい気持ちになった。
随分古いたとえですが、小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』のような、穏やかで素朴で美しい瀬戸内の島を舞台に、それぞれの人生の一つの帰路に立つ三人に、図らずも、三人のジイが己の人生・生きざまを見せる物語。
第一話『海神 わたつみ』
穏やかだけではない荒々しい瀬戸内の海。
漁師のジイと不登校の孫の"命をかけた"約束。
涙を誘う。
第二話『夕凪 ゆうなぎ』
地元医療に尽くしてきたジイと看護師、
老いへの不安からの覚悟、凪ていく想い。
『ここに自分の仕事がある』
第三話『波光 はこう』
石の博物館館長に転身したジイと受験生の孫、
『時間というのは不思議なもんだぞ。 なんの目的もなく生きていると、時間は無制限にあるような気になってくる。どうやってつぶせばいいのかと、厄介なものにさえ思えてくるんだ。』
『自分の弱さを受け入れた時に初めて、人は強くなれる。』
ジイの語る半生に、胸が熱くなる。