【感想・ネタバレ】覇王の譜(新潮文庫)のレビュー

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心情と対局が動画で浮かんだ
動作が少ない将棋の対局が、動画で浮かぶほどの臨場感。棋士の心情の揺れ動きが手に取るようにわかるすごい描写だった。人間は誰しも他人と比較しがちになる。それによって不遜になることもあれば、卑屈になることもある。この本は、誰でも持つそんな生臭い感情を、棋士の人生から浮かび上がらせ、そして教えてくれる。大切なのは「今」だということ、そしてプライドを捨てて「いろんな人に教えてもらうこと」。うまくいかない人生に、背中を押してくれるリアリティある震える一冊。

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2023年04月03日

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 本当に驚くくらいの作品。クシャくしゃにされてからのサクセスストーリーだ。将棋小説の中でも人間らしさに溢れる名作。

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2023年03月28日

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対局シーンの熱さは、さすが元奨励会といった感じ
登場人物が皆、実年齢より高齢な感じがするのが気になるが・・・
続編(弟子、彼女)も期待したい

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2023年02月27日

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出版が新しく、レビューも少なかったが本屋でサイン本が売られていたため衝動買い。結果から言うととても満足した。
将棋については基本ルールを知っている程度だったが、将棋用語を知らなくとも大きく困ることも無く、話も非常にテンポがよく、ページ数は多かったが盤上・外で間延びすることも無くサクサク読めた。対局のシーンの描き方も工夫されていたと思う。
p.407~408の極限状態の2人の描かれ方が愛おしい。

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2023年02月12日

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ネタバレ

『盤上の向日葵』に続く2冊目の将棋小説。盤上の向日葵が将棋をモチーフにしているが真剣師の生き様を描いているものに対し、こちらは、元奨励会員の作者が描く将棋棋士。
ストーリーとしては、天才といわれた棋士が奨励会同期に敗れたことをきっかけに、一人はタイトルホルダーへ。もう一人は下位で燻る棋士へと。
その彼との繋がりを断ち、少年天才棋士や師匠、序列一位の棋士との研究会などを経ることによって実力を高めていくことに。
終盤のタイトル戦の挑決で主人公を負けさせるところなどは、驚いたが、百折不撓を表しており、主人公が強くなっていくところを描いているのかなと感じた。
元奨励会の先生が描いているだけあって、棋士の先生たちがこのような感情や思考で将棋を指しているのか?と想像できてとっても臨場感が出ており良かった。

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2023年01月15日

購入済み

素晴らしい

「サラの柔らかな香車」は読みにくい堅苦しい文章だったが、この小説は文体も、ストーリーも良く、最後まで一気に読みました。関西の描写、師匠、弟子、ライバルも目に浮かんで来るようです。最後の息詰まる展開はご自身経験が上手く昇華されたものだと思います。橋本長道先生の今後の作品が楽しみです。

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2023年01月19日

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大学時代の将棋大会を想起した。
キリキリと胃が痛くなるような切迫した詰むや詰まざるやの終局場面は圧巻。
個性的で魅力的な登場人物が多いが、主人公との絡みをもっとみてみたかったかな。
そこはスピンオフも含めシリーズ化を期待。
一気読み作品。

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2022年12月05日

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多くの他の将棋をテーマにした作品と同様に勝負の世界で勝ちきれずもがいてる主人公が様々なことをきっかけに強くたくましくなっていく話

将棋自体の楽しさ、棋界の政治・人間関係、クセが強くてきながら憎めないキャラクター、現代の将棋とAIの複雑な関係性と多くの要素がうまく詰め込まれた傑作だった

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2022年10月23日

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プロ棋士デビュー以来最下級クラスで燻り続けていた主人公の開花の物語
面白そうだなと手に取って読み始めたが、将棋知識がゼロに等しい私でも大丈夫かと不安になったものの、めちゃくちゃ面白かったし熱かった
むしろ将棋に触れてみたくなった
見所は巻末解説に載っているのであまり書きたくない前半のテンポの良さ、後半の濃すぎる一幕
一冊まるまる面白い

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2022年09月12日

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初めの数行を読んで「これはヒドイ」と思う位先がわかってしまった。

ところが読み進めていくと主人公の成長に合わせるように文章力も上昇しているように感じ、最後は終わるのが名残惜しい作品に変わっていった。

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2023年12月23日

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ネタバレ

将棋モノには目がないため、本屋で見かけて即購入。
シンプルながらも迫力ある作品名と、重厚感漂う表紙のイラスト。押し寄せる期待のままにページを捲り始めた。

将棋を題材にした作品はいくつか読んできたが、その中でも驚異的な熱量を感じた作品だった。
特に棋譜や図面がないにもかかわらず、ここまで対局者の心象や局面の難解さを表現できるのは単純に凄い。盤上のせめぎ合いでは喉元に切っ先を突きつけられたような、常にはらはらとした気持ちで読み進めることとなった。
才能人ながらもここ一番で力を出せないプロ棋士・直江大と、直江と同年代でありながらすでにタイトルホルダーの若き天才・剛力英明。その他にも天才小学生・高遠や『孤剣』の異名を持つ直江の師匠・師村、当代最強の女流棋士・江籠と、個性豊かな登場人物も光っており、そんな棋士たちとの出会いを経て直江が成長する過程も非常に読み応えがあった。

著者の橋本氏は奨励会に所属していた経歴の持ち主とのことで、将棋の世界に身を浸した者にしかわからない過酷さ・壮絶さの表現力にただただ脱帽。
藤井壮太竜王・名人のご活躍により盛り上がりを見せ続ける将棋界。そんな勝負師たちの世界に興味を持った方にはぜひ読んでほしい。

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2024年04月21日

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ストーリーは、特定の業界を紹介するエンタメの定石通りだと思う。特徴は、スピーディーに読ませる、その流れの作り方が凄いということか。

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2023年05月04日

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だいぶ前の新聞広告に『WEB本の雑誌「オリジナル文庫大賞」』とあったのを見て「読みたい」に入れていた将棋のお話。

AIの進化は将棋を観るハードルを劇的に下げましたよね。
私のような素人でも、AIが示す最善手を見ながら次の一手を待ち、優劣も知れ戦況を楽しむことが出来るようになった。
ひと月前の棋王戦第三局など、互いに一分将棋にもつれ込む中、一手ごとに評価値が激しく揺れ動き、竜王のまさかの詰みの見落としまで重なる劇的な展開に、終局後はしばらくこちらまで放心してしまった。
5日からは名人戦七番勝負が始まるが、どのような勝負が繰り広げられるか、今から楽しみ。

さて物語はと言えば、かつては将来を嘱望されながら、プロになって7年、いまだC級2組に留まっている直江が主人公。
かつてプロ棋士を目指し奨励会に所属していたという作者だけあって、『棋士は自分より弱いとみなした同業者を軽くみるところがある』とか『対局で負かし、感想戦で負かす。それで初めて相手に強さを認めさせることができる』など、観ているだけでは分からない棋士の心理がちりばめられているところがまず興味深い。
奨励会同期で今は遥か先を行く現王座の剛力、最初に師事した三木、兄弟子にして現師匠の師村、棋界の第一人者・北神、京都の天才少年・拓未、女流を捨て奨励会から棋士を目指し直す・江籠など直江を取り巻く面々がそれぞれ個性溢れて魅力的。
話はやや詰め込み過ぎで、描写も力が入り過ぎのところもあって、テンポもあまり良くないように思えるのだが、それでもずんずんと読ませる。
何度か描かれる対局の場面もそれぞれ勝負の機微がよく描かれているが、最後の“蒼天戦”における剛力玉への詰み筋と三木が遺した詰将棋「早春の譜」第百番「命」が繋がっていく場面が白眉。
今日紡がれる局面は、これまでの数多の時間が積み重なって出来た結果の、それぞれが奇跡的な局面であることを描き切っているように思えた。

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2023年04月02日

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元奨励会会員の著者が書いた将棋本ということで購入。

AIを取り入れた後の本格的な将棋小説ということで、かなり面白かった。

最後の場面は、控え室の人は評価値を見て詰みがあるとわかってたんだろうけど、プロでも詰みの手順がわからない局面だったということなんだろうと。この辺の表現がすごく上手いと感じました。

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2023年02月19日

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奨励会に所属したという作者。
対戦場面での心理、情景描写は真に迫る。

棋界にこれほど政治的な動きがあるかは不明だし、対戦時に露骨に心理的揺さぶりをかける棋士がいるかもわからないが、小説としては面白い。

終盤のタイトル戦の大詰めで追い詰められた主人公が、無駄と言われた師匠の詰将棋をヒントに活路を見出す瞬間もいい。

初めは下位に燻る主人公がたまたま出会った天才少年棋士を育てる話かと思ったが、主人公が逆境を切り拓き開花する王道のストーリーで、安心して楽しめた。

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2023年02月03日

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ネタバレ

面白かった。
観る将の自分にしてみたら棋士の苦悩が分かる気がした。
実際はこんなもんじゃないのだろうけども。

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2022年12月22日

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ネタバレ

格下だった奨励会同期の親友に追い抜かれ、プロ棋士の底辺に漂っていた主人公が、親友と決別して、いろんな人と関わりながら気力、精神力を高める。そして棋界トップの一人となっていた元親友とタイトル戦で戦う。
最後の最後に、師匠が残した芸術的詰将棋(元親友は否定的だった)の考えが役にたって奇跡の逆転勝ちとなった。

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2022年12月10日

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将棋をテーマにした小説にまた忘れられない作品が現れた。
18歳でプロ棋士になり、真っ直ぐに攻めて最短で勝つという将棋を求めながら、ここぞという一番でことごとく負け7年間もC級2組で燻っている直江大。才能がありながら壁を突き抜けられない主人公が、天才少年拓未との出会い、女流棋士との関わり、四冠棋士との研究会、師匠との対局などを通じて成長していく姿を描く物語。

脇役たちのキャラが際立っているのも魅力だし、AIが棋界にもたらすもの、タイトルとスポンサーの関係、日本将棋連盟の棋界政治というものの存在など、今までにない切り口も新鮮。

圧巻は元奨励会員ならではの緊張感あふれる対局シーンの描写で、今までに読んだ将棋小説の中でも群を抜いている。特に終盤、新タイトル「蒼天」戦で一分将棋になってからの1秒を刻む展開を言葉で表現しきった筆力は凄いのひとこと。
そして最後は泣きました。

やっぱり将棋の小説はいいな〜。


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2022年10月16日

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ネタバレ

元奨励会員による将棋小説だけあって、将棋界や棋士の実状がこと細やか。
なかでも対局場面の描写は、それを知らない者もじゅうぶん引き込まれる。最終局は手に汗にぎりました。

ただ人物設定や対局中の会話などは小説的というか、わかりやすい場面が多いのは仕方ないのかな。
派閥いじめやトイレでの偽会話、裏ではヤンキーのような女流とか、本当にあったらイヤだなぁ…

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2023年03月23日

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