【感想・ネタバレ】日本の中絶のレビュー

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Posted by ブクログ

新聞の書評を見て手に取りました。日本の中絶をめぐる現状と欧米諸国のそれとかなり大きな違いがあり、怒りとショックを覚えました。暴利ともいえる中絶費用、安全とは言えない方法で行われている手術、100年以上変わらない刑法、中絶は女の罪と罪悪視する習慣、中絶を経験した女性の罪悪感に付け込んだ『水子供養』の悪徳商法。世界では安全で安価な経口中絶薬が主流で、本人の意思のみで中絶できますが、日本では配偶者の同意が必要だったり、搔爬法によりすぐに処置できない場合があったり、自由診療のため異常に費用が高額だったり、また精神的なケアもほぼ皆無で、様々な面で女性を虐げている現状です。もし、安全で安価な経口中絶薬が適正価格で日本でも承認されれば、救われる女性は沢山いると思います。中絶は罪悪ではなく、よりよく生きるための1つの選択肢であり、女性と少女の人権です。この本は男女問わず、多くの人に読んで貰いたいなと思いました。

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2023年02月01日

Posted by ブクログ

中絶に良いイメージを持つ人はほとんどいないだろう。
堕胎、経済的困窮、望まぬ妊娠などなど、とにかく「中絶=悪」としか思えないのが多くの人の本心だろう。
また、近時のニュースでは、生まれた子を放置して死なせる(保護責任者遺棄及び死体遺棄)女性の処罰が話題に上る。
そこに至る背景として、パートナーの同意が得られないまま中絶期間を過ぎていた、ということがある(24頁)。
考えてみてほしい。
なぜ中絶が罪で、そして女性だけがその罪を被るのか。
父親たる人間には何の咎もなく、「おろせよ」といった言葉で済まされてしまう現実を。
法的にもおかしな話で、刑法で堕胎罪があるのに母体保護法でそれは修正されている。
不同意堕胎が罪になることは理解できるが、それ以外は修正条項がある以上罪としては不適切ではないか。

第3章の筆者の経験は、読んでいて辛い。
中絶した我が子、流産した我が子。
私は2人も死なせてしまった、その思いを書くためにどれだけ悩んだのだろう。
だからこそ、正しい性のあり方、避妊の仕方、育児は体系的に学ばなければならない。
そんな方法があったら簡単に中絶する人が増える、わけないでしょう?
流産であっても、とんでもない量の血が流れ、ひどく痛む。
中期中絶に使用されることのある頚管拡張材ラミナリアは、私は出産時に使ったが、入れるのも抜くのも激痛だ。
2度と使いたくない。
女は馬鹿だから安易に中絶する、なんて思っているのはどこのどいつだ?

女性の人権は世界的に見れば我が国は確立されているとは言い難い。
決して他国に比べ制度が整っていないわけではないのに、とにかく女性にのみ負担をかけることが多すぎる。
何度も言うがとにかくわが国は早急にこのギャップを埋めるべきだ。
資源も金もない国なのだから、人を大事にするしかない。
しかしそれこそがこれから強みになる。
新たなるジャパンアズナンバーワンを目指すなら、まずは足元からだ。

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2022年11月09日

Posted by ブクログ

高橋新書ガイドから。こちらはどちらかというと第三者目線。だからこその、産科医療への厳しい視点が興味深い。確かに、利権絡みで旧態依然とした医療がまかり通っているとしたら、それは社会にとっての不利益。ただそもそも、自身の経験としても感じたことだけど、出産が保険適応外ってのが意味不明。それがために生じている祖語も少なくない、ってことを、本書で改めて思い知らされた次第。あと、水子供養って概念が比較的新しいものである、ってのもちょっとビックリ。これも感じていたことだけど、確かにおかしな概念だもんな。生を受けていない存在が、なぜに現生を呪う?極論すれば、つけ込み詐欺、みたいなもんだわな。

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2023年10月26日

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