感情タグBEST3
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『約束』何を食べても砂の味しかしないほど、悲しくつらい体験をしたカンタ。そのカンタが心配で、「生きてほしい」と必死に訴えるヨウジ。二人の友情に胸がいっぱい。
『天国のベル』夫からの贈り物にじーんとした。良くない事ばかりが続いてどん底だった尚美に、これからは生きていて良かったなあと思える出来事がたくさんあるといいなと思った。
『ハートストーン』おじいちゃんの研吾に対する愛情にも感動したし、その話を笑わずに共感してくれた主治医にも感動。こんな風に接してくれるお医者さんを何人か思い浮かべることのできる自分が誇り。
どの話も胸をあたたかくさせてくれた。
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最初の話は良かったものの、途中からほぼ終わりの方までは"毒にも薬にもならない…"という感想を書くつもりでした。ところが、最後の一編でそれがまた180度変わりました。涙が溢れました。帰宅途中で読んでしまい大失敗でした。
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ヨウジとカンタ
正反対なタイプの二人が根底では似た者同士。
お互いがお互いを支えあい求めあい大切に思い、
唯一無二の親友。
突然の暴力によって引き裂かれ心を壊してしまうけど、やっぱり、最終的に救いあえる親友。
涙腺崩壊のまま読み進めて下さい。
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短編なのに、泣きそうになった。悶絶した。
石田衣良は池袋ウエストゲートパークのイメージしかなかったけど、こんなにも温かい作品があったんですね。
悲しい出来事が消えることはないけど、みんなが前向きに生きられる社会でありますように。
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青のイグジット、昔現代文の練習問題で出題されていて、解いた記憶があった。
何年も前なのに覚えていたのは、当時の自分も感情をこの話に揺さぶられたからだと思う。また出会えて良かった。
そのほかの話も共通して、辛さを抱えたまま、それでもまた前を向けるような希望を描いており、暖かい読後感が心地よい、良い短編だと思った。
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2001年に発生した無差別殺人事件に作家として出来る事はと悩んだ著者が紡ぎ出した表題作。主人公のカンタとヨウジは、後に別作の長編「カンタ」で設定を変えて、波瀾万丈の青春を生き抜く。
泣ける小説が苦手な人にこそ読んで欲しい、人間のレジリエンスの短編集。
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苦しみから立ち直り再び前を向いて歩き出そうとする人々を描いた短編集。左足を事故で失った息子がダイビングを始める『青いエグジット』、不登校の中学生と廃品回収のおじいさんとの友情描く『夕日へ続く道』に心を揺さぶられた。『天国のベル』も良かった。いかにもフィクションな展開だが、遺された家族が幸せに暮らせるのならこんな奇跡が起きても良いと思う。傷ついたり心が疲れている時に読むのがオススメ。
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なかなかハードモードな人生を生きる主人公たち。
キレイ事だけでは生きていけないけれど、それでも一条の光が差し込むような、、、
思っていたより良かったです。
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目次
・約束
・青いエグジット
・天国のベル
・冬のライダー
・夕日へ続く道
・ひとり桜
・ハートストーン
どの短編も誰かとの約束がテーマになっている。
それは事故や病気で亡くなった人との約束だったり、けがや病気で歩くにも事欠くような人との約束だったり。
つまり、下手な人が書けば、ベタなお涙ちょうだい小説になるものばかり。
ところが悔しいことに石田衣良は上手いんだな。
池田小事件のニュースを見て、理不尽に巻き込まれた事件の被害者たちが、苦しみから立ち上がり人生に帰ってくるために、何事かを救い出すことができればと書かれた『約束』は、設定を読むだけでも胸がふさがってしまうほどの苦しみが押し寄せてくる。
憧れのヒーローであり大好きな幼馴染みのヨウジがなぜ死ななければならなかったのか。
カンタはどう考えてもわからない。
本当だったら僕が死ぬべきだったのではないか。
「そんなことない」という周囲の声はカンタには届かない。
そんなカンタを救うのは、やっぱりヨウジなのだ。
ベタなんだけど、ベタなのに…くそぉ、石田衣良め!
もう一つ、『夕日へ続く道』。
特に理由なんかないけど、皆と同じであることを強要される学校に通う意味が分からず不登校を続ける雄吾。
不登校だからと言って引きこもりにはなるまいと毎日公園で一日を過ごしていたが、あるとき廃品回収をしている老人・源一と知り合い、仕事を手伝うことになる。
これはいつか源一が倒れて、雄吾は学校に戻ることになるんだろうと思いながら読んでいたら、見事にそうなりましたよ。
だけど、とても丁寧に描写された起承転結の転は、結がわかっていたって心にぐさぐさ刺さってくる。
最近年のせいか、おじいちゃんおばあちゃんのセリフや行動にやられることが多い。
『ハートストーン』も、ちょっと無理やり感はあるけれど気持ちはわかるなあ。
世の中から悲しみや苦しみがなくなることはないのなら、少しでも和らげられるような事を言ったりやったりできる人になりたい。
そういう年の取り方をしたい、と思う。
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人生のどん底から立ち上がろうとする人々の姿が描かれている。ひとり桜は男性目線と言われるかも知れないが、最も印象に残った。ハートストーンも良かった。
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希望を持ち、生きることの大切さを心に訴えかける。そんな作品でした。
この小説の中で、最も気に入った一文を載せます。
「大丈夫だ。こっちはなんとでもなる。健吾が言ってたバカらしさな。あれは、大人だってみんな同じように思ってるんだ。でも、そのバカらしさに正面から反対するのもバカらしい。みんな、どこかで無理して、まわりに調子をあわせてるんだぞ。兄ちゃんもちょっとは大人のふりをしてみな。」(夕日へ続く道)
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「約束 石田衣良」
2006年9月頃
僕の声はでかいわけでもないが、よく通るらしい。
5Fフロアのちょうど真ん中あたりに座っている僕は、
部署の人との会話がよく筒抜けになっているらしく、
ある日は「給料が安い。やっていけない・・」とぼやいたら、
3日後に人事部長に呼び出され、1時間会議室で説教され、
吐きそうになった。
ということで、
「最近、家で暇なときなにやっとるん?」って聞かれて、
「読書」
「珍しい・・なにをよんどるん?」って聞かれて、
「石田衣良」って言ったら、翌日、僕のとなりの空いている席(物置代わり)に、
この本が置いてあった。
1日は誰のか知らないから、放っておいたけど、
誰もなんで置いてあるか知らないっていうので、頂戴しました。
ありがとう。面白かったです。
それにしても「衣良」がいっぱつで変換できん。
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短編の連作集ですが、
中でも表題作の『約束』と
『青いエグジット』と『ハートストーン』で
盛大に泣いてしまいました。
さまざまな苦しみから立ち上がり、
うつむいていた顔をあげて、
まっすぐに歩きだす人々の姿。
石田さんの作品は、いつも心をわしづかみにされたように
胸にひっかかって消えません。
私はただの読者のひとりに過ぎないけど
作家の皆様方の紡ぎだす作品世界に触れるたび
人生の深みを少しずつ感じられるような気がしています。
私もきっといつか、大切なものを失うときがくると思います。
家族や、健康や、夢。
それが大切なものであればあるほど、
失ったときの哀しみと喪失感は果てしない。
だけど、どんな形でもいい、
あきらめずに前を向こうという気持ちがあれば
人はまた必ず人生に帰ってくることができる。
そんなメッセージを受け取ることができた、作品でした。
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久々に石田衣良読んだんですが、面白かった!!!!石田衣良作品の中でもナンバーワンを争うほどに面白かった!短編だけど読み応えあり!!!
実際の事件を目の当たりにして書き出したというこの一冊。なんだかそれぞれの事件なり苦悩がより身近に感じられるものでした。
涙無しでは、、、というほどのものではないけど、なんとなく辛く険しい道のりをそれぞれ強く歩んで行く姿に、そっと寄り添うような気持ちになる。
他人の不幸として読んでかわいそうかわいそうと涙するってよりは、大変だろうけど頑張ってみますか!って気持ちにさせてくれる一冊でした!!!
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泣かせる気満々の作品を集めた短編集
病気の子供の話や、事故で亡くなった人の話など
人の死をメインに、ありきたりな感じの話が進むが
ベタな流れが嫌いじゃないので良かった
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短編集なんですが、タイトル作の約束、ちょっとうつくしい子どもを思い出しました。子どもの心の意外な脆さ、自傷する小学生なんて本当はいてはいけないのに、様々な理由で実在するんだよなあと現代を憂いた。
全体的に好感がもてるけど、ひとり桜だけあんまりしっくりこなかったです。
一番好きなのは 夕日へ続く道 かなー。
現代っ子のサバサバした、物事分かり切ったようなとこがうまく描かれてて、あながちそれが間違いじゃない、とか。
でも、その時間違ってる、違和感があると感じても、みんなと同じなのが滑稽でも、屁理屈こねず学校はいっとけっていうシンプルな話なんだけど、石田さんの描く子どもって現代の子どもサンプルAみたいな感じなのが多いのに、血の通ったおっさん描くのもうまいんだなーって感心した。
そのおっさんとサンプルAが同軸に立って違和感ない。なんかそれすごいって思った。
エヴァンゲリオンの子達が波平に叱られるみたいな。
短編の中の一作なのですごい短いのに、おっさんの言葉に泣きそうになった。
こんな大人になっちゃダメだ。
自分のことそんなふうに言える大人がいまどのくらいいるのだろう。
そう言える人に限って誰かの役に立ってるんだよねー。誰かの人生を覆すような。
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親友の死や幼い息子の病気などの、悲しみや苦しみから立ち上がり、再び前を向いて歩んでいこうとする人々の話。世の中には、少なからずある事…改めて、平凡な毎日をありがたく感じました。「約束」「ハートストーン」は、泣けました。幼い子どもの不幸は、悲しいですね。
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何度も言わせてもらうが、現実はそう上手くいくはずがない。確かに泣ける話だが、それは単にそういうシチュエーションは現実で起こりうるので、別に説得力があるわけではない。特に天国のベルとハートストーンとか、あまりも好都合、そんなに簡単なら人は苦労しない。
解説の中石田の筆力を絶賛したが、確かに時々セリフは上手くて閃いた感じがする。ただ安定的ではなく、荒技とは言えない。特に中年男性の心理描写はわりと生々しいものの、女性を描くのは適当で、影のような感じでしかない。
良かったのは1位冬のライダーと2位の青のエグジッド、後者の方の結末はあっけないが。
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石田衣良の短編集。個人的に青いエグジットは今まではきっと子供の感情しかわからなかっただろうが、大人になった今父親の感情も理解できたような気がした。親になるってどういうことなのか考えさせられる。
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どの短編も、一度は底まで落ちた人が這い上がり、前を向いていく話。どの話のなかでも、人は落ちるとこまで落ちている。でもそういうネガティブな時間も、人生を進めるためには必要なものなんじゃないかと思う。立ち止まる時間をじっくりもって、丁寧に、あせらず、自分の思いによりそうこと。そうするなかで、自分の声だけじゃなく人の声がきちんと聞けるし自分の心に届くようになる。そういう過程があってこそ、人は救われていくのだと思う。
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石田衣良の短編集。短編集はあまり読まなかった。一つの話を長く深く読みたいから。
しかし、最近忙しくちょっとした隙間に読むことができる短編集がとても良い。当たり前のことだが、自分の時間によって読みたい本も変わる。
石田衣良の本は読んだことはなかった。
読んでいて思ったのは情景の描写がとても繊細であること。
主人公が、子供から大人まで様々な状況なので読む年齢や状況によってどの話が好きか分かれそうである。
好きな作品はこの3つ。
私が最も涙腺を緩くしたものはハートストーンだ。ありがちな展開でもあるが、そこがいい。大どんでん返しがないからこそ、小説の少しのリアルに胸を締め付けられる。
青いエグジットも良かった。リアルに近い感じがする。五体満足で一生を終える人ばかりではない、出世街道まっしぐらの人ばかりではない、そんな誰にでも起こりうる人生の事柄。マイナスに感じることの中でそれが交互に組み合わさり人の原動力にもなるんだと思わされた。
この父謙太郎はリストラ研修にいかされているが、人間性はとても立派で覚悟のある人と感じた。
天国のベルはリアルからは遠いところがある。ありえないファンタジーはあまり好きではないが、この作品はそうだといいなと思わされた。夫の不倫事故で夫を失った主人公と夫と離婚協議中の2人は学生時代なら仲良くなってなかったかもしれない。人の縁は不思議なもので、決して善の感情ばかりで仲良くなるわけではないし、負の感情で結びついて関係性を築くこともあるなと思った。
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石田衣良さんの本は
読みやすくて読後感がいいから好き
人ってまた立ち上がるんだって思える
こうはうまく運ばないよってつっこみながらも
最近涙腺が固まってるのでしょうか
いくら帯に「泣ける」とあっても涙出ないんです
感情が硬化してるのかしら
≪ うつむいた 顔上げてほら 空を見る ≫
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石田さんの作品を読むのは初めてですが、表題作の文章が非常にぎこちなく
「小説家というより脚本家なのでは」と思ってしまうくらいでした。
2話目以降は読むのを断念しようかと思っていましたが
「青いエグジット」が思いのほかよかったので、そのまま続けて読みました。
全体を通してみれば悪くはないのですが、
手軽に感動がほしければ、重松清作品で十分だなという印象です。