【感想・ネタバレ】坂の上の赤い屋根のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの真梨幸子作品、イヤミス感が堪らない。

人それぞれの行動は、何がその人を突き動かすのか?
金か、愛か、名誉か…。
それぞれの家族背景や生まれ育った環境から培われる、自分に足りないものや自分がどんな手を使ってでも手に入れたいと思うものの大きさは計り知れない。
もしも自分が大事件を犯すことがあるとすれば、何を目的とするんだろう、などと考えてしまった。

読んでいる最中の不快感、落ち込み様、読み終わったあとのスッキリしなさが本当に癖になる。

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー、真梨幸子節炸裂という感じ。良いイヤミスだった!

読み進めるごとに様々な事実(らしきもの)か明らかになるのだが、「本当にこれが真実なのか?」「もしくは、真実の一部に過ぎないのではないか?」というモヤが晴れないまま物語は進行していく。
それは、全てが語られないことであったり、何となくの違和感であったり。
それが終始拭えないままどんどんと降り積もっていくので、後味の悪さだけでなく、読んでいる最中もずっと暗く重い気分を味わい続けることができます。(褒めています)



最後に真相がわかった後は、ほんとにスッキリ。でも、当然黒幕はお咎めなしなので、後味の悪さもしっかりあります。

いやー、橋本に関してはほんと、ずっと怪しかったよね。早すぎた自叙伝の「蒸しパン」と橋本の実家が蒸しパン売ってて…という繋がりも、うーん?と気になってはいた。
そして橋本が家族の話をチラ見せする度に感じる違和感。
コイツは、何を隠しているんだろう?何を考えているんだろう?と。
ああ、冒頭の【わたし】はコイツだったか〜!と最後にきちんと答え合わせさせてくれる仕掛けはとても気持ちが良かった。

そして橋本の手のひらの上で踊らされる面々。
読み終えてから橋本の立場で読み返してみると、一気にスカッと物語になるお見事な働きぶり。笑
特に市川聖子がいい仕事している。
逆に登場時の大物感とは打って変わって察しの悪い笠原智子が何と言うか、アホっぽく見えて癒されます。

ちなみに、この物語で一人勝ちしているのは橋本のように見えるが、約一千万円を手にして逃げおおせているエイコもなかなかだ。(最初、エイコも誰かの差し金?と思ったけど違うようだし、殺されることもなく、ほんとに一人勝ちでは?)



どの「犯人」「関係者」も、生まれ育った家庭に影響を受け、歪んでいったという人格形成の過程を垣間見れるのも良い。
さらに言えば、そこには「嫉妬」が満ちている。
自分より優遇されるきょうだいを見て。もしくは、恵まれた環境にいる他者を見て。
澱んだ負の感情が渦巻いて、大きな負のエネルギーとなって表出されてしまった感じ。
これぞイヤミスですね。

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2023年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中まではとても面白くて読み進める手が止まらなかったが、終わり方はかなりご都合主義で拍子抜けしてしまった。
最後の「腐った蒸しパン」のところだが、ミチルを殺したのは結局大渕ではなく橋本ということでいいのかな?
優しい姉と言っていたが、最後の自供(?)のとおり、両親が優秀な姉ばかり気にかけるのが許せなくて橋本が殺したということで合ってる?
あと礼子のお金を盗んだ瑛子も橋本の差し金?さすがにそこまでは考えすぎ?

なんだか一部謎が残ってもやもやしたままです。

この後「6月31日の同窓会」を読もうと思って気づいたが、終わりの方で出てきた松川凜子はその小説にも出てくるみたい。
先にそちらを読んでいればニヤリとできたのかな?

全然関係ないけど、橋本涼って、ジャニーズのHiHi Jetsの橋本涼さんと同姓同名ですよね。

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2022年09月20日

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