【感想・ネタバレ】ペンギンの憂鬱のレビュー

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Posted by ブクログ

ウクライナのキエフ(キーウ)でペンギンのミーシャと暮らす売れない小説家のヴィクトルは、ある日、出版社から「十字架」を書く仕事を依頼される。
不穏な空気+ペンギンの物語→

1990年代、ソ連崩壊後のウクライナが舞台。戦後の日本にしか住んだことのない私には最初、とても不思議な気持ちになった。
家の外の世界はとても殺伐としているのに、ヴィクトルのキャラとペンギンのミーシャがその世界から少し浮いていて、それがとても絶妙。一気に読みやすくなる。→

でも、ペンギンのミーシャは動物園が閉園するタイミングでヴィクトルが貰い受けているわけだし、この時点で今の日本にはない感覚なんだよね。
終始この「感覚はわからないけど、何となくわかる」みたいな感じが魅力的なお話(語彙力なさすぎなんだけど伝わってー!)

読んでよかった(語彙力喪失)

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2024年04月11日

Posted by ブクログ

短編作家の主人公が謎の仕事を引き受けるが、
徐々に明らかになってゆく。
共に暮らすペンギンがなんとも魅力的。途中から一緒に暮らす彼女や子どもとの日常もほっこりするが、主人公は彼女らに愛はないと思っている。
最後のオチがあっと言わせる。
旧ソ連ぽいなーと思わせる管理統制社会、闇社会の面影。

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2023年11月26日

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憂鬱症のペンギンと売れない小説家。もう、これだけで面白い。

不可思議でどこか、現実と空想のあわいに惹き込まれるような物語。
どことなく村上春樹を想わせる文章ですが、訳者のあとがきを読んで納得。

続編が出ているらしいけれど、どうやら15年以上経った現在でも日本語翻訳は出されていないそうで、残念。

さて、本作はソ連解体後のキエフを背景にした物語。
「人生の本質が変わったからといっていちいち考えこんだりしてはいられない。」
と作中にあるように、当時の人たちの、激しく変わる社会に、いちいち反応してたらやってられない、みたいな感情が窺えます。
これは、たぶん私たちも同じで、自分の人生に起こっていることの意味や、日々労働していることのその先なんて、いちいち考えながら生きていくことなんてできないし、問題や困難を避けて生きていくほうが良いとも思える。

そんな暗い背景がベースにありながらも、ペンギンとソーニャ(預かることになった子供)ニーナ(ベビーシッター)が間に入ることでどこかコミカル、そしてこの関係を通してヴィクトルの感情の変遷も伝わってきます。

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2023年09月03日

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ペンギンとヴィクトルが互いに依存関係であり「憂鬱症」を通して重なりあう様子がとてもうまいなと思った

追悼記事を書く仕事を訝しく思いながらも、深くは知ろうとしないとことか、とにかく生活ができればいいと思ってたところとか、ヴィクトルがなぜこんなにも物事に無関心でいられるのかが不思議だった
作品に終始漂うヴィクトルの諦念とその受容は、ウクライナが新生国家で情勢が不安定だったことが大きく関係してるんだろう
でも途中に出てきたペンギン学者のおじいさんが亡くなったことはヴィクトルのかすかにあった生への執着をかなり吸い取った気がするな

最後はヴィクトル=ミーシャだったということか………
そしてどんなことがあっても生活は続くのだと思わされた

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2023年02月22日

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ソ連崩壊直後のウクライナ、売れない小説家のセルゲイは恋人に去られ、動物園からペンギンを1匹引き取る。

ペンギンのミーシャと共同生活を始めた頃、新聞に追悼文を書く仕事を得る。追悼文と言っても、亡くなった人ではなく存命の著名人について亡くなる前に準備しておく…という奇妙なものだった。
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現在のウクライナとは違うけど、この当時のウクライナの社会が先行の見えない不安に混沌としていた様子が伺える。登場人物達はみな淡々と日常生活を送っているが、足元に不安が燻っている。

数ページ読んで感じたのは
「村上春樹みたい」
だった。初期のハルキ作品に何となく似ている。と同時に安部公房の不可思議さやポール・オースターの形の見えない不安要素もある。

不安の原因が何なのかわからない恐怖、並行してゆったりと繰り広げられる日常。話の展開が読めないので、ハラハラと楽しんで読めた。

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2022年10月26日

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ソ連崩壊後に独立して5年が経ったウクライナを舞台にした物語。行き場のない男と女と女の子とペンギンがパッチワークのように寄せ集まって家族の様相を呈している不思議な関係。もしかしたらヴィクトルとミーシャ(ペンギンの方)は互いが分身なのではないかと穿って見る。そうでないとしてもヴィクトルにとって一番気の置けない相手であることには相違ないだろう。主人公ヴィクトルが暮らす街に漂う不穏な空気やその中でじわじわと抜き差しならない状況に追い込まれていく様は当時のウクライナが置かれた社会情勢の影響が色濃く出ていて、読んでいる方もどこか息苦しさのようなものを感じつつページをめくることになるが、この後、登場人物たちはどうなっていくのかとハラハラしながら読み進めていくことになるのもまた事実。本作が書かれた頃の作者や国、世情と現在の作者や国、世情などを考えると、えも言われぬ感慨に襲われる。

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2022年07月01日

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ひゃー面白かった⭐️不穏な空気がずーっと続くところどころでホッとしたり笑えたりオシャレだったり、、、ペンギンのミーシャ、そう、ペンギン。コレが犬や馬やネコだったらこの世界は表せなかっただろう。不条理な恐怖、ソ連崩壊直後のウクライナ、、この本、私の中では上位。ミーシャはどうなったんだろ、そしてヴィクトルは?

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2022年05月30日

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ネタバレ

閉館した動物園から引き取ってきたペンギンのミーシャと二人で暮らすモノ書きのヴィクトル。著名人が亡くなった際に新聞に掲載する通称「十字架」を書く仕事を引き受けるが、出先の宿では銃声で目を覚ましたり、引き受けた子供の親からピストルを受け取ったり、常に陰鬱な緊張感が続くロシア文学らしいウクライナ文学。
連崩壊後のウクライナの世相をよく表していると解説にもあったが、まさにそのとおりだと思う。ミーシャは動物園という囲いの中から出ても、自分の属していない土地に居るより他なかった。ウクライナもまた、ソ連崩壊後、世界の中で自分たちの居場所を見失っていた。
ヨーロッパ(特に冬の寒さが厳しい地域)の文学では孤独な人間が不条理を押し付けられ、苦悶のうちに死ぬ。みたいな物語がちらほらあるように思うけど、これは厳しい冬がそういった無力感みたいなものを人間に与える面があるのでは、とも思う。

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2024年01月06日

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孤独について深く考えさせられる本
人は皆それぞれが違う形で孤独を抱えていると思わされる。
全体を陰鬱な雰囲気が包んでいるがそれを感じるのもまた良い読書体験
ペンギンがそれを緩和してくれる

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2023年09月09日

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憂鬱症のペンギン・ミーシャと暮らす売れない小説家のヴィクトルは、生活のために新聞の死亡記事を書き始める。

ペンギンの話と思いきや、少し幻想小説のような不思議な雰囲気もあってとても好み。部屋をぺたぺたと歩くペンギンも可愛い。

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2023年06月23日

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孤独なひとりの売れない小説家と一羽の憂鬱症のペンギンが巻き込まれていく、日常に混じりゆく不穏な気配とその真実を繊細かつユーモラスに描いた物語。ミステリ要素も含み、ペンギンはとてもかわいく、楽しく読めました。

豊かに風景を描き上げる繊細な文体でつづられるのは、危うい社会情勢。地雷が埋められて爆発した死体がそばにあろうと、マフィアのもめ事に巻き込まれて人が次々といなくなっても、日常はバランスを危うく揺るがせながらもつづいていく。別荘を持つ夢を見て、ペンギンと寄り添う暖かさに心を和ませる。ずいぶん前に描かれた物語ですが、小説全体に漂っている漠然とした仄暗さは2023年現在の社会情勢を考えると安定した平和などないままだったのだろうか、などと暗鬱な思いを引き出されます。

ペンギンの描かれ方はファンタジーに近く、空想の生き物、いってみればマスコット=象徴的な存在として描かれているんでしょう。そんなペンギンを明るく無邪気とした存在としてでなく、憂鬱症という個性を持たせたことで、小説家とより深く寄り添えるようないとしさを持つ存在として成り立たせているように思えました。

……この終わり方ではミーシャはどうなったのかとやきもきしたのですが(結末の付け方としてはとても巧いとはいえ)、邦訳はない続編のあらすじを聞いて少し安心しました。

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2023年06月08日

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ネタバレ

「鬱のペンギンと暮らす売れない小説家」っていう設定だけで読みたくなった!

そうか、ヴィクトル=ミーシャだったのか…。

ヴィクトルの周りで、その一つ一つが人生の転換点になるような出来事がたくさん起こっているのに、何の起伏もないまま淡々と物語が進んでゆく。
ラスト付近でついにヴィクトルが能動的に動き出したところで、やっと話が盛り上がる。

たまに、「自分の人生何も起こらない、つまらないものだな」と思うことがあるけど、もしかして自分が無関心だっただけなのでは、と反省した。

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2023年03月24日

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[残す本]

春先に書店でカバーに惹かれて買った本。
会社を辞めてしまう同僚に最後に会った時におすすめの本として紹介したら、ウクライナの作家さんだよね、と言われて、書店に並んでいた理由を知った。

これから亡くなりそうな著名人、通称「十字架」を見つけては、追悼記事を書くという仕事を任された売れない小説家ヴィクトルと、一緒に暮らす憂鬱症のペンギン。
全編、寒い国で薄青い空気の中、静かに大きな物事が淡々と進行していく。皮肉の効いたラストは、救いにも、絶望にもとれる。

渋谷の地下のマックで読んだ時、あんなにも人がいる街なのにそこだけは全然人がいなくて、緑っぽいネオンの中1人だけになった感覚がとてもぴったりだった本。
たくさん人がいる街で、自分しかいない場所を見つけたら、ぜひ読んでみて欲しいです。



[ 300ページ以上で残った本 ]

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家が狭いこともあり 捨てる本/残す本 を感想を添えて紹介してます☺︎




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2022年11月30日

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ウクライナの状況が描かれた小説である。といっても戦争ではない。主人公がペンギンを動物園から譲り受け、さらに新聞社から生きている人が死んだ場合の追悼文を書く仕事をしている。子どもを知り合いからあずかり、さらに編集長が行方不明になり、ペンギンの飼い主も死亡する。話が最後まで見えない小説である。

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2022年10月30日

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売れない短編作家と、憂鬱症のペンギンの話。

最近急に寒くなってきたけど、ひんやりした空気の中で読むに相応しい小説だった。
ウクライナ人の作家の作品だけど、ロシア語で書いているのが原因か祖国ではあまり読まれず、むしろ翻訳されたものがヨーロッパでよく読まれているっていうのが小説にも何となく微妙に曇りっぽい印象を与えている気がする。

売れない短編作家にたまたま舞い込んできのは、新聞に掲載する追悼文をその人が生きている間に書く仕事だった。
生前の悪に、多少なり哲学的意味を与える文章は短編作家の才能を引き出してくれたけど、奇妙なことが次々に起こる。
クライマックスは憂鬱症のペンギンのために手配したある計画が、本人の決められた運命を変える手段になる。(と言っても救済とかハッピーエンド印象は全くない)

とにかく憂鬱症のペンギンがの描写がめちゃくちゃ良い。
後半で、葬式にペンギンを出席させるのが流行るんだけど、ちょうど喪服みたいな見た目しているペンギンは葬式の場に相応しいって納得してるのが面白かった。
実際はどうなのかは別として、物思いに耽っているペンギンの様子は想像するだけで雰囲気があ流。元気なやつじゃなくて、群れから逸れ気味の切ないペンギンを見に行きたくなった。

#アンドレイクルコフ
#憂鬱症のペンギン

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2022年10月07日

Posted by ブクログ

鬱々とした雰囲気なんだけど、読めてしまう。ただ思ったよりページ数は多くて淡々としているけれど、文章自体は読みやすい。
単純にペンギンが出てくる本なら読んでみようかな!なんて思っただけなんだけれど、思いもよらない陰謀だとか。読んでいくに連れてそういうことかーと思いました。
続きがあるみたいだけれど、翻訳はされていないらしいので、もどかしい。

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2022年10月05日

Posted by ブクログ

ソ連崩壊後のウクライナが舞台
翻訳本ですが、読みやすい文体です
薄暗い雰囲気の世の中に、売れない小説家と鬱病のペンギン、知り合いから預かった子供。
疑似的な家族と追悼記事の仕事
なんとも不思議な設定ですが、読後はウクライナの複雑な歴史について知りたくなります。
鬱病のペンギン、その後どうなったんだろう…

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

2004年初版。ロシア語の翻訳作品。翻訳本の難解さは、あまり感じません。読みやすかった。でも、内容の鬱々とした感じを、もっと出してくれたら良いのになあという感じも持ちました。ソビエト連邦が崩壊して独立したウクライナが舞台です。異文化を強く意識しました。コーヒーとお酒を合わせて飲むなど。ミステリー小説だと思うのですが、私的には納得の行かない部分も多々あります。当時のウクライナ自体にも憂鬱なムードが蔓延していたんだろうなあと思わせます。今現在、ロシアとの戦闘が続いているウクライナの憂鬱さは救いのないものなのでしょうね。

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2022年06月25日

Posted by ブクログ

ウクライナ人の作家
1961年生まれで同い年で親近感あり
彼女がいなくなったがペンギン、知り合い野瀬娘、
ベビーシッターと家族が増えて行くが最後はまた一人に?
ペンギン学者の遺言で家に放火、これはいけない
月末は自分の死亡記事が書かれる

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2022年06月05日

Posted by ブクログ

これは決してハリー・ポッター的な話ではないし、ペンギンというのはヘドウィグではない。

なぜそんなことを言うかというと、はっきり言って、翻訳が、ハリー・ポッターというか、児童書っぽいからだ。
もともとの小説のテーマというか、雰囲気にあっておらず、小説そのものの方向性が変わってしまっている。
例えば、以下のシーンーー


「行こう……」セルゲイが少し毅然として言った。
「でも、どっちに?」ヴィクトルはあちこち見回して聞いた。「どこだろう」
「どっか近くだよ……」ーー
 
ハリーとロンが女子トレイで嘆きのマートルに出会うシーンといわれても違和感がなさそうな雰囲気だが、これは、40代の男性二人(うち一人は警官である)が、真夜中の森で地雷で吹き飛ばされた変死体を発見するシーンである。

ともかく、雰囲気がだいぶ変わってしまっている可能性があるが、この小説は決してハートウォーミングなファンタジーでなはく、どちらかというとハードボイルドである。
テーマは、「孤独」「疎外感」といってよい。
(そもそも、原題の「Смерть постороннего」は、直訳すると「異邦人の死(Death of an outsider」だ)

ストーリー上の大きな特徴であるペンギンのミーシャは、本来いるべき場所以外で一人(1羽)生きざるをえない者の象徴である。
極寒の南極で生活するように体の構造ができているのに、(比較的)温かいウクライナで主人公に引き取られ、憂鬱症に陥ってフラフラと生きている。

で、それは実は主人公である小説家(というほどでもなく、ライターがちょうどいい)ヴィクトルも、彼に預けられた活動家の娘も、彼らに雇われたベビーシッターのニーナも、みんな同じなのである。
本来的に孤独なものが、身を寄せあって生きている。
その意味を、割とハードなストーリー展開(というふうに見えないのは、ひょっとして共産圏たるウクライナでは当たり前の日常なのだろうか)の中で考えていくのが本作である。

だから、可愛らしいタイトルと、表紙と、児童書ぽい翻訳に惑わされてはいけない。
特にラストの展開は、猟奇的というか、もはやサイコパスである。
心して読むべき一冊である。

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2022年06月02日

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現代ロシア文学に触れたのはこれが初めてで、おもしろいテーマに沿って読んでいくといつの間にか、あ、そういう話?とわりとすんなり受け入れられた。

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2022年05月17日

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ネタバレ

本屋さんで待ち合わせ中に寺田順三さん?の表紙に惹かれて読み始め、試し読みで終わるはずが続きが気になって買って帰ってしまった。
最初は寝る前も読み進めたくて読んでいたけど、途中から今のウクライナの現状と小説のストーリーが心をもやもやとさせ続きが気になるけれど眠る前は読めない心境の展開に。
最後は落語のようなオチに、やっぱり小説だったんだと小説の中に引き戻されて、一点放火の火の赤がさす以外、終始雪と薄曇りのモノクロの重いイメージの中読み進めてきて読後感が悪くなるはずだったのにスッキリしている。
続編はもちろん他の作品も読みたくなった。

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2022年05月03日

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初めから終わりまで薄暗く、不穏であり、春の陽射しのように温かくありながらも、常に冷気が優しく吹いているような小説でした。

このあと、彼らはどうなったのか?
そんなふうに思わせる小説、僕は好きです。

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2023年11月10日

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面白い。
村上春樹風のカフカ、あるいはカフカ風の村上春樹でもいいけど。
(ブラック)ユーモアあふれる名品。

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2023年10月18日

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異国情緒ある静かで不穏でダークなミステリー。映画を観てるみたいだった。
政治としてのロシアは到底許されないけれど、文学芸術に罪はないと思って、ロシア語文学を読んでみたくなった。作者はウクライナ人で、ロシア語で執筆されている。

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2023年04月05日

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憂鬱症のペンギンを飼う作家の男。これといった希望もなく、なんだか曇天のイメージ。国家を揺るがす陰謀?に巻き込まれるのに気が付かない。気づこうとしない。偶然が重なってできた疑似家族を守るため?でも心許すのはペンギンだけ。ペンギンはどうかわからないけど。少しだけミステリ。最後まで曇天。でもなんか惹きつけられる面白さ。

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2023年02月03日

Posted by ブクログ

奇妙な物語だった。ストーリーに抑揚は感じさせず、憂鬱症のペンギンのほか、追悼文、複数の知り合いの死去、葬式参列のバイトといった死に関わるものが扱われているせいか全体的に陰鬱な雰囲気となっている。そこに挟まる幼児や食事とコーヒー、性の描写などの生的なものの描写が対比となっている印象だった。最後は自暴自棄となったようにも見えた主人公が旅立つところで終わるが、それが生と死どちらに向けてのものだったのかは分からない。
あとがきでも指摘されているが、村上春樹の作品に似ている感じがした。

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2022年09月09日

Posted by ブクログ

始終空気が重かった、少し希望が見えたと思ったら絶望に通ずる道だった。でも救いはあった。
外国文学なので登場人物の考え方が予想外だった。
カバーストーリーに重要なことは真実味より事件が起きたことを仕方がないと誘導することだと思った。

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2022年07月03日

Posted by ブクログ

ソ連崩壊直後のウクライナ。動物園から譲り受けたペンギンと暮らす無名作家ヴィクトル。彼は存命中の著名人の死亡記事を書く事になる。書かれた人は次々と不審な死をとげ、彼自身も危険な状況に追い込まれていく。最後のオチが良い。
非人道的状況がはやく終わりますように。

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2022年05月10日

Posted by ブクログ

旧ソ連崩壊後の、なんだか不気味な時代のお話。
小説家のヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らしているが‥‥
ラストはとても良かった。
銃や殺し屋が登場したりと、当時のウクライナの治安の悪さというか不安定さの様なものが窺えた。

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2022年04月27日

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