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Posted by ブクログ
赤ん坊のとき両親をなくし、おばさんに育てられたベッツィー。おばさんは生真面目で、きちんと子育てをするために子育ての本ばかりを読むようになって、危ないことはなんでも先回りをして遠ざけようとする。
そんななか、大叔母さんの病気が判明して、おばさんは母親である大叔母さんにつきそうことに。ベッツイーは、またべつの親戚にあずけられることになって、バーモントの農場でくらすようになる。
話の展開は『赤毛のアン』などとよく似ているけど、それなりに独自の味わいがあって、とてもよかった。読みながら「モンテッソーリっぽい」と思ったら、ほんとうに作者はモンテッソーリと直接会って、大きな影響を受けたらしい。でもお題目的なところはちっともなくて、物語として魅力的に語られているところがいい。
最後、おばさんが迎えにくると知ったときの心のふるえ。悲しいんだけど、おばさんが自分を深く愛してくれたことへの感謝の気持ちも持ち合わせていて、ベッツィーはなんてりっぱな大人びた子なんだろうと、目頭が熱くなってしまいました。
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自分のレビューをアップしてから他の人たちの感想を読んだら、熱く語っている人が多くてなんだかうれしくなってしまった。
それから、書き忘れたけど、佐竹さんの挿絵もほんとうにすばらしい。物語をすみずみまで繊細に表現している。もろもろあいまった、いい本です。
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赤ちゃんの時に両親を亡くしたベッツィーは、町でハリエット大おばさん、その娘のフランシスおばさんと一緒に暮らしていました。おばさんたちはとてもやさしい人で、通信教育で子供の育て方を勉強したり、ベッツイーを守るために学校への往復も手をつないで一緒にいったり、怖い夢をみたらかならずかけつけたり。しかし大おばさんが病気になり、ベッツイーは田舎の農場に行くことになります。
農場では、いきなり荷馬車のたずなを持たされたり、朝も起こしに来てくれなかったり、とこれまでとは全く違う生活。
ひさしぶりに、読書していて泣かされました。
後半で語られる、いつもボロボロな服を着ているライアス少年のお話。彼にたいして子供たちが一生懸命になって行動して考えて、胸がいっぱいになりました。
当時の学校の様子や、バター作りだとか、森の感じ、家畜の品評会なども描かれていて、その場面や、家の様子、農場の風景が思い浮かぶよう。
暖かい農場の家族とのふれあいで成長していくベッツイーの姿も見事に描かれている。
100年以上も昔に出版された物語なんですが、古臭さなんてなくて、色あせず、とても楽しめます。名作です。
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大事に大事に「大丈夫?大丈夫?無理しないでね」と気遣われて育った無力感の塊みたいな女の子が田舎に預けられ、適度にほったらかしながら見守ってくれる人たちに囲まれて成長していく物語。
「してあげない」ことで、自分を生きられるようにしてあげる話といってもいいか。
めちゃくちゃ良かった。
ベッツィーのかわいさとかわいくなさが素直にうなずけるし、まわりの大人たちはちゃんと大人でほっとする。
教科書通りの良い子や完璧な大人じゃなくて、ひとつずつ大きくなっていく子どもと、自分をちゃんと抱えて生きている大人たち。
正しい言葉は理解を深め、人と人の距離を縮ませる。
気遣いという名の分厚いオブラートにくるんだ言葉は人の間に優しい垣根を作る。
優しくて力強くて信念に満ちたお話。
挿入したというよりは当たり前に垣間見える歴史や生活習慣が楽しい。
訳と訳者あとがきも良かった。
話もキャラクターの性格も違うけれど、「秘密の花園」を思い出した。
子供が力を取り戻していく過程が似ているのかな。
親の不在をおおげさに書きたてない辺りの自然さも似ている。
見守る大人は必要だけど、それが必ずしも親じゃなくてもいい。
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幼い子が自分の力でいろんなことを解決していく姿に感動します。
ところどころで、いじらしい子どもの姿に涙が浮かびます。
子どもに必要なのは、教えることよりも、学べる環境を整えてあげることなのかもしれません。
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赤ちゃんのときに両親を亡くしたベッツィーは、町に住む大おばさんのもとで、それはそれは大切に育てられました。ところが、九歳になったある日、大おばさんが病気になり、ベッツィーは、田舎の親戚の農場に行くことに。泣き虫で人に頼ってばかりいたベッツィーは、まったく新しい生活をはじめることになりますが…?アメリカ・バーモント州の美しく豊かな自然を舞台に、厳しくも温かい家族に見守られ、さまざまな経験をとおして成長していく少女の姿を、のびやかに描いた物語。一九一七年に出版されて以来、世代を越えて読みつがれてきた、アメリカ児童文学の名作古典です
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わかりやすい、ハッピーエンドの主人公成長モノ。
ジェネリック大草原の小さな家シリーズ。
あとは当初は不健康だった主人公が、自然のなかで健康な心身を取り戻すさまが、モンゴメリの8人のいとこを思い出す。あとは秘密の花園も。
この本の一番の売りは、
佐竹美保さんの挿絵がふんだんにある。に限る。
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ちょっと教育的指導(笑)が入りすぎている気がしたので
三ツ星ですが、ほんと、悪くはないです。
両親に先立たれたベッツィーはおばさんのところに預けられます。
おばさんはベッツィーをこき使い、意地悪三昧・・・
ということはなくて、とっても親切に、心を砕いてお世話をしてくれます。
けれどもベッツィーは、すぐ泣く、弱々しいやせっぽっちに育ってしまいます。
そんなおばさんのところから、
下品で荒々しいとおばさんが忌み嫌う田舎の農場の親戚のところへ
行かなくてはならなくなったベッツィー。
田舎暮らしで心も体もメキメキ丈夫になるっていう話しです。
子ども自身が持っている力を伸ばすのが教育、
というとても大切なことが書いてあるのですが、
いかんせんその辺があまりに教育的配慮にみちみちていて、
大人はちょっとシラケてしまうかな。
子どもたちはそれほど気にしないで楽しむと思う。
なかなか勇気を持って行動できない女の子の励ましになるかも。
Posted by ブクログ
おばさんたちに大切に育てられたベッツィー9歳半が田舎の親戚の家に預けられて
自分で考えることや恐れずやってみることを学ぶ話。
フランシスおばさんに悪気は全くなく、むしろ愛情でいっぱいなんだけど、
新しい環境でベッツィーがどんどん立派に、イキイキと成長していく様子が面白かった。
守るだけが、なんでもやってあげちゃうのがいいことじゃないんだなぁ‥
なんとこの話、1917年の本なんだってあとがきに書いてあってびびりました。
確かに時代設定は昔だけど、訳は新しいし、100年ちかく昔の話だとは思わなかった!
いつもながら佐竹美保さんの絵はすばらしい!