【感想・ネタバレ】Moonshot(ムーンショット)~ファイザー 不可能を可能にする9か月間の闘いの内幕~のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

創薬ストーリーについて書かれた本は何冊も出ているが、未曾有のパンデミックのさなか、企業のトップとしてどう対処し、各国首脳と交渉したのかが臨場感あるかたちで綴られている。意思決定で重要視した点や、悩んだ点にとどまらず、反省点も述べられており、非常に面白かった。

0
2024年02月24日

Posted by ブクログ

世界とすべての人の心が動転していた、あの時を思い出させるとともに、製薬会社の言い尽くせないようなワクチン開発にかけた想いを知ることができた。
また、改革にともなう痛み、それを突き動かす熱意と決意、それによって得られる喜びも知ることができた。
改めて、世界がコロナによって終わってしまう事態を退け、今も動き続けていることへの感謝を、この本への賛辞とともに記したい。

0
2022年07月30日

Posted by ブクログ

ファイザーCEOによる新型コロナウイルスワクチン開発物語。開発、臨床、製造、配布、その後の諸々の政治駆引きに至るまでの非常識的なスピード感と二千億ドルの開発資金拠出をできる企業はそうそうない。
ロケットを月に打ち上げるくらいのムーンショットそのものの事例といえる。
見方はいろいろあるだろうけど、アルバートCEOのリーダーシップが光っていた。

■アルバートCEOはギリシア移民の獣医学博士なのだとか。こういう方がCEOになるあたりがアメリカあるいはメガファーマの特徴的なところなのかな。

■開発プロジェクト名はライトスピード。光速ってのがいいね。

■時は命なり、というフレーズが印象に残る。高潔な理想に向かって困難に立ち向かうエンジニアやプロジェクトメンバーの姿はベタだけどアツイ。治験結果発表のシーンがクライマックス。

■CEOからの5つの提言
・医療をうける費用やインフラの改善
・知的所有権保護。創薬ではこれが命だろう。
・テクノロジーとAIによる革新
・患者自らが判斷や選択ができる環境
・改革を止めないこと

0
2024年03月09日

Posted by ブクログ

ファイザーのような世界大手の製薬会社が真摯にパンデミック解決へ行動してくださったこと、とても有難いなと思いました。

0
2023年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わずか9ヶ月で95%の効果をもつワクチンができた!
というニュースは、当時、驚きと共に「本当か?」と疑ってさえしまったが、ファイザーの経営が大きく変わるタイミングで、著者のCEOが強力なリーダーシップを発揮したからこそ実現できたと知り、納得できた。
トランプ大統領が後押しした成果なのかと誤解していたが、逆に面倒な介入ばかりしていたことに、辟易した。。

バイデン大統領から握手と共にコインを渡されるシーンは、少し泣きそうになった。

今、第7波が猛威を奮っているが、私はワクチンのおかげでまだ感染を逃れており、感染した息子も、ファイザーのワクチンのお陰で?重症化せず、2日で普段の生活に戻った(隔離はしているが)。

数十年後に、重大な副作用が出てしまったり、モデルナから訴えられたり、いろいろあるのかも知れないが、、、この3年間のファイザー社、著者のCEOの実績は、素晴らしいものだと考えている。

ネタニヤフ首相の知識の深さ、国民を守るために昼夜を問わず戦う姿は、やはりすごいと思った。高度な医療体制と個人識別システムを持つイスラエルとの連携は、ワクチンの効果検証やその後の改良にも大いに役立ったと思われる。途中、ワクチンの効果が6ヶ月で急激に落ちるデータなど、ファイザーにとってマイナスの情報もキチンと開示したのは良かった。

全ては患者のために、皆平等に!ミスはキチンと明らかにして謝罪する。
素晴らしい精神だと思う。

0
2022年08月27日

Posted by ブクログ

有効性を確認するシーンがハイライト。以降は政治的な話が多い。
流行りのパーパス経営がワクチン開発に影響を与えてた、かもしれない、のはまあまあ興味深い。

0
2022年07月20日

Posted by ブクログ

リスクをとり、高邁な信条のもとで、ワクチン開発や普及を実現させたファイザーはすばらしいです。
ただ、なぜうまく行ったのかが今ひとつ分からなかったです。ムーンショットを再現性のある形で実現するコツは今ひとつ掴めなかった。何回も読む必要があるかも。

0
2023年02月08日

Posted by ブクログ

読むには時期を逸した感があるが、Covidのワクチンを短期間で開発したファイザーのCEOによる回顧録。ワクチンの技術的な話ではなくプロジェクトの進め方や意思決定に関するビジネス書的なもの。関係者の尽力には感謝するし、このような協力チームが使命感をもって動いていたことも素晴らしい。本書ではファイザーの4つの価値(勇気、卓越、公平、喜び)が繰り返し参照される。それとともに、根幹となる"Science will win"というスローガンも、難しい判断をする時に常に立ち返らなければならないことだ。勤務先にも似たようなスローガンがあり、気に入っている。

0
2023年01月04日

Posted by ブクログ

ムーンショット(moonshot)とは、元々は月探査ロケットの打ち上げを指していたが、転じて、途方もない計画だが成功すれば大きな成果が収められる試みを指すようになった。この用法自体はそれほど新しくはなく、1960年代にはすでに拡張した意味で使用されていたようである。
昨今、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、この用語が用いられる例が増えてきた。大規模なパンデミックを収めるには、それに見合う大掛かりな対処が必要となる。例えば英国の1日最大1000万件を目指すウイルス検査計画は、ムーンショット作戦と呼ばれたが、経費は14兆円というから、まさに月を目指すようなものである。

本書は、やはり新型コロナウイルス絡みではあるが、こちらはワクチン開発計画である。新たな感染症に対するワクチンの開発には、早くても数年掛かると見込まれていたが、mRNAワクチンの開発は大方の予想を超えて迅速に進んだ。その陰に、どんな出来事があったのか。立役者であるファイザー会長兼CEO自身が内幕を語ったものである。

実のところ、もう少し技術的な話があるのかと思っていたが、これは「ビジネス」寄りの話が主体である(CEOが語るのだから当然といえば当然だが)。逆に言えば、それだけ、ワクチンや製薬に限らず、ビジネス全般に参考になりうる点が多いのかもしれない。
個人的にはあまり大規模ビジネスには縁がないので、なるほど、大きな話を動かすというのはこういうことなのか、と何だか与太な感想しか出てこないのだが、それでもなかなか興味深くは読んだ。
非常事態にあたっては、大きな選択がいくつもあり、それを迅速に行わなければならなかった。一方で、ことを実際に進めるにあたっては、実働部隊に思いやりを示し、士気を高め続ける必要があった、というのが大枠の流れである。

現在広く使用されている新型コロナウイルスワクチンはmRNAワクチンだが、このタイプが使用されたのは今回が初めてである。そのため、さまざまな風説が流れることにもなったわけだが、mRNAワクチンの研究開発自体は以前から続けられてきており、昨日今日始まったというわけではない。
とはいえ、実際に臨床使用されたことのないタイプのワクチン。パンデミック発生当初、緊急に必要なのはワクチンだ、どのタイプで行くか、となったときに、mRNAワクチンを選ぶのは常識的な選択ではなかった。特に、ファイザーのような大企業は、アデノウイルス、組換えタンパク質、結合型など、多くの選択肢を持っている。その中で、mRNAワクチンで行く、と決めるのがまず1つ大きな選択だった。
ファイザーは、パンデミック発生以前から、mRNA技術に特化したビオンテックと提携を結んでいたが、この結びつきをさらに強固にし、ワクチン開発を全速力で進めることにする。書類上はいろいろと面倒なことがあるのだが、CEOの決断で、ともかくも資金面はファイザーが全面的にバックアップするということで、大筋は合意しておき、細かな点は研究を進めながら詰めていくという形である。

ことを迅速に進めるため、あらゆる工程で時間短縮が可能な点はないかを洗い出す。各担当者から直接(パンデミックで対面が難しくなった際にはオンラインで)話を聞き、尻を叩く。ただ発破をかけるだけではなく、ゴーサインを出したら資金に糸目はつけない。世界の一大事であるのだから、チーム全員使命感を持って当たってほしい。先週より今週、今週より来週、計画をよりよいものにし、ゴールへと近づいていく。
その気迫がすごい。

金に糸目をつけない開発などは、大企業でなければなしえないやり方だろう。とはいえ、大企業と言えども、これが頓挫したら大損害だったろう。その恐れに躊躇することなく、大胆な計画を進め、要所要所で「正しい」決断をするというのが経営センスというものなのかもしれない。

ワクチン自体の開発が進む一方で、超低温での配送や、先進国と途上国での価格設定、どこにどれだけの量を分配するのかといった別の観点での問題が次々に出てくる。そのどれ1つが頓挫しても、ワクチンの普及は進まない。こうした問題に対処するには、当然、各国の政治のトップ、国連やWHOとのやり取りも重要となってくる。
本書には出てこない、きれいごとでは済まない部分というのもある程度あったのだろうとは思う。
いずれにしろ、これがとてつもない計画であり、歴史に残る事柄であったのは確かだろう。

0
2022年11月07日

Posted by ブクログ

mRNAを使った全く新しいタイプの新型コロナウイルス用ワクチンを開発・製造・供給したファイザーのCEOの回想。世界的パンデミックに際して、いかに迅速にワクチンを開発するか、そのために幾つかの候補を慎重に絞り、迅速かつ大量の治験を行って安全性と効果を確認し、同時に、当局の承認を得たら速やかに大量に供給できるよう準備を進めておき、その間、どれだけのリスクを負ったか、また、CEOとしていかにプレッシャーを感じたかが書かれている。また、ワクチンの供給をめぐる各国からの要求や政治的問題に巻き込まれそうになったことなども率直に記されている。
個人的に興味深かったのは、ワクチンの価格。世界中の国を富裕国から最貧国まで4つに分け、それぞれに価格を付すことが著者らの考える「公平」だとしている。そして、日本を含む富裕国のワクチン価格は、20~30ドルという軽い昼食くらいだということを初めて知った。

0
2022年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナワクチンを開発することを決めてからの開発や量産、ロジ、はたまた政府機関等との折衝など、さまざまな苦労がこの本に集約されている。特に「時は金なり」ではなく「時は命なり」という表現は死者が増えてきている中で製薬会社こそが掲げられるものあると感じた。また2週間かかると打診されたらなぜ2日でできないのか?と、かなり要求度が高いのもファイザーの特徴。老舗でありながら急峻な動きを見せられたのはアルバートブーラ氏の手腕によるものだと強く感じられる。

0
2022年06月20日

「学術・語学」ランキング