【感想・ネタバレ】空をこえて七星のかなたのレビュー

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Posted by ブクログ

星にまつわる連作短編集。
最終話で全てがつながり、ラストが爽やか。
読み終わった後、なんとなく元気が出る小説。

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

星をテーマにした7つの連作短編集。最終話の大円団!爽快で、通快!めちゃくちゃ、気持ちが晴れやかになります!

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

星を愛し星に導かれた人々が紡ぐ七つのお話。
いやーーん!やっぱり加納さんらしさたっぷり、素敵な短編集でした。オススメです。
これね、1㎜も知らないで読んだ方が楽しいと思うんです。なので、なるべく、ネタバレしない形で書くけれど…。
1㎜もイヤ!って方は、以下、お気をつけを。

私が特に好きだったのは、
『星はすばる』(コータ切ない)
『箱庭に〜』(副会長、かっこいいぞ)
『木星荘の〜』(金江さん男前!おじいちゃんの短歌素敵)
の3遍。側から見ると、完璧に見えるような容姿端麗・頭脳明晰な人(若者でも)でも、やっぱり何かに足掻きながら生きているし、逆に、ちょっとした人との関わりで救われることもある。

それぞれ、別の意味で良い話だなあ〜と思いながら、何作目かで、「あれ?ひょっとして?」って思いながら読んでいたのだけど、あれ?違うかな?なんて読み返したりしつつ・・・そして最後に「おおっやっぱり!」となるの。
あーん、言いたいけど言えない。

1つだけ強く感じたのは、人生は長いから、どんな人でも、どんなところでも、様々なドラマがあるってこと。歳をとって出会う人が、今までどんな人生だったか?って思うと、道を歩いている、あの人もこの人も、すごいドラマを抱えているんだろうな〜って思う。(当たり前なんだろうけど)

好きだった表現を少しだけ。
ーーーーー
特別な人は、まるで灼熱の太陽だ。

人は変わらないの。物理的な距離をとるしか方法はないの。
ーーーーー
ぜひぜひ、真っ白な心で読んでみて欲しい短編集です!!

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2023年10月19日

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中学生の七星が『遠くへ行った』母の事を語り合いながら石垣島の星空観測ツアーに参加する話から始まる短編集。
どの話も遠い星や宇宙に関係しながらも近くにある幸せに気づくような心温まる物語。
全体的なストーリーの謎が解ける終章から更に面白くなる。

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2023年09月16日

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本の途中で、登場人物の一人が成瀬天下を取るの成瀬みたいと気がついてしまいました。最後に話のパズルが合致して、ひえ〜そうなんだ…と独り言を言いながら、読み返してしまいました。凄く楽しい本でした。

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2023年09月14日

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星にまつわる7つの短編集

「南の十字に会いに行く」
「星は、すばる」
「箱庭に降る星は」
「木星荘のヴィーナス」
「孤舟よ星の海を征け」
「星の子」
「リフトオフ」

どれも全部良かった。
タイトルも素敵だし、物語の舞台も様々でバラエティ豊か。


最初の話の冒頭
 “今朝いきなり、「七星、南の島へ行くぞ」とパパが言った。”

この物語の舞台は石垣島。
早速私の憧れの土地!
沖縄に行ったことのない私は、夢ばっかり膨らんでいるのです。
でもこの作品全体はもっとスケールが大きくて、沖縄どころか宇宙が舞台と言っても良い。


全部良かったけど、中でも好きな話は……
*「星は、すばる」
結構ハードな内容だけど、繊細な心の動きが上手く描かれていて胸に刺さる
*「木星荘のヴィーナス」
大家のおじいちゃん、おばあちゃんのエピソードが温かくて好き
全体的にほっこりした話
*「孤舟よ星の海を征け」
SFなの?と思わせるストーリー
これもハードな内容だけど、優しいです


そして何と言っても、ラスト「リフトオフ」での驚きでしょう。
独立した7編でも充分面白いのに、なんてこった!

あー、楽しかったぁ
読み終えちゃったのが寂しい✫✫✫

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2023年09月05日

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星や宇宙に関わる7つの短編集。派手な事件は起きないけれど、各編ごとにふわりとミステリ風味があり、帯にある通り読み終えると、もう一つのミステリが胸を打ちます。
日常の謎系を得意とする加納さんらしい作風に、熟練の味も加わっており、読んでよかったと心から思える傑作です。
今年のベスト級の読後感でした。やっぱり、加納朋子さんの作品は自分に合うな、と再認識しました。

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2023年08月18日

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全ての話が最後につながって面白かった。
青と赤とエスキートもそうだったが、そういう手法が今流行っているのかな。

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2023年07月30日

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ネタバレ

関連のない短編集かと思いきや、実は宇宙飛行士である一人の女性を核にした、異なる時代が舞台の小説。伏線が次々に回収されていく最後の2章が爽快。これは確かに「星をめぐる七つの『ミステリー』」と言える。
努力をした秀才がきちんと報われる未来を描いていて、救いのある終わり方なのも読後感が良かった。

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2023年07月17日

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1990年12月2日、ソ連のソユーズで『宇宙』へと旅立った日本人。それはまさかのTBSの社員だった秋山豊寛さんでした。その後、1992年9月12日に米国のスペースシャトルで毛利衛さんも『宇宙』へと旅立っています。そして、1994年7月8日、外科医でもあった向井千秋さんが、日本人女性として初めて『宇宙』へと旅立ちました。

1961年4月12日、世界で初めて『宇宙』へと旅立ったソ連のガガーリン少佐以来、多くの人間が赴くことになった『宇宙』。JAXAで13年ぶりに『宇宙飛行士』の募集が始まるなど『宇宙』へと旅立っていく人は今後も続いていくのだと思います。

一方で、そんな『宇宙飛行士』も一人の人間です。そこには必ず家族の存在があります。さまざまな職業の中から『宇宙飛行士』という職業を選択した人を家族に持つ人たちの存在。華やかなスポットライトに照らされる『宇宙飛行士』たちの一方で、そんな彼らから遠く離れて、彼らの戻りを座して待つ他ない家族たち。そんな彼らは『普通の人』としてそれぞれの日常を送っているはずです。それは、あなたの家族と同じことでもあります。特別な職業と言っても、家族が特別であるわけではない日常、当たり前と言えば当たり前のことではあります。

さて、ここに、『ママは今アメリカで、日本人女性何番目だかの宇宙飛行士を目指して、訓練の日々を送っている』と語る一人の女の子が主人公となる物語があります。そんな彼女の物語を含め七つの短編から構成されたこの作品。『星』に関する何かしらが描かれていくこの作品。そしてそれは、ざまざまに描かれていく物語のその先に、すべての登場人物が一つに結ばれていく驚きの結末を見るミステリーな物語です。

『今朝いきなり、「七星、南の島へ行くぞ」と』パパに言われ、『パパはいつだって、唐突だ』、『それでよくママにも怒られていた』と思い、『いきなり、なに?』と返したのは主人公の七星(ななせ)。『何だよ、せっかく家族旅行に誘ってんのにさ…』とむっとするパパに、『わーい、パパだいすき!』と『棒読みで』七星が返すとパパはむくれてしまいます。『わたしはもうじき、中学生だ』という七星は、『仕方なく』『南の島って、ハワイとか?』と訊き返すと『石垣島だよ』と『自慢げ』に答えます。そして、『ハイ決定』と『カレンダーに書き込』むパパを見て、『正直言って、あんまり気は進まなかった』という七星。『去年まで』『ママも一緒』だった『家族旅行』。『今年はパパと二人きり…何を話したらいいのかわからない』と思う七星。場面は変わり、『やっぱりあったかいね』という『人生初の南の島』に来て『少し気分が上がってきた』という七星が『ベルトコンベア前で待っていると、後ろから来た人に話しかけられ』ます。『あら、また会ったわね』と言うのは『飛行機で隣の席だった』『白髪頭の優しそうなおばあちゃん』でした。『ベルトコンベアは、まだ動かない』という中に、『あなたが言ってた星空バスツアー、面白そうだからわたしも申し込んでみようと思うのよ』、『今日申し込めば大丈夫ですよ』と会話するおばあちゃんと七星。そんな中に『「ちょっとすみません」とかなんとか、つぶやくように言いながら』『男の人が』『自分の荷物を取り上げて』去っていきました。『黒服、黒いサングラスに、黒い帽子…おまけに真っ赤なネクタイ』という様相に『今の人、なんかマジで怪しくなかった?』とつぶやく七星に、『ほんと、なんかギャングみたいね』と『くすくす笑』うおばあちゃん。そして、発車したバスの車内で、パパの『やっぱ石垣島に来たら、石垣牛を食わんとな』という会話をきっかけにおばあちゃんと一緒に夕食を摂ることになります。小学生だった頃、ある盗難事件で犯人とされてしまったおばあちゃん。そんな事態の中で『真犯人を見つけてくれた』友だちが『石垣島にいるってわかった』と語るおばあちゃん。楽しく食事したあとにおばあちゃんと別れてパパとホテルに帰った七星。そんな七星に『気づいたか?…さっきの店に、あのサングラスの男がいたぞ』と話すパパは、『一人で焼き肉食ってた』と続けます。そして翌朝、『石垣島の観光バスツアーに参加』すべく『集合場所』へと向かう二人。『ガイドさんが現れて、点呼のためにぞろぞろ集まってきた人たちを見て』七星は、『あっと思』います。そこには、『またしても、あのサングラス男がぼうっと突っ立ってい』たのでした。『石垣島』の観光感満載な物語の中に、謎の『サングラスの男』は何者なのか?というミステリーな物語な展開する冒頭の短編〈南の十字に会いに行く〉。美しい星空の下でまさかの展開を見せる好編でした。

“南の島で、山奥のホテルで、田舎町の高校で。 星を愛し星に導かれた人々が紡ぐ七つのミステリー”と内容紹介にうたわれるこの作品。「空をこえて七星のかなた」という書名からどことなく想像できる通り、『星』にこだわった物語が展開していきます。それは、上記した冒頭の短編もそうですが、他にも〈星は、すばる〉、〈星の子〉といったように短編タイトルも全て『星』を入れるこだわりよう。さらには、短編の数にも注目です。短編集に幾つの作品が収録されるのかは大人の事情があるのだと思いますが、この作品が七つの短編から構成されているのは、あの星々を自然と想起させます。そうです、知らぬ者いない『北斗七星』です。そして、何といってもこの作品は『北斗七星』が七つの星で構成されているそのまんまに、七つの短編が見事に連作短編を構成する加納朋子さんらしい驚きの構成を見せる物語が展開していきます。

そんな作品の見所は多々ありますが、冒頭の短編で紹介されていく『南の島』の描写ははずせません。まるで読者も旅行に出かけた気分になれるかのように描かれていく表現からご紹介しましょう。

・『離島ターミナルに着いたらもう三時過ぎ』という中に『具志堅用高さんの銅像と一緒に写真を撮ったり』という後にホテルにチェックインした二人。
→ 翌日、『石垣島一日観光』へと出かけます。バスに乗ると、『窓から見える具志堅用高さんの実家を教えて』くれるガイドさんは、『八重山諸島では、八十八ある星座のうち、八十四も見ることができるし、全天で二十一ある一等星のすべてを見ることができる』と、この作品の肝でもある『星』の話をしてくれます。
→ 『最初の目的地、川平湾に着』いた二人。『雲が多くなってきたせいか、海はガイドブックに載っているような鮮やかなブルーではなかった』、『もっと暗めの、緑がかった青』とは行ったものでなければ書けないリアルな描写。
→ 『グラスボートの受付で、星砂のミニボトルをもら』った七星は、『星砂の浜に行くの、楽しみ』と明日の予定を思います。

まるで実際に旅をしているような気分にさせてくれる細かい描写が続きます。上記で少し触れたとおり、そこには訪れた者でないと書けないリアルな描写も含まれ、余計に旅情を掻き立てます。そして、物語はいよいよ、そんな『星砂の浜』の描写へと続いていきます。

・『離島ターミナルから観光フェリーで十五分くらい』という『竹富島』へと着いた二人。『自転車なら三十分くらいで一周できてしまう』ということで『レンタサイクル屋さん』で自転車を選びます。『二人乗り』にこだわるパパを『振り切って、一人一台ずつ借りる』という微笑ましい展開。
→ 『目指すは星砂の浜、カイジ浜だ』と『駐輪するのももどかしく、砂浜に駆けていく』七星。『浜には先に来た人たちが、いっぱいしゃがみ込んでい』るのを見て、『星砂がなくなっちゃうと思い、慌ててわたしも適当なところでしゃがむ』七星。
→ 『思ったより、小石だの珊瑚のかけらだのがごろごろしている』、『波打ち際の濡れたとこらは探しにくかったので、じりじり移動して、ベストポジションを探っていく』も、『もう少し簡単に見つかると思っていた』と焦る七星。
→ 『パパ、それ、ぬいで』と、『黒いナイロンの上着』を脱いでもらって『砂の上に広げる』七星は、『掌ですくった砂をさらさら落として薄くのばし、目を凝らし』ます。『あったーっ』と『思わず大声』を出す七星は、『まるで天の川の中にある一等星みたいだ』と思います。

『竹富島』と言えば有名なのが『星砂』です。そんな『星砂』を探す父と娘のなんとも微笑ましい情景を情感たっぷりに描いていくこの場面。心はすっかり『南の島』気分にさせてくれます。『星』というと夜空に煌めく星々を思い浮かべますが、まさかの浜辺に見る『星』を描く加納さん。舞台設定含め、『星』にこだわりにこだわった作品だと改めて思いました。

そんな七つの短編がきら星の如く輝くこの作品は、それぞれの短編がさまざまな舞台に非常に個性ある物語を見せてくれるのも特徴です。私は短編を読む時はあとでレビューを書くために5段階評価をメモしているのですが、この作品では短編間に差がつきませんでした。いずれ劣らぬ出来の良さを誇る短編たち。その中から、特徴ある短編を三つご紹介しましょう。

・〈星は、すばる〉: 『掃除の時間、教室に持ち込んだ木の枝を剣に見立てて、戦いごっこを始めた男子たち』を見る主人公の美星。そんな美星に向かって『バランスを崩し』、一人の男子が倒れてきました。そして、『右目に突き刺さ』った『枝の先端』…という先に、美星は意識を失います。そして、『我に返った時、世界の様子は一変していた』という美星。『失明だけは、どうにか免れ』るも大きく視力を落とした美星。『この馬鹿息子に責任を取らせます』と言う父親の言葉に従って『加害者』であるコータが美星に『ぴったり張りつ』いて世話をする日々が始まりました。

・〈木星荘のヴィーナス〉: 『三つ上の従兄』であるお兄ちゃんが『大学生になって、上京して』きたというのは主人公の彗子。おばあちゃんが経営している『木星荘』の『一〇一号室』に入ることになったお兄ちゃんの部屋の整理に付き合う彗子は、お兄ちゃんが壁に『kanaeだよ』と言いながら『綺麗な女の人』のポスターを貼ったのを見て、『お兄ちゃんの前にこの部屋に住んでた』と語ります。『スタイル抜群』で、『本当に綺麗』な金江さんは質素な生活を送っていました。そんな中に『冷蔵庫』を買う費用捻出のために『勧められた『呉服屋』の『モデル』に応募します。

・〈孤船よ星の海を征け〉: 『ドアを開けると、宇宙があった』というのは主人公のカイト。『巨大宇宙船の中に』他の少年たちといるカイトは、『船外カメラから送られた映像』で『目の前にある宇宙』を見ています。そんなところに『見慣れない子供』が現れました。『ママ、おへやにいるの、あたまイタイイタイなの』と言う少女はルナと名乗ります。『ママが心配しているよ』と彼女の『手を軽く握り』部屋へと送ってあげるカイト。その時、『見上げた「天空」』に、『異常接近してくる小惑星の姿』を見るカイト。そして、『次の瞬間。船が、大きく揺れ』ます…。

三つの短編をご紹介しましたが、学園ものかと思うと、アパートが舞台の物語、そしてさらには直球ど真ん中もいいところのSFの登場!と、この幅の振り方はもう半端ありません。それぞれの舞台の上にそれぞれに見事に起承転結していく物語だけでもなかなかに興味深い物語です。とくに、いきなりのSF世界に読者を一気に連れていく〈孤船よ星の海を征け〉のかっ飛びぶりは、それまでの短編の世界観からは全くイメージできていない読者としては度肝を抜かれるものがあります。この多彩な物語を順に味わっていくだけでもこの作品を読む意味があります。しかし、一見バラバラな短編は、上記でも少し触れた通り『星』で繋がりを持っています。それは、登場人物が『星』に関連する名前である場合、『星』を見るような場面が登場する場合、そして『宇宙』空間にいる!場合など、世界観が見事に繋がっているのが凄いです。

そして、そして、読者を唖然とさせるのが、種明かし、”スーパー伏線回収”となる最終章〈リフトオフ〉です。ネタバレになるので詳細には触れませんが、そこには短編タイトルに表現される通り〈リフトオフ〉な場面を見る感動の物語が描かれます。また、それだけでなく、なんとそれまでの六つの短編を、これでもか!と見事に結びつけてしまう加納さんならではの構成の妙に驚愕する他ない物語が描かれているのです。えっ、これってあの短編の彼だよね、あれってあの短編の彼女だよね、そして、それってそういうことだったの!と唖然とする他ない、恐ろしいまでの伏線回収が描かれる物語。そんな物語の特筆すべき読後感の良さに、しみじみと読書って素晴らしいなと感じ入りました。加納さんと言うと、多くの作品でこのように結末に読者を唖然とさせる物語を展開するのを得意にされる方ですが、この作品のすざまじい結末には、改めて加納朋子さんという作家さんの凄さを認識させられました。

『夢にここまでという行き止まりはない。夢が叶った、さらにその先があるって』。

舞台を全く異にする七つの短編がそれぞれの読み味を楽しませてくれるこの作品。そこには、加納さんならではの構成の妙を見せつけられるような緻密な設計に基づく物語が描かれていました。すべての短編が『星』に結びついていくどこかロマン溢れるこの作品。人と人とのまさかの繋がり、まさかの縁に驚きもするこの作品。

美しく紡がれていくミステリーな物語の中に、加納さんが書き下ろす小説世界の魅力を存分に感じさせてくれた素晴らしい作品でした。

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

 輝く星と宇宙に魅せられた人たちの縁を描く連作短編集。7話からなり、オムニバス形式で展開される。
 
     * * * * *

 序盤はわかりませんでした。全編を通した真の主人公は舞亜であることに。タイトルから七星を主人公にした連作だと思い込んでいたからです。

 そうでないことに気づいたのは6話目の「星の子」を読んだとき。七星が主人公の話に戻ってやっとでした。 

 だってそれまでは、各話とも主人公はバラバラだし、場所も年代も明らかに違う。共通するのは星や宇宙だけ。
 それが、この6話目を読んでやっと全話が繋がりました。そしてそれまでの断片が新たな意味を持ち、物語が輝き始めたのです。

 だから最終話「リフトオフ」は感動モノ。読みながら、笑いと涙が止まりませんでした。この仕掛けは見事としか言いようがありません。

 夜空に点在する星を繋げ星座とする。本作はまさにそんな作品でした。

 存在感としてはアルデバラン級の輝きを放つマイアを中心に繋がる人間関係。まるで星座のようです。加納朋子さんの雄大な目論見に浸ることの喜び。しかと味わいました。

 文句なしの☆5つです。

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2022年11月05日

Posted by ブクログ

面白かったが、これミステリーっていうの?SFぽい短編から家族あるいは青春物語まで。七つの物語を最後にまとめるのは、少し無理が…。「絶対なんてものはない。そんなもの信じちゃダメ。北極星だって、いつまでも北を指していると思ったら大間違い。北極星はいずれ、他の星に変わっていく…長い長い年月をかけて。絶対の指針なんてものはない」うーむ。

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2024年04月27日

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ネタバレ

ひとつひとつのお話が何かしら星と繋がり、最後は大集合というカラクリにはニヤニヤが止まらなかった。「箱庭に降る星は」と「弧舟よ星の海を征け」が気に入った。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

星にまつわる短編集。
繋がりがないかなと思いきや、なんとなく見覚えあるような気がする人が度々出てきます。
種明かしは一番最後のお話で。
これが小説の面白さだよね。

「星は、すばる」がしんどくて。
でも終わりでその先が気になったので、最後に明かされていて嬉しかった。
謎の美少年の正体には笑えたな。

「孤舟よ星の海を征け」は辛かった。
フィクションだけど、彼のこの先があたたかい日々でありますように。

とはいえ、どれも加納さんらしい読みやすく優しいお話でした。

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2024年01月07日

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壮大な宇宙の話とも言えるし、身近な奇跡が繋ぎ合わさった話とも言える。
とにかく行動力がすごくて自分にはほとんどないものだ。 孤舟よ星の海を征け が好きだな〜。思わず涙。
七つの短編で繋がりがないように思えた話が最後で全部繋がる。ネタバレ?と思わせるかもしれないけどあえて言う。繋がってると思っていたほうが読んでいて分かりやすいと思うから。
あと気になったのは、七星とか、七つの短編だとか作者の経歴を見ると"七"にけっこうこだわりがあるのかな?と思った。ラッキーセブンでいいよね!

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2023年11月08日

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どんな環境でも他の人のヒーローになりながら自分は高みを目指して突き進める人、学生時代には周りにいたなぁ。
タイプが違いすぎると感じて遠巻きに見ていたけど。
そういう人も親が必ず良い影響を与えているとも限らないだろうし、逆に仲良くて干渉していたら子どもがそういった活躍もしなかったかもしれないし、、
う思ったらどう子供の個性を活かすか、難しいなとも感じる。

七星や美星など、素敵な名前が數多く出てきた。
星の物語モチーフのお名前、素敵だなあ…

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2023年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

加納朋子さん、とても久しぶりです。
星にまつわる短編集…と思ってたら最後さべてが繋がっていて驚く。舞亜さんの境遇をはねのけて自分の夢に向かっていくパワーが凄かった。「星は、すばる」で、結局名前なんだったのと思ったのでわかってよかった。親の押し付け的な側面をかんがえさせられる。

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2023年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集かと思いきや、見事に連なる七星だった。
それがわかると引き込まれていき、終盤は怒涛の答え合わせ。ヒントは必ず提示されているので、じっくり考察しながら読んだ方が楽しいかも。

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2023年09月11日

Posted by ブクログ

7つの短編が繋がっていき、あー、こーなるんだ、って感じになる。小気味良い短編もあれば、重目の短編もあり、それが繋がったときは面白い^ ^

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2023年09月03日

Posted by ブクログ

星にまつわる短編集。それぞれ違ってはいるけど、優しくて前向きな気持ちにさせてくれる。

各話のつながりを予想しながら読んではいたけど、つながりというよりも、キーマンの人柄が素敵で読後感がとても良かった。

読みやすいし、いい話だったな、と思える本。

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2023年07月25日

Posted by ブクログ

星にまつわる7つの日常ミステリ短編集。どの話もタイプの違う話なんやけど、じんわり温かく優しくて好き。読みながらもしかして?と思ってたんやけど、最終章で想像以上にどんどん紐解けていくのが面白い!読み返すのが楽しくて何回もループして読んでしまう!

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2023年07月05日

Posted by ブクログ

星や宇宙をテーマにした短編集。時々同じ登場人物がでてくる。加納さんらしい日常のお話をほっこり読んでいたら、最後の一話でそれまでのお話が一気に形をなしてきて…。
もう一回最初から読み直しました。

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2023年06月17日

Posted by ブクログ

一見何の繋がりのない
エピソードが、

時空を超えてさいごに
繋がります。

キーマンなる主人公の
母親。

登場人物たちの視点を
通して、彼女の半生が
描かれます。

ふと自分の母親を想い
ました。

決してドラマティック
でないにせよ、

私の母の人生にも数え
きれない人との関わり
があり、

その数えきれない視点
を通して、彼女のこれ
までの人生を描けば、

きっと沢山のドラマが
あり、

そこには私が知らない
母がいるんだろうなと。

自分のことをあんまり
語らない母ですが、

いつのまにか年老いて
この頃は淋しそうです。

今度帰省したらじっと
宙を見つめる母に、

忘れられない思い出の
数々をたずねてみよう
と思います。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

7編の短編集だけどラストのリフトオフで全ての繋がりが明らかになる。それぞれが著者特有のふんわりミステリであり最後に優しい気持ちになれる。安定の加納朋子ワールド。

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2023年04月15日

Posted by ブクログ

とてもパワフルで前向きなメッセージがたくさん込められた作品だなって印象が強い作品。

最後の話で全ての物語が繋がりなるほど!と思う場面も多々あった。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

星や宇宙をテーマとした短編集
意思や目標を持って進むことで道は開ける!というメッセージを送ってもらった気分
話としては木星荘のヴィーナスが好きでした

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

タイトルや各連作の題名からも分かるように
宇宙が共通テーマ
つながりがしっかりある連作なので
最後の畳みかけるような種明かしに
スカッと楽しく読めるんですが
途中 ややこんがらがるので
登場人物紹介が欲しかった(笑)

田舎のしがらみから抜け出し
優秀な医者になった副生徒会長さんが
素敵でしたね
るで北極星のような特別な輝き

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2023年10月20日

Posted by ブクログ

星にまつわる短編集。どの話も1つの話としては良かったのですが。最終章、全てのことが繋がる話があまりに情報量が多すぎて混乱。何度か逆上って読むことに。再読しないとまだ全てを理解出来てません。

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

七つの連作短編集。母がいなくて仕方なく父と石垣島に旅する娘。眼を怪我した子。様々な事情で部活動を認められなくなった生徒たちがとった手法は。

巧い。軽く読めるのに、全ての話が繋がるのが巧い。

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

七つの短編がだんだんとつながっていく。予備知識ゼロで読んだのでそれがとてもよかった。とても前向きな作品で加納さんっぽくて好きです。
全てに星が関係する短編集なのかな。と思って読んでいて、あれ?この人とこの人って?っとなっていく辺りは確かにミステリーかも。
癒される作品でした。

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2023年06月20日

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