【感想・ネタバレ】人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」のレビュー

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Posted by ブクログ

2022年のノーベル医学・生理学賞を受賞者したのは古遺伝子学の創始者、スバンテ・ペーボさんだったことは記憶に新しい。ペーボさんの研究はシベリアのデニソワ洞窟で見つかった古人骨のDNA分析から、未知の古人類「デニソワ人」を「発見」した。
そんな、今最もホットな科学分野である人類史の最新情報を、本書はできるだけわかりやすく(少なくともこういった分野に関心がある人たちに対して)、嚙み砕いた言葉で丁寧に伝えてくれる。刊行から1年が経ち、時の流れとともに更新される情報も少なくないであろうことを差し引いても、今すぐに、手っ取り早く読める、「人類の誕生から拡散の過程、そして、DNA遺伝子学が描く未来」までを解説した入門書としては、現時点では最良の本ではないか。こんな内容の濃い本を1000円ちょっとで買えるなんて、本当にありがたい。著者の言葉の選び方一つにしても、そのお人柄と卓越した知性をうかがい知ることができる。まだまだこれからの科学分野、過去の定説がいくつも覆り、これから先も、新発見や研究結果が発表されて人類史がどんどん書き換えられていくことだろう。なんと、わくわくする未来だろうか。

宇宙の秘密を解き明かす量子力学と、我々人類の足元を照らす古代ゲノム研究、我々はどこから来て、どこへ行くのか。2つの科学分野の最新情報をこれからも刮目して見守っていきたい。

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2024年01月27日

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古代人のDNAなどから分かること,推測できることから,昔に習った人類の起源などは大きく書き換えられていることが分かった。
びっくりすることも沢山書いてある。

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2024年01月08日

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昔の人類学は骨の形からしか調べることができなかった。
今の人類学はDNAから調べることができるそうです。
一万年も昔のDNAが今も残っているというのは、生物の不思議さ、偉大さを感じます。
主成分分析を使ったグラフで異なるグループ、縄文人や弥生人、朝鮮半島の人、台湾人などのゲノムの近さを表現していて面白かったです。

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2023年12月22日

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科学の発展の中で、人類の起源を「合理的に」語ることができるようになった過程を説明した上で、DNAがこれまで歩んできた壮大な地球上の旅を、素人にもわかりやすく伝えてくれる良書。異なる種族同士の交雑や、戦闘、日本人のルーツが三段階の移住と衝突を経て作り上げられたこと、遺伝子の多様性と神秘を感じることができた。

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2023年08月11日

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現代の人間の起源をゲノム解析から明らかにしようとしている研究の成果がよく解り、驚かされます。ただ、この研究の最も価値ある成果とは、民族や人種に優劣はなく、もとを辿れば皆1つだ、ということ。それは世界平和に科学でアプローチしようとしている、と私は感じました。是非、この研究がさらに進歩するとこを祈ります

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2024年04月29日

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遺伝子から人類の起源を追うだけではなく今の私達というのはあらゆる場所、時代の人間の遺伝子が複雑に絡み合っている。
それを通じて今の人種という区分け、生じる差別には少なくとも長期スパンで見ると全く意味の無いものだということを伝えてくれる大事な本だと感じた。
残念ながら私はこういう方面の知識が詳しく無いので理解せずに読んでた部分もあるけど、それを通しても今の差別問題に対して新たな方法を提示してくれるのかもって希望が見えた気がした。
できるなら読める人は読んだ方がいいかもしれない…それくらい新しい視点を与えてくれる本。

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2024年03月24日

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何が衝撃かって、おそらく歴史学とか言語学とか(はたまた文化学かも)は根本から覆ることになるだろうってことです、DNA解析みたいなことは。それくらいの物的証拠を見出せるんですから。例えば昔よく聞いた縄文・弥生の人たちの違いに関する考察って最早素朴な素人的意見としか思えませんもの。
しかし、いやぁ、ヒトって太古からはるか遠くに動いているんですねぇ。

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2024年02月25日

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これまでチンパンジーが徐々に現代の人間になっていく画像のイメージが強く、何となくネアンデルタール人やホモサピエンスはグラデーションで進化していった印象だったので、同じ時代を生き交配していたのは衝撃だった。確かに地球上をバラバラに広がっていった人類が同じタイミングで次の段階に進んでいたらとんでもない奇跡だ。今の私では詳細まで把握しきれなかったので、また後で読み返そうと思う。

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2024年02月07日

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DNAをたよりに、まだ人類アフリカから世界へ拡散した時代の事が分かるなんて、本当に科学の進歩のおかげです。しかも、超昔なのに骨が無くてもかつて住んでいた土壌からゲノムが採取できるって心底驚きでした。

それにしても、ネアンデルタール人ってどんな人たちだったのでしょうか。脳容量が人類より大きかったらしいですが、発達していたのは視覚に関わる後頭葉部分で、思考や創造性を担う前頭葉が発達した人類とは異なっていたそうです。興味が尽きないですね。

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2024年01月17日

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古代DNA研究の最新成果に基づいて、人類の進化史、そして現生人類であるホモ・サピエンスの拡散と集団の成立について解説。
読んでいてワクワクする、知的好奇心を満たしてくれる内容だった。最古の人類がサヘラントロプス・チャデンシスだったり、現代人にもネアンデルタール人の遺伝子が受け継がれているということだったり、デニソワ人の存在だったり、自分が習った20年くらい前の高校世界史なんかの人類史の知識とは全然違ってきていて、とても興味深かった。この分野の研究は日進月歩のようなので、今後も最新の動向をフォローしていきたいと思う。

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2023年10月14日

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数万年前の古代人骨のゲノム解析で、人類の起源を探る

出アフリカから地球に行き渡るまでの過程にとどまらず、ネアンデルタール人やデニソワ人などの他のホモ属(私たちホモ・サピエンス以外は全て滅びてしまった)との交雑。

骨は発掘され、そしてロマンを語る

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2023年08月11日

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昔は分からなかったことが、科学の進歩によって分かってきている、だけどまだまだ分からないことがイッパイあるよ、と教えてくれる本。

今後の発見に期待

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2023年07月23日

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DNA解析の見地からは日本人の特異性・優位性は、いくら探しても見つからなかった。30万年前、日本列島はまだ無かった。
ネアンデルタール人たちとは交雑していた。

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2023年07月05日

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アフリカでホモ・サピエンスが誕生し、生物の進化みたいに、直線的に世界に広がっていったというイメージでしたが、そうではなく、各地に発生したホモ属との交雑を経て、滅んだ種族もある中で今日のホモ・サピエンスが世界に広がったとのこと。そう言われれば、その方が自然。交雑の中で一番残っている遺伝子がホモ・サピエンスということなのでしょう。研究が進むにつれどんどん真実がアップデートされていく分野なんですね。世の通説はあまりに単純化されている気がします。本書は学術度が高く素人には多少しんどかったです。

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2024年05月13日

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人類の起源や移動について、化石の骨格や年代から推定する20世紀の手法に変わり、近年のDNA解析によりわかってきた事実を詳細に書き記している。
のだが、ゲノムからわかる人類の交配・進化・移動が複雑すぎて頭がこんがらがった。しかもサンプルがまだ足りないときているので、研究はまだまだ続く。
ものすごい研究であるのはわかるが、ちょっとした興味本位で読んだためカウンターパンチを食らってしまった。
現代人のゲノム解析をして、ルーツを見ていたのは面白かった。

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2024年04月21日

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ネタバレ

人類の起源をDNA解析による研究をわかりやすくまとめている内容

PCR法などが進み DNA解析が進んできており
恥ずかしながら 私が学生時代に学習した内容は古くなっている
サヘラントロプス・チャデンシスはなんとなく知っている程度である
デニソワ人とネアンデルタール人の関係は面白そう
また、その中で交雑が行われているということは驚きだった

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2024年04月10日

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ゲノム解析など新しい技術のおかげでこの10年でだいぶ様相が変わってきている。5年後はもっと新しいことがわかるのだろう。長生きするのが楽しみになる。

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2024年03月24日

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最近のDNA分析によって人類の起源や日本人の起源、成立の過程について、これまでの定説が覆されるケースも出てきていることがわかった。
この著者の方は、断定せずにこうこうこういう理由でそうじゃない可能性もあるよと正直に書かれているところに好感。結局まだ何にも分かってないのねと残念ではあるが、サンプルの少ないにも関わらず、とても偏った見方で自説を言い切っている本もあるから、ちゃんと事実だけから判断してそう解釈できるのか見極められているのか怖くなる。言い切ってくれたほうがわかりやすいのだろうけど。
それから、この本にも新たな文化とかが自然的に産まれたと解釈するより渡来した人がもたらしたと考えるほうが正確という記述があったが、何故なんでも渡来した人がもたらしたと考えるのか不思議でならない。最初に生まれた地域はあるのだし、交流関係なく同時に生まれることもあるだろうし。昔からそこが疑問。

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2024年03月16日

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面白いけど,興味の基礎知識がないとちょっと読みにくいかも。
絶滅した人類の話、現代人の各集団の近さなど、テーマ自体は興味のある人が多いだろうけど、今解明されていることから判りやすく現生人類の形成史を説明、、、という一般向けな読み物によくあるパターンとはちょっと違う。
むしろ、どういう研究の結果から今の定説に至ったかを丁寧に解説している感じで、学問史に近いかもしれない。この分野の最先端の研究手法など知りたい人にはすごく良いと思う。

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2024年03月13日

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小中でかつて習った人類の歴史が、今や覆されてる、とは聞いていたが、こういうことだったかとわかった。

サルからヒトへ、一直線というか枝分かれしながら進化してきたイメージだが、ネアンデルタール人と、分岐後も交雑してきたとのこと。ゲノム解析がいかに強力か。

内容自体は、科学用語も多く、流し読みは難しい。新書なので、一般向けに解説されている。

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2024年03月08日

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DNA解析によって人類の古代史研究は進歩を遂げている。ミトコンドリアDNAを中心した研究があったのは昔から知っていたが、核のDNAの解析が2010年代から行われるようになり、人類史の常識は大きく変わっていった。その成果の一つが現生人類はネアンデルタール人等の別種の人類と交雑していて、その遺伝子の一部を引き継いでいること。
日本人の起源として語られる縄文人と弥生人の二層構造モデルについても、縄文人や弥生人の遺伝的多様性を単純化し過ぎているということが分かった。
ただ、本書を読んでも、人類の進化の全体像を理解するのは難しかった。

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2024年02月27日

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化石からゲノムの分析が可能になり、人の起源は10年前とは全く違ったことになっている。
ミトコンドリアDNA、Y染色体の分析などにより、文化や文明の伝播まで推測することが可能になっている。もちろん全てが明らかになったわけではなく、未解明なところもたくさんあるのだが。

いやもう、圧倒。子供の頃勉強した教科書の知識なんか、それにしがみ付いていては寧ろ誤解しか生まないのかあ。

具体的に、どこからどう進化してとか、詳細は殆ど頭に残っていないが。

亡くなった後に化石で見つかるのもあれなんだが、数千年、数百万年後に、どこどこで交雑したとか、何喰ってたとか、近親婚だったとか、噂されると思うと恥ずかしゅうて堪らん。

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2024年01月23日

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原人、旧人、そして、現生人類、すなわち、ホモ・サピエンスがどのような系統や経緯を経て産まれてきたのか、あるいは、ホモ・サピエンスがどのように世界中に散らばっていったのか、といったようなことについては、少し前までは発掘される遺跡や人骨の形態的特徴をもとに行われていたが、人骨を含む発掘物のDNA鑑定・ゲノム解析をすることによって、より正確に、より詳細に、物事が分かるようになってきた。すなわち、DNA・ゲノムを調べるという技術が確立されてから、学問の方法論が大きく変わったのである。
本書は、古代DNA研究により明らかになりつつある、人類の足跡を、明らかになっている範囲で説明したものである。テーマとしては壮大で興味深い。ただ、説明が詳細に渡り、また、学問的な正確さをも確保しようとした記述なので、なかなか、簡単に筋が頭に入りにくい(要するに読みにくいということ)。もう少し、「かいつまんだ解説」「素人に分かりやすい説明」があると、もっと面白いのにと思った。

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ここからは、全く別の話
ブグログには、いくつかの統計的機能が備わっているが、それによると、私の書いた感想数は、いつのまにか2000を超えたことになっていた。我ながら、よく書いたものだと思う。
ダッシュボードによれば、私の「ブグログ歴」は、今日(2024年1月20日)で、4564日となっている。12年と180日程度なので、「ブグログ歴」が始まったのは、2011年の半ばという計算になる。ただ、私は、既にないブログ「たなぞう」から「ブグログ」への移転者なので、実際に感想をブログに書き始めたのは、もう少し前のことになる。最初に書いた(あるいは、少なくとも初期に書いた)感想は、関川夏央の「汽車旅放浪記」だったような気がする。それの出版は2006年6月、私が感想を書いたのは2007年1月6日のことだという記録が「ブグログ」に残っていた。すなわち、今から17年前のことになる。
17年かけて2000冊の感想を書いたということは、1年間に約120冊弱の感想を書いたことになる。これも、我ながら、よく続いたものだと思う。

以前はメモ書き程度の感想しか書いていなかったが、最近は、少し時間をとって丁寧な感想が書ければ良いな、と思っている。感想を書くために、メモをとったり、少し読み返したりすることで、そうしない時よりも、本をよく読めたような気になったりもする。
1冊の本を読む時間は、本の長さによって全く異なるが、仮に感想を書いている時間を含めて1冊読むのに4時間かかっているとすると、2000冊で8000時間。8000時間を24時間で割ると、約333日。1日眠らずに24時間本を読んでいたと仮定して(そんな仮定は実際には成り立たないが)この17年間のうちの1年間程度は、朝から晩まで本を読んでいたことになる。それは、自分にとっては、とても大切で楽しい時間だったわけであり、あらためて、本を読むことが好きで良かったなと感じる。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

近年人類化石から核DNAが採取できるようになり、それを基にした各種人類の発展の経路が改めて分かりつつある。ホモサピエンスが、アフリカ大陸から各地に散らばっていったという説は最有力だし、そこから南米大陸まで時間をかけて進めていったということはほぼ確か(南米からポリネシアには行っていない様子)だが、各地でネアンデルタール、デニソワ人と混血し、その混ざり具合が異なる現生人類が各地にいるという観点から、昔の各地で人類が個別に発展したという説はまだ完全には捨てきれないとしている。

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2023年09月24日

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かなり多くの情報が集約されている。私が子供の頃はホモサピエンスが生き残りネアンデルタール人は滅びたとの定説があったのに、我々ホモサピエンスとネアンデルタール人が交雑して私達の遺伝子に組み込まれていることが解った。そのように人類史はこれからもどんどん新しい発見が情報を更新していくのだろう。我々のルーツを知ることは自分自身のなかに生きている歴史の遺伝子を探求するということ。

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2023年08月29日

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読んでる最中。

p.38
ネアンデルタール人は小集団に分かれてユーラシア大陸に広まった。デニソワ人は60人程度の集団。小集団では近親相姦が行われやすく、遺伝子の多様性が失われがちで、徐々に数が減っていく。

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2023年07月24日

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古代ゲノム分析という最新の学問分野において、人類そして日本人の起源を論ずる旬な内容。ただ、生命科学に疎い素人としては、分析結果の論旨展開がなかなか頭に入ってこないのが辛いところ。ミトコンドリアDNAとかPCR法とかSNP(一塩基多型)とか専門用語がいっぱい。

ただ、ロマンを感じさせる内容であるのは確かです!

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2023年06月14日

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ネタバレ

全く専門外の本なので、とても難解に感じたが、分かるところは興味深かった。
DNAの解析に次世代シークエンサという方法が使われるようになったことで、古代人のDNAの解析が非常に進んだとのこと。
ネアンデルタール人やデニソワ人などの旧人のDNA解析、現代人とのDNAの乖離、また地域ごとのDNAの乖離、本当に「我々がどこから来たのか」という問いに真摯に向き合っている。

イギリスで発見されたチェダーマン、肌は褐色。ネアンデルタール人も褐色の肌を持っていたのでは、とこの書籍に書かれている。現在のヨーロッパの肌の白さは人類史の中では比較的新しいものらしい。
私は金田一少年の事件簿、という漫画が好きだった。あるストーリーの推理の根拠にされていた、金髪碧眼、肌の白さ、に関係性がある、という事象は現在は否定されているようだ。

原語と文化、そして遺伝子の特質、関わりがあるところもあれば、ないところもある。人間営みを科学的に証明する一助にはなるけれど、全部を解明することは無理なのかなあ、無理だからこそ追い求めたくなるのかなあ、と本書を読んで感じた。

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2023年05月31日

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新書大賞第2位、ということで読んでみようと思った。昔から日本人はどこから来たのか?ルーツは?という疑問が議論されてきている。

本書でも最新の研究に基づいて述べられているが、やはり混血の繰り返しによって現代日本人は形作られている。また、同じ日本の中でも地方によって混ざり具合が異なるようだ。

これらの研究は自分の肌感覚でも理解できるところがある。

昔、40年ほど前にタイへ行った時、「タイという国は、南アジア系、中国系、韓国系、日本系、、様々な人種が住んでいるところで混血の途上なのだろうな。」と深く感心したことがある。

タイから日本に帰国して身の回りを見回してみると、改めて気がついた。「日本もタイと全く同じような状況ではないか!様々な人種がいる!」

さて、自分自身は一体どのようなルーツを持っているのか?なかなか自己分析ではわからない。

しかし、難しい本であった。新書大賞というのは玄人向けの賞なのかもしれない。確か新書大賞第1位の本も難しすぎた。私が馬鹿なだけかもしれないが。

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2023年03月25日

Posted by ブクログ

歴史的な文系の本かと思いきや、DNA、ゲノム解析等のかなり専門的な話がでてきて、理系科目はつくづく苦手だなと思ったが、食わず嫌いを克服したいと頑張って読み進めた。

理解できていない部分も多かったかと思うが、近年のゲノム解析技術の進歩によって教科書の歴史の修正にリアルタイムで立ち会えたような感覚を得られて嬉しかった。弥生時代には急に集落が生まれたのではなく、朝鮮から文化や人種が渡来していた。等。

またゲノム解析を通じた著者の見解も素敵だ。人種という括りは生物学的に明確な境界がなく、恣意的な括りにすぎない。世界中の人類のDNAは99.9一致しており、肌の色や身体能力、知能の差などは0.1%の差でしかない。わずかな差に注目して研究を進めるのは科学としてはオーソドックスだが、現代生活において0.1%の違いに重きを置くべきか、99.9%共通しているという部分に価値を見出すべきか。答えは明白だろう。

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2023年03月12日

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