【感想・ネタバレ】女人入眼のレビュー

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大姫を入内させるべく教育する周子。会話すらできずにいたが大姫のことを知るにつれて親子の確執や大姫の心の繊細さが入内を難しくさせていることに気づくが、何もできないまま大姫を失う。
優しすぎるのも生きていく足かせになるんだなぁと思う。が政子相手では従うしかないのかも知れない

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2023年05月07日

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時代小説とは知らずに読み始めたものの、頭が混乱し失敗しかなぁと観念していたが、鎌倉殿の登場人物を頭に思い浮かべることができると、とたんに楽しくなった。違った視点で書かれた鎌倉時代。政子はやはりこういう描き方だよなぁとひとりごちた。仮名遣いや古語がとても難しかったことを差し引いても興味深い内容だった。心に寄り添うことは時として残酷だったりする。政子のために大姫の辿った人生は本当に悲しすぎた。

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2023年04月27日

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ネタバレ

先の大河ドラマ『鎌倉殿~』のサイドストーリーとして読み始めた。女人としての政という意味ではこの本を手にできたこと読めたこと、今では乗り遅れたけれど良かったと思った。あの北条政子の母親としての凄まじい意地も今更ながらに感じ入った。背筋が凍りそうなほど…。
いつの時代にも毒親はいたんだなという思い。しかも変に権力者だったから周りの者たちの心痛が分かるだけに(大河ドラマからも)興味深く読み進められた。
大姫の心の病は木曽の義高の死が原因で、最期は史実通りで入水自殺なのだけれど、この本で深く傷ついている大姫の様子を見たら同じ女性として可愛そうに思う。でも母親としての政子の毒具合も並行して分かってしまう…。

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2023年02月08日

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登場人物が多すぎて戸惑うも、「鎌倉殿の13人」の役者思い描くとスッキリ。理不尽だらけの鎌倉時代。義時は二回しか登場しなかったが存在感あり。「一つに力が集まらぬことが肝要」「力は常に散らばることで、世は泰平に保たれる。強すぎる者は挫かれるのだ」「御心を痛めませぬよう」「悔いはきりがありません」「致し方ない…力及ばぬことに徒に傷ついてはなりません」「都で囲碁を打っていたら、鎌倉から蹴鞠が飛んできて、碁盤ごと倒す。そうなれば、碁盤での勝ち負けは最早何の意味もない」いまの日本が置かれている状況か。

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2022年12月01日

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同じ永井でも永井路子とは全く違う視点と肌理細かい心理描写で描く鎌倉初期を舞台にした傑作。周子と大姫との対峙からみえる鎌倉内と京内の御所政争が浮き彫りになる、ボトムアップでの歴史考察本であり女性小説。ほぼ知らない裏面史も多く勉強になった。

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2022年10月24日

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読み始めた当初は進まずだったが、舞台が鎌倉に移ってからが早かった。鎌倉殿の13人を思い出しながら、鎌倉の大姫と義高をめぐり、あまりスポットがあたらない周子と海野幸氏目線の鎌倉をみる。
御台所政子の描写に圧倒される。
都で囲碁を打っていたら、鎌倉から蹴鞠が飛んできて、碁盤ごと倒す。碁盤での勝敗最早意味をなさない、なるほど。

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2024年04月07日

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平家滅亡後、京では後白河院の亡き後も力を持つ丹後局は後鳥羽帝の跡目争いの布石として、鎌倉殿の娘大姫の入内を目論む。命を受け周子は鎌倉へと向かう。北条政子の異常にも思える娘への愛。そして様々な人達の思惑が入り乱れる中、周子は大姫の心に深く入りこんでいく。


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2024年03月29日

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ネタバレ

鎌倉時代、大姫入内を巡る話。「鎌倉殿の13人」が好きだったので大まかな人間関係もイメージしやすく、すんなり物語に入れた。
大姫の心の内が少しずつ見えるにつれて、物語が一気に動き出す。

母子関係は難しい。ここで描かれている大姫と政子の関係は現代でも通じるところがある。難しいというか、健全でない母子関係が招く悲劇。政治的要素が絡むとは言え。
桂の「救いの光を見せずにいて下さればよかった。」の一言が心に重たく響く。でも、大姫の心が動いたことはとても大切なことで、彼女が生きた証になったと思う。

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2024年02月28日

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4.0 面白かった。昨年の大河ドラマを思い出しながら読むと面白さ倍増。大河の政子は相当優しく描かれていたことが良く判った。大江広元は大河のイメージの通りかな。この作者、もっと読みたい。

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2024年02月18日

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ネタバレ

まず思ったのは、この時代20歳にして、既に政治に影響するような仕事をしていることに改めて、感心した。
自分なんて、大学生活を楽しんでいただけ。
男性も女性も家を背負っていたり、自分の役割をきちんと理解していたり。
選択肢がないから、迷いがないのだろうか。

鎌倉時代の小説などは今まで、あまり読んだ記憶もなく、前回の大河ドラマも見ていないので、教科書レベルの知識で読んだが、興味深かった。

見聞を広めることで、力を持つということに納得。

北条政子はイメージ通りだった(笑)

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2023年04月23日

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大姫を取り巻く女性たちの戦いの話。
進退を決めることなのに本人の意思はまるでなく人ばかりが死んでいく。
それをかいりみる人と顧みない人。
こんなに辛いのか。

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2023年04月06日

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鎌倉時代の歴史は詳しくなかったが、群雄割拠とは別の、幕府と朝廷という2軸の中での駆け引きが面白かった。源氏は北条家にすぐに乗っ取られたぐらいの認識だったけど、なるほど、このような経緯だったのね。たいがどらまもみたくなっちゃう。

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2023年02月20日

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すごく面白かった~。
昨年、大河ドラマで「鎌倉殿の13人」を見たところだったので、知ってる人物が想像出来て、でも、ドラマとは違う、北条政子の強い部分や、鎌倉時代の血なまぐさい暗黒の闇を見ている気がしました。
大姫の話は悲しいですが、大姫の心の内を描いていて、最期は涙と共に、これしかなかったという思いになりました。
読み終わるまで、全く気付かなかったのですが、題名を思い返してみて、初めて、これは北条政子の話だったんだと思い至り、ちょっとびっくり。

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2023年01月19日

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都から鎌倉へ、政子の娘である大姫の入内教育者として使わされた周子の目から見た政治。鎌倉殿を楽しんでいる人なら絶対面白いと思います。ちなみに私は歴史オンチ&歴史小説系苦手人間なので少し読むのに苦労しましたが、最後は一気読みでした。政子恐ろしか~。
鎌倉殿は最初の数回で断念したのですが、この小説読んでも、政子はベストキャスティングだけど、頼朝…。ドラマでも合ってないと思ったけど、やっぱり歌舞伎・能あたりの血筋の役者さんが向いてるよ。みんな、大泉洋には一目惚れしないって。芸能人としては好きだけどね~。

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2022年11月20日

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2022.9 大河ドラマではサラッと流れた大姫はこういう人だったんだな、と解説本のようでした。でもしっかり読ませる小説でしたので星4つです。

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2022年09月22日

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源頼朝と北条政子との長女大姫の入内のために鎌倉に赴いた、京の六条殿に使える女官の周子。

許婚が頼朝の命で殺害されるという過去と母政子の圧力とに挟まれてくる染む大姫。

政子は現代に照らせば毒親だろう。

本書の結末が史実と合っているかは不明だが、書き込まれた背景よって、極めて強い説得力を持つ。

精神的な京の世界が物理的な鎌倉の世界に置き換わっていくさまも、よく見て取れる。

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2022年09月06日

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が面白いので、これも読んでみた。
朝廷内での対立、鎌倉幕府内での対立、朝廷と鎌倉の対立。その裏の、政治の実権を巡る女性たちの対立。
北条政子の強さ・激情と、娘大姫の苦悩。
大姫死去後の承久の乱まで。
大江広元の娘周子によって、感情を解放されるときの大姫がいい。

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2022年08月12日

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女性の強さ、しなやかさ、したたかさ。都と鎌倉幕府を舞台に政のかけひき、勝ち負けとは、幸せとはを考えた。

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2022年07月17日

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情のまま、己の正しさのみを信じて生きる母、思いやり深く、自分の感情や行動による他者への影響に怯え、諦めて生きる娘とのどうにもならないすれ違いが悲しくなりました。自死の前に書いた相手を思いやる歌を読む場面では思わず泣けてしまいました。

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2022年07月16日

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直木賞候補作。
源頼朝と北条政子の長女・大姫を、後鳥羽天皇の后として入内させようとする話。
北条政子が毒親だった…。

「囲碁をしていたら、蹴鞠が飛んできた」
という表現が面白かった。
都の戦略的に娘達を嫁がせたりするのを囲碁だとしたら、突然その駒たちを毛散らかすのが北条政子。

大姫の入内を手伝う周子が、北条政子に言うべきことを言うところがカッコよかった。

私は日本史に詳しくないし、大河ドラマも観ていないので、序盤は登場人物が多くて相関図がよく理解できないまま読んでしまった。
でも中盤〜後半にかけては面白かった。

これを読む前に、中田敦彦のYouTube大学の、北条政子の動画を観た。お話を理解するのに役立った。特に北条家と頼朝の子供達など鎌倉側の人物を把握しやすくなった。都側の人物はこの動画ではカバーされてないので、あまりよくわからないまま読んでしまった。

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2022年07月12日

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放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と時代が重なる。登場人物がドラマの役者と重なり、すっと映像が頭に浮かんできた。それにしても北条政子のキャスティングは見事だなあ。政子を完全に小池栄子のイメージで読んだ。さて、作品自体は、女性視点の鎌倉時代の政治物語といってよいと思う。朝廷での政略、鎌倉幕府での政略、ところ変われば政治も変わる。そしてドロドロとしたところは同じで、これは時を超えて現代でも同じだろう。人間関係で国が動き、人が死に、その中で女性も巻き込まれたり巻き込んだりする。特にこの時代の生き死には現代では考えれなくらい厳しいものだ。そんな厳しい時代だからこそ、生き残るために政治が重要になるのだろう。

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2022年08月05日

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 鎌倉時代初期、朝廷と幕府の縁を繋ぐため、頼朝の長女、大姫を入内させるべく御所から遣わされた、周子が主人公。
 御所と鎌倉の雰囲気、考え方、政子のえもいわせぬ圧力に圧倒されながらも、自分の御所での出世を頭によぎらせながら大姫やその侍女たちと過ごす。大姫の抱える闇と向き合い、心の奥底にある思いを知ることで、周子自身にも、新たな気づきが生まれる。大姫は無事に入内できるのか!?
 大河ドラマの鎌倉殿を見ていたのでとても背景や文脈が入ってきやすかったです。北条政子の怖さが良く分かる物語りでした。

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2024年05月24日

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鎌倉時代、京の都から遣わされた女房が目見えた、鎌倉の女性たちとの日々を描いた作品。
京の六条殿の女房である周子(ちかこ)は、都と鎌倉との橋渡し役として鎌倉へ遣わされる。そこで帝の后として入内されようとしている源頼朝の娘大姫とその母親で御台所の政子と会う。
頼朝や北条義時も出てくるけど影は薄い。鎌倉時代の女性達の鮮やかで力強い生き様に引き込まれる。

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2023年02月05日

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ネタバレ

頼朝の娘大姫の入内をめぐって,北条政子の存在を描いている.鎌倉幕府に君臨する尼将軍とその影に怯えて生きた大姫,愛がねじれて正しいとしか信じない母親,しかもそこに権力があれば悲劇が起こる手本のような物語になったいる.

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2023年01月02日

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第167回直木賞候補作品。初永井紗耶子作品です。
2022年NHKの大河ドラマで盛り上がっている鎌倉時代。
鎌倉幕府が力を持ち始め さらなる力拡大のため 大姫を入内させる計画をすすめる。
そして朝廷側も 次なる帝 そして国母としての女の権力争いが起こっており 大きな時代のうねりの中での入内要請であった。
しかし 大姫は頼朝の命で打ち取られた木曽義仲の嫡男 清水冠者義高(木曽義高)を慕い、殺害されてから気鬱の病となり 普段の生活もままならない。

主人公 周子(ちかこ)は丹後局の命で大姫入内の任を受け 鎌倉にはいるが
大姫の心は閉じられたまま なすすべが無かった。

登場人物が多く とくに朝廷側の姫や局など 難しい名前ばかりで理解するのに手間取ってしまった。
しかし 大姫の真の心のうちが明かされると グッと大姫への愛おしさが増して、話が面白くなる。
人物関係図を頭に描きながら 鎌倉幕府最大の失策「大姫の入内」を女性の権力争い目線で展開するこの本 おすすめです。

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2022年09月11日

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尼将軍政子のひととなり、当時の政略結婚が主軸であっはあったが、個人には不幸=呪いの概念がかなり浸透していて面白かった。
政子とのコントラストをつけるためか、頼朝がだいぶ穏やかだったのは少々違和感を感じた。

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2022年08月27日

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ネタバレ

武士としての男の戦ではなく、策略による女の戦が生々しく描かれていた。いつの時代も情勢を把握し、先を見通せる者しか生き残っていけない厳しい現実は、今も昔も変わらないのだと改めて感じた。
最終的に大姫を救えなかったこと、政子が尼将軍として君臨しているところで物語が終わるところが単純なハッピーエンドではなくてリアルに感じられた。

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2022年08月26日

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現代の悩みと何ら変わらない。女性のそれこそ妃がねには今はなくなったとは思うが、企業の政治家の駒として縁を結ぶために婚姻を決定される事もある。時代は人の死を命令できる殺伐とした空気が、無力感があって辛い。

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2022年08月07日

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源頼朝と北条政子の娘・大姫をめぐる物語である。戦略的に大河ドラマに合わせて発表したのだろうか。

まず本筋とは関係ないところで、ストーリーがシンプルな割には登場人物がそれなりに多いので、人物相関図は必須だったように思う。
時代小説に慣れていない読者は人物の見分けからして大変ではなかろうか。文庫化の際は検討して欲しい。

内容についてだが、当時の時代背景に詳しくない人にも間口を広げないといけないとはいえ、状況の説明に終始している部分が多かったのは少々気になった。
また吾妻鏡に書かれているからしょうがないんだけど、入水騒動を起こして大姫の縁談を諦めたはずの頼朝と政子が、ほとぼりも冷めないうちに入内を計画したっていうのはにわかには信じられず、それに対する親の思いみたいなものもあまり汲み取れなかったので、当時の人々の心情を理解するのは難しいなと思った。
それでも、大姫が徐々に心を開いていく過程は結構読ませて面白い。悲劇の末に精神を病んだ女性、としか歴史に名を残されていなかった人物に対して、こういった形で光を当てたのはとても良かったと思う。

しかし驚いたのは最終章。展開的に第五章で終わらせるわけにはいかないから終章は必要なんだけど、これはちょっと・・・
本作では北条政子が徹底的にヒール役として描かれているし、そもそも主人公の女性を襲わせた本人である。何食わぬ顔をして談笑するというのはどうなのだろうか。
このラストに関してはモヤモヤしたものが残った。

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2022年07月17日

Posted by ブクログ

直木賞候補作品で、頼朝と政子の娘の大姫入内騒動を描く歴史小説。

著者の作品は初めて、書下ろしということで、大河ドラマに便乗したのかと思いましたが、京から入内準備のために下る女房視点ということで面白かったです。
ドラマでは頼朝が入内に固執していたのに対し、本作は政子が娘のためと言って入内に固執する毒親として描かれているのも現代にも通ずる親子関係のようでした。
丹後局と政子、京御所と鎌倉幕府、囲碁と蹴鞠のような対立軸の描き方もうまいと思います。
大姫死後の描き方は端折りすぎとも思えましたが、長すぎても主題がぼけるかもしれないので、それならばむしろもっと短くても良かったかなと思います。
通説では病死とされている大姫の死因は大胆な発想だと思いますが、自分としては生き延びるという展開も期待していただけに哀しかったです。
歴史好きとしてはあまり有名でない海野幸氏も描かれていて勉強になりましたが、逆にスポットを当てすぎていたのて、後の展開は読めてしまいました。

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2022年07月17日

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