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Posted by ブクログ
プロローグにあたる「序奏 月光の渚で君を」読んだだけで、一つの短編を読み終えたかのように、ちょっと間を置いて余韻に浸ってしまいました。
同じ著者の「ギロチン城」のプロローグ「首狩り人形」を読んだ時のような衝撃でした。
そして本編、「うんうん、これぞ北山作品やんな」と期待を裏切らない世界観とストーリー、そして蠱惑的な謎の数々とそれを可能にする物理トリック(偉そうに言ってるけど、全く謎は解けませんでしたが…)。
読み終わって思ったのは「ちょっとマイクル・コーニイ入ってるかも」でした。
決して多作ではないけど、新作が出るたび、もとい文庫化されるたびに買ってしまう北山猛邦さん、もっともっと作品を読みたいですね。
Posted by ブクログ
読む順番は恐らく違ったのだろうが、北山ミステリは初読みだ。叙述トリックのものは読んでいたが、ここまでの物理トリック。説明的なのに説明だけでは終わらない、雰囲気や温度感、空気感も大事に描かれていた。
何より少しずつ小さな不明点を明らかにすることで、1番大きな伏線を回収することへ繋がる。残った人たちの推理が、その人の都合で解釈されていく中、もっとも冷静で冷酷な答えに導かれる。歯車が噛み合ってしまった無念さも、オルゴールの世界観と同期されている気がした。
順番は違ったのだろうが、1作目に選んで正解だったと思う。解説にもとても作者への愛を感じることができた。少年検閲官や、他の作品も読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
傑作です。
ミステリの面白さが詰まった作品であり、なぜこのトリックを使用したかの答え、序奏の幻想的で儚げな物語、散りばめられたガジェットなどなどめちゃくちゃミステリ的な面白さ。よかった。
Posted by ブクログ
厚さが嬉しくなるほど夢中で読んでしまった。
二転、三転。
そして途中で気づいて
嫌だ、嫌だと思うも
1番苦しく切ない真実を突きつけられた。
それなのに物語の美しさに
まるでハッピーエンドかのような錯覚を覚える。
クリスの冒険の続きを読みたい。
けれどこれ以上のものが生まれるのだろうか。
ちなみにカルテの『足枷』はなんだろう。
高さが怖い、とかかな??
それなら先輩のために頑張ってビルに登ったのはとてもかわいい。