【感想・ネタバレ】チョーク!のレビュー

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Posted by ブクログ

僕はバスを降りない。セックス中毒者の僕にとって「発射」の瞬間を延ばす以外に考えられることは何もない。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

セックスより気持ちいいことなんてこの世にあるかい?

ダヴィンチの本紹介で見た上記の一文に惹かれて手にしてみた一冊。
セックス中毒の主人公はカウンセリング集会に通ってる。
カウンセリング集会には同じようなセックス中毒者が集まってるから
当然、主人公はそこで不特定多数の女とやる。
主人公の母親はあたまがいっちゃって精神病院。
月に3000ドルの費用がかかるので
主人公はレストランでわざと食事を喉に詰まらせては
誰かに助けてもらい誕生日(嘘の日付)に小切手を受け取る。
主人公の友達は自慰中毒だけど
そこから復帰するために
何かを積み重ねたいと願い
毎日毎日、ひたすら石を集める。
そんな病的な人々がおりなす物語。
みんな病的だけど、特殊じゃない。
少なくとも僕はこの本の登場人物に
共感を感じる部分が多々あった。
自分が誰かのか知りたいし
人から必要とされたい。
と同時に普通にしていては生きている実感を味わえない。
セックスしてる時は生きてる実感がある。
不器用で悲しいところがすごくよい。
頭がいっちゃってる母親が話してる内容がすごくて
核心を突くような鋭いセリフを連発してるんだけど
普通の人から見るとそういう人たちの言動がいかに浮いてるか
そういうのもすごく分かって面白い。
言葉によって僕たちは現実の世界でなくシンボルの世界に生きてるとか
残されたフロンティアは実体のない思想・物語・音楽芸術の世界だけだとか
人はいつか死ぬだとか
そういう一つ一つの言葉が僕にはすごく共感できた。
物語の進め方もうまい。
時系列をバラバラに並べてあって
最初は断片だけなので「?」って感じなんだけど
読み進めるうちにそれらが組み合わさって全体像が見えてくる。
しかも、話にフックがあって二転三転するから飽きない。
読んでいて吐きそうな気分になったり泣きそうな気分になったり
最近この感じをどこかで味わったなぁと思ってたら
ちょっと前に読んだ
「僕のなかの壊れていない部分  白石一文:著」
と近いような気がしたんだね。
現代的な自己喪失と自己探索の物語。
かなりお薦めです。
表紙がエロいので電車で読むと
回りからじろじろ見られるので要注意です(笑)。
作者プロフィールを見て分かったんだけど
ファイト・クラブの原作者らしいので
ファイト・クラブも見てみたいなと思いました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

チャック・パラニュークの著作はいつも、現実がまるで悪夢のようなグロテスクな形で表されている。いつだって僕も貴方もみんな狂ってるんだよ、という

主人公はセックス中毒、カウンセリング通っているけど周りの誘惑に負けちゃうし、母はもう頭が狂ってるしで医療費もかかるし、どうしたら良いのかわからんし、そのうち主人公はある演技で金を稼ぐことを思い出して、、ということは本のカバーにも書かれてる。

これを読む前に映画のファイトクラブを見たけど、これは時間の無駄なんだよ、こんなんで時間潰してどうするの?という、ポルノ見てどうするの?虚しくない?みたいな著者のメッセージが響く。そんな無駄な時間を過ごす私って、、でも面白い。
本の時間軸も巧妙に崩されていて、いつのまにか最後には騙されてる。薬にはならない、毒ばかりの物語だけど、グロテスクの中にある美しさってあるかも、いや無いか。

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2019年03月01日

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