【感想・ネタバレ】キャベツ炒めに捧ぐのレビュー

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Posted by ブクログ

江子 大竹しのぶ
郁子 黒木瞳
麻津子 浅野温子
ドラマ化したら楽しいお話だと思い、自分で配役を考えた。
60代前半の個性的な女性3人で営む東京のお弁当屋さんが舞台。ストーリーはにぎやかにテンポ良く進んでいくが、実はそれぞれ心に傷を抱えている。各章のタイトルが食べ物や料理名になっていて、登場人物3人の心とお腹が満たされていくのと同時に、読み手も両方満たされていくような感覚が味わえる。

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2022年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やはり再読したくなった本。ネタバレありです要注意。

江子、麻津子、郁子の60代の女性3人が営むお惣菜屋「ここ屋」の、ご飯が炊ける描写から、この物語が始まる。
料理の(しかも、単なる家庭料理ではなく、売れるお惣菜を作る)腕は確からしい。

3人にはいずれも、それぞれの人生で関わりのあった男性への想いがある。離婚した相手を諦めきれない江子、1人をずっと思い続ける麻津子、夫を亡くした郁子。それぞれが持っている「想い」は、それぞれの「思い込み」でもある。現実とのすれ違いを認められず、捨てきれないところを、物語が一つずつ解いていく。共通の想いびととして描かれる進くんは、3人のおばさんたちに翻弄されて面白いが、ある意味重要人物でもある。

人って、簡単に思いを捨てられないし、吹っ切ることも難しい。それは美味しいご飯やお酒があっても振り切れることではない。でも、生きるための営みの中に、想いはある。
炊きたての米の旺盛な湯気に始まり、キャベツ炒めのシンプルな味付けで終わる、と思っていたら、最後に一波乱あった。この物語の妙味を味わう。

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2022年02月24日

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あさりフライ→ビール→レモン→ソース!
いいなぁ。

おいしいものをおいしいと感じて、
みんなが安全になっていくのがすきです。

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2021年06月06日

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ネタバレ

・夫(のせい?)で息子を失ったと思っている
・ずっと好きだった人に振られても思い続けている
・結婚して同じ職場の人に主人を取られる

もう少し本の中では詳細に語られるけど
3人の抱える大人な事情はこんな感じ。
これが本を読むにつれて徐々に明らかになる。

どれも苦しいけど、のらりくらりと
それを受け入れながら日々を過ごしていく。
嫌な思いをさせられたと相手が思っている
その気持ちにかこつけて、前の旦那さんに
気まぐれに電話をしてしまう江子には
同情もしちゃうし、奥さんにも気を遣って
あげたらいいのにと両方思ってしまう自分がいた。
自分は悪くない上に、まだ好きだもんね…

たかが風邪でくらいで病院に
行かなくてもいいよと言った矢先に
肺炎で息子をなくしてしまう郁子。
前に進めそうなときに限って
その話を引き合いに旦那さんに当たってしまう。
とてもいたたまれないと思って読んでいた。

この二つはもしかしたら一番近い未来で
ありえるかもしれないという意味で
感情移入が一番できてしまった二人。

3人ともしっかりキャラクターがあってよかった。
3人ともパワフルなので60代というのが
まったく想像できずに読み終わってしまった笑

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2023年10月25日

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何事も起こらないお話ではないのに、読んでる側の気持ちとしては終始穏やかだった。

自分がこの年代になったら何してるんだろうと物語の中で何か起こるたびに嫌でもいちいち引き込まれて考えさせられる。

食べ物で幸せになるお話は大好きで、現実に自分もそうなることが多い。この作品は特に文章自体が好きなのもあってより幸せな気持ちになった。

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2023年08月28日

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荒野さんの筆力のせいだと思うけど、とても疲れた。
いちいちため息が出そうになる
3人が恐ろしく近い存在に感じて1行読むごとに共感しようとしてしまう。
人生っていろいろあるなあと思うし、一方で私にはなにもないなあと思う。

読む前後でタイトルの意味合いが全然違ってくるのも面白い。

元気なかった時に赤坂のタコス屋さんでお腹いっぱいタコスを食べて元気でたのを思い出した。
食べるって素敵。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

面白かった。

ただ何回読んでも主人公たちがもう少し若いイメージになってしまって。たぶん60過ぎの人と交流がないからだと思うんだけど。

あと10年20年たってから読んだらまた印象が変わりそうな本だなぁ



あー、白山さんだけ嫌い。

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2023年02月26日

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惣菜屋 ここ家 を舞台に60代3人の女性の人性を振り返ったり、前に進んだりする物語

仕事、職場だけの場所ではないここ家
3人がいることで、独立してはいるけど、必要な時に支え合える

素敵な3人です
江子と白山の関係性を辛く思って読んでいたけど、江子が最後に精神的に離れる事ができて良かったと思いまし

料理ができるって、本当に素晴らしい事だと思うし、出てくる料理、特にアサリの串揚げ食べてみたと思いました。

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2022年12月26日

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人生の先輩方のお話と家庭料理が合っている。旬の食材を丁寧に料理してみたいと思うと同時にずっと当たり前にいる家族を大切にしようと思えた作品だった。

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2022年11月07日

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『焼き穴子、どういうふうにお料理するのがいちばんおいしいの?』

そんな問いかけをされたらあなたはどんな調理のイメージを思い浮かべるでしょうか?

『中華ふう、っていうのも案外いけるらしいわ』。

『それもいいけど、わたしはやっぱりシンプルなのが好きだわ』。

『茶碗蒸しもいいしうざくみたいにしてもいいし…。そうそうお寿司もいいわね』。

『ちらし寿司!』

こんな風に『食べ物』の話をすると、なんだか気持ちが高揚してくるのを感じます。文字だけを読んでいるはずなのに、頭の中には美味しそうな食材のイメージが浮かんできます。そして、幸せな気持ちに包まれるのも感じます。

私たちが生きていくために必要とする”衣・食・住”、その中でも『食』は、人間だけでなく全ての生き物がこの世を生きていく中で必要不可欠なものです。『食』の話をして、思わず顔がほころぶのはそんな人間の基本的な欲求が顔を出すからかもしれません。

私たちにとってとても大切な『食べ物』。そんな話題を取り扱った作品は小説界では定番中の定番です。”栄養と愛情がたっぷりつまった美味しい料理”が味わえる古内一絵さん「マカン・マラン-二十三時の夜食カフェ」、”あたたかな食べものの匂いと、にぎやかな人々の笑い声”を描く伊吹有喜さん「オムライス日和」、そして、”「ふぅ、幸せ」という一言が象徴する幸せな食卓”を描く小川糸さん「あつあつを召し上がれ」などなど、美味しい『食べ物』が登場する作品は多々あります。そんな『食べ物』が登場する作品には共通点があります。それは、日々の生活の中にそれぞれに悩みを抱えながらひっそりと生きる人たちの人生の一コマが描かれることです。そして、そんな登場人物たちが『食べ物』を口にする時の幸せが、そんな作品を読む読者をも幸せにしていく、それこそが『食べ物』を取り上げる小説の最大の魅力だと思います。

さて、ここに、そんな『食べ物』を全編にわたって取り上げた作品があります。『桃素麺』、『豆ごはん』、そして『キャベツ炒め』と、それだけでお腹が鳴りそうなおいしい『食べ物』が次から次へと登場するこの作品。そしてそれは、そんな『食べ物』を食する人たちが『おいしい!すごくおいしいわ、これ』と語るその瞬間に、ひたむきに日常を生きる人たちのいっ時の幸せを見る物語です。

『巨大な釜は一升炊きだ。それが三つある』とそれらを眺めるのは主人公の一人・郁子。そんな郁子は『釜の蓋を開け』『炊きたての米の旺盛な湯気が、ぶわっと郁子を包む』と、『ああ、いい匂い』と声を出しました。それに『色っぽい声出しちゃってー』と江子(こうこ)が笑いながら、麻津子(まつこ)にも同意を求めます。『江子は六十一歳』、『片や麻津子はジャスト六十歳』という二人と『惣菜屋で、その名は、「ここ家」という』店で一緒に働く郁子、六十歳。そんな『「ここ家」のオーナーは江子で、麻津子と郁子は従業員』として働いています。『四軒長屋の中の一軒』という『ここ家』の『店頭の品書きの横に』は、『雑誌の切り抜きが貼ってあ』り、そこには『ニッコリ笑う三人のスナップ』と共に『「来る、待つ、行く?心優しき肝っ玉おっかさんたちの家庭の味」というコピーが躍ってい』ます。先日取材があった際に江子はそのコピーを『見事に揃ったでしょ。運命の出会いだと思わない?』と説明しました。『三ヶ月ほど前、自分が「ここ家」を訪れたときのことを思い出す』郁子。一ヶ月前にこの街に越してきて『八回目の来店』というその日に『あの、わたし、応募します』と『従業員募集!』の張り紙を元に店員の麻津子に声をかけた郁子。『飲食業はもちろん、正社員として働いた経験が自分には一度もないと、正直に明かしてしまった』こともあって、『厨房で行われた「面接」』で『不採用の空気が』濃厚になります。そんな時、『あなた!郁子さんっていうのね!』という江子の一言で採用が決まりました。そして、江子(来る)、麻津子(待つ)、郁子(行く)という三人が揃った『ここ家』。そんな時、『勝手口の呼び鈴』が鳴りました。郁子がドアを開けると、『こんちはっす』という『ひょろりとした長身』の青年が頭を下げます。『米屋です、コトブキ米店。今日から俺が配達担当なんです』という青年は、『春日進といいます』と名乗りました。『今日から新米です。新米が新米をお届けに上がりました』と挨拶する青年に『やだー面白い!新米が新米だって?』と『きゃはははは、と笑う江子』。そして、仕事が終わり『スナック「嵐」』に出かけた江子と麻津子の一方でアパートにひとり帰り、窓から公園を見ながら缶ビールを取り出した郁子は二枚の写真を見ます。二歳で亡くなった『息子の草(そう)』と半年前に亡くなった夫の俊介。そして、郁子は今日出会った『「新米」の春日進』に草の面影を見たと感じた今日の昼間のことを思い出します。そんな郁子が背負う人生が賑やかな雰囲気感の中にしっとりと描かれていく最初の短編〈新米〉。美味しい食の雰囲気感に包まれるこの作品世界に一気に連れて行ってくれる好編でした。

「キャベツ炒めに捧ぐ」というなんとも美味しそうな書名に心惹かれるこの作品。11の短編が連作短編を構成しながら物語は展開していきます。そんな物語の舞台が、『東京の私鉄沿線の、各駅停車しか停まらない小さな町の、ささやかな商店街の中に』あると言う『惣菜屋』の『ここ家』です。『そこそこ繁盛している』というそのお店には、オーナーの江子と従業員の麻津子と郁子の三人が働いています。そして、物語はそんな彼女たちに一章ずつ視点を順番に切り替え、それぞれが抱えている背景事情を明らかにしながら展開していきます。

そんな物語はなんと言っても舞台となる『惣菜屋』の『ここ家』で提供されるさまざまな『食』の描写が一番の魅力です。11の短編それぞれに登場する『食べ物』の中から三つをご紹介しましょう。

・〈あさりフライ〉: 『魚屋で見事なあさりを見つけたときから、それは決めていた』と『少々手間がかかる』調理に取り掛かる江子。『わずかに開いた殻の隙間にペティナイフを差し込み、ぐるっと回して小さな貝柱を断ち切る』という作業の中で『なげやりなあさりにがんばるあさり』もいると好感を持って接する江子は『二つずつ竹串に刺してからフライの衣をつけ』ます。そして、『まずビールを一口。それから熱々のフライを、最初はそのままひとつ食べる』中に、『はふはふはふ。ほいひー』と感嘆する江子は、『春は貝だ』と思います。そんな江子は『あの日もあさりフライを食べていた』と過去を振り返ります。

・〈ひろうす〉: 元夫の家を訪ねた江子は、『夕食の前に帰る』つもりだったのに目の前に『おでん鍋が運ばれてき』ました。『かつお節と昆布と鶏の手羽先で濃くとった出汁に、薄口とお酒と味醂少しで上品に味つけしたほとんど透明のおつゆ、そのおつゆがじゅうぶんに染みこんだ大根や里芋や玉子、つやつやの練り物がうわっと山盛りになっているおでん』というその見た目。『とてつもなくおいしい』と『食べる前からわかって』しまう江子は、『これ、ひろうすね』と指摘すると『ああ、僕が作ったんだ。旨いぞ』と言う元夫。そんな中、離婚して間もなくの頃のことを江子は思い出します。

・〈キャベツ炒め〉: 『その日の仕入れは今ひとつぱっとしなかった』という日に『唯一、瑞々しくておいしそうだったキャベツを五玉仕入れた』江子。『コールスローは?』、『鯵フライの付け合わせにもいいんじゃない』、『甘酢もいいよね』と話す三人。そんな中、『すぐ食べるんだったら、やっぱいちばんおいしいのはキャベツ炒めだよねえ』と言う麻津子に、『キャベツ炒め、わたしも大好き。バターで炒めてお醬油じゃっとかけて』と言う郁子。それに『あたしは断然、ソースがいいな』と言う麻津子と弾む会話の中、『江子さんは?お醬油派?ソース派?』と郁子に聞かれ『あたしは、塩』と答える江子。『ーそうよね塩もいいわよねえ』と二人が答える中にその味にまつわる想い出を回想します。

以上三つの場面を切り取ってみましたが、共通するのは、美味しい『食べ物』が登場することをきっかけに、その『食べ物』に紐付くように主人公たちの記憶に残る過去の場面が蘇っていく…と展開していく物語です。私たちが生きる中で『食』は何をおいても欠かせないものです。それは生物としての人にとってのエネルギー源という側面はもちろんありますが、それ以上に『食』というものは人の気持ちと共にあるものです。祝いの場、激励の場、そして別れの場、人が区切りとするような場面には、必ず『食』がその場を演出していきます。そして、そんな場は当然に大切な想い出として刻まれてもいきます。そこに想い出と『食』が結びつく瞬間が生まれます。その結びつきは、『食』が想い出を呼び覚ます起点となってもいきます。

『食べることが好きでよかった、と言うべきかもしれない。結局のところ、生きものでよかった、ということに違いない』。

私たちが生きものとして生きていく中で欠かせない『食』。それを『生きものでよかった』と思う気持ち。それは、

『どんなに悲しくても辛くても、食べなければ生きていけないから。何かを食べるために動き出さなければならないから』。

というように私たちが生きることと食べることは一体不可分であることを改めて感じさせるこの作品。そんな『食』を起点とするストーリーの数々には、『食』をがそこに登場する説得力をとても感じさせるものがありました。

そんなこの作品は江子、麻津子、そして郁子の三人がそれぞれに生きてきたこれまでの人生の先にある今が絶妙に織り込まれていきます。過去と現在を行ったり来たりする中に描かれていくそれぞれの人生は思った以上に波乱に満ち溢れています。『日曜日、元夫の家へピクニックに出かける』、『出迎える白山と、彼の妻の恵海は、幾分ばつが悪そうな顔をしている』という不思議な関係性を元夫との間に続ける店主の江子。『旬のことは子供の頃から知っている』と『五十数年』の関係性の中、彼の結婚、離婚も知る中に、一方でそんな旬のことをどこか思い続けて『六十歳の独身女』として生きる麻津子。そして、『草は二歳で亡くなり、それから三十四年後の半年前に、俊介はこの世を去った』という悲しみの中の今を生きる郁子。そして、この作品は、『今日から新米です。新米が新米をお届けに上がりました』と挨拶する青年に『やだー面白い!新米が新米だって?』と『きゃはははは、と笑う江子』といったクスッと思わず読者に笑みをもたらす描写の数々含め、井上さんがお笑いに振られようとする雰囲気感の中に展開してもいきます。そこに登場する三人含め、時には漫才のようなやりとりを繰り広げる一方で、彼女たちが抱える上記したバックグラウンドを垣間見る読者は、どこか切ない、言わば泣き笑いの感情が湧きあがってもきます。そこに上記した『食』に関する描写が織り交ぜられるこの作品。さまざまな顔を見せる物語は思った以上に深い余韻を感じさせてくれるものがありました。

『いずれにしても、おいしいものをおいしいと感じられることは幸いと言うべきだろう』。

私たちが日々を生きていく中で欠かせないもの、それが『食』です。どんなに辛くても、どんなに悲しくても、そしてどんなに苦しくても私たちが生きていくために『食』は欠かすことはできません。そんな日々の中に『食』はささやかな喜びをもたらしてくれます。美味しい『食』の記憶は、その場面と共に記憶に刻まれます。それは、再びその『食』を口にした時、その記憶からそんな場面を呼び覚ます起点ともなりうるものです。この作品では、『ここ家』という『惣菜屋』に働く三人の女性の『食』の記憶を起点に、そこに繋がる過去の記憶の事ごとがその先の人生を紡ぎ出していく様が描かれていました。井上さんの絶品の『食』の描写に思わずお腹が鳴りそうになるこの作品。泣き笑いの人生の中に『食』が如何に大切な役割を果たしているかを感じるこの作品。

私たちにとって欠かすことのできない『食』が、人生を彩っていく瞬間を感じさせる、とても美味しい作品でした。

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2022年10月29日

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はじめましての作家さん!
惣菜屋さんを営む3人の女性の短編集。
料理と人生と恋の話で読んでてホッコリした。
結婚とか恋愛とか人生とか、最近30代後半女性の話が好きです。
他の作品も読んでみたいなぁ。

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2022年10月15日

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商店街の一角にある、ここ家で働く3人の中年女性のお話し。

若い主人公にはなかなかない、事情や過去を抱えながらも、干渉しすぎず、時には励ます、3人の関係性が読んでて心地いい。

誰しも、料理に、一つや二つ、決して語られるほどのものではないけど、物語がある。そんな人間味溢れる、物語を美味しそうな旬の料理とともに楽しめる小説。

苦い思い出も、季節が何周か巡り、ふとしたきっかけで愛おしい思い出に変化していく。どんなことも、自分の人生だって認められた人間の心には、人知れず、心地いい風が吹く。
人それぞれ、これまでの生き様や背景って必ずあるよなって再認識させられるお話。

なんかわからんけど、また、春に読みたくなる暖かいお話。

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2022年10月13日

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来る、待つ、行くの3人の女性の物語。60を過ぎた彼女らの、三者三様の悩みや想い、抱える過去をつい食べたくなるような季節のお惣菜と一緒に。ついファストフードや、簡単なご飯に走りがちな忙しい毎日を少し反省しました。たまには旬の食材を、何のメニューにしよう、何と合わせようか、誰と食べようか、じっくり考えながら作る時間も作りたくなる本です。

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2022年10月10日

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60代女3人で営む小さな総菜屋「ここや」
3人それぞれに悩みや屈託がありながらも
たくましく生きてゆく

中年女性の恋や悩み、吹っ切れ等
頑張れ頑張れと前に進みたくなる1冊

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2022年04月04日

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ネタバレ

惣菜屋さんで働く3人の女性の物語。
3人とも60歳前後でそれぞれが大人の事情を抱えている。でも表立ってそれを出そうとせず、あくまでいつも通り淡々と働いている感じが、あぁ大人だなと思った。
3人の距離感もいい。かなり個性が強くて一見折り合いがつかなさそうに見えるけど、あくまで素のままで無理してない感じが心地いい。それぞれ事情があるのを察した上で、変に詮索したり気を遣ったりせず、いつも通りの自分で接してにいるのが、上手く回ってる秘訣な気がする。
(こんな大人な3人だけど、だからなのか?進に対してのアグレッシブさがおもしろかった。笑)
スタート時点での郁子の生気のなさが不安だったけど、徐々に元気になっていく様子がわかった。素敵な仕事仲間と美味しい食べ物に囲まれたいい居場所があってよかった。
それにしてもお料理がどれも美味しそう…!旬の食材を取り入れてる感じとか、使ってる調味料とかが、ちゃんと料理をやってきた人たちのそれだなーと思った。かっこいい。

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2022年02月19日

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面白い。主人公3人とも所謂女性の人生の定型(語弊があるのも文句も認める)から外れているんだけど、それぞれにあるドラマが面白く読ませてくれた。この惣菜屋いいなあ。食い物の描写もうまそうで物語に花を添えてる。ひとりで歳とるのも楽しそうじゃん、と思わせてもくれた。ひろうすとあさりフライとキャベツ炒めが食べてみたい。

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2021年11月30日

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惣菜屋「ここ屋」のコーコ、マツコ、イクコのオーバー60の波乱なる穏やかな日常。

御惣菜屋さんの方がメインキャストなので、おいしそうな季節のおかずの名前が次々出てきて「うーん、飯食べたい」ってなるお話です。
女60もこえりゃアレコレ抱えているもので、三人三様の人生模様。米屋の新米バイト進をアイドルに、三人の毎日が綴られる。
じんわり染みたり、キャッキャしたり、ドキドキしたりして、年齢を重ねるのも悪くないと思わせてくれます。
毎日を大切にできないときに読むといいかもしれません。

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2021年08月26日

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美味しそうなお惣菜がたくさん出てきた。60過ぎの3人のお話だったが、もっと若い人の物語に錯覚するくらい、若々しかった。悲しい過去を抱えながらも楽しく笑顔で働く、なんだかんだ仲のいい3人が微笑ましく思えた。素敵なお話だった。

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2021年01月09日

Posted by ブクログ

お互いの嫌なところも認め合っている三人の関係は心地いい。見え隠れする孤独も三者三様の味わい。
明るく陽気に振る舞うほど内面の傷の深さが身にしみて、江子さんのページに胸がキュウッと締め付けられる。それぞれの心にしまい込んだ前に進めない想いは時にせつないが、少しずつ思考と時間、交流を重ねて人生を謳歌する姿は瑞々しく爽やかだった。
時間がかかっても過去から卒業していく人生でありたい。

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2022年07月24日

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料理の描写が巧みで、お惣菜っていいなぁと思わせてくれた。料理と食事を通して、登場人物が気持ちの整理をして行くのが良かった

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2024年05月11日

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生きることは楽ではないけど、ささやかでも自分の居場所があれば、喜びも訪れる。読み終えて少し元気を貰えました。

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2023年08月26日

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ドキドキもハラハラもなく、安心してくつろぐことができます。
お惣菜屋さんが舞台なので、出てくる料理は豪華ではないけれど、丁寧に作られているからこそ今の時代には「豪華」でしょうか。

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2023年04月12日

Posted by ブクログ

★人生ままならないものだということはもうじゅうぶんすぎるほどわかっているのだから、それを裏付けるエピソードの在庫をわざわざ増やさなくたっていいだろう。

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60歳くらいの人たちの話だったから、少し感覚が合わなくて腑におちない部分があった。でも、町で10年以上続く惣菜屋さんに憧れをもったし、ご飯に囲まれた毎日のあたたかさと幸せも感じることができた。

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2022年10月31日

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恋と食い気の物語、少しお年を召した女性が主人公。

主人公は3人。一人一人の内面が、至極現実的な料理とともに描かれてゆく。

ドロドロしたものもあまりなく、読んでいて嫌なものがない。

諸々の事情で数ヶ月ぶりの読書、復帰一冊目には合っていたと思う。

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2022年09月12日

Posted by ブクログ

60前後の女性3人。
それぞれに過去に苦い思いを抱えているが、それぞれどうにか過去を抱きしめて少しずつ安全になっていく。

ちょっとまだそれぞれの気持ちを正確にはわからないけど、それぞれ前向きに生きていくのは希望がある。

おいしそうなお惣菜の話が多くて、近くにこんなお店があればなぁと思った。


※まつこさんのダーリンの怖くなった、という話は、わからんでもなかったけど、白さんの必要以上に優しいエピソードはちょっとなぁと思ってしまった。

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2021年12月15日

Posted by ブクログ

食べ物屋さんの小説なんだけだ、ただ『美味しそう』なだけではなく、人生の世知辛さとかほろ苦さとかのほうが感じられるお話でした。

でも楽しそうだったな。3人で仲良くて。私が同年代になったとき、そんな友達いるんだろうか…?とか考えてしまった。

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2021年08月22日

Posted by ブクログ

三人の女性が、過去とけじめをつける話
ねっとりとした空気が感じられるのは、きっとそれぞれの持つ感情が、濃くて少し粘っこいからではないかな。それでも「毎日を生きている」ことを感じさせてくれる。「がんばればいいことがあるよ」なんて言わないけれど、「生きていくしかないよね」とそう思える。

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2021年04月11日

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ネタバレ

各駅停車しか停まらない小さな町の、ささやかな商店街にある「ここ家」は、オーナーの江子、無愛想な麻津子、そして最近“従業員募集”の張り紙を見て応募してきた郁子の、三人の独り身女性たちが切り盛りする店。
江子は六十一歳。麻津子は六十歳。郁子は二人より年長だが、新入りのせいか年下のように扱われている。
人それぞれに大人の事情があるのだが、共通するのは料理が好きで食べることが好きなこと。
「ここ家」に四季折々のお惣菜が並ぶように、三人の日々にもそれぞれに変化が…


『静子の日常』を読みたいと思いながらなかなか巡り合わせが悪く、『リストランテ アモーレ』に続いて2冊目の井上荒野さん。
タウン誌に“肝っ玉おっかさんたち”などと紹介されるアラ還の女性たちにだって、心の中には熱く燃え盛ったりくすぶったりするものが、ちゃあんとあるのだ。
米屋の若い配達員・春日くんの登場で、三人それぞれにわかに華やいでしまったりするのも、可笑しみがある。
ただ、郁子以外の二人の先輩方の心情には、もうひとつピンとこなくて、何かもやもや。

けれど、お惣菜はとても美味しそう。
文庫の解説が平松洋子さんなのが、何だか得した気分。

最近どうも、美味しい料理やお菓子が絡む本ばかり読んでいるような気がする。読書のあと、作中に登場したアレやコレやを食べたくなるのは困りものだ。

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2021年02月01日

Posted by ブクログ

60代のおばさん3人でやっている惣菜屋さんの話。料理は美味しそうだが、詳しく描かれているわけではない。いつまで経っても女性には恋心が必要なんだな。

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2020年12月18日

Posted by ブクログ

60代女性ってこんな感じなんか…?酸いも甘いも…といった女性という感じではあるけど、ちょっと若々しさが強いような…いくつになっても変わらない感じなんだろうか。同年代になってからまた読んでみるといいのかも

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2020年05月05日

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