感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白かったあ。平さんの作品は「恋愛嫌い」に続き2作目だけどハマリそうだわ。読後感が田辺聖子さんに似てる。というか平成の田辺聖子?
しーちゃんと令子の関係がすごくリアルだ。女同士ってたぶんこんなふうに愛憎入り混じってる。ときどきすごく意地悪な気持ちになって、でも最後はやっぱり愛しくなる。
過去に同じ男を好きになった女が対決する「パクられロマンス」。これはしーちゃんがかっこよかった。他人はあれこれ言うけど、しーちゃんはいつも真剣に恋愛してる。
「俺のコピーになれ」と命じられて体調を崩す直哉の話は、主人公が男だから小説として成立するけど、同じ事を女は常に要求されているのだ。だからちょっとこの程度で胃を壊す直哉は弱っちいな、なんて思ってしまった。
私の身近にもしーちゃんみたいな人がいる。恋愛に関しては(それをあけすけに喋ってしまうということも含めて)私もしーちゃんみたいなところがある。
だから、周囲の常識的な反応が、まるで自分に言われているみたいでむず痒かった。
最後の「亭主差し上げます」はいい展開だった。そうだ、光、もっとやれ。そんなふうに応援しながら読んでしまった。でも夫って憎いようで愛しくて、めんどくさい存在だな。
Posted by ブクログ
バブル世代って羨ましいなー。世代に関係なく根本的な性格の問題なのかもしれないけど。なんにもうまくいかなくたっていいんだって、ちょっと元気もらえる本。
Posted by ブクログ
ハタ迷惑でもムカついても、結局なんだかんだと憎めない。
だってよくよく見て見ると、あの人が“お幸せ”なのか
可哀想なのか・・・良くわかんなくなっちゃうし。
そんな独特の空気を持つ女性・志津子を中心軸とし、
彼女と関わる事になってしまった人たちを語る連作?短編集。
志津子タイプの人は平作品での出現比率がやや高めな気がする
・・・と思ったら、どうもモデルが実在しているらしい。
なるほど。
確かにこんなキョーレツな人が身近にいたら、想定していなくても
物語の中に勝手に入ってきちゃうんだろうなぁ・・・と思った。
「なんにもうまくいかないわ」と思っていてもいなくても、
この短編集読んだら「なんだかどうでもよくなっちゃったわ」
と、なってしまうような気がする。
やっぱり平さんは良い。