【感想・ネタバレ】ミサイルマンのレビュー

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Posted by ブクログ

“鬼畜系”作家・平山氏の初体験本。まさに鬼畜。矢鱈とディティールにこだわる人体破壊は、その風景だけでなく、音や匂いまで詳細に伝えてくる(伝わってくる)。まさに鬼畜。
でもなんだろ、これだけ人でなしのキチガイ話なのに、読み進めていくにつれ、妙に気分が研ぎ澄まされていく。不思議なくらい心地好い読後感。この感覚は初めて。そしてクセになる。
その鬼畜っぷりがいかんなく発揮される「枷(コード)」や表題作「ミサイルマン」もいいが、オープニングを飾る「テロルの創世」は短編SFとしても秀逸。グロ描写苦手な方でも読めるので、まずはここから鬼畜系を始めてみませんか。

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2010年11月10日

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ネタバレ

グログロだけど、どこか幻想怪奇小説のような味わいがある7話の短編集。屈折した愛だったり、タダでは死なない執念だったり、どの話にも強い怨念が溢れている。

■テロルの創世:クローンの悲哀と純愛を描いたSF
■Necksucker Blues:旨い血を求める女とデブ男と純愛
■けだもの:400年越しの父の意思と約束。
■枷:猟奇的コレクションの怪。
■それでもおまえは俺のハニー:純愛ロックンロール。ただし相手はババア。
■或る彼岸の接近:墓場の隣への引越、カルト宗教にハマる妻、不気味な人形、雰囲気タップリのホラー。
■ミサイルマン:ハイロウズの名曲がBGMになっている。デブ女に呪われた男はミサイルになった。

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2023年06月12日

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平山夢明は、"生理的にイヤな話を書かせたら日本で三指に入る小説家"なんだそうです(解説より)。もう本当に気持ち悪い。小説の悪いところは、描写を わりとリアルに想像してしまうことですね。この作品の強烈な描写を、私の脳は律儀に映像変換してくれて、参りました。まぁ、そうと判っていて読んだんだから、ある意味 充分楽しんだ ということでしょう。

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2021年11月12日

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こちらも短編集です。っていうか平山さんの長編作品って『ダイナー』しかないのかなあ。相変わらず好き嫌いがはっきり分かれる作風ですが、もちろん自分は大好きです。そもそも小説って、安易に可視化できずに想像力を掻き立てる類のものほど輝いていると思いませんか?
近未来を舞台にした異色のハードSF「テロルの創世」に始まり、女吸血鬼への愛が哀しい「Necksucker Blues」、こちらも血の物語「けだもの」、コレクター心理を殺人鬼に重ねた「枷」、これこそが本当の純愛と言っていいのか、電話の中で愛を叫ぶ「それでもおまえは俺のハニー」、ありがちなホラーだけどラストが悲しい「或る彼岸の接近」、ハイロウズの名曲をバックにした表題作「ミサイルマン」と、どれも面白く読めました。一番良かったのは表題作かな。ドライブ感が心地よく、穴を掘りにいったシーンなんかは最高に笑えました。

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2020年02月02日

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"短編集。
生きる意味を改めて考える。
少なくとも私の日常とはかけ離れている世界で起こるメロドラマの数々。"

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2018年11月23日

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ネタバレ

『独白する〜』以来の短編。相変わらず上質なエログロ濃縮還元ミックスジュースのごとき味わいで、惚れ惚れしてしまいまいした。中でも、平山流地獄変『枷(コード)』の凄まじさは格別。狂気と人類愛は同時に存在するとき、最大の奇跡は起きるのです(それが素敵なものかは置いておいて)。他にもゲロ臭の中にただよう一筋の希望にこちらまで鼓膜がつんとする『それでもお前は俺のハニー』、海外ホラー映画でおなじみ「幽霊屋敷」を昇華させた『或る彼岸の接近』は実話怪談出身の平山夢明ならでは。彼が繰り返し作品で描くのは「どん底・キ印・クズが行き着く先で見つける人間らしさのかけら」だと思うのですが、それまでのプロセスの異様さ、バラエティの豊かさがすごい。『それでもお前は〜」の夥しい数の黒電話とか、視覚的なインパクトがすごい。

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2018年09月25日

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バイオレンス、グロテスク!
鬼畜系と言われるこの作家。でも、無性に読みたくなる。
強烈な刺激が欲しい方、オススメです!

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2018年03月19日

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平山夢明だなぁ~って言うエグさ全開。
タイトルが曲名とは知らなかった。
なんだか癖になるグロさ。

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2017年12月19日

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ネタバレ

「テロルの創世」なぜかこれだけ読んだことあったけど、好きな作品。この作家さんの作品はグロテスクや狂気の表現が突出しているなかで、純粋に世界観や展開にぞっとする。平山作品入門にもおすすめかと。。
「枷」“顕現”を蒐集するために人を殺す父の話。“顕現”というフィクションであろうものと、それを追及することが当然であることが妙なリアリティを持って存在感を持って、最後の展開までまとめている。この作家さんの発想と、それを小説で実現させる想像力にはドキッとさせられます~
「それでもお前は俺のハニー」キャラクターとともに、語りも粗暴に。極めて限定された世界と価値観のなかで展開される小さなお話、でもその説得力と胸糞悪さはさすが。。最後の展開はそうきたかと。
「或る彼岸の接近」リストラを機に移った家で、怪奇に見舞われる一家のはなし。安寧の基盤である家庭をじわじわと侵食される展開が気味悪かった~
「ミサイルマン」狂った倫理観を狂ったまま、現実的に非現実を描かれるような、変な温度が癖になる。自らの価値観でなんてことなく殺しをおこなう彼らなのに、犯罪の露見を怖れて右往左往する、その感覚の両立が不思議。その結末は結局、社会性や法権力とは隔絶されて展開されるからこそおもしろい。

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2014年09月14日

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『鬼畜系』というものらしいです。
生理的嫌悪感があるグロさ。
でも意外と心理的ダメージのあるエグさはない。
気持ち悪さがそれほど後を引かないのです。
どの話も物語の終わりには何だか爽快感すらあります。
不思議な感覚ですね。
グロをエンタメした作品集です。

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2013年10月21日

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―――凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。
“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。
愛娘を手に掛けたときに現れた、究極の顕現とは?(「枷」)。
オンナをさらっては殺して埋めていた俺とシゲ。ある日、証拠回収のため掘り出した死体には、とんでもない罠が死掛けられていた (表題作)。
魂を鷲掴みにされる、史上最凶の七編を収録。


衝動買いした一冊
描写がそりゃあもう露骨にグロいので耐性のない人は読まないように

でも、そのグロさに時々挿入される比喩表現が
ブラックユーモアをつけたしてるから
グロくても別に平気、って人はぜひ読んでほしい

解説に、「彼は鬼畜系作家」

うむ、確かに

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2012年12月30日

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意外にあっさり読めました。
本書は、短編集ということもあり順不同に読んでみました。
順序としては書評などで「キツ目」とされているものを後に回してみましたが、、、意外に大丈夫でしたね。
電車で読むのはツライのかと予測してみましたけど。
SF、ホラー、エログロが程良く詰まっていて読み応えのある本でした。

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2011年09月27日

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やっぱり面白い。世間では鬼畜系と呼ばれているらしいが、まったくその通りだと思う。

なかなかこの本の文庫が出なくて、単行本を買ってしまおうか迷っていたが、最近やっと文庫化されたので即、購入した。
この本は短編集で、独白するユニバーサル・・の続編みたいな感じ。
中でも気に入ったのは「それでもお前は俺のハニー」と「ミサイルマン」の2つ。
「ミサイルマン」に関しては普通に笑いながら読んでしまった。
笑いのセンスもイカしてます!
個人的にはちょいグロお笑い系と呼ばせて欲しい。

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2010年09月06日

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短編集。短編上手いですよねこの人。鬼畜っていうかなんていうか、沙村広明と大変気が合うんじゃないかと思われ。組んだらいいんじゃないかきっと。

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2010年03月08日

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粗筋:「俺」ことツヨシは、相棒のシゲとたまに「うっぷん晴らし」をしていた。「うっぷん晴らし」ってのは、テレクラで引っかかった女を二人で惨殺することだ。惨殺する時は、いつもバックでシゲの好きな、HIGH-LOWSの「ミサイルマン」がかかっている。しかしある時、シゲは殺った女が自分の財布を掏っていたことに気付かずに、女を埋めちまった。俺達は腐った女の屍骸を掘り出し、財布を取り戻した。だがその日から、シゲの右半身は腐った様に変色し、膿の出る肘からは、得体の知れない文字の書かれた紙も出てくるようになった。シゲが「呪いをかけられたんだ」と主張したから、俺達は再び女の屍骸を掘り出しに行ったが――『ミサイルマン』。妻子と共に、ある家に引っ越してきた「私」。その家は周囲をトタンで囲まれており、異様な雰囲気を放っていた。「私」達はそこで暫く暮らすが、妻の様子が見る見る内におかしくなっていく。更にタクシー運転手の「私」のタクシーには、異様な風体の客ばかりが乗るようになり、しかも彼らは「私」の家の前で降り、降りた途端に姿を消すのだ。「私」は遂に、家の周囲を入念に調べ始めるが――『ある彼岸の接近』。カテゴリ不能の作品が、圧倒的描写力を伴って襲来する。閲覧注意、中毒注意。

感想:前回の『独白するユニバーサル横メルカトル』は、このミス1位という「ブランド」がついてしまったため、夢明作品に合わない人々までもがそれを読んで、気分を害してしまったことでしょう。だからこそこの作品は、夢明作品に耐性のある人、及び耐性を持てる人だけが、感想を書いて欲しいと思います。夢明作品の魅力と言うと、グロテスクかつ緻密な描写です。小林泰三や田中啓文の様に、凄まじくアイデアが飛び抜けているわけではありませんが、その文章の「引き込ませ」具合は身震いする程です。

 「独白する・・」と本書では・・・どっちも好みなんで何とも言いがたいですが、どちらも人にはオススメできないことで共通してます。

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2010年02月28日

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相変わらずグロイ。“枷”は、独白する~に近い感じ。きつい拷問。でも意外とすっきり。最後の“ミサイルマン” は内容も雰囲気も洋画って感じだけど、独特のじめっぽさがあって気持ち悪さがすごい。

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2017年10月11日

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『人を喰うモノたちの物語』

個人的にはこの本には、面白いけれど、良くも悪くもあっさりとしていて、食い足りない、あと一押し欲しかった本という感想を持ちました。

構成としてはSF的だったりホラー的な物語を7編集めた短編集です。

内容としてはグロテスクな物が多いのですが、物語内ではそれが当然の事のようにあっさりと書かれている物が多く、あまりグロテスクには感じない不思議な作風です。

個人的に面白かったのは「枷」、好きなのは「それでもおまえは俺のハニー」「或る彼岸の接近」です。

「枷」では主人公の拘りの為の作業が(良い意味で)おぞましい所が、「それでもおまえは俺のハニー」では駄目な人間が自分なりに突っ走る所が、「或る彼岸の接近」では弱さを持つ人間なりに最後まで思いやる所が、それぞれに印象に残りました。

全体の感想としては、この本に収められている短編はインパクトのある環境設定に変わり者ながらも感情を持つ登場人物を置いてショッキングな出来事を展開させており面白い短編集でした。
しかし、短編であるからなのか、それとも作風からなのか、衝撃的な出来事が展開されても余韻が少なくあっさりと終わるといった印象を感じました。
総じて面白いだけに、個人的にはもう一押し欲しかったという感想です。

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2014年12月08日

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平山夢明のぶっ飛んだ世界観は大好きなのだが、自分のような凡人には少し理解不能な時がある。最初の三作は最後まで読み切れなかったが、その後の作品はすべてとても面白いという好みの違いが歴然とした一冊だった。

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2014年06月16日

Posted by ブクログ

平山夢明先生、連読み、とりあえずのラスト作品。
『独白する~』は☆4に近い3。『ミサイルマン』は☆2.7とか2.8の3。単体で好きなのは「枷」「それでもおまえは俺のハニー」。相変わらずの鬼畜系(笑)にホラー、SF…と今作も作風様々。
『独白する~』と読む順番が、逆だったら、印象が変わっていたかもしれない。また、この本に関しては、順番を無視し、ランダムに読みすすめたので、感じ方も変わったのかな?
後日、頭~流して再読してみるか…。

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2013年05月15日

Posted by ブクログ

相変わらずの良い意味での胸糞の悪さ。とことん目を背け続けて結果首が一周して見てしまってるじゃん、結局見たいんじゃん、という所謂自分の鬼畜性(?)を再認識。
短編でもプロットはほんとしっかりしてるので、次は長編作品を読みたい。

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2011年04月30日

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相変わらずらず、人間のエグイ処が出てきます。
(暗黒面とか恐怖とかでは無いのがミソ)

”どこまでもトンデいって下さい”と言いたくなる奴らばっかり。
疲れてるときに読むと、体に悪いかも。

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2010年11月17日

Posted by ブクログ

「テロルの創世」「ネックサッカーブルース」「けだもの」「枷」「それでもまえは俺のハニー」「或る彼岸の接近」「ミサイルマン」収録。愛知岡崎から東京品川までの鈍行の中で読んでいたけれど・・電車に酔いそうになってしまった。でも、「枷」からの後半はいくらグロくてもなんか好き。『独白するユニバーサル横メルカトル』でも思ったけれど、やっぱりSF部分が濃厚な話は苦手みたい。共感する部分があるといったらちょっとヤバイ人みたいだけど、収集するには枷が必要な心理とか、純粋に彼女を愛してるところとか、テレクラでひっかけた女にウンザリするところとか、ツヨシとシゲの友情だとか、身近だから読みやすい。ちなみに今回一番読んでてグロかったのは「枷」。生かせながらどうこうするというか、拷問系はやっぱりキツイ。

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2010年09月10日

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