【感想・ネタバレ】社会的ひきこもりのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

まさに、発達障害のある長男が、高校2年冬から急に
不登校 → 引きこもり → 転校...何とか通信制高校を卒業(←いまここ)。

引きこもり関係の教育テレビや新聞記事で、何度もお名前を拝見していたので、大型書店で探して購入。

実際に接している肌感覚からすると、齊藤先生の言葉やアプローチは、わが家の場合、まさに本物です。

具体的には
実践編 p110~
「そこにある」ことを認める
努力と激励の限界
一方的な受容の弊害
外傷の体験と回復
ひきこもりにおける他者との出会いの欠如
なぜ治療が必要か....

に書かれている内容が、身震いするほど共感します。

ひきこもりを「成熟の問題」と言語化し、定義されていることに、強く感動します。

かかりつけ医師や相談室所員の勧めてくる「完全受容」だけでは、家族を自分の手足の様に使うだけで、更に困難になってくる感触があります。

暴力も、下手な対応をすると、エスカレートしていきます。

家族が、いかに対等に、冷静に、本人と向き合い続けて、長期戦を乗り越えていくか...「他者による介入」をいかに有効に使うか...

対応に困っている多くの家族の方、関係機関の方々に、広く理解してもらいたい内容です。

0
2019年02月23日

Posted by ブクログ

読みやすくてわかりやすい本です。
内容がこんなに素晴らしいのに安価で、コンパクト。

社会的ひきこもりの本を探している専門家も、一度は目を通しておくべき良本だと思います。

0
2011年09月24日

Posted by ブクログ

著者はひきこもりの専門医である。引きこもりとはという定義から始まり、引きこもりは病気といえるか、など語られていく。まず、引きこもり=無気力ではない、ということ。これは一般に誤解されがちなことで、私も本書を読むまではそう思いこんでいた。最後の引きこもりからの脱出過程でインターネットが役だっている箇所が興味深かった。最近では30代以降の引きこもりが増加する傾向にあり、これは就職難から来る理由も考えられる。いずれにせよ、他人に寄生して いるわけだから、両親が年老いていくと引きこもりにも、何らかの将来設計を立てねばならなくなる。この点に現時点では対応が難しいようだ。

0
2023年02月23日

Posted by ブクログ

初めてこの本を読んだころは今ほどひきこもりがメジャーじゃなくて、不登校が増えているという統計は知っていても、その数字達がどんな生活をしているかなんて知る由もなかった。
これを読んで、初めて自分だけじゃなかったんだと思えた。
怖くてなかなか再読できないけれど、書いてくれたことに感謝している。

てことで贔屓目の★5

0
2012年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者のことは「100分de名著」の特番を観て初めて知った。著者の著作を何か読んでみたいと思って読んだ本。精神科医がひきこもりについて書いている本だったので読んだ本。著者の著作の中で初めて読んだ本。ひきこもりについて読んでいて参考になった。この本を読んでひきこもりには他の精神病と同様に家族の理解と協力が大切だと思った。DV対策のところが読んでいて特に参考になった。著者の他の著作も読みたいと思った。ひきこもりの人が身近にいる人に読んで欲しい本。20年近く前の本なので、著者の最近書かれたひきこもりについて書かれた本も読みたいと思った。

0
2018年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ひきこもりの数は減少するどころか、より長期化して社会的病理にまでなっている。それはこの「病」が個人的な疾病を超えて、家族や環境にも原因があるからだ。この問題を扱った本は少なくないけれど、「ひきこもり」と「精神疾患」との線引きがどうも明瞭でなく、どういう状態になったら医療を頼るべきなのかがわかりにくい。そのために本人も家族も「次の一歩」を踏み出せないでいる場合が多いように思う。
 そして本書では、こういう家族がますます「閉じて」いってしまうことが、何よりも問題の長期化の原因であると指摘している。そして「治療」はまず家族だけでも「精神科」に相談すること、と明示してあるところがわかりやすい。精神科の選び方、本人の診察に行き着くまでの経過などについても、他のこれに類する本に比べればかなり丁寧に示されている。
 1998年の時点でこういう内容の本があるにもかかわらず、この問題が未だ進展を見ないでいるのはやはり「家族」が情報に対しても「閉じて」しまっているからなのだろうか。
 

0
2015年09月26日

Posted by ブクログ

今、現在でも充分にありえるような、事例や母子関係の事も丁寧に書かれています。

そして、傷つけあう親子の描写が伺えるだろうこのテーマ

そんな仲、守ろうとする気持ち、親という味方すら介入が時に不可になるという根の深さもよく描かれていると思います。

0
2012年10月31日

Posted by ブクログ

内容に全く古さを感じなくてびっくり。注意深く思慮深く書かれているように感じられるのが好印象。システム理論的な捉え方と、最後の方にある教育に対する提言に賛同。

0
2012年08月25日

Posted by ブクログ

外にでることに強い恐怖があれば、こわい。家からでたくない、でれない、となるのは、それは守りであり、弱さという表現とは違う次元の話しだと思う。

0
2010年02月11日

Posted by ブクログ

社会問題ともなっている、引きこもりについて書かれた本です。不登校問題についても少し触れられていますので、是非一度お読み下さい。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

すぐ側に微妙に引きこもりな人間が居るので、いろいろと興味を持って読んでみました。その結果、ひきこもりじゃないとは思いましたがwただの出不精だ(−−;

まぁ、ひきこもりだとしても俺には何の手助けも出来ないわけだが。この本曰く、兄弟の手助けはむしろ邪魔とのことでした。
ひきこもりになっていく様子や、ひきこもりの病理(ただの鬱ではない)などがわかって面白かったです。ひきこもりに対する見方がちょっと変わりました。
この著者の斎藤環さんの他の著作に「戦闘美少女の精神分析」が並んでて、あー、この人かと。たしかゲームラボでオタクに一番詳しい精神科医って言ってた人だよなァ。ひきこもりとかは得意分野だろうなと納得。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

約20年前のものなので、用語は読み替えが必要なところはあるが、ひきこもりシステムを分かりやすく説明している。ただ、結局、治療という名の下に「会話を豊富に」「本人も治療に参加」など、氏が後に紹介するオープン・ダイアローグに至る前の準備資料のような感じ。

0
2019年06月08日

Posted by ブクログ

○本の概要

社会的ひきもりという新しい現象について、その原因や実態について解説しつつ、対処法についても紹介。現在の日本の教育システムにも疑問を呈し、今後、社会的ひきこもりを巡ってある医療や教育のあるべき姿についても一考する。


*社会的ひきこもりの原因は複雑に絡み合っており、シンプルに捉えることが難しい。そこで、「引きこもりシステム」という捉え方を行う。個人、家族、社会という3つの観点から、原因を考え、対処していくことが大事

*引きこもりの当事者への対処は、非常にアドラー心理学と近いような信条に基づくものである。まずそこに居ることを認めることが大事。引きこもっている現状を否定せず、そこに居ることを認め、コミュニケーションをとっていく
・まずは挨拶から行う。できる限り可能なタイミングでは声を書ける
・説教、罵声、非難などはしてはだめ。辛抱強くコミュニケーションを取り続け、誘うように働きかけを続けること
・本人がいなくても、まずは親だけでも通院するといい。「あなたのことが心配なので、病院に通っている」と声をかける
・必ず、病院に行く日の朝に「今日一緒にいかないか」と声をかける。前日に声をかけるのは、実際に出かけるまでにじかんがあるため、不安が募り、断られるケースが多い

*基本的心構え
・信じてまつ姿勢
・北風よりは太陽
・干渉を避けて見守る
・愛よりは親切
・非難されても腹をたてず、十分に聞く
・本人の劣等感を気にしない
・お金は渡す。金額は一緒に相談して決める。「必要に
応じて渡す」というケースになると、問題化しやすい

*社会的ひきこもりのケースのほとんどは男性であり、著者自身も受け持ったケースの8割以上が男性であった
・男性は女性よりも学校や社会において期待されることが大きく、それによって苦しむことが一因として考えられる

*暴力はきっちりと拒否する。それは専門家の指示を仰ぎながら、回避行動を取るべし

*不登校の多くは自然に回復する。その一方で、社会的ひきこもりの最初のきっかけとなる原因のほとんどが学校への不登校である

*社会的ひきこもりへの対処としては、経験豊富な医者の指示を仰ぐことが重要で効果的であるものの、医者の提言をすべて受け入れ実行できる親は多くない
・人は習慣を変えることが容易ではない

*半年以上引きこもりを続けるならば、何かしらの治療行動を起こすべし。

*引きこもっている本人が一番引きこもっている現状を問題視している。したがって、そのような現状について正論んで問いだしてはいけない。憎しみを生んでしまう。



*まず家庭内暴力を沈静化させてから、社会的ひきこもりに対処できるようになる
・家庭内暴力においては、母親が犠牲になることが多い

*社会的ひきこもりのケースの、役半数が家庭内暴力を含む

0
2018年11月24日

Posted by ブクログ

長年臨床の場で「ひきこもり」問題の事例を見つめ、また解決に向かっていた医師が著者。

1998年が第一版。

「ひきこもり」の症状などに関する理解が第一部で理論編となっており、第二部では具体的にどう向き合っていくかという実践編という構成になっている。

最近(2009年)では、あまりひきこもりが社会的問題として取り上げられることは少なくなった様に思う。
それはそういった事例が減ってきた、ということなのかそれとも単に社会がそう言ったことに興味を失ったのか、はわからない。
しかし現在ニートと呼ばれる人々の中には、ある程度このひきこもりと置かれている状況が似通っている人もいるだろう。

この本の中で著者は「ひきこもり」という現象を「個人の病理」ではなく社会システムや家族が抱える病理として捉えている。それは実際的な原因がどうか、ということよりもひきこもりの状態に陥っている人間が社会に復帰するためには、家族や社会との接点の回復がどうしても必要になってくるからである。

「社会的ひきこもり」は不登校からの状態維持によっておこる場合が多い。

また単純にひきこもりそのものの問題よりも、それによって引き起こされる二次症状の方が問題が大きいように思う。
「対人恐怖症」「脅迫症状」などの症状により、いっそう社会に復帰することが困難化し、循環するシステムの様にひきこもりが内側に閉じていく。

興味深いのは、ひきこもる若者の大半が男性である、ということだ。

著者は競争を避けることで、男性のアイデンティティが発展しにくいという社会の現象をそこに見ている。確かに一時期過度に競争を忌避する教育現場があったことは確かだ。もちろんそれは教育だけが問題なのではなく、それを是としていた社会そのものの問題があると見るべきなのだろう。

0
2018年10月09日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
三十歳近くなっても、仕事に就かず、外出もせず、時に何年も自分の部屋に閉じこもったまま過ごす青年たち。
今、このような「ひきこもり」状態の青少年が増えている。
「周りが甘やかさず、厳しく接するべき」といったお説教や正論では、深い葛藤を抱えた彼らの問題を、けっして解決することはできない。
本書では「ひきこもり」を単なる「個人の病理」でなく、家族・社会から成る「システムの病理」として捉える視点から、その正しい理解と対処の方法を解説する。

[ 目次 ]
第1部 いま何が起こっているのか―理論編(「社会的ひきこもり」とは 社会的ひきこもりの症状と経過 さまざまな精神疾患に伴う「ひきこもり」 社会的ひきこもりは病気か ほか)
第2部 「社会的ひきこもり」とどう向き合うか―実践編(正論・お説教・議論の克服 家族の基本的な心構え 治療の全体的な流れ 日常の生活の中で ほか)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

0
2010年06月30日

Posted by ブクログ

「ひきこもり」の解決に電子メールなどが役に立つのだろうかと思い読んでみた。その答えを見いだすことはできなかったが、ひきこもりのメカニズム?や対処方法については理解できた。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

精神科医によるひきこもりの考察とその対処について。自分に対してあてはめることは心理学においてはタブーだが、どうしても自分に当てはめていろいろと考えてしまう。ということで、周りの友人に当てはめて考えてみたところ、一名、軽くひきこもっている友人にかなり当てはまる事実が書いてあった。読んだことを踏まえてアドバイスしてみよう。

0
2009年10月04日

「学術・語学」ランキング