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Posted by ブクログ
ここ数年の企画展でその名を広く知らしめた、渡辺省亭、小村雪岱、吉田博(残念ながら私はどの展覧会も行けなかった!)といった「商業美術家」たちを、日本美術史に位置付け直して紹介する一冊。名前と作品は見知っていた省亭や雪岱の立ち位置を改めて理解でき、新たに、間をつなぐ「キーマン」柴田是真や伊藤彦造といった画家を知りました。私の大好きな新版画についてもたっぷり。最終パートには田中一光やつげ義春も登場。
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もうひとつかどうかは分からないが,当時はそれなりに脚光を浴びていたのに今は忘れられている画家達に焦点を当てて,それが流れとして捕らえられる.キーワードとして商業美術家としたのはとてもいい着眼点だと思った.
絵もたくさん挿入されていたので分かりやすかった.
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<目次>
パート1 商業美術の到達点
第1章 花鳥画の名手はなぜ忘れられたか
第2章 美人画の巨匠と知られざる名工
第3章 江戸の美意識はいかに受け継がれたか
パート2 浮世絵から新版画まで
第4章 浮世絵というターニングポイント
第5章 「芳」の絵師たちから美術史を見る
第6章 維新後になぜ挿絵文化が花開いたか
第7章 大正期の新版画は何を目指したのか
パート3 戦後の商業美術へ
第8章 デザイン・イラストの革命児たち
第9章 つげ義春の原画は、将来国宝になる
第10章 自分の「眼」で見るということ
<内容>
江戸期の浮世絵から明治~現在の、本の挿絵やポスター製作、現在のイラストや漫画に至るまで、展覧会に出るような作品ではなく、でもすばらしい作品を紹介したもの。最終章でいうように、誰かさんが評価したものに追随するのではなく、「自分の眼」でよいものを見つける努力を、その時には人の評価を気にせずに行くこと(難しいものだが)が必要だという。