【感想・ネタバレ】赫衣の闇のレビュー

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Posted by ブクログ

「黒面の狐」「白魔の塔」の間になる物語。敗戦直後の闇市を舞台にしたミステリ。
足を踏み入れた者が迷ってしまう「赤迷路」に出現する怪人「赫衣」。かつて起こったという米兵ジャックによる猟奇殺人。不穏な噂をなぞるかのように起こった凄惨な殺人と、その後も赤迷路の中を跳梁する怪人の影。この時代独特の重苦しさを背負っているせいもあって、実に陰鬱で禍々しい雰囲気がたっぷりです。このような時代があったのだということが、現代の人にはなかなか信じられないかもしれません。
密室殺人の謎、路地で消えた怪人の謎等いろいろと謎解きのポイントはありそうに思えますが。しかし一番の謎は動機だったのか……これもまた、現代ではなかなか考えにくいことだけれど、当時でなら理解されるものだったのかもしれません。あまりにやりきれなくって、恐ろしくもありました。
ああしかしそれにしても、赤迷路の中を迷ってしまうシーンの描写がやはり怖いったら。あの足音がね……イメージするだけで鳥肌ものです。

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2022年03月08日

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時系列的には白魔の塔の前日譚にあたるのかな?
犯人やトリックは予想したものでは全くなかった。
そういうところよりも戦後すぐの日本の状況が事細かに描かれていてそちらの方が興味深かった。

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2022年02月26日

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ネタバレ

戦後の闇市
都市伝説?妖怪?
民俗学を波矢多が学び始める!

個人的には赫衣をもっと掘り下げて欲しかった。
犯人は刀城言耶シリーズのように何度もどんでん返しはない。
あっという間だった。。

まさか容疑者がそのまま犯人だったなんて。
私はずっとアケミが犯人だと思っていた。

被害者が妊婦ってのも読んでて腹が痛くなる思い…

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2022年01月19日

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ネタバレ

面白かった。戦後の風俗が詳細に書かれていて、知識的にも興味深い本だった。赤迷宮の雑多でこの世とあの世の間のような神秘性があるのがワクワクした。

今回はホラーとミステリーの割合がちょうど良くて私的にすごくよかった。三津田さんの本は結構ホラーと結構ミステリーのどちらかに寄ることが多いので、個人的に面白いかどうかはバランスによる。

新市、アケヨ、伊崎巡査など。好みのなキャラクターが多かったな。こいつらがストーリーを明るくしてくれてる気がする。

それにしても物理さんのお仕事シリーズ、とても好きです。

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2022年08月31日

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物理波矢多シリーズの第三弾。ただ時系列的には黒面と白魔の間のお話。白魔の冒頭で東京の闇市でのお話が示唆されてましたねそういえば。
面白かった・・んですが、相変わらず解答編が極端に短い。謎解きっぽいことをはじめた段階で、え?もう残りページほとんでないよ?と余計な心配。電子書籍だとこういう心配はなくなるんでしょうかね?で、駆け足で解答終わっちゃうので、なんというか、こう余韻みたいなものが・・・
微妙に伏線めいたものが残ったようななんともいえない感じ。清一くんのなんとも思わせぶりなラストとか。今後のシリーズへの布石だったり・・・はしないか。
そしてジーンズを履いた民俗学好きの青年まで登場しましたからね。なんかちょっと無理やりっぽかった気もしましたけど。

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2022年03月10日

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敗戦直後の混乱期の日本社会の描写が興味深い。近年「戦争孤児」の方々の記憶が語られるようになり、NHKの“駅の子”や“戦後ゼロ年”“東京ブラックホール”等戦後史を扱った番組を通じて再度戦後史に関心をもっていたので興味深く楽しめた。
終盤「ジーンズパンツが似合う青年」が....

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2022年02月21日

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物理波矢多シリーズ第3弾。今回は戦後の闇市が舞台で、どちらかというとホラーよりミステリ寄りな話である。
『黒面の狐』の事件後、物理波矢多は友人の依頼で闇市に出没する「赫衣」と呼ばれる怪人の正体を調べることに。しかしそこで凄惨な殺人事件に遭遇し‥
闇市の歴史や当時の食糧事情、風俗などがよくわかって面白かったし、「赤迷路」と呼ばれる闇市の魅力や不気味さがよかった。密室や犯行後に消える犯人の謎は物理的にはそれほど驚くことはなかったが、この時代ならではの心情を思うと切ない。

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2022年01月23日

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物理波矢多シリーズの3弾。旧友の新市の頼みから闇市に出る赫衣の謎を探る。
戦後の混乱期の時代考証がすごいというか、ミステリというよりは時代小説のように感じた。殺人事件の謎も曖昧な感じだったので余計に。
最後の方で出てくる青年とのからみ、次回作でもあるといいな。

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2023年03月07日

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 炭鉱夫から灯台守へ転身するその間、旧友に誘われ物理が訪れたのは赤迷路と呼ばれる闇市。戦後の復興の中で人々が飢えを凌ぐための手段として発達してきた裏マーケット、混沌としたその街で“赫衣”と呼ばれる怪人が人々を襲うのだという。細道で行われる一連の事件、犯人はいかにして衆人の目をかいくぐり逃げ果せたのか

 物理波矢多シリーズの3作目。時系列は前作と前前作の間にあたる。今作は闇市という場を舞台に当時の商売とGHQと朝鮮人との微妙な関係に触れ殺人事件を描く。当時の価値観や世相をもっての動機、歴史ミステリとしてまた一段と味が出てきた。

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2023年03月02日

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このシリーズ、相変わらず戦後日本の時代考証には舌を巻くものがある。 それをホラーの中に取り込み興を削ぐ事なく伝える手腕には感服しきりで、
寧ろ、それを訴える為の作品なのでは?と思うほど。

総じて、『国』と言うものの身勝手さを痛感したし、それはどうも現代も変わっていないようだ。

さて、
本編の方は事件そのものは非常に凄惨なものの、
オカルトやや弱めで、個人的には少し物足りなかった…けれど、主人公と『彼』が合間見えるというシリーズのファンであれば思わずほくそ笑むシチュエーションがあり、これはこれで楽しめる作品だった。

しかし、この国に限らず世界中がカオスの只中にある現代、仮に有事が起きた時、作品の時代の人達の様に我々は激しく逞しく生きることが果たして出来るのだろうか?
そう言ったことを問われているようにも感じた。

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2022年10月21日

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ネタバレ

引っ張ったわりには犯人は心身喪失状態で自殺したから真相は不明?動機は人種差別?とスッキリしない結末。
次作は海が舞台ならタイトルには絶対青か蒼が入るね!間違いない!
え、誰でもわかるって?

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2022年09月26日

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物理波矢多シリーズ第三弾。時系列的には二作目の白の前の話。白がかなりホラー色が強かったのに比べると、一作目の黒に近いかな…。でも、最終的にはいつもの如くある程度の解決はつくけど、解決がつかないホラー的な部分もありって感じでした。時代背景のせいもあるのでしょうが、とりあえず全体的に薄暗い。あと、特筆すべきは違うシリーズのあの作家兼素人探偵がちらっと登場することですかね。

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2022年03月23日

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ネタバレ

物理波矢多シリーズ3。時系列的には、前作『百魔の塔』の前にあたる。
終戦直後の闇市や戦災孤児・女性たちの生きざまが描かれている。ここだけでも十分読む価値があると思う。
ミステリというよりは、戦後史を読んだ気分。

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2022年03月16日

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物理波矢多(もとろいはやた)シリーズ第三作だが、時系列としては第一作「黒面の狐」と第二作「白魔の塔」の間の事件ということらしい。

これまでの二作品の舞台は炭鉱と灯台という、いわば僻地だったのだが今回は東京の闇市。<宝生寺>という地区にある、通称『赤迷路』という飲食店街。
そこには以前から『赫衣(あかごろも)』と呼ばれる不気味な赤い男が女性を追いかけるという噂があった。

波矢多は大学の同期生・熊井新市(くまがいしんいち)からの依頼で、『赫衣』の謎を解き『赤迷路』の不吉な噂を一掃すべく『赤迷路』の世話役・私市(さきいち)吉之助が営む私市遊技場(パチンコ店)を訪れたのだが、謎の解明を始めた直後、その遊技場内で残酷な事件が起こる。

今回は密室祭り。遊技場内で起きた殺人事件では室内の施錠に加え、建物の外では何人もの人々がいて衆人環視もあり、二重三重の密室状態になっていた。
そして続く第二、第三の『赫衣』が女性を襲った事件(幸い軽いけがで済んだ)では、現場周辺の全ての路地には誰かがいて怪しい人物はいなかった。つまりこれも一種の密室状態。
波矢多は期せずして『赫衣』事件だけでなく密室の謎も解くことになった。

ということで密室好きの私としてはワクワクしてきたのだが、肝心の密室の謎については思っていたのとは違っていた。残念。
しかしこの作品では密室トリックよりもなぜ妊婦が狙われたのか、ということだろうか。そして第一の殺人ではなぜここまで残酷なことをしたのか、その理由が肝だったのだろう。

事件そのものやミステリー部分よりも、闇市の成り立ちや終戦直後の状況についての記述が興味深かった。
闇市が駅周辺に多いのは単に交通利便性ということだと思っていたが、建物疎開が大いに関係していたのはなるほどと思った。

そして今の時代では考えられないような人権無視が当たり前のようにあったことも改めて考えさせられる。
差別や人権蹂躙という問題は、社会が平和で生活がおちついているから皆が考えられることであって、終戦直後のような皆が食べることに必死で自分が生きていくことが精いっぱいだった状況においては、そのようなことは二の次になってしまうのだと感じた。
図らずも現在世界は大変なことになっている。こんな時だからこそ助け合い思い合うことが出来れば良いのだが。

三津田さんファンとしては刀城言耶がチラッと登場してくれたのが嬉しい。『赫衣』という、まさに言耶好みの謎めいた噂なのだから彼が調べに来ない筈はない。
この後、波矢多は『白魔の塔』事件の舞台へと向かう。

※シリーズ作品一覧
①「黒面の狐」
②「白魔の塔」
③ 本作
(いずれもレビュー登録あり)

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2022年03月09日

ネタバレ

いつもより、、

いつもの三津田さんより、淡白な気がしました。決してつまらないわけではないですが。怪談様子も少し薄めかな?と感じました。

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2022年01月27日

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