【感想・ネタバレ】遠慮深いうたた寝のレビュー

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Posted by ブクログ

伊万里焼に藍色で絵付けしてあるような質感の装丁に手を伸ばした1冊。
『博士の愛した数式』の小川洋子さんのエッセイ集でした。

老いを感じ、ジョギングをして、ミュージカルの推しを持ち過ごす中で小説家の感性や想像力の凄まじさを感じ、この人も神様から特別に愛されてる人なんだと実感しました。
阪神ファンで忍耐力を養ったあたりも活かされてるような。
犬派なところはちと距離を感じるのですが・・

この人を前にして感想を書くなんておこがましすぎる。
そんな思いに、「ふと」の2文字を使ってみたくなる暴挙にも出たくなる。あまり使った事ないので、ふとの女王の蟻地獄に滑り落ちる価値もないのかと卑下したりです。

とにかく、文章の至るところに神経を張り巡らせている緊張感、浅はかな者が触れたら火傷しそうです。
官能とユーモアの共存についてのエッセイは観察眼に震えてました。
特に心に響いたのは、「答えのない問い」なのですが小説を読んで、退屈、共感できない、意味不明など様々な言葉から本を閉じてしまう行為。私はよくありますけど、それは芸術を否定する行為との厳しいご指摘が迫ってきました。
分かる分からないかにこだわる行為は実に勿体ないと、自分が理解できる範囲はたかが知れており、その狭い枠を取り払って広大な世界に足を踏み入れなければ真実にたどり着けないとおっしゃってました。
なんと気高い志であろうか、そんな境地に行けばもがき苦しむ事になるとは思うのですが、それは死すら受け入れる行為に等しいのではないかと・・・完全に打ちのめされました。
彼女の「ことり」と「小箱」も読んみたく思いました。
そうそう、彼女の偏愛書「西瓜糖の日々」何度読み返しても読みおわり感のない小説らしいのですがこれも開いてみたい。

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2023年04月07日

Posted by ブクログ

小川洋子さんのものの見方とか出来事の捉え方、表現の仕方が本当に好きで、こんなふうに自分の周りの世界を感じ取れるようになりたいと読むたびに思う。
本作は日常生活のなんてことない瞬間とか、推しを推す楽しさとか、好きな本や作家さんのこととか、より身近な内容が多くて面白かった。

応援熱年齢比例説、わかりみが深すぎて思わず笑ってしまったな……!

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2022年06月13日

Posted by ブクログ

2022.11

陶器のようなつるんとした表紙と
「遠慮深いうたた寝」という
タイトルに惹かれて買った本
やさしくてまろやかで上品さを感じる雰囲気
"P228答えのない問い"でぽろぽろ泣いた
本棚に迎え入れて良かったです

好きだった作品
P23 小人か妖精の仕業(切符の紛失)
P55 生きる力
(誰かを応援する心で、生きる力を得ている。)
P63 大人になること
(自分の意志とは無関係に、自分の一部と別れなければならないのだ。/声変わりについて)
P90 読者の働きがあってこそ
(最後のひと葉、再読について)
P96 手芸と始球式(小さな幸せについて)
P178 言葉と小鳥
P228 答えのない問い(わからないこと、ホロコースト)

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2022年04月05日

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ほのぼのとしていて優しい、江國香織さんのエッセイとどこかしら似ている雰囲気です。

本書は、神戸新聞でのエッセイのタイトルをそのまま使っているそうですが、このタイトルの意味が終始気になっていました。
この謎は、あとがきで説明されていました。郷土岡山の敬愛する内田百閒さんが関係しています。

小説家の観察眼は凄いなといつも感じますが、こんなことを考えながら見てるのかと思ったのが、病院の待合室の赤ちゃんの話。
自分の耳をずっと触っている赤ちゃん。
私だったら、たぶん耳がかゆいのかな?くらいにしか思いません。
ところが、小川洋子さんが見ると、

「こんなところに…」という感じで、耳たぶを折りたたんだり、引っ張ったりしている。
適度に芯があるのに柔らかく、複雑な輪郭を持ち、自在に形を変えてもすぐまた元に戻る。
「いったいこれは何なんだ」
この世に生まれてまだ何カ月もたっていない人間が、大きな謎と直面した瞬間に私は立ち会っている。

となり、同じ光景を見ているのに見えている世界が違ってきます。

このエッセイには、阪神タイガースや岡山県のことが出てくるので、個人的な興味が惹かれ読みやすかったです。

また、ご本人の小説に関係する逸話もずい分ありました。

「ことり」のモデルになった文鳥の"ブンチャン"は8年も生きた。
「ブラフマンの埋葬」ほど、のびのびと書けた小説はない。
「最果てアーケード」は、小さい時の思い出から。
とか「琥珀のまたたき」や「小箱」についても書かれていました。

「きかんしゃやえもん」は、最も多く声に出して読んだ本で、なぜかというと… とか、好きな本のエピソードも何冊か紹介されています。
きっと、小川洋子さんに関係した本を何冊か読んでみたいと思うでしょう。


最後の方に「みんな気を付けて!」というようなことが書かれていました。
誰もが経験あると思いますが、私自身が今でもそうしそうになることです。

『小説を読んで、わけが分からない、とつぶやきながら表紙を閉じることは、よくある。
分からない=つまらない、となり、ピンと来ない、退屈、共感できない、認めない、意味不明……。
さまざまな言葉で芸術は否定される。
若い頃は自分もそうだった。自分が基準で理解できないと感じた時点で自分とは無関係と決めつけていた。』

『自分の価値観だけを物差しにして、他者を容赦なく切り捨ててゆく"ツイッター炎上"のニュースは気分が暗くなる。』

みな自分基準で生きているに違いないですが、自分を正当化しすぎる姿勢は、自分を小さな世界に閉じ込めることになりそうですね。

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2022年02月26日

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本棚にいつまでも飾っていたい、
手に取りたいと思わせてくれる装丁。

読み終わるのが勿体無いと思わせられる雰囲気。
さまざまな想いを追体験させてくれる貴重な一冊。

小川洋子という小説家のイメージにマッチした一冊。

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2022年02月25日

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◎76ページ “推し”のいる幸福
待ちに待った公演の日程が発表になる。私は半年先の真っ白のページをにらみ、確実に足を運べる日、遠征が可能な日を思案する。その時、命がある保証もないのに、そんなことはすっかり忘れている。未来の一点に、自分の足跡を刻むように、公演名を大きな字で書き込む。その一行が、人生を先回りし、光を放ちながら私を待ってくれているような、小さな幸福を感じる。
さあ、いよいよ当日がやってくる。その日、一回限りの、決して再現ができない、生身の人間だけが作り上げることのできる世界へ、一歩、足を踏み入れる。ちゃんとチケットを持ったか、私はもう一度ポケットを確かめる。

◎86ページ すべては奇跡
客席に入り、薄暗がりの中で自分の席を探す。チケットにあるのと同じ番号を見つける瞬間が、私は好きだ。自分のための居場所がちゃんとそこにあると、示されている気がするからだ。
いよいよ、そう、本当にいよいよ、序曲が鳴り響こうとしている。
これが、コロナ禍前の私だ。あの頃は、何もかもが当然だと思っていた。そのことを、誰に向かってかはよく分からないが、謝りたい。すべては奇跡だったのだ。

◎92ページ いつか終わる
世の中の、すべてのことはいつか終わる。恋人との楽しいデートも、夫婦喧嘩も、つまらない仕事も、病気の苦しみも、本人の努力とはまた別のところで、何者かの差配により、終わりの時が告げられる。
だから、別に怖がる必要などないのだ。どっしり構えておけばいい。終わりが来るのに最も適した時を、示してくれる何ものかが、この世には存在している。その人に任せておこう。そう思えば、いつか必ず尽きる寿命も、多少は余裕を持って受け入れられる気がする。

内田百閒 大手饅頭
ブラフマンの埋葬
最果てアーケード
小箱
夜と霧

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2022年01月16日

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「ふと」「到来もの」「赤ちゃんの耳の発見」など、きめ細かい観察力が生み出す小川洋子の世界です。どこか向田邦子の世界。小説よりエッセイのほうを優先して読みたくなります。

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2024年03月30日

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大好きな小川さんのエッセイ集。
小川さんのあの不思議な小説たちは、こうやって生み出されていったんだな、と知れてよかった。
やっぱり小説家の方々は、普段接している物事に対しての感じ方が私たちとは違うんだなーと思った。

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2024年03月05日

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台風接近中。小川洋子さんとまどろんでいます。好きな作家さんのエッセイを読むと、たいてい読んできた本が紹介されてます。私の好きな人を作った人はどんな人だろう、と芋づる式に世界が広がります。内田百閒さんを初めて知りました。ちなみに、小川洋子さんは、ある学校の図書委員に招かれて、中学1年生から高校3年生までの少年たちとお話したことがあるそう。その帰り道の出来事。こんな、素敵な中1いる?すぐ好きになるわ。と言っても、こんな素敵な男の子は誰にも気づかれず、ひっそりと存在しているのかもしれないけど。

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2023年08月01日

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お気に入りの作家さんのことをもっと知りたい。
そのためにはエッセイを読むのが一番だと思っています。
いくら作家でも、エッセイは創作ではないと思うからです。
そんなわけで今回は小川洋子さん。お気に入りの作家さんです。
本作でも、日々のそして過去の小川さんを垣間見ることができます。
以前は散歩をするとおっしゃっていたが、ジョギングもされるんだ。
かなり熱烈な阪神ファンなんだ。
ふーん学生時代はそんな感じに過ごされたんだ。
家族構成や、趣味など、情報満載。
そして今回特に興味深かったのが、一つの作品の成り立ちのもととなる取材の様子。
アッこれは、あの作品になったんだな、こんな取材されてたんだなと、思い当たるものがあるのです。
小川作品を読んで、こんな題材どのようにして思いつくのかと常々思っているわけですが、ちゃんとそのもとになるものがあるようです。
最後にこの先、何十年時を経ても、人々の心に残る言葉を紡いでいきたい、というようなことをおっしゃっていて、ファンとしては心強く楽しみなことであります。

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2023年06月26日

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エッセイ集。阪神ファンだったり遠征するほどミュージカル俳優にはまっていたり、意外とミーハーな一面も伺えてホッとする。小説に対する真摯な思いにも共感。

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2023年04月23日

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感想
生活の隙間に落ちている眠り。昼寝は誰にも話されず知られない。こっそりとするところに楽しみがある。自分だけの経験として胸の中にしまっておく。

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2023年01月12日

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ネタバレ

小川洋子さんのエッセンスがギュッと詰められた宝石箱の様なエッセイ集。
表紙、見開きもしっくり馴染み素敵です。

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2023年01月09日

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久しぶりに美しい文章にふれた感じがしました。
エッセイという短い文章のなかに、伝えたいこと、感じたことの全部が優しく心地よく響いてきて、あっという間に読んでしまった。
なかでも「涙もろい」がお気に入り。何度も読み返してしまいました。

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2022年07月25日

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たった数ページのエッセイ 文章なのに時々わっと衝撃をうけるような一文があったり、綺麗な言葉に心癒されたり ほろりと涙が溢れてしまったり、色々な感情を突き動かしてくれるような本だった。
でも小川さんからすると、文章を光らせたのは作家ではなく私自身。なんかどこまでも綺麗な心の人だなと思う。

小川さんの見てる世界を少し知れるような そんな本。私も楽しく生きてるつもりだけど、小川さんの見ている世界ってもっと楽しそう。
もっと色々みて 感じて 生きていきたい

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2022年06月07日

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機内でのCAの心配りをスケッチした「幸福のおすそわけ」、吠え続ける犬を怖がる母親を「でも女の子だよ」と宥める少年「小さなナイト」、閉業する本屋への思いを綴った「本屋さんの最終日」など、日常で出会う優しさに触れたエッセイ。後半にあるユダヤ人収容所の中で人間らしさを失わない人々を綴った二冊の本を紹介した「答えのない問い」は、文学者としての責任と覚悟を示した秀逸なエッセイで、読み返さずにはいられませんでした。

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2022年06月06日

Posted by ブクログ

小川洋子さんのエッセイ。
最初はとても身近な出来事やエピソードが2,3ページで短くまとめられたものが多く、段々と小川洋子さんの本にまつわる話も出てきたりして、読みやすく、そして興味深かったです。

作家は生きているいつの瞬間も、作家としての観察眼を持っているものなんだなぁ、そしてそれをこうして文字にできるのだから、やっぱり素晴らしいことだなぁ、思ってしまいました。

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2022年03月05日

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本屋で美しい装丁に一目惚れ。
無類のエッセイ好きのわたしは即決しました。
小川洋子さんの小説を読んだことがなかったのですが、
このエッセイは癖のない文章でスルスルと読んでしまいます。
クスッと笑ってしまうユーモアと誰もが身に覚えのある日常が書かれており、優しい祈りのようなメッセージは、特に疲れてヘトヘトな日や体調が優れない日にゆっくり読むのに最適でした。

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2022年03月04日

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小川洋子さんのエッセイ。すごく身近に感じる内容と、どこか不思議な内容とが絡まって独特の世界観だなぁと感じました。作家さんのエッセイは、親近感がわくのでとても好きです。

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2022年01月10日

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遠慮深いうたた寝、っていう言葉がど好み!
言葉は真実を表現する道具としてどこか不完全なのかもしれないこと、

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2024年04月07日

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つまり私の中では、息子も弟も犬も一緒なのだ。生きている者も死んだ者も、人間もそうでない種類も、大した違いはない。自分にとって大切な存在、という意味では皆同じ。三人ともが、十二歳の少年のように素直で、元気よく、愛らしい姿のまま、記憶に留まっている。
(P.22)

 ステップを踏んで懸命にメスに求愛する熱帯の鳥や、尻尾を振るだけで最大限の喜びを表現する犬や、深い海の底で歌をうたうクジラ。彼らと、言葉を操る人間と、どちらが優れているか誰にも決められない。言葉の届かない場所にも、世界はちゃんと広がっている。
(P.112)

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2024年04月19日

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集会、胆石、告白
読者の働きがあってこそ
最果てはどこにある
言葉と小鳥
恋をなくした時に読みたい本
特に好きだったのはこのあたり

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2023年12月06日

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小川洋子の考え方のクセみたいなところが覗けるようで楽しいです。
よくこんな次々と想像が膨らむなあ…これであの作品を書き上げたのか…と納得するところも。動物や子ども好きでよく観察しているところはやっぱりそうですよね!と嬉しくなりました。

短いエッセイが多くて、「もう少し深掘りして欲しいな」ってところで終わるのが多くてちよっと惜しい気もします。

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2023年05月25日

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神戸新聞に連載しているとは羨ましい。
田舎の地方新聞には、文学としての楽しみがあまりないことをあらためて痛感する。

3部編成の最後「読書と本と」
ここはエッセイというより、少し短編に近い著者らしい作品っぽいものも。
内田百閒のお話、同感します。そしてなんだか共有出来てうれしい。

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2022年09月30日

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ネタバレ

小川洋子さんのエッセイ集。
子供の頃の思い出から、好きな本や手芸、タイガースなど小川さんの好きなこと、科学技術のことまで、実に幅広いテーマで書かれている。

小川さんが、亡くなった両親にしてあげたかったことや、祖母の幼い孫に対する態度に思いを馳せて書かれたエッセイに、強く共感を覚えた。
本屋の子供に憧れていたというのも、同感。

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2022年09月04日

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日々の出来事、思い出、創作、手芸、ミュージカル・・・温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く。2012年から現在まで続く「神戸新聞」好評連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」を中心に、約10年間に発表されたエッセイの中から厳選し、「手芸と始球式」「物語の向こう側」「読書と本と」の4章で構成する珠玉のエッセイ集。
実は小川洋子さん、初めて。こんなに有名な方なのに読んだことがなかった。陶器のような表紙が素敵すぎて一目惚れ。こういうデザイン、すごくおしゃれ。内容は、さすが作家さんって普段からこんな面白い視点で物事を見ているのかーと思う場面がちらほら。タイトルも内容も、短いのにすっと心に入ってくる不思議な引力のある文章でした。今後は小説も読んでみたい。

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2022年06月04日

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手に持った時にひんやりと感じる本です。
美しい装丁が、小川さんのエッセイを護っているようです。

                         
「よくがんばったね」…           
過去と現在を肯定する優しさにあふれている


世の中の、すべてのことはいつか終わる。…
本人の努力とはまた別のところで、何ものかの差配により、終わりの時が告げられる。


再読には意味があるのだと思う。百年でも二百年でも小説は、書かれた時のままの形でそこにあり続ける。にもかかわらず、読み手の成長や社会の変化によって、見せる姿が違ってくる。その時必要とされているものを、
差し出してくれる。



小川さんの日常を紡いだ言葉が、今の私を
励ましてくれます。
自分が欲しい言葉を見つけては、ゴクゴクといただきました。


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2022年05月30日

Posted by ブクログ

著作は「博士の愛した数式」しか読んだことないけれど、去年確か「読書芸人」で取り上げられていて興味を持ちました。
いろんなところで書かれたエッセイをまとめた本で、どの話も約2、3ページで綴られているけれど、その短い文章の中にも小川さんの審美眼と世界観がぎゅっと詰まっていて引き込まれました。
あとがきに、「どのエッセイも文学のない世界では生きられないということを告白している」とあり、だから引き込まれたのかなと思った。
小川さんの小説ももっと読んでみよう。

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2022年04月09日

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小川洋子さんがあちこちに書いたエッセイを集めました~タイトルだけⅠ遠慮深いうたたね○集会,胆石,告白○地雷だらけの世界で○廊下の足音?○名前の不思議○ショパンと少年○幸福な彼ら○小人か妖精の仕業○業務日誌○豆ご飯とボブスレー○小さなナイト○宇宙時間○ミス・ミス・ミス○ラブの毛○君の瞳○野菜とお喋り○記憶の地層○言葉を捨て去る○とんかつ○生きる力○私だけの王国○もう一つの人生○ただそこに,いてくれるだけで○大人になること○死者と聴くバッハ○涙もろい○白い影○ブンちゃん○母親のチキンスープ○“推し”のいる幸福○ミリアム○終わりの予感○文章を光らせるもの○幸福のおすそわけ○すべては奇跡○本屋さんの最終日○読者の働きがあってこそ○いつか終わるⅡ手芸と始球式○手芸と始球式○指と果物○私に必要な忍耐○欠航と化粧品と号泣○二つの日付○素数は私を裏切らない○小石を拾いに○秘密の友情○到来ーはるか遠くの美味しさ○ふとーつい使いがちな「毒」○好きなもの○細分化○下柳投手の住所○行列からはみ出す○学校の行き帰りに通る本屋さん○幻の野球観戦Ⅲ物語の向こう側○干刈さんの指○二次会へ○川と私○フーヴォー村の小学校○他人の記憶を自分の物語に○図鑑と空想○最果てはどこにある○言葉と小鳥○琥珀の完璧な王国○忘却の地層へ○『小箱』をめぐる旅○骨抜きのジョギング○この夏Ⅳ読書と本と○官能とユーモア 田辺聖子『ジョゼと虎と魚たち』○恋をなくした時に読みたい本○内田百閒「件」 くり返し織り直される布○『きかんしゃ やえもん』○十七歳ベスト3○平然とした文学○なつかしい一冊○『トニオ・グレーゲル ヴェニスに死す』(トーマス・マン著/高橋義孝訳)○答えのない問い○私の偏愛書 リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』(藤本和子訳)~友達作りの下手な岡山の女の子が色々な本を読んで想像力を蓄え,早稲田で学び(思い出が少ないのかな?思い出したくないのかも知れない),結婚し,社宅に住みつつ,小説を書き始め,賞を貰って,朗読会をやり,海外にも招かれても,普通の小母さんであり続けて,最近はミュージカルに嵌まっている

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2022年03月24日

Posted by ブクログ

あとがきに全て私がここに感想として書きたい事が書かれていました。エッセイと一括りにしてしまうのは少し違うと思いますが、それでも小川さんの日常の一コマや考えや思い、過去作の話が詰まっていました。中でも小石を拾いに、は何処までが本当で何処までが妄想で何処までが小説なのか、もっと続きを読んでみたかったです

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2022年01月21日

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