【感想・ネタバレ】虚構推理 逆襲と敗北の日のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年02月02日

岩永琴子は人間であったが、知恵の神と成った。という根本の設定が、ここに来て揺らぐのが恐くて面白い。六花とのやり取りで動揺させられ、その後の九郎の返答で更なる衝撃を与えられるのだから、この作品は楽しいし、この作者は恐ろしい。三人の行く末が気になってしょうがないけれど、岩永が悲しい目に遭うのはちょっと嫌...続きを読むなので、もうしばらくは三人の秩序が乱れないでいて欲しい。好きなシリーズは、長く読み続けていたい。

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明かされる九郎の想い

2024年03月28日

今までは真情を吐露することがなくベールに包まれていた九郎が実は色々と考えた上での行動をとっており、岩永琴子に対して非常に献身的であったことが明かされた一方、岩永琴子の知恵の神としての冷酷な一面が見えた話でもあった。

#切ない #深い

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Posted by ブクログ 2024年03月28日

今までは真情を吐露することがなくベールに包まれていた九郎が実は色々と考えた上での行動をとっており、岩永琴子に対して非常に献身的であったことが明かされた一方、岩永琴子の知恵の神としての冷酷な一面が見えた話でもあった。

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Posted by ブクログ 2023年07月04日

 今巻は桜川六花さんの戦う相手として、いつも以上に岩永琴子の情が欠けている様な部分が目立つ話でした。

 桜川六花さんも九郎先輩も、岩永琴子の情をない正しさを知っていて、その先に待つ未来をも察しているにも関わらず、本人だけがそれに気付いていないのが、後味の悪い結末になりそうで不穏さを感じさせました。

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Posted by ブクログ 2022年02月18日

山中に現れ人を襲うキリンの亡霊。その亡霊に襲われた青年を助けた六花の真意は?
今回は長編。岩永の知恵の神としてのあり方を問うものだった。九郎が見えないところで岩永を大切にしているのが本人に伝わっていないのが切ない。

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Posted by ブクログ 2022年01月01日

アニメから入ったのだが、原作も面白い。新刊は時事ものしか買わない私が、読みたさが高まり購入してしまった。買って大正解!続き物なので一作目から読まないとダメですけどw

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Posted by ブクログ 2022年04月02日

剛人七瀬のような、解決のために直接的な勝負があるわけではなく、あくまでも秩序を守るための虚構を構築する話。

六花さんや九郎、それぞれの思惑が見えてきて、どのような展開をみせるのか楽しみです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月18日

 ミステリーとは理屈っぽい読み物だ。本作は、理屈っぽさを体現した『虚構推理』シリーズの最新長編である。自分はこのシリーズの大ファンというわけではないが、何か惹かれるというか引っかかるものがあるのは確かだ。

 琴子と九郎のコンビと、九郎の従姉である六花(りっか)。キャラクターの説明は省く。主要3キャ...続きを読むラクターの三つ巴の関係が、シリーズ中でも最もクローズアップされている印象を受ける。特に、琴子と六花の敵対関係が。

 プロローグ的な第一章。琴子と六花は敵対関係と書いたが、ここでは行動を共にしてある案件に当たっている。このネタで長編にしようと思えばできそうだ。彼は罪を犯したが、六花と遭遇することになったのは同情の余地があるか。

 第二~四章が本題。山中での連続転落死事件に居合わせた六花は、容疑者になっていた。知り合いとして警察に呼び出された琴子と九郎。生き残った青年が六花に語った、3人の転落死の真相とは。裏表紙に思い切り書いてあるけども…。

 当然、こんな真相を警察が受け入れるわけがない。琴子の仕事は、警察が納得して処理できる筋書きを描くこと。退治すればよいという単純な話ではない。六花の無実を証明しつつ、六花を出し抜くという、ある意味矛盾を孕んだミッションと言える。

 要するに納得するに足る嘘をつくわけだが、そのためには真相がわかっていなければならない。化け物には化け物の、人間には人間の重い背景が明らかになっていく。シリーズに共通した構図だが、最適解は毎回違うので、退屈させないのがミソ。なお、ハッピーエンドかどうかは琴子の知ったことではない。

 サブタイトルに「敗北」とあるのだが、うーむ、敗北とはそういうことですか。六花の切なる願いとは。少々言葉に詰まったところで、信念は揺るがない琴子。今回もほぼ前面に出ず、琴子とも六花とも等距離を保っている九郎は、何を思う。

 理屈の応酬が読みどころのシリーズではあるが、九郎と六花の本音が垣間見える第五章こそが、シリーズの今後の鍵を握っているように思う。いずれ九郎自らが前面に出るとき、只事では済まない展開が待っているのではないか?

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Posted by ブクログ 2022年01月06日

物語面の感想は既に漫画版でしているので、ここでは漫画と小説で受け取った印象の違いやエピローグについて述べようかと


まず第一に意外に思えたのは『見たのは何か』における琴子の心理面かな
漫画を読んだ際には仮説を述べ合う事に拠って六花の力や考え方の傾向を測っていると受け取っていたのだけど、小説のモノロ...続きを読むーグを読む限り、積極的にそういう仕掛けに出ていたわけではないのか
まあ、意識に上らないレベルでやっていた可能性までは否定できないけど

『見たのは何か』においては六花の脅威度を重く見ていなかった。だから彼女の行動を制限する必要まで感じていなかった
けれど、鋼人七瀬事件を経た後の『岩永琴子の逆襲と敗北』では必要以上に六花を驚異に感じていると読み取れるね。既に六花が虚構を利用して秩序に反しようとした前例を知っている。だからこそ、六花が今度も何かしら仕掛けてくると決めつけ、それが最後の罠に繋がってしまったと見るべきなのだろうね


漫画版では琴子を精神的に追い詰めに追い詰めた六花のロジック。小説版においても琴子を追い詰めているのは変わらないけれど、詭弁を通す余裕を琴子は残しているように受け取れたね。これは漫画版に比べて六花のロジックによって受けた衝撃が少ないという事ではなく、小説においてはこのシーンが真の解決編として機能しているわけではないから、物語の比重が薄れた為かな

だから『岩永琴子の逆襲と敗北』における解決編は丘町の真意を解説するシーンでも、六花が計略を明かすシーンでもなく、エピローグにて九郎が心の内を話すシーンが該当するのだろうな
六花は目的の驚異になる人間として琴子を測っていたけど、九郎は一人の女の子としての琴子と同時に知恵の神としての琴子も測ってきたんだなぁ。知恵の神という機構として琴子が自分をどう見ているか、そこにどんな誤解があるかを把握しつつ、琴子をか弱い女の子として大事にしようとしている
もしかしたら九郎は岩永琴子を本人以上に理解しているのかもしれない。まあ、その代わりに琴子が自身に向けている感情をどこか測り間違えている気もしてしまうけども

こうして九郎の真意を知った上で振り返ってみれば、『鋼人七瀬』終盤において紗季に語っていた九郎の言葉はシリーズ通して一貫した九郎の信念だったのかもしれないと思える
この視点に立って物語を再度見直してみると、それぞれのシーンにおいて慈しんでいるのか邪険にしているのか曖昧だった九郎の行動理由も事細かに見えてきたりするのだろうか?


虚構を操り秩序を保つ岩永琴子。それが今回、岩永琴子を構成する大切な恋心が虚構である可能性が示された。けど、その虚構が岩永琴子のささやかな幸福を支えている
まるで悪い夢の中にいるかのようなロジック。でもひとまず琴子は無意識的であってもその虚構を守る為に六花に敗北した。これによって何かを失う結論は変わるのか、変わらないのか。今後に本当の意味での『逆襲』が待っている事を願ってしまうね

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Posted by ブクログ 2021年12月31日

六花さんが何を考えていたのかが明らかになる長編。まさかそうくるとは。
そして、思っていた以上に九郎が琴子のことを大切にしていたことと、それと反比例するように来たる未来が中々険しそうで、ピリっとしたストーリーだった。丸く収まる未来が見えることを祈りたい。

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不穏なサブタイトル

2021年12月22日

今回はめちゃくちゃ不穏なサブタイトルなので、展開が気になって仕方なかったです。

推理パートはある程度、予想通りの展開に拍子抜けしましたが、ラストの六花さんとの交渉は危機迫る物が有りました…

知恵の神の立場上、そうする必然性は有ると考えていましたが、他にも解決策は在りそうと自分は楽観視していました...続きを読むが、改めて知恵の神の立場の残酷さを突き付けられた琴子の心情にはやるせなさを感じました…

そして九郎の考えも…

誰にとっても幸福な未来が有ると良いのだけど…

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Posted by ブクログ 2022年01月06日

――

 つけ麺頼んで、あんまりしっかりしたつけ汁じゃなくてただラーメンの麺が最初は外に出てるだけだな…みたいなのだとある程度美味しくてもラーメンにしときゃよかった、ってがっかりするときありませんか?



 友人と一億総小説家時代の話をしていて、まぁやっぱり小説って敷居が低くて奥が深いんだよなぁと...続きを読むなったのだけれど、じゃあそれこそ漫画みたいに原作と文章と分けるような風潮になっていくのかもしれない。おはなしを作れるのと文章を書けるのとは大きく違っていて、しかもそれをひとつの長編として纏めるには、また別の能力が要る。
 場合によっては「雑に書く」ことが必要になる一方で、小説でなければ、文章でなければ現せないシーンが確かにあって…まぁそれが全く無いものを切り捨てていくほど過激ではないけれど、期待しているところがあるとそこそこ残念だったりもする。


 まぁぐだぐだ何が云いたいかというと、途中何度か漫画なりアニメなりで済ませればいいかな、と思って読み進めてました。文章力が云々ということではないんだろうなぁ。
 小説的な見せ方、魅せ方みたいなものを、この頃強く感じている。漫画的なものは、そのまま文章にするとなんだか単調で、くどくなったりするしね。


 けれど最後の最後、琴子と六花、六花と九郎のそれぞれふたりのシーンはしっかり読み応えがあって、とても良かったです。
 なんとなく九郎くんが思っていることは解っていたけど、琴子のほうも先刻承知だと思っていたわ。
 そのあたりどうなっていくのか。まぁ小説で揃えるかなー。いまから漫画買うのもだし。


 ☆2.4




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