【感想・ネタバレ】あなたに安全な人のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ストーリー自体は盛り上がりのあるタイプではなく、鬱々とした日常を書き出している。読み手によって受ける衝撃の度合いが異なるタイプの小説だった。何かしら脛に傷のある人じゃないと、読んでもつまらないかも。この物語の登場人物達は家族や職場、地域などのコミュニティから受け入れられなかった人々なんだと思う。それでも誰かと共にある安心を求めたから、よそよそしくても2人の生活が始まったのかな。自分が罪を犯したのではないかという不安を打ち消しながらの暮らしとそれぞれが抱える孤独、コロナ禍の生活が辛く感じられ、湊かなえよりよっぽど読後感がイヤ。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

 誤解がひとり歩きして自分とは違う自分がさも本当のように語られる。それはいつの世にもあるのかもしれないけど、ネットが普及した今、そういうことは増えているのかもしれない。
 誤解された者は誤解された者のことがわかるのだろうか。もしそうだとしたら、誤解されることは怖いけれど、そういう人が増えていくことで噂ではなく本人を見つめることのできる人が増えるのだろうか。希望的観測をもってしてみても過渡期を超えるのは辛いことだな。

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2022年10月06日

Posted by ブクログ

 地方都市にあった、コロナ禍初期の東京からの帰省者に対する差別を描き、孤独な心を引き出している。
そんな空気が感じられるからか、読んでいる間はいつも曇り空や雨が降っている気分だった。
 妙と忍の孤立している2人が、お互いに干渉せずに同居するのは、それが安全だからなのか。

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2022年10月04日

Posted by ブクログ

身近にいた人間の死に、もしかしたら自分が関わっていた「かもしれない」。判然としない過去の事件の記憶に囚われ、他人との関わりと遮断してひっそりと暮らしていた2人の男女が出会い、顔を合わせずに一緒に暮らすという奇妙な関係を育んでいく。
読みにくい文章だなぁ…とずっとしかめ面で読んでいたように思う。すごく独特な文章。本を読んでいるというか、か細い囁きを聞いているような。男女が交互に語る形式で物語は進んでいくのだけれど、章に分かれているわけではないのと、2人のキャラクターが似ているのとで、あれ今どっちの話だっけ?と何度か戸惑うことになった。でも読み終わったとき、わたしはこの物語が、この静謐で奇妙な文章が、けっこう好きだと思った。誰かにとっては「危険」な人物でも、ある環境、ある人間関係においては相手に安心をもたらす存在になり得る、というテーマには大いに共感した。ちょっとこの作家さん、気になる。他の本も読んでみたい。

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2023年09月06日

Posted by ブクログ

救いのないような過去をもつ2人の男女が、お互いの過去を見つめ合って、奇妙な共同生活を送る普遍的なお話です。家主である妙の徹底した共同生活の
ルールには、コロナ禍で生きる人たちの葛藤が感じられました。もしも自分が感染してしまったら、周りの人たちに、どんな目線で見られるのだろうか。
地域にとっての「感染1号」は、どんな意味を持つのか、コロナ禍での生きづらさを上手く描いている
と感じました。

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2022年10月03日

Posted by ブクログ

秘密を抱えた女と男の同居生活。世話をしているようで自分も支えられている女。なんとも不思議な空気感。震災とコロナが微妙に影を落とす。「世の中は知らない方が心穏やかに日々をやり過ごせそうなことに溢れていて、ただでさえ疲れる」連日の戦闘報道から目を背けがちの日常。

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2022年04月20日

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