【感想・ネタバレ】青髯殺人事件のレビュー

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女子大学生の名探偵

四篇の短編小説が収録されている。女子大学生名探偵康子が活躍するシリーズ物で、「そんな筈がない」の続編として世界観は共通している。トリックというような大袈裟なものはないので、軽い調子で読み進めることができるが、昭和30年代の空気を感じさせる描写が時々あるのは興味深い。例えば、その頃流行していた、よろめきという言葉がどうにも好かないと登場人物に喋らせている箇所は、三島由紀夫の「美徳のよろめき」が世相的にも文学的にも、話題だったのだろうと推測させる。娯楽小説にも清潔な倫理観を貫こうとした藤澤桓夫らしいとも言えるが、珍しくわかりやすい意見表明とも取れる一節であった。

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2022年03月27日

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