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Posted by ブクログ
奇しくも『こどもサピエンス史』とも『僕らが学校に行く理由』ともつながりのある本だった。「貧困」「飢餓」「環境」といった社会的な課題の解決という視点を与えてくれるという点についてだ。
『こどもサピエンス史』は、世界を平和にも不公正にもしてきた人類の賢愚の歴史を描き出し、知恵を使って協力することの必要性を訴えていた。
『僕らが学校に行く理由』では、平和な世界を創るために、学び、相手と眼差しを共にすることの重要性を描いていた。
そして本書では、「食べ方」という視点から、飢餓や環境問題を解決するための具体的なアクションへと読者を導いている。
まず、世界や日本の食品ロスの現状を知ると驚く。世界の食糧生産量の3分の1が捨てられているとうこと。日本では年間で東京都民が1年間で食べている量の食品を捨てているということだ。
食品ロスの問題点についても、「食べ物がもったいない」「大切な命をいただいている」程度の認識を、この本を読むことで深めてくれる。
・お金。ごみ処理にかかる費用には税金が使われている。それを少なくできれば教育や福祉等にお金を回せる。食品のごみ処理にかかる費用は年間約8000億円(推定)。
・環境負荷。食品ロスを出した分、ごみを焼却処分する際の環境負荷が増す。特に食品ごみは、水分を多く含み、重たく燃えにくいため、負荷が大きい。
何気なく食品を捨てている行動は、けっこう罪な行動なのだとわかり意識が変わる。では、どうすれば食品ロスを減らせるかという視点でも示唆が多い。
・スーパーで手前から取る(当然)
・商品表示の仕組みをちゃんと理解しておく。(賞味期限が過ぎたからといってすぐに捨てない)例えば卵は夏場の賞味期限を冬でも示していると初めて知った。賞味期限が多少過ぎても加熱して食べれば問題ない。
・多く作り過ぎない(家庭での食品ロスの理由の約70%が「量が多い」)
・過剰除去をしない。(ピーマンは切って中の種を出さずにそのまま調理してもおいしい)
・家にある食品をチェックして、買い物リストを作って、ないものだけ買う
・あるもので創る
・食材の切り方や保存方法を工夫する
などなど。
1世帯4人家族の家庭の食べ物の廃棄量は年間6万1千円。この分の食品のごみ処理にかかるコストは4000円。つまり、1家庭で6万5千円ものお金を捨てているそうだ。結構な額だな。うちもそのくらいなんだろうか。と、身近な数字がいろいろ提示されているのもいいところ。
「食べ方」を見直そうと思える本。
Posted by ブクログ
具体的にどこでどのような食品ロスが起きているのか、わかりやすく解説。どうしたら減らせるかのヒントも。
少しでも焼却ゴミを減らすことが日本の課題ではないかと思っているので、生ごみをどうするかは大きな課題だと思って読んだ。食品を生ごみにしないためにできることをできるだけやっているが、個人的にはやはり限界もある。
取り組みを紹介するだけではなく、社会を動かすように声を上げていく必要性についても述べられている。
Posted by ブクログ
#SDGs時代の食べ方
#井手留美
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#筑摩書房
食品ロスの問題。
消費者の5つの責任
③社会的関心 自らの消費活動が他者に与える影響、とりわけ弱者に及ぼす影響を自覚する責任
④環境への自覚 自らの消費行動が環境に及ぼす影響を理解する責任
知らなかった。深刻な社会問題ですね。