感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読み終えて、少したって、収録されていたタイトルを眺めてみる。どれも味がある小説で「あぁ、面白かったなぁ」と密かに幸せな気分になれる。もちろん読んでいる最中も楽しめるのですが、じわじわと染み込むおもしろさ、と評した方が、なんだかしっくりきます。
そんな不思議で奇妙な物語19篇を収録した本書は、R・A・ラファティのベストコレクションその1。その1ということは、その2もあるようで、本書は「アヤシイ篇」で、その2は「カワイイ篇」とのこと。カワイイ篇も超気になる。
「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」をはじめ、本書では<不純粋価額研究所>シリーズが計3篇収録されている。このシリーズ、ばからしくてとても好き。
表題にもなっている「町かどの穴」は、その癖の強い文体もあって、アヤシイ篇の幕開けを飾るに相応しい作品かと。その他、「どろぼう熊の惑星」や「山上の蛙」、「世界の蝶番はうめく」、「いなかった男」、「つぎの岩につづく」あたりも印象的。もちろんそれ以外も。
カワイイ篇もぜひ読んでみよう。