【感想・ネタバレ】虚構推理短編集 岩永琴子の純真のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

 今回は第一話、第五話と人と妖怪の雪女が仲良くしている話で、この作品としては珍しく感じました。

 雪女側の視点で話が進んでいる為か、今回は虚構の推理より妖怪が介在する真相の方が魅力的に感じる終わり方をしていたのが印象的でした。

0
2023年06月15日

Posted by ブクログ

とある男に殺人の疑い。
そのアリバイを知るのは雪女だけでした。
けれど人外の彼女はその証明は出来ません。

想いと存在ががんじがらめになって身動きが取れないような相談事。
糸口とロジック、そしてエモはひとしおです。傑作。

0
2023年05月09日

Posted by ブクログ

第五話の自害の理由があまりにも好きで、読み返す度に唸ってる。『名探偵に薔薇を』の時もあった、ミステリの合間に挟まる密やかで苛烈な恋慕が本当に良い。

0
2023年02月02日

Posted by ブクログ

以前読んで感想を書き留めていなかったので再読。
雪女の短編2作と短編3作。雪女(妹)の性格すごく好きだなあ。コミカライズでは雪女キリン雪女の順だったけど、雪女のエピソードが1冊にまとめられていたの、うれしい。

0
2022年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 昨年10月に刊行されていた、虚構推理シリーズの短編集第2弾である。このシリーズ、ラノベっぽいカバーとは裏腹に中身はちっともライトではない。読み終えて思う。中身を誤解しそうな帯だなあ、これ。わざとか?

 琴子と九郎のコンビと、九郎の従姉である六花(りっか)。主要キャストは以上。琴子を前面に出しつつ、九郎と六花にスポットを当ててもいる。最新長編『虚構推理 逆襲と敗北の日』を先に読んだが、刊行順に読んだ方がよかったかも。

 第一話。雪女と交際している男性に、殺人容疑がかけられた。雪女にアリバイ証言をしてもらうわけにもいかず、琴子の出番に。厳しい口調はいつもながら、辛い経験をした男性へのエールも感じられる。んー、何だかこのシリーズらしくない?。

 短い第二話。曰くつきの現場でアルバイトをする九郎。こういう現場では重宝されそう。何しろ九郎は…。真相は往々にしてそんなもんだよねえ。

 第三話。琴子と高校の同級生だったという女性が、六花と出会った。これって偶然か? 彼女が語る、琴子がかつて手掛けたダイイング・メッセージの謎とは。うーむ、高校時代から容赦がないな。見透かされた男性が少々お気の毒…。

 本作の一押し、第四話。琴子が妖怪に迫った、恐怖の踏み絵とは。この短さに、ある意味このシリーズのすべてがある。だめだ、苦笑が止まらねえ。

 やや長い最後の第五話。また雪女? 現代に剣術を受け継ぐ青年が語った、開祖や弟子の伝説、そして悩みとは。琴子はまた納得できる理屈を捏ねるのだが、ほぼ剣豪の物語じゃないか。これはこれで、独立した話として読んでみたいぞ。さて、冷徹な現実解と、浪漫ある虚数解と、どちらがお好き?

 十分に長編にアレンジできそうな第一、三、五話と、挿話的な短い第二、四話のバランスが、なかなか絶妙な短編集と言える。第二、四話では九郎がいい味を出しているし。恋愛要素に期待しすぎると、がっかりするかもしれない。

0
2022年01月26日

ネタバレ 購入済み

ハマってしまいました

始まりはスマホの広告を見て試し読みした漫画でした。内容に惹かれ小説版を読み始めたら止まらない止まらない(^.^)「可憐にして苛烈なおひいさま」の虜です。美しい西洋人形とも紛うお姿で、下ネタ&DV全開の夫婦漫才(?)を恋人と繰り広げて笑わせてくれますが、お互いを大切に思っているところが言葉や行動の端々に見えて微笑ましいです。一見自己中心的ですが、周囲に迷惑をかけないよう気遣っている様子も垣間見えます。今後の展開が楽しみなようで怖いようで、それでも楽しみです!この短編集では第一話と最終話が雪女の話でちょっと心配したのですが、予想を裏切られハッピーエンドでよかったです。

#笑える #ドキドキハラハラ

0
2022年01月10日

Posted by ブクログ

シリーズ4作目

収録は5編
・雪女のジレンマ
・よく考えると怖くないでもない話
・死者の不確かな伝言
・的を得ないで的を射よう
・雪女を斬る


・雪女のジレンマ
人の裏切りなどの不幸続きで元妻の殺人事件の容疑者になってしまった男
当日のアリバイを証言できるのは昔冬山で助けてくれた雪女のみ
琴子さんの提示した内容とは?

何というか、人の縁で踏んだり蹴ったり過ぎないか?
親友だと思っていた人に山から突き落とされ、妻からは殺されかけ、立ち上げた会社は仲間から裏切られ
その割には飄々としているように見えるんだよね
まぁ、そんなところが却って元妻を殺そうとしていたと怪しまれる原因にもなっているわけですが

琴子さんのやった事は、後に言及される大岡裁きめいたものを感じる
試されるべきは雪女の覚悟ってことですね


・よく考えると怖くないでもない話
九郎くんがいわく付きの建物でのアルバイトをするお話

一般の人の視点では何も起こってないんだけど
実際は怪異の変化は起こっているし、そもそものいわくにしても人の意図があるという構造が面白いなぁ


・死者の不確かな伝言
何かと同じ話題を繰り返す叔父を黙らせたいという依頼
真実はどうあれ、相手を納得させつつ解決に導くのが琴子さんですよね
あと、幽霊のお引越しとかもね


・的を得ないで的を射よう
琴子さんなりの大岡裁き
というか、その予定が、妖達のせいでもっと酷いことに……

でも、マンガで読んだときも笑ったけど、小説でもあの場面でも笑ってしまった
顔面をギチギチされるおひいさまw


・雪女を斬る
最初のエピソードと合わせて雪女でまとまっている

剣術の先祖と雪女とのかかわり

怪異が存在しない現実的な虚構の説明はいつもの通りなんだけど
雪女から聞き取った本当の話をそのまま伝えるというのは琴子さんらしくない気がする
もしかして、フェイクも混じってたのだろうか?

0
2023年10月20日

Posted by ブクログ

怪異が介在する真実と、皆が納得する虚構の推理のバランスは安定して面白い。『的を得ないで的を射よう』は、短いながらも琴子の魅力が存分に分かるストーリー。読んで字の如くの“おひいさま”っぷりが癖になる

0
2021年12月28日

Posted by ブクログ

収録されているエピソードの1話から4話までは漫画にて感想を述べたような気がしないでもないので、ここでは本巻が初出となる『雪女を斬る』を中心に感想


てっきりタイトルから『雪女のジレンマ』の続編かと思いきや、突然江戸時代の剣客物語が展開されたものだから驚かされたよ
まあ、読み込んでいくときっちり『雪女のジレンマ』と関係あるエピソードになっていたのだけど

これまで琴子が事件の推理において虚構を必要としていたのは偏に妖と人の世の調和を保つため。人が妖に手を出そうとしていればそれを制し、妖が人に迷惑をかけそうであればそれを罰する。どちらにせよ琴子の基本スタンスは「妖なんて居ない」というものだった。例え居る事を明かすとしてもそれは既に妖の世界にズブズブに関わっている者に対してのみ

依頼人である白倉静也はかなり特殊な人物だね。一見すれば普通の人間。けれど、その実態は人にも妖にもなれる人物。だから静也に対して提示する解答も普段と異なるものとなる
普段は妖が関わる真実を隠し、合理的な虚構を提示して事件に関わる者から妖を隠していた。でも、妖になりうる静也に対してその遣り方は正しくない。だからこのエピソードにおいて琴子は真実や虚構以外のものも必要としているわけだね

事件は剣道家の罪状ということで懐かしの『ソードマスターの犯罪』を思い出してしまう部分も有ったのだけど、あれとはかなり話の筋は異なるもの
そもそも秘剣を会得した人物が「雪女を斬った」と吹聴している時点で怪しさ抜群。あまりに荒唐無稽だから、現代人がその光景を語るだけでは足りず、その当時を知る者に拠る回想も必要となる
それにより半兵衛の体験した物語が怪異譚ではなく恋愛譚であるのだと理解できるようになっているね。また本巻に同録されている『雪女のジレンマ』とのリンクも感じられるようになっている
それこそが真相に至る道であり、白倉静也を納得させるもう一つの要素を補完させる構図になっているね

人の世に生きる静也に対して、妖を否定する虚構だけでなく、妖を肯定する真実も語った琴子はいつもと異なるスタンスを見せる
琴子が最も重視しているのは相手を納得させ、それ以上の追求を辞めさせること。だからどうとでも受け取れる虚構と真実を同時に語り、その上で静也が恨みの果てに生まれた血を引いているわけではないと示す必要があったのだろうね
あの雪女を見る事で静也は自分が幸福の果てに居る存在だと知れた。それは何よりも静也を納得させる一手となったのだと判る解決編は素敵だったな


あと、話の内容とはそこまで関連しているわけではないんだけど、昌幸と雪女がきちんと幸せを掴めそうであった点には少し安心してしまったよ

0
2021年12月19日

ネタバレ 購入済み

雪女

今回は雪女に関わるエピソードが多めな短編集でした。
まあ、メジャーな妖怪ですしね。

短編集よりも本編を出して欲しい所ですが、いつ出るのかと…

アニメ2期が早くやらないかと楽しみです。

0
2021年11月26日

Posted by ブクログ

虚構推理シリーズ、今回は雪女との関わりを軸にした短編集…かな。曲がりなりにもというか、相変わらずの距離感で九郎と琴子が仲良く過ごしている様子は見ていて飽きない。そして、今回軸になつている雪女が琴子をおひいさまと慕う様子は微笑ましかった。
あやかしにより明らかにされた真実を、生きていくために前を向くためにうまく人間に伝えて、「うまくまとめる」のは相変わらず流石。琴子の言動が多少(?)ぶっ飛んでいても受け入れられ、愛されるのはそういう真っ直ぐなところというか、優しさによる物なのかと思うのは考え過ぎかもしれないが、そうあるといい。

0
2021年10月22日

Posted by ブクログ

アリバイ証人は雪女!?

虚構推理シリーズの短編集。 メインとして雪女関連の話が二編、琴子高校時代の話が一編。
いつものように真相は予め妖怪から聞いているのだが、態々虚構を作り披露する。 なぜ虚構を伝えなければいけないのか、そこには知恵の神として人間と妖の調和の為の優しさがある。 今回は九朗先輩はほぼお休み、雪女が怯えますので。

0
2023年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほぼ雪女が主役。
彼女のおかげで岩永琴子が凄く知恵の神らしくなっている。
相変わらず下品だけど。
そこもまた可愛い。

0
2023年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】第一話 雪女のジレンマ/第二話 よく考えると怖くないでもない話/第三話 死者の不確かな伝言/第四話 的を得ないで的を射よう/第五話 雪女を斬る
 最初と最後は雪女のロマンス。雪女も相手の人間もなかなか純情。第二話は九郎の体質を利用したアルバイト。第三話は、琴子の高校時代の友人が六花にその頃の逸話を語る形。「ダイイングメッセージ」論。第四話は「拾った」弓矢の所有権を巡る猿の争いの裁定。さくさく気軽に読めていい。
 アニメの印象が強いため、そのキャラの口調で脳内再生しながら読んだ。

0
2022年03月06日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ短かったけど第二話「よく考えると怖くないでもない話」が好きだった。雪女で始まり雪女で終わる今巻。「雪女を斬る」は長いなーと思いながら読んでた。

0
2021年12月03日

Posted by ブクログ

――

 純真さは特に感じなかった。つまりいつもどおり。



 漫画原作のため書き下ろし、というところになんだか、ビジネスライクな寂しさというか忙しなさみたいなものを感じてしまった。というのも小説としては書き急いでいるな、という部分がちらほらと見えているからで、しっかり練れば雪女にまつわるひとつの長編として、この季節にばっちりの名作になった気もするので残念だなぁ、と云う感想。

 怪異の取扱いやスタンスに関しては安定で、虚構の組み方は流石、それぞれの短編の展開も(なんだな忙しないというところは除いて)良いのだけれど、半端に要素が積み重なるのでラストに向けてのまとまりがちょっと、惜しい。
 漫画原作としては確かにこんな感じなんだろうなぁ、と思うんだけど…
 アニメ化して映像になれば面白く見られるのもそうなんだろうけど…

 なんだかなぁ。小説にせざるを得ない、という感じが無くて
 七瀬以来、そのあたりの姿勢みたいのが虚構というメインファクタとの相性バッチリで好きだったので、やはり物足りなさが勝っている。


 面白いよ?(笑 ☆2.7

0
2021年12月03日

「小説」ランキング