【感想・ネタバレ】第二次大戦、諜報戦秘史のレビュー

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Posted by ブクログ

第二次世界大戦における情報戦(ヒューミント工作)がオムニバス形式でとっつきやすく、また内容も分かりやすく示されている。

シンガポールでの日本の優れた諜報工作、インパール作戦へのチャンドラボースの影響(ボースの熱意に押された部分もあるが、その後のインド独立の源流になったと今では評価)、終戦決定前の国体護持に関するアイルランドとアフガンからの電報、小野寺スウェーデン武官の活躍、GHQと共産主義者の蜜月など。

但し、自分的に珠玉だったのは、第六章の戦時に陸軍中心にソ連崇拝・幻想化が進んでいたこと、第七章にあるように、その裏でスターリンが着々と対日参戦の準備を秘密裏に敷いていたことだった。

いずれにしても悲しいのは、筆者がこの情報を探りあてたのが英国の公文書館であるということ。敗戦時に日本は焼却してしまったが、英国にはきちんと残されている。

また、何よりも舌を巻くことは、英国は米国以外の敵味方含めてほぼ全ての暗号をブレッチェリーパークの暗号解析施設で解読していたこと。従って、本書のソースには、英国の電報のほか、日本・中華民国・ドイツ・中立国の電報も登場する。情報分析というのはこういう風に情報を多層に組み合わせてやるものだと思い知らされました。

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2022年02月26日

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